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双子の少女
双子の少女3
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二人は母の部屋に向かい、手を繋ぎながら廊下を歩く。
もちろん先に手を差し出したのは輝李の方だ。
輝李と乙が一緒に居れる時間は、お茶の時間と学校の登下校・休み時間だけだ。
今は夏休みで学校も休み。
となると、もちろん一緒に居れるのは、このお茶の時間しかない。
輝李にとっては、大切な時間だ。
コンコン…
乙が、部屋のドアを叩いた。
「はぁい?」
中から母の声が聞こえる。
「乙です。
お茶をご馳走にまいりました」
「あらあら、入ってらっしゃい♪」
二人が手を繋いだまま、母の部屋に入る。
そんな二人を見て、母は微笑ましそうに口を開いた。
「まぁ♪素敵な王子様とお姫様だこと♪」
「母様♪」
輝李は、母に駆け寄るとスリスリと抱きついた。
「あらあら、輝李は甘えん坊さんね♪
乙、いらっしゃい。
私によく顔を見せて♪」
「…はい」
母は輝李を抱いたまま、しゃがむと乙の頭を撫でた。
「…私にまで気を使うことないのよ」
「…はい」
乙が少し俯くと、母は輝李と乙をギュッと抱き締めた。
乙は少しビックリして、たじろいだ。
「か、母さん!!」
「二人とも私の大切な可愛い天使。
…私の宝物よ…」
月影家は、男児には恵まれなかった。
母は体が弱く、二人を産む時も体の負担は相当大きかったらしい。
そこで月影の主…つまり二人の父親である。
双子で生まれた二人の娘を一人は女として、もう一人は男として育てることにした。
──それが乙だ。
最初は母も反対したが、体の事を考えると、これ以上の子宝を望むのは酷だった。
「母さん、今日はお身体の調子はよろしいんですか?」
ココアを飲みながら乙は、母を案じて聞いた。
「ええ、少し暑いけど夏ですもの、仕方ないわね♪
それに二人がこうして側に居てくれるだけで、私は元気になれるのよ♪」
母の微笑みはいつも何処か弱々しかったが、包むような眼差しだった。
更に母は続けた。
「乙は、次は何のお勉強なの?」
「ダンスです」
「ホント!乙♪
私も次はダンスなんだよ♪
じゃあ、今日は一緒なんだ♪」
不意に輝李が嬉しそうに身を乗り出す。
母はクスクスと笑う。
「それじゃあ、いつか二人のダンスを私に披露してくれる?」
「うん♪母様♪」
「…はい♪」
しかし…残念ながら母が二人の
ダンスを見る事はない…。
もちろん先に手を差し出したのは輝李の方だ。
輝李と乙が一緒に居れる時間は、お茶の時間と学校の登下校・休み時間だけだ。
今は夏休みで学校も休み。
となると、もちろん一緒に居れるのは、このお茶の時間しかない。
輝李にとっては、大切な時間だ。
コンコン…
乙が、部屋のドアを叩いた。
「はぁい?」
中から母の声が聞こえる。
「乙です。
お茶をご馳走にまいりました」
「あらあら、入ってらっしゃい♪」
二人が手を繋いだまま、母の部屋に入る。
そんな二人を見て、母は微笑ましそうに口を開いた。
「まぁ♪素敵な王子様とお姫様だこと♪」
「母様♪」
輝李は、母に駆け寄るとスリスリと抱きついた。
「あらあら、輝李は甘えん坊さんね♪
乙、いらっしゃい。
私によく顔を見せて♪」
「…はい」
母は輝李を抱いたまま、しゃがむと乙の頭を撫でた。
「…私にまで気を使うことないのよ」
「…はい」
乙が少し俯くと、母は輝李と乙をギュッと抱き締めた。
乙は少しビックリして、たじろいだ。
「か、母さん!!」
「二人とも私の大切な可愛い天使。
…私の宝物よ…」
月影家は、男児には恵まれなかった。
母は体が弱く、二人を産む時も体の負担は相当大きかったらしい。
そこで月影の主…つまり二人の父親である。
双子で生まれた二人の娘を一人は女として、もう一人は男として育てることにした。
──それが乙だ。
最初は母も反対したが、体の事を考えると、これ以上の子宝を望むのは酷だった。
「母さん、今日はお身体の調子はよろしいんですか?」
ココアを飲みながら乙は、母を案じて聞いた。
「ええ、少し暑いけど夏ですもの、仕方ないわね♪
それに二人がこうして側に居てくれるだけで、私は元気になれるのよ♪」
母の微笑みはいつも何処か弱々しかったが、包むような眼差しだった。
更に母は続けた。
「乙は、次は何のお勉強なの?」
「ダンスです」
「ホント!乙♪
私も次はダンスなんだよ♪
じゃあ、今日は一緒なんだ♪」
不意に輝李が嬉しそうに身を乗り出す。
母はクスクスと笑う。
「それじゃあ、いつか二人のダンスを私に披露してくれる?」
「うん♪母様♪」
「…はい♪」
しかし…残念ながら母が二人の
ダンスを見る事はない…。
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