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出会い
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「そうだ!」
この交差点を曲がると左手に小高い丘があり公園に成っていた。
明日、花見をする予定の場所だった。
丘の頂上に大きい見事な桜の有る公園。
「よかった、まだ大丈夫じゃん。」
桜は嵐に耐え咲き誇っていた。
道路に視線を戻すと!
「人!」
『キー!!』
急ブレーキを踏んだ。
牽いてない。
衝撃はなかった。
俺は、慌てて車を降りた。
女性が横たわってた。
「大丈夫ですか?怪我無いですか?」
女性は、ムクリと身体を起こした。
少し乱れたスカートの裾を気にして赤く成った。
凄く綺麗な人。
その物凄く美しい脚から血が流れてた。
「怪我してる!病院にいきましょう」と俺は言った。
彼女はこちらに視線を移すと「大丈夫です。驚いて、勝手に転んじゃっただけです。ぶつかってませんから。」
「そんな事、関係ないよ。怪我させちゃったのは俺なんだし。遠慮しないで。」
彼女は、少し困った顔をして「家が病院なんです。それに大した怪我じゃないし。」
少し食い下がってみた、「分かりました、家に送ります。それならいいでしょう。大丈夫、人さらいじゃないよ。」
最近、この近辺で女性が行方不明に成る事件があった。
もちろん、俺は無関係だが……
すると彼女は、「じゃあ、お願いしちゃおっかな?実は結構痛いし。」
そんなこんなで、彼女を送る事に成った。
会社遅刻決定。
上司になんて言おう?
正直に事故の事を話そうか……
「あのう……」彼女が訊ねてきた。
「このバンド好きなんですか?AC/DC?」
俺はチョット驚いて「えっ……もちろん好きだから持ってるんだけど。」
「私も大好き。カッコイイよね。」
意外だ。お嬢さんっぽいんだけど、気さくな感じ。
「さっきね、桜を見てたんだ。」と彼女が言った。
「気づいたら、車が来て慌てちゃって……こけちゃった。道路から良く見えたから……あっそこを左に曲がって」
道は、鬱蒼とした森に続く道だった。
昼なお暗いその場所は、めったに地元民も近づかない所だった。
「ここでいいです。」
……これは……たしかに病院だ。
正確には病院跡地。
地元では、幽霊屋敷と言われて居る、すこし気味の悪い洋館だった。
恐る恐る聞いてみた「ここに……住んでるの?」
すると彼女は「うん……チョット気持ち悪いって思ったでしょ?」
「いや……チョットだけ」(笑)
俺は、思い切って誘ってみた。
「あの桜好きなの?もし良かったら、明日あそこで花見やるんだけど来ない?」
と言って、ポケットから名詞を出した。
すばやく裏に携帯番号を書いて渡した。
彼女は、「サゴジョー?」と言ってゲラゲラ笑い出した。
「あのう続けて読まないでくれる。『佐呉 丈』ですから。おかげで子供の頃からあだ名は河童だったけど。」
まったく、親は何を考えて名前付けたんだろう??
「ジョーって呼んで」
「えっそれじゃ括弧よすぎるよ」
彼女はまた笑い転げた。
「私、さくら。よろしくね。」
「明日は、是非参加させてもらうわ」
おれは小さくガッツポーズを入れると「じゃ、明日。時間は昼の12時に昼ごはんを兼ねて、その時間で大丈夫?」
「うん、1日中暇だから」
俺は、さっき恨めしそうに睨んだ空を眺め「春の嵐も悪くないもんだ」と心の中で言った。
この交差点を曲がると左手に小高い丘があり公園に成っていた。
明日、花見をする予定の場所だった。
丘の頂上に大きい見事な桜の有る公園。
「よかった、まだ大丈夫じゃん。」
桜は嵐に耐え咲き誇っていた。
道路に視線を戻すと!
「人!」
『キー!!』
急ブレーキを踏んだ。
牽いてない。
衝撃はなかった。
俺は、慌てて車を降りた。
女性が横たわってた。
「大丈夫ですか?怪我無いですか?」
女性は、ムクリと身体を起こした。
少し乱れたスカートの裾を気にして赤く成った。
凄く綺麗な人。
その物凄く美しい脚から血が流れてた。
「怪我してる!病院にいきましょう」と俺は言った。
彼女はこちらに視線を移すと「大丈夫です。驚いて、勝手に転んじゃっただけです。ぶつかってませんから。」
「そんな事、関係ないよ。怪我させちゃったのは俺なんだし。遠慮しないで。」
彼女は、少し困った顔をして「家が病院なんです。それに大した怪我じゃないし。」
少し食い下がってみた、「分かりました、家に送ります。それならいいでしょう。大丈夫、人さらいじゃないよ。」
最近、この近辺で女性が行方不明に成る事件があった。
もちろん、俺は無関係だが……
すると彼女は、「じゃあ、お願いしちゃおっかな?実は結構痛いし。」
そんなこんなで、彼女を送る事に成った。
会社遅刻決定。
上司になんて言おう?
正直に事故の事を話そうか……
「あのう……」彼女が訊ねてきた。
「このバンド好きなんですか?AC/DC?」
俺はチョット驚いて「えっ……もちろん好きだから持ってるんだけど。」
「私も大好き。カッコイイよね。」
意外だ。お嬢さんっぽいんだけど、気さくな感じ。
「さっきね、桜を見てたんだ。」と彼女が言った。
「気づいたら、車が来て慌てちゃって……こけちゃった。道路から良く見えたから……あっそこを左に曲がって」
道は、鬱蒼とした森に続く道だった。
昼なお暗いその場所は、めったに地元民も近づかない所だった。
「ここでいいです。」
……これは……たしかに病院だ。
正確には病院跡地。
地元では、幽霊屋敷と言われて居る、すこし気味の悪い洋館だった。
恐る恐る聞いてみた「ここに……住んでるの?」
すると彼女は「うん……チョット気持ち悪いって思ったでしょ?」
「いや……チョットだけ」(笑)
俺は、思い切って誘ってみた。
「あの桜好きなの?もし良かったら、明日あそこで花見やるんだけど来ない?」
と言って、ポケットから名詞を出した。
すばやく裏に携帯番号を書いて渡した。
彼女は、「サゴジョー?」と言ってゲラゲラ笑い出した。
「あのう続けて読まないでくれる。『佐呉 丈』ですから。おかげで子供の頃からあだ名は河童だったけど。」
まったく、親は何を考えて名前付けたんだろう??
「ジョーって呼んで」
「えっそれじゃ括弧よすぎるよ」
彼女はまた笑い転げた。
「私、さくら。よろしくね。」
「明日は、是非参加させてもらうわ」
おれは小さくガッツポーズを入れると「じゃ、明日。時間は昼の12時に昼ごはんを兼ねて、その時間で大丈夫?」
「うん、1日中暇だから」
俺は、さっき恨めしそうに睨んだ空を眺め「春の嵐も悪くないもんだ」と心の中で言った。
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