春は出会いと別れの季節

たま。

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「はじめに」という名の「まとめ」

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まず何から話そうか。

私は勉強しなくてもよい私立文系大学の三年生をここ最近迎えた。自分でいうのはなんだが、好きに恋愛をし、好きに遊び、それなりの失恋をしてきた。

今回はそんなわたしに実に二年ぶりに彼氏ができた話。

彼との出会いは出会い系アプリ。

私は当時、私が愛を注いでも返してくれなかったバンドマンとの恋愛の終わりにかなり絶望していた。きっとあの恋は、今までで一番の失恋だった。私はそんな寂しさを埋めるために異性の話し相手を求めた。

彼のプロフィールには顔は映っていなかった。だが、服装と長くも短くもない髪型が好みだった。迷わずlikeする。マッチする。彼は電話に誘ってきた。

深夜二時。私はどうアプリでマッチした男性二人とすでに電話を終えた後だった。この二人が決してあたりとは言えなかったのだ。だから彼は非常に私に刺さった。

彼と電話をするが、妙に落ち着けるこの感じ。はじめて話したような感じはしなかった。

彼は秘密が多かった、というか自分のことを多くは語らなかった。私はこの落ち着ける彼に会ってみたいと強く思うようになっていた。だが彼はなかなか会ってはくれなかった。(のちに分かるのだが、彼は以前出会い系アプリで「失敗」をしていたらしい。納得。)

電話が好きな彼と毎日電話をした。すると彼はある日、やっと会ってくれた。学校終わり、学校近くの喫茶店で初めての「」を果たした。だが、名目は「勉強」。私たちは緊張に包まれた中、向き合って勉強をした。

2人の集中が切れ、コーヒーもなくなり外へ出た。私はもっと一緒にいたかった。だから何も言わず、あたかも家の方向が同じだというように彼の家の方向へ歩いた。

彼は近くの公園に寄ろうという。私たちは寒空の夜に三時間会話に明け暮れた。恋愛の話をせずにただなんともない日常会話である。

私たちは公園のベンチに座っていた。23時。犬を散歩する人、遅めの帰宅の人しかいなかった。その横を一匹のコーギーが通った。

あの短い脚に、大きい頭。私はこの犬が大好きだ。私は口を開き「コーギーだ」と発する。すると私の言葉に重なるようにとなりから声が聞こえた。

私たちはそれまで全く違う話をしており、ひと段落ついて少しの間があった。そのタイミングで、全く同じ始まり、言葉、終わり、感情、起伏。私たちの驚きは隠せなかった。彼は驚きのあまり、立って私から少し離れた。今まで一番の笑顔だった。

私はこの瞬間、彼に恋をした。必然だった。

そこから付き合うまでの期間はアッという間だった。と言いたいところではあるが、私たちは付き合う前に恋人が持つ肉体関係をすべてしてしまっていた。さらに彼は大切な試験が控えているということで、わたしとの「交際」に踏み切れなかった。わたしの不安と彼への感情は高まっていた。

だが、彼と付き合えていない、私たちの関係は彼次第という状況の中でも私は幸せだった。好きだったから。

彼とは合計で5か月一緒にいた。ほぼ毎日。私はずっと彼の家にいた。

学校終わり、バイト終わり、飲み会終わり、私は彼の元へ帰った。




彼の友達に「どういう関係?」と聞かれ、彼が「付き合ってる」と答え、彼の友達に少しずつ認知され、やっと彼と恋人になれたころ。

私は大学のサークルの旅行終わりに彼に会うために今までで一番急いで帰った。彼がその日から旅行に行くため少しでも会いたかったのだ。

彼が教えてくれた曲を聞きながら重たい荷物に全くの不満も感じずに、彼の家に向かった。

家につき、彼を視認したとき、彼の枕元には画面が明るい携帯があった。

思えばここから私たちの関係はおかしくなっていた。


彼はいわゆる「浮気」をしていた。

とんでもない罪悪感に苛まれた彼は私に別れを提案してきた。
私は、彼が大好きで愛していたため、この提案を泣いて断った。

そこからまた私たちは普通の日常に戻った。

いや、私は戻れたふりをしていた。やはり彼のことを信用できなくなっていたのである。それが束縛・わがままという形で表れてしまった。

彼はそんなわたしに、じぶんの勉強が上手くいっていない状況に限界を感じ、わたしに別れたいと伝えた。

もちろん私はずっと断った。

実に三時間。私たちはお互いに頑固だった。

終始泣いていた私の願望は受け入れられず、ついに彼は、泣いておねがいしてきた。

「本当にごめん。もうお願いだから。」

彼はそんな涙を私にみせないように、トイレに籠った。

私はそこで気づかされたのである。

「私は愛している人を泣かせてまで、何をしているんだ」と。

ここでわたしは決心した。

今までありがとう、と告げ彼との交際関係を解消した。


冒頭に出てきたバンドマンの時と今回は全く違う失恋だった。

涙は出ない。ただひたすらに絶望。男で埋める寂しさは全くなかった。ただ一人になりたかった。

そこで私は本当に彼のことを愛していたのだということに気づいた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

彼に別れを告げられる前、私はサークルの飲み会に参加していた。

そこに私の後輩と親しい友達がいた。彼は「男」という見た目をしていた。私は「良いな」と思っていた。
(これを浮気という方もいるかもしれないが、全くその後輩に特別な感情は抱いていなかったからそこは勘弁してほしい)

彼はどうもこの時から私にいわゆる恋愛感情を抱いていたらしい。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


彼と別れて初めてのサークル。友達は私を慰めてくれた。あなたは悪くない、と。

ある男の子がお酒の飲みすぎでつぶれていた。私が「良いな」と思っていた後輩である。

私は「彼氏」という存在がいなくなった余裕にも、寂しさにも似た感情から距離感を近めに彼に接していた。

会がお開きになり、私は彼を家に送っていった。つぶれた彼を案じ、家の中まで送っていった。

私は酔ってフラフラの彼のフェロモンに充てられ理性を保つのに必死だった。

だが酔った私の理性はそこまで強くなかった。

彼に抱き着き、キスをした。

彼は幸せそうに眠った。

後日改めていわゆる「デート」をした。

彼の家の近くの公園を散歩し、その後彼の家に行ってお互い好きな映画を見た。終電はとっくになかった。

彼はあからさまに帰ってほしくない顔をした。

私はその表情に負け、彼の家に泊まった。酒の入っていない男女。これが同じベッドで寝た男女に何をもたらすかは、0か100だ。どちらを肉体関係とするか、私は100のほうが肉体関係だと思うため、私たちは大体70くらいのそういうことをした。(この中途半端な数字は過去遊びすぎた私の経験と、経験の浅い彼との満足度の差からこの数字にしている。)

一通り終わり、賢者タイムの無い彼と顔を見合わせながら、話をした。

付き合わずにそういうことをした私は「後輩に申し訳ない」という感情で苛まれていた。

彼との将来に不安を抱えているのは本音だが、未来の私に希望を持ち、私は彼に伝えた。

「付き合ってみる?」

彼はちょっと考えるような動きをした後、うんとうなずいたが、わたしからは私の問いかけに瞬間的に何度も頷きそうな表情をしていた。

彼はかわいい。見た目はその逆だが。

そんな彼に「彼女」としての期待をかけられている私は、いまだに運命を感じた元彼のことが忘れられていない。

比べたくはないが、違う部分、キスの味、体の相性、食べ物の好みの共通点、趣味。

比べるられる点は一緒に過ごせば過ごすほど現れてくる。


私はこれから、元カレとの記憶・ぬくもりを忘れられるのだろうか。そして後輩の新しい彼氏を愛せるのか。不安しかない。メンタルはどんどん私の心は抉られていく。


どこかにこの気持ちを残すという出力が、感情の安定に少しだけでも役立てばいいのだが。。。


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