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オラネコBL編

5.交渉

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「……。そう。お兄さんも、薹が立ってる僕じゃ不満なんだ。へぇ~~そうなんだ。
 そうだよね。僕はもう育ち切っちゃってるもんね。誰も相手してくれないよね。」


「ちょっと待ってくれ。そういう事じゃなくて、これは俺の問題で…。まだ心の準備が出来ていないっていうか…なんていうか…その…。」


「別に気を遣わなくていいよ。僕、ずっと日本人に飼われてたから、日本人がショタコンだって知ってるし。

 お兄さんもそこらへんの若い子がいいんでしょ?日本じゃなかなか買えないもんね?
 僕みたいなのは、日本でも居るもんね。別にわざわざバンポクに来てまで買わないよね。」

 青年から出てくる言葉は、とどまるところを知らない。

「ちょっちょっと待ってくれ。別に俺は…そういう意味じゃ。
 君は物凄く魅力的だと思うよ?ただ、こっちの事情で、まだっていうか。」

「魅力的なら抱いてよ!僕、もう明日食べるものも無いし、今夜寝る所も無いんだ。」

「え!!それなら…それなら、一応ベッド広いみたいだから、同じ部屋に泊まる?
 でも、その…性行為はちょっと待ってくれないかな…俺、まだ…その…。」


「え?ホント!?僕を買ってくれるの?一万円??」


「あ…一万…。」


「ごめん。調子に乗っちゃった。じゃあ、五千円でいいよ。」


「え!五千円!!」


「あ~。いや。今日寝かせて貰って、明日の朝ご飯食べさせてもらえるなら、お兄さんなら別にタダでもいいよ。今晩だけサービスね。もし気に入ったら明日も買ってよ。」


「ごめん。別に値切ろうとした訳じゃ…。」


「いいよ。いいよ。俺みたいな年増が、お金とるのもおこがましいよね。」


「本当に違うんだ!突然の事過ぎてちょっと頭がついていってないだけで。あの…君、何歳?」


「……16歳。」


「あぁ~一応さ、成人している人じゃないと、その…ごめん。俺チキンで。
 だから、本当に何もしないで、同じ部屋に寝るだけ。ね?それでいい?」


「うん。解った!それでいい!ありがとう!お兄さん!!」


「うん。朝ごはんも一緒に食べよう。おすすめのお店、教えてね。」


「やっりぃ~~!!飯だ!!ありがとう!」

 青年はそのまま俺に抱き着いてきたが、悪いがちょっと匂いが…その…気になる。
 ホテルに着いたらすぐシャワーを浴びて貰おう。



 着いたところは、ほっそ~い路地の中にある連れ込み宿だった。
 本当にほっそ~い路地で、俺一人だったら、多分目の前に立っていても、ここに入ろうとは思わなかったに違いない。
 そこに入ろうとした青年を思わず疑ってしまった位だった。

 怖いヤクザにでも売られるのかと疑ってしまってゴメンよ。申し訳ない。
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