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急変
117.刑事裁判2
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「柏木さん、ちょっと失礼。今は被告人への質問の時間です。被告人への質問は以上でしょうか?」
蒼空はまだまだ沢山言いたい事があるのに、国選弁護人が止めてくる。
「まっ待ってください!でも僕まだ正吾さんにも裁判官にも言いたいことが!!」
「ではまず被告人への質問をお願いします。被告人に対して質問が出来るのは今だけですよ。」
「はっはい。
正吾さん、正吾さんはじゃあ、罪を償ったら絶対に僕の元に戻ってきてくれますよね?
このまま一生会えなくなっちゃう訳じゃありませんよね?」
蒼空の余りの必死さに、正吾は胸が痛む。
「うん。蒼空くんが許してくれるなら、罪を償った後のこの先の人生は、ずっと蒼空と一緒に過ごしたいと思っているよ。」
「その言葉、絶対に忘れないでくださいね!
僕、ずっとずっと待ってます!正吾さんが無実になるって信じてるけど、もし万が一刑務所に入ったって、絶対に待ってますから、絶対に会いに来てくださいね!
僕に対して申し訳ないと思っているなら、逃げないで!お願いだから僕からは逃げないで!!
正吾さんは多分また自分を責めて、前科者の俺が居ない方が蒼空は幸せかもしれないなんて思うかもしれないけど、そんなこと絶対にないから、僕は正吾さんをずっと待ってるから、お願いだから逃げないでくださいね!
僕と約束して頂けますか?僕から逃げないって、僕に対して悪いと思っているなら、一生を僕の傍で償ってくれるって、約束して頂けますか?」
正吾の事をここまで理解してくれている蒼空。二人の間には確かに共に歩んだかけがえの無い時間があるのだと実感させられる。
「蒼空くんは私の事はなんでもお見通しだね。
そうだね。もし刑務所から出てきたら、私はまた怖くなって身を引いてしまうかもしれないところだったよ。ありがとう。
解った。約束するよ。蒼空くんがそう言ってくれるならば、刑務所から出たらまずは蒼空くんに会いに行くから。その時にまた、その時の蒼空くんの気持ちを聞かせてね。蒼空くんの気持ちが一番大事だから。
もしその時の蒼空くんがまだ俺に一生傍に居て欲しいと思ってくれているなら、一生傍に居ると誓うよ。」
正吾は自分の真心がどうか蒼空に伝わります様にと願った。決して蒼空を無責任に放り出す訳ではなくて、二人の未来をば思うほど、これ以外の選択肢が無かったんだという事が、どうか伝わります様にと。
「絶対ですからね!約束ですよ?今度は破らないでくださいね!」
「うん。約束するよ。」
蒼空と正吾は目を見て頷き合った。
蒼空は相変わらずすん、すんと鼻を啜っている。涙も全く止まる気配がない。
無言で見つめ合う二人に、蒼空の"国選"弁護人は先を促すことにした様だ。
哲也が手を回して用意した優秀な弁護士だ。今の正吾と蒼空の二人の関係ではなく、人生を通した蒼空個人の利益を第一に考えてくれる。
「柏木さん、被告人への質問は以上でしょうか。」
「はい。正吾さんとはもう大丈夫です。
でも、次は裁判官の皆さんとお話ししたいです!」
蒼空は正吾を守ろうととにかく必死だ。
「大丈夫です。柏木さん。
一旦落ち着いてください。深呼吸しましょう。
裁判官、これから被害者参加人からの事実関係や法律の適用についての意見陳述を行いたいのですが、許可を頂けますか?」
「はい。許可致します。」
その間も、蒼空の涙は止まらない。後から後からあふれ出てくる。
どうして。なんで。被害者の僕がいいって言ってるのに。なんで!こんな裁判要らないのに!
そう考えているだろう事が、正吾にも手に取る様にわかった。
蒼空はまだまだ沢山言いたい事があるのに、国選弁護人が止めてくる。
「まっ待ってください!でも僕まだ正吾さんにも裁判官にも言いたいことが!!」
「ではまず被告人への質問をお願いします。被告人に対して質問が出来るのは今だけですよ。」
「はっはい。
正吾さん、正吾さんはじゃあ、罪を償ったら絶対に僕の元に戻ってきてくれますよね?
このまま一生会えなくなっちゃう訳じゃありませんよね?」
蒼空の余りの必死さに、正吾は胸が痛む。
「うん。蒼空くんが許してくれるなら、罪を償った後のこの先の人生は、ずっと蒼空と一緒に過ごしたいと思っているよ。」
「その言葉、絶対に忘れないでくださいね!
僕、ずっとずっと待ってます!正吾さんが無実になるって信じてるけど、もし万が一刑務所に入ったって、絶対に待ってますから、絶対に会いに来てくださいね!
僕に対して申し訳ないと思っているなら、逃げないで!お願いだから僕からは逃げないで!!
正吾さんは多分また自分を責めて、前科者の俺が居ない方が蒼空は幸せかもしれないなんて思うかもしれないけど、そんなこと絶対にないから、僕は正吾さんをずっと待ってるから、お願いだから逃げないでくださいね!
僕と約束して頂けますか?僕から逃げないって、僕に対して悪いと思っているなら、一生を僕の傍で償ってくれるって、約束して頂けますか?」
正吾の事をここまで理解してくれている蒼空。二人の間には確かに共に歩んだかけがえの無い時間があるのだと実感させられる。
「蒼空くんは私の事はなんでもお見通しだね。
そうだね。もし刑務所から出てきたら、私はまた怖くなって身を引いてしまうかもしれないところだったよ。ありがとう。
解った。約束するよ。蒼空くんがそう言ってくれるならば、刑務所から出たらまずは蒼空くんに会いに行くから。その時にまた、その時の蒼空くんの気持ちを聞かせてね。蒼空くんの気持ちが一番大事だから。
もしその時の蒼空くんがまだ俺に一生傍に居て欲しいと思ってくれているなら、一生傍に居ると誓うよ。」
正吾は自分の真心がどうか蒼空に伝わります様にと願った。決して蒼空を無責任に放り出す訳ではなくて、二人の未来をば思うほど、これ以外の選択肢が無かったんだという事が、どうか伝わります様にと。
「絶対ですからね!約束ですよ?今度は破らないでくださいね!」
「うん。約束するよ。」
蒼空と正吾は目を見て頷き合った。
蒼空は相変わらずすん、すんと鼻を啜っている。涙も全く止まる気配がない。
無言で見つめ合う二人に、蒼空の"国選"弁護人は先を促すことにした様だ。
哲也が手を回して用意した優秀な弁護士だ。今の正吾と蒼空の二人の関係ではなく、人生を通した蒼空個人の利益を第一に考えてくれる。
「柏木さん、被告人への質問は以上でしょうか。」
「はい。正吾さんとはもう大丈夫です。
でも、次は裁判官の皆さんとお話ししたいです!」
蒼空は正吾を守ろうととにかく必死だ。
「大丈夫です。柏木さん。
一旦落ち着いてください。深呼吸しましょう。
裁判官、これから被害者参加人からの事実関係や法律の適用についての意見陳述を行いたいのですが、許可を頂けますか?」
「はい。許可致します。」
その間も、蒼空の涙は止まらない。後から後からあふれ出てくる。
どうして。なんで。被害者の僕がいいって言ってるのに。なんで!こんな裁判要らないのに!
そう考えているだろう事が、正吾にも手に取る様にわかった。
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