【R18】アールグレイの昼下がり ー双子の姉・乙編ー

Silence

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秘密の部屋

秘密の部屋9

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―― 気が付くときのとのベッドに横たわりシーツがかけられている。
纏うものもなく、シーツを体に巻きフラフラと壁伝いに力なく寝室からメインルームへ行くと、既にいつもの格好の乙がソファーで静かに紅茶を飲んでいる。

「乙…様…」
「!! 瀾…。
身体の方は、もう大丈夫なのか?」
「は、はい…」

返事をし終えるとカクンと腰に力が抜け、ズルズルと腰を床に付いた。
意外にもきのとは冷静で、静かになみに近づくとひざまずき瀾に言葉を投げた。

「無理をするな。
どうやら、まだ大丈夫じゃなさそうだな。
あれだけ激しく何度もしたんだ、腰が立たなくなって同然だ。
もう少し横になっていろ」
「…はぃ…」

きのとなみを抱き抱え、ベッドへと運んだ。
何故だろうか…。
乙が妙に冷たい気がする。

「どうした?」
「…ぃぇ…」

ベッドに瀾をそっと下ろすと、またベッドから離れようとする。
とっさに瀾は乙の手を掴んだ。

「?」
「…ぁ…」

なみは、気まずそうにサッと手を離し俯いた。
そのまま見送れば、また…きのとが遠くなってしまいそうな気がしたからだ。
乙は、顔色一つ変えず瀾の頭を撫でるとポツリと口を開いた。

「飲み物を持ってくるだけだ。
水分を取らないと回復するものもしないぞ。
すぐ戻ってくる」
「…はぃ…」

なみの胸がズキンと音を鳴らした。
何故、こんなに違和感を感じるのだろうか?
きのとが戻ってくるとスポーツ飲料っぽい物を瀾に手渡し、ベッドに腰を下ろしす。
グラスを両手に持つが、その中身は小刻みに波を打ってぶつかり合って居るのが解る。
乙はスルリとグラスを奪い、口に運ぶと瀾に口移しで渡した。

「ん…ふぁ~」
「1人で飲み物が飲めない程とは、よほど体力を失ってるみたいだな。
そんなに強くはないはずなんだが、瀾には強力過ぎたらしいな」

その後、何度か飲み物を口移しで受け取りベッドに横になる。
なみは、聞きにくそうにきのとに質問を投げた。
 
「乙様…、私…あれからどうしちゃったんでしょうか…」
「憶えてないのか?」
「…途中から記憶が途切れ途切れになっていて…」
「まぁ…無理もないだろうな」
「あの…私…何か変な事をしてしまったんでしょうか…?」
「何故、そう思うんだ?」
「……」

途端になみは、口をつぐみ寂しそうに俯いてしまった。
瀾の口から【】とは言えなかったからだ。
きのとが瀾の質問に答えるため、口を開いた。

「あの後、何度も快楽を求めて最後に気を失ったんだ。
……瀾」
「…はい?」
「瀾は、俺の事が好きか?」
「え…」

きのとの唐突な質問に、困惑を隠せなかった。
しかし、質問をした乙は不思議と淡々としていた。
なみは、小さくうなずく。

「そうか…」

きのとは、それだけ言うと静かになる。
なみは、乙の雰囲気に違和感が抜けないまま乙に質問を投げた。

「き、乙様は…?」
「え?」
「わ、私の事…///」
「愚問だな。
…好みじゃない女を抱くほど飢えてはいない」

普通この質問を投げれば、返ってくる言葉はたいてい想像がつくが、乙が返した言葉はそれではなかった。

「乙様は…言ってくれないんですね…」
「何をだ?」
「私の事…どう思っているのか…」
「クス、今さっき答えただろう?」
「そうではなくて…もっと他の…」
「他の…何だ?」

笑顔を作っているが、ソレはきのとから放たれていたのが解る。
何だろうか…違和感があるままなみは続けた。

「…好き…とか…」
「言葉なんてものは軽いものだ」
「でも…もうすぐ乙様、寮制の学校に編入してしまうし…好きな人の言葉なら!!
私、聞きたいんです…。
軽くなんかない…私は…乙様の事、愛し…」

途端になみのトリップ中の記憶が、物凄いスピードでフラッシュバックした。


───激しく刺激を求めながら、きのとに言った言葉…。

「ア・ア!!乙様…私、乙様の事愛してますぅ…アアン//」
「…そうか…」
「乙様は…言ってくれないんですか///私の事…」

途端にきのとの動きは激しさを増す。

「ハァアア!!あ・ア・ア・////ダ…ダメッ!!アアン//
そんなに…したら私…アア、壊れちゃう////」

絶頂と共になみの意識は、遠く離れていったのだった。


「…憶えてたら…言ってやるよ…」

きのとは静かに耳元で囁いた───


「…て…ます。だから…」

ヒヤリ…
一瞬、冷たい風が吹いたような気がする。
しかし、それはきのとから放たれていたのがすぐに解る。
なみの言葉に乙の眉間がピクリと動いた。

「…だから?」
「あの…」

乙は、冷ややかな雰囲気をかもしつつその後、何も言わずスッとベッドから離れ寝室を出ていった。
瀾は思わず体を起こしたが、乙に声をかけることすら出来ず、寝室を出ていく乙をただ見つめるしか出来なかった。
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