元厨二病な俺、異世界に召喚される!

回復師

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商都ハーレン編

5-7 爆買い

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 翌朝ガラさんの商会の馬車が迎えに来たのでそれに乗って商会まで案内してもらった。

「ガラさんおはようございます」
「ああ、おはよう。皆もおはよう。態々来てもらってすまないな。それと指名依頼を受けてくれたそうでありがとう」

「いえいえ、好条件ですのでいいですよ。今日は魔獣の引き渡しでいいのですかね?」
「ああ、公爵様とも話が付いたが金額は現物をうちの鑑定士が査定してからになるがいいか?」

「勿論構いません。できれば魔石を早く引渡してもらいたいのですが可能ですか?」

 答えてくれたのはガラさんの後ろで控えていた人だった。

「おはよう。俺が今回の剥ぎ取りを担当させてもらう者だが、魔石の取出しだけなら5分もあれば直ぐに取り出せるぞ? どうする?」

「ああ、それならば直ぐ欲しいです」

 さっさとナビーに渡してログハウスを完成させてほしいからね。

「じゃあリョウマ君、うちの解体場に移動しようか」

 3軒隣りの工場のような建物がガラさん所有の解体場だそうだ。工場内は冷房の魔道具が完備されていて、かなり冷やされていた。夏場に肉や素材が傷まないようにするためだとの事だが、かなりのお金がかかってそうだ。今回は王狼とサーベルタイガーという事もあって、既に室内はかなりの低温にされていた。流石というか、この辺はガラさんらしいと思った。

「まずはサーベルタイガーから出しますね」

 出した途端に数名が群がってワイワイと騒がしくなった。鑑定士3名に解体作業員7人だ。この解体専門の7人は今回の為に特別に雇ったそうだ。ガラさんの意気込みが伝わってくる。

 鑑定士が離れたら、直ぐに解体の人が胸の中心を開いて魔石を取り出した。見事な手際だ、驚いたことに出血が無い。そういうスキルで血だけを抜いているのだそうだが謎だ。おかげで毛皮には一滴も血が付いてない。

「おおー! デカイ魔石だ!」

 鑑定士たちが騒いでるけど、売らないからね!

「魔石は売らないとの事だけど、この魔石なら300万程で買わせてもらうがどうかな?」
「魔石は魔道具作製依頼で使う予定ですので、済みませんが売れないです」

「そうか、残念だ。それ以外の素材で470万だな」
「え! そんなになるのですか?」

「ああ、通常のより1回りほど大きいし、何より毛皮が完品だ。大抵は倒すのに必死であっちこっちに傷がついている。それを上手く修繕して毛皮にするのだがやはり見た目で分かってしまう。だがこれには全く傷が無いからな。当然いい値段が付く、これ以上の値上げ交渉は商会長のガラさんとやってくれ」

「別にその値でいいです。じゃあ次は狼の方です」

「「「これは!!」」」

 なんか一段と騒ぎが凄い。希少種らしいし当然なのかな?

「会長! あんたこれ只の王狼じゃないじゃないか! 綺麗な白王狼だ!」
「俺はちゃんとホワイトファングウルフと言ったではないか!」

「違うよ! ホワイトファングウルフ=白王狼じゃないぞ。白い牙の狼という意味での王狼なんだ。確かに王狼は白い毛並みのが多いが、完全に全て白いのは1割もいないと思うぞ。魔族領で最近狩った奴でも足元にブチが入っていたらしいしな」

「いったい幾らになる? あまり高いようなら公爵に相談しないとな……」
「牙も毛皮も色も完璧だ。魔石無しで6千500万って所だな」

「そんなにもなるのか!? リョウマ君、悪いがちょっと待っていてくれ!」
「いいですけど、魔石は先に貰いますね」

 と言う訳で、魔石を取り出してもらったのだが……でかい!

「こいつは凄いぞ! 風属性の魔石だな。凄い魔力を放ってやがる。綺麗な緑色だ、素晴らしい!」
「売りませんよ!」

「分かってるよ……でもこれで何作る気だ? くだらない物を作る気なら他の魔石にしろよ。勿体無いぞ」

「ちなみにこの魔石はいかほどです?」
「2千万は堅いだろうな」

「ほぇー、オークキングとえらい差が付くのですね? 同じ王種なのに」
「オークと一緒にしたらダメだよ。あいつらは爆発的に増えるから危険種扱いされるが、元々が下級魔獣だろ? たいした魔石は取れない」

 この鑑定士は物知りで、いろいろ教えてくれた。このサーベルタイガーの魔石は雷属性だそうだが、火属性の時もあるそうだ。俺的にはどっちでも良かったが、雷の方がレアで値打ちがあると教えてくれた。

 そうこう話しているうちにガラさんが戻ってきた。どうやら公爵様と連絡がとれたようだ。

「リョウマ君、公爵様だが喜んでいたよ。7千万で買ってくれるそうだがどうだ?」
「魔石無しで良いのですよね?」

「ああ、魔石無しの値段だ。毛皮は敷物に、牙は王狼はオリハルコンの剣に、虎はミスリルの剣にして欲しいそうだ。いったい幾らかかる事やら……」

「公爵様は随分お金持ちなのですね?」
「いや、彼女は公爵としてはそれ程裕福ではない。日頃贅沢をしないでコツコツ貯められたものだ。今回大好きな2人の成人の誕生日という意味も込めて奮発されているのだろう」

「そうですか、お優しい方なのですね」
「ああ、優しいお方だ」

「では、その金額で進めちゃってください。それとガラさんの所で米を扱ってないですか? 沢山欲しいのですが」
「米? 勿論有るが、俵で3つ程しかなかったと思う。この国ではパンが主食だからな」

「それ全部売ってください! あと黒胡椒・白胡椒・普通の胡椒・塩・砂糖・各種香辛料やスパイスも欲しいですね。こんな名前のスパイス有りますか? コリアンダー・クミン・ターメリック・カイエンペッパー・カルダモン・フェヌグリーク・にんにくパウダー・クローブ・シナモン・オールスパイス・パプリカパウダー・チリペッパー」

「ちょっと待ってくれ、メモしないと覚えきれない。ターメリックは置いて無いな。この辺じゃウコンと言われていて薬として調剤師が扱ってるはずだ。必要なら取り寄せるが、どうする?」

「お願いします。香辛料は大量に買わせて頂きますので、集められるだけ集めてください。後、綿花とかもあるでしょうか?」

「あるぞ、だがそんな物どうするんだ? 確か糸に紡ぐ前の物だがいいのか? ゴミや色の悪い物は取り除いてあるはずだが、なんに使うんだ?」

「まぁいろいろとですね。果物もいろんな種類を大量に買います。それと各種野菜もお願いします。ジャガイモも大量に買いますので探しておいてください。後はガラスの素材かな、鉄とミスリル鋼も少し欲しいですね」

「ミスリル鋼は高いぞ、どれくらい欲しいんだ?」
「少なくても刀が3本作れるくらいです。鉄は500kgほど欲しいですね。後は……海産物は有りますか?」

「生ものは扱ってないな。乾物なら少しは有るが、東国からの物が殆んどだな、干貝・干しエビ・干しアワビ・昆布ぐらいだな」

「昆布! それ全部ください! あ、さっき言ったやつも全部ください!」
「東国の島国からの品なので結構な値段がするのだがいいのか?」

「ガラさんの夕飯に出す品なのでできるだけ安くお願いします。今回大漁買いですし、値段を見て今後の付き合い方を考えたいと思いますので、その辺も考慮してくれると有難いですね」

「それを言われたら安くするしかないではないか……分かったよ、原価を割らない程度にできるだけ安くしよう」
「ふふふ、ありがとうございます」

「リョウマ君の交渉ってえげつないわね。高かったら不味いのだされそうで怖いわ」
「ソシアさん、何言ってるんですか。そんな事はしませんよ。ただ値段相当の材料しか使わないですけどね。横で俺たち兄妹は美味しい物を見せびらかしながら食うだけです」

「ひぇー、なんて脅しかしら」
「リョウマ君、バナムへの出発だが少し遅らせたいのだがいいかな? 『灼熱の戦姫』のメンバーにもこれは伝えて欲しい。出発が伸びた間の宿泊費はうちで全額持つので許してほしい」

「具体的にどのくらい伸びそうなのですか?」
「予定では4日後に出発だったが、3日伸ばして7日後にしてほしい。公爵家の仕事の目途を付けてから出発したいのでな」

「俺は良いですが、『灼熱の戦姫』は聞いてみないとどうか判らないですよ?」
「ん、問題ない。私が伝えとく」

「勝手にサリエさんが返事して大丈夫なのですか? 後で怒られたりとかしません?」
「サリエさんは交渉事ではマチルダさんより信頼が厚いから大丈夫だよ」

「そうなんだ、まいっか。ガラさん、俺たちは明日湿地帯に肉狩りに行ってきますので、何か用ができたら連絡はメールでお願いしますね」

「うん? レイド依頼が出てるとか聞いていないが、緊急で組んだのかな? うちに情報が入ってないとは珍しいな」

 ガラさん、サラッと凄い事をおっしゃる。街の事は全て知ってるみたいな口ぶりだ。

「俺たち兄妹とマチルダさんとこだけで行きますので、レイドPTと言っても8人ですね。狩った獲物はガラさんの所に優先してあげますので、ギルドに行く前にまずこっちに見せにきます。欲しいのがあったらギルドにまた依頼を出して買ってください」

「それは期待できそうだ。でも湿地帯に行くのに8人で大丈夫なのか? って言いたいが、恐らく大丈夫なのだろうな……俺としては牛とワニが欲しい。できればナマズも欲しいな。どれも旨いらしい」

「ワニもナマズも1匹なら売りませんが、何匹か狩ったら売りますので期待しないで待っていてください」

「普通はどれか一匹でも狩れれば大収穫なのだが……まあ、凄く期待して待ってるよ!」 
「…………まぁ、いいですけど」


 ガラさんの所で爆買いしてしまった。お金が有る事は凄くいいね。


 さて、後はデートだ!楽しまないとね!
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