149 / 166
陰陽の鏡
陰陽の鏡10
しおりを挟む
この日の半日は妙に長く感じた。
夕方になり、乙が医務室に向かうと由佳が不思議そうな顔をしていた。
「乙様?野中ならさっき、乙様が迎えに来たからと言って部屋に戻りましたよ?」
「え?」
乙が急いで自室に戻ったが、その間に瀾にすれ違う事すらなかった。
「野中!?」
名を呼びながら部屋に入ったが、静まり返っていた。
部屋中を探すとベッドルームの乙のベッドの上に俯きながら座っていた。
「野中…良かった、戻っていたんだな」
乙が瀾に手を伸ばそうとした時だった。
───パシッ!!
乙の手を払い除けると瀾はポツリと呟いた。
「…うそつき…」
「…え?」
「嘘つき!!
ずっと一緒にいるって言った!!」
「野…中?」
顔をあげた瀾は涙を流し、訴えてきた。
瞳には光を帯びていた。
「呼んだから来たのに!!
嘘つき!!嘘ツキ!!
瀾って呼んだ!!!
ずっと呼んでた!!
私の名前!!なのに…なのに!!」
瀾は乙を押し退けた。
乙がよろけて腰を付くと瀾はベッドルームを出て行った。
「あれが野中…?」
乙は困惑を隠せなかった。
何故なら乙を押し退けた力は、とても一人の少女が出したとは思えない程のものだったからだ。
乙が急いでリビングに出ると、そこに瀾の姿はなく、部屋のドアが微かに開いていた。
乙は、顔に一気に血の気が引いていくのが自分で解った。
「外に出たのか!野中!!」
乙は、急いで部屋から出ると船内中を探し回った。
遊技場、甲板、パーティーホール、食堂、船内のトイレに至るまで探し回ったが瀾は何処にもいない。
「ハァハァ…こんな時、無駄に広いっていうのも考えもんだな…
瀾…どこにいるんだ…」
息を切らし、辺りを見回した時だった。
「きゃあぁあ───!!!」
船内に響き渡る悲鳴…
「何だ!まさか!!」
乙は、その悲鳴の聞こえた場所に急いだ!!
夕方になり、乙が医務室に向かうと由佳が不思議そうな顔をしていた。
「乙様?野中ならさっき、乙様が迎えに来たからと言って部屋に戻りましたよ?」
「え?」
乙が急いで自室に戻ったが、その間に瀾にすれ違う事すらなかった。
「野中!?」
名を呼びながら部屋に入ったが、静まり返っていた。
部屋中を探すとベッドルームの乙のベッドの上に俯きながら座っていた。
「野中…良かった、戻っていたんだな」
乙が瀾に手を伸ばそうとした時だった。
───パシッ!!
乙の手を払い除けると瀾はポツリと呟いた。
「…うそつき…」
「…え?」
「嘘つき!!
ずっと一緒にいるって言った!!」
「野…中?」
顔をあげた瀾は涙を流し、訴えてきた。
瞳には光を帯びていた。
「呼んだから来たのに!!
嘘つき!!嘘ツキ!!
瀾って呼んだ!!!
ずっと呼んでた!!
私の名前!!なのに…なのに!!」
瀾は乙を押し退けた。
乙がよろけて腰を付くと瀾はベッドルームを出て行った。
「あれが野中…?」
乙は困惑を隠せなかった。
何故なら乙を押し退けた力は、とても一人の少女が出したとは思えない程のものだったからだ。
乙が急いでリビングに出ると、そこに瀾の姿はなく、部屋のドアが微かに開いていた。
乙は、顔に一気に血の気が引いていくのが自分で解った。
「外に出たのか!野中!!」
乙は、急いで部屋から出ると船内中を探し回った。
遊技場、甲板、パーティーホール、食堂、船内のトイレに至るまで探し回ったが瀾は何処にもいない。
「ハァハァ…こんな時、無駄に広いっていうのも考えもんだな…
瀾…どこにいるんだ…」
息を切らし、辺りを見回した時だった。
「きゃあぁあ───!!!」
船内に響き渡る悲鳴…
「何だ!まさか!!」
乙は、その悲鳴の聞こえた場所に急いだ!!
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
せんせいとおばさん
悠生ゆう
恋愛
創作百合
樹梨は小学校の教師をしている。今年になりはじめてクラス担任を持つことになった。毎日張り詰めている中、クラスの児童の流里が怪我をした。母親に連絡をしたところ、引き取りに現れたのは流里の叔母のすみ枝だった。樹梨は、飄々としたすみ枝に惹かれていく。
※学校の先生のお仕事の実情は知りませんので、間違っている部分がっあたらすみません。
小さくなって寝ている先輩にキスをしようとしたら、バレて逆にキスをされてしまった話
穂鈴 えい
恋愛
ある日の放課後、部室に入ったわたしは、普段しっかりとした先輩が無防備な姿で眠っているのに気がついた。ひっそりと片思いを抱いている先輩にキスがしたくて縮小薬を飲んで100分の1サイズで近づくのだが、途中で気づかれてしまったわたしは、逆に先輩に弄ばれてしまい……。
身体だけの関係です‐原田巴について‐
みのりすい
恋愛
原田巴は高校一年生。(ボクっ子)
彼女には昔から尊敬している10歳年上の従姉がいた。
ある日巴は酒に酔ったお姉ちゃんに身体を奪われる。
その日から、仲の良かった二人の秒針は狂っていく。
毎日19時ごろ更新予定
「身体だけの関係です 三崎早月について」と同一世界観です。また、1~2話はそちらにも投稿しています。今回分けることにしましたため重複しています。ご迷惑をおかけします。
良ければそちらもお読みください。
身体だけの関係です‐三崎早月について‐
https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/500699060
春に狂(くる)う
転生新語
恋愛
先輩と後輩、というだけの関係。後輩の少女の体を、私はホテルで時間を掛けて味わう。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n5251id/
カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330654752443761
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる