仮タイトル 異世界移動系

綺璃鵺 緋鷹

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第一章

光の中

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目を開けると、目の前に小さな少年がいた。
「また来たな。叶わぬ願いを持つ者よ」
しかし、その話し方はどこか威厳を感じさせる。
「ここは?君は誰?」
「名か?好きなように呼ぶといい。ここには滅多に人が来ない故、名があったところで誰も呼ばぬのだ」
「そんな…」
言葉に詰まるが、相手は特に気にしていそうにない。
「さて。それでお前は何を望むのか」
「望み?」
「そうだ。余はそれを叶えるためにここにいる」
「僕の望みは…」
そこで、社の前に置いてきた彼のことを思い出した。
「…ある人を探してるんです。ここに、この人が来ませんでしたか?」
僕は彼に貰った彼の兄の写真を見せた。裏には個人情報が書いてある。名前、電話番号、特徴…。しかし、目の前にいる少年は、それは全く見ずに僕をじっと見ている。
「ふむ。心優しき者よ。お前が見た夢はいずれ現実になるぞ」
「…え?」
「だが、お前の選択次第ではいくらでも変えられる。その選択の向こうに、探す相手もいるだろう」
「それはどういう…」
少年から発せられる言葉は、難解だった。
「お前が探している者には、余が試練を与えた。奴を追うつもりなら、お前にも試練をやろう。乗り越えた先、おそらくそこに奴はいる」
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