リインカーネーション

たかひらひでひこ

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 連休中は、家で課題をこなし、拳法の稽古をこなし、師匠のところに日参した。
休み明けに登校すると、休み時間は、課題の処理に充て、放課後は、空手部に行った。キャプテンの葛城さんに頭を下げ、今日から練習に参加する旨を伝えた。練習時間もみっちり空手の稽古に打ち込んだ。
 部活が終わると、すぐウチに帰り、まず道場に顔を出した。今日は、稽古の日だったので、オレも参加して、小さな子に指導する半面、自分の稽古も行った。
 師匠の顔色は、昨日より良かった。言葉を少し交わしたが、稽古が終わると家に帰り、飯を食って課題の続きを処理した。
 そういった毎日が続いた。連休明けの学校の廊下で、ばったり夏実と出会った。オレは頷いて行こうとしたが、腕を引っ張られた。
 「最近、なにがあったのよ?」
「別になにもないけど」
「少し、話さない?最近忙しいみたいだけど」
「ああ、色々とやらなくちゃならないことができてな。時間がないんだ」
「まだ、話してくれないんだ」
「なんのことだ?最近オレの都合で、お前とも時間を取れなくて悪いとは思ってる。もし、オレに愛想がついたのなら、他の奴に乗り換えて貰っても、かまわないぞ」
「なに、言ってるの!あたしを見損なうな。あんた以外の男に、浮気なんかするわけないでしょう!本気で怒るよ」
 オレは、夏実の剣幕にちょっとたじろいだ。
「いや、そういうつもりで言ったんじゃあない。気に障ったのなら、悪かった」
「そうじゃないよ・・・こうなりゃ、はっきり言おうか。お師匠さんのことでしょう?」
 オレは、夏実の洞察力に改めて瞠目した。
「なぜ、そう思う?」
「あのねえ、前の人生で、あたしとあんたとは幼馴染みだったでしょ。あんたの伯母さんのことも、よく知ってるんだよ。今のあんたのお師匠さんて、前のあんたの叔母さんでしょ?一度会ってすぐに分かったよ」
オレは、口をあんぐりとあけた。
「お師匠さん、もしかして、具合悪いんじゃないの?前の時も、若くして亡くなったから。あんたには、とても大切なひとだったもんね」
さすがに驚いた。夏実はなんでもお見通しだ。これでは、隠しごとはできない。
 「ねえ、今度お師匠さんの処に、あたしを連れてって」
何故、と思ったが、夏実の口調は有無を言わせなかった。仕方なく、次の土曜日に夏美を連れて道場に行った。
 土曜日は、午後二時から稽古が始まるから、そろそろ終わる、四時過ぎ頃に道場に着いた。オレと夏実は、稽古が終了するまで待っていた。師匠は、特にいつもと変わった様子もなく、淡々と弟子たちに稽古をつけていた。
 間もなく、この姿も見られなくなる、そう思うと、オレはたまらなくなった。横を向いて、涙をこらえるのに必死だった。
 稽古が終わり、練士たちが帰っていくと、師匠は、オレたちを住居の居間に、通してくれた。
「どうした、今日はデートの後で、冷やかしに来たのか?」
「いや、今日は夏実に連れてってくれと、頼まれまして・・・」
 「キャサリン叔母さま、お久しぶりです」
夏実は、お土産の花を渡しながらそう言った。師匠は、夏実の言葉に笑顔を浮かべた。
「ありがとう、久しぶりね、マーガレット」
「やっぱり、叔母さまにはお分かりだったんですね」
「そりゃ、マイクの嫁になる女性だったもの、よく覚えてるわよ」
そして、師匠はオレを見た。
 「なるほど、マギーにはなにもかもお見通しだった、ということね」
「やっぱり、どこかお悪いんですね?」
「ああ、もう余命宣告されてるの。その前に、しなければならないことを、片付けようと思ってね」
「そうだったんですね。遼介の様子が最近おかしかったから、何となく、そうじゃないかな、とは感じてたんですけど」
「やっぱり、あなたは賢い娘ね。昔からそうだった」
 オレは、師匠の身体が心配だった。
「師匠、今日の調子はどうですか」
「ありがとう、調子は良くはないけど、病気だからこんなもんよ」
「でも、こないだよりは顔色も良さそうですよ」
 訊くと、師匠は一週間に二回、病院で点滴を受けに行くのだが、その後は薬の副作用で、具合が悪くなるのだそうだ。
「まあ、薬を入れても、病気の進行をなるべく抑えるためだけなんだがな。私の場合、悪性の度合いが高くて、根治は望めないそうだ」
 もっと強力な薬もあるが、それでは、日常生活にも支障が出るので、入院しなければならなくなるという。師匠は、相変わらず他人事のように、淡々と話してくれた。
「だが、最近遼介の目の色が変わってきたな。本気で、やる気になってくれたようでうれしいよ」
「師匠とは、約束したじゃないですか。オレ、必ず将来この道場を復活させますよ」
「まだ時間はある。慌てて、結論を出す必要はない。今後、予想もしなかった様なことが、起きるかもしれないしな」
 師匠は、笑みを浮かべながら、穏やかに言った。夏実は、師匠になにか訊きたいことがあったようだ。その時、オレは生理的欲求のおかげで暫く席を外した。その間、ふたりは何か話し込んでいたようだった。
 オレが、トイレから帰ってくると、師匠と夏実は談笑していた。暫くふたりが話しているのを見ていたが、意外に、夏実と師匠の相性は良いようだ。
「さあ、叔母さま、いえお師匠さんのお身体に障るといけないから、そろそろわたしたちは退散しましょう」
帰る段になっても、夏実は、師匠と何か玄関の処で暫く話をしていた。
 帰り道、オレは夏実を駅まで送って行った。
「なあ、師匠となに話してたんだ」
「あんたのお守りを、宜しく頼むとさ」
「それ以外には、なかったのか?例えば、オレが道場を継ぐことになる話とか?」
 夏美は、オレの方に顔を向けた。
「お師匠さんは、あんたのことは信頼してらっしゃるよ。あんたは、自分のやるべきことをやればいいのよ」
 オレはモヤモヤとしたものを感じたが、それが何か分からず、夏実の言葉にうなずくしかなかった。
 翌日、登校すると、学校では騒ぎが持ち上がっていた。空手部の廃部という話だった。そいつは、こないだの県大会出場でチャラになったんと違うんかい。空手部の顧問は、名目だけの存在で、空手の経験もない教師だったので、ろくに反論することもできなったらしい。
 キャプテンや部員たちは、一様に憤っていたが、そもそも廃部の理由が明確でないので、放課後、職員室に直談判に行くと気勢を上げていた。
 オレは、別のことを考えていた。どうせPTAから、青崎のオヤジか、その関係者が圧力でもかけているんだろう。汚いSSどもらしいやり方だ。そっちの方を排除する方が効率的だ。
 オレは、夏実に相談を持ち掛けた。
「なあ、青崎のオヤジってどういう奴なんだ?」
「あたしも詳しくは知らないけど、それなりの規模の会社を経営してるみたい。で、多額の寄付を学校にしたって噂だよ。ウチは私立だから、大口の寄付をしてくれる父兄には、強く言えないみたい」
「なるほど、金にモノ言わせてるわけか」
 オレは、口に親指を当てて考え込んだ。
「なんでそんな、子供じみた嫌がらせをやってくるんだ?オレが標的らしいのは分かるが、空手部を潰して、何か奴らにメリットがあるのか?」
「まあ、邪魔なんだろうね。空手部の存在が。何が目的なのかは、分からないけど」
「オレが、殴り込みでもかけてくるのを待ってるのか?それで、不祥事として、退学にするとか?」
「うーん、だったら、もっと効果的な手を使うでしょ。例えば、あたしが襲われて、犯人が分かってたら、あんたやりそう」
 夏実に言われて、オレはゾッとした。
「空手部はともかく、お前が被害にあったら大変だ。帰りは、家まで送って行く」
「大丈夫だって、ウチはバス停のすぐ傍だし、あたしに何かあったら、あんた歯止めが利かなくなるよ。ホントに青崎を殺しそう。相手も、それは分かってるかも知れないな」
 結局、夏実との会話でも、いいアイデアは浮かばなかった。
 放課後、オレは、職員室に押し掛けることは他の部員に任せて、オレの道場に行った。師匠は、今日は稽古は休みの日で家にいた。オレは、師匠に事情を話して、知恵を借りることとした。
「学校内部のことは、分からないが、空手道協会から、学校へ問合せをして貰うことはできるだろう。私から、徳永さんには、事情を話しとくから、お前が直接徳永さんに会ってお願いしてこい。前の大会で、お前たちに負けた高校も、勝ち逃げは許さんだろうしな」
 「いつもありがとうございます。師匠、やっぱり頼りになる」
「礼は、話が上手くいってからだ。今から電話するから、早く協会の事務局へ行け」
「はい!」
 オレは、師匠に指示されたとおり、空手道連盟の事務局を訪れた。徳永さんは、心配されて、オレを待ってくれていた。
「上泉さんから連絡があったよ。なにか、学校で揉めているらしいね」
オレは、徳永理事に事情を話した。空手に偏見を持つ保護者がいること、学校はその保護者の言いなりになっていること、弱小校だから、予算の無駄と言われていること等々。
 徳永さんは、オレの話をじっと聴いていたが、おもむろに口を開いた。
「君たちは、県大会出場という実績を上げている。しかも、全国大会出場の強豪に勝ってだ。今までは、弱小だったかもしれないが、今回の成績は立派な実績になる。連盟としても、こんな有望なチームをいち個人の勝手で潰されては承服できない。だいいち岳徳寺高の連中も、リベンジの機会をなくされては、納得しないだろう。今から君と一緒に行って、私が高校の先生に掛け合ってあげよう」
 徳永さんは、わざわざクルマを出して、オレとともに修博学園高校まで同行してくれた。オレたちが学校の職員室に行くと、キャプテンをはじめとする、部員たちが、教師たちと押し問答している最中だった。
 オレが、徳永さんを紹介すると、途端にその場の空気が変わった。なんせ、元全日本代表選手なのだ。世界選手権で優勝の経験もあるということを、高校に来る途中で初めて聞いた。
 徳永さんと、キャプテンとオレは校長室に呼ばれた。徳永さんの話に校長と、教務担当の教師は、最初困った顔をしていたが、徳永さんが、実は私は体育協会の理事も兼ねておりまして、と切り出すと顔色が変わった。
 「このままでは、生徒に理不尽を強いる高校が、公的な大会に出場することは一考を要する旨、理事会でも取り上げざるを得なくなりますが」
「いや、そ、それはお待ちください」
体育協会を敵に回すということは、すべての競技、公の体育大会に出場できなくなることを意味する。さすがにそれは、いち部活の廃止どころの問題ではなくなるのだ。
「再考を、お願いできませんでしょうか」
そう言う徳永さんに、校長は最敬礼をしていた。
「分かりました、もう一度、検討いたします」
「では、よろしく。いい結論が出ることを、願っていますよ」
 徳永さんは笑みを浮かべると、礼をして校長室を出た。 
「ありがとうございました、徳永理事」
オレとキャプテンは、徳永さんに頭を下げた。
「いや、本当に廃部になる前でよかったよ。礼なら、上泉さんに言うんだね」
「はい本当に、ありがとうございました」
 部員たちは、納得したのか稽古のために学校の武道場へ向かった。徳永さんは、オレを手招きした。物陰にオレを連れて行くと、声を落として本題を切り出した。
 「ところで、上泉さんだけど、最近体調はどうなの?」
オレは、どう答えていいか分からなかった。戸惑った顔をしていたのだろう。真剣な顔で徳永さんは言った。
 「恭子さんの具合が、良くないのは知ってる。実は、病院で彼女を見たひとがいてね。それががんセンターだったから、もしやと思ってたんだ。君は知っているんだろう?」
オレは、意を決して訊いてみた。
「徳永さんと、ウチの師匠は、どういったご関係なんですか?」
 あまりにストレートな質問に、徳永さんも苦笑するしかなかった。
「・・・むかし、恋人関係だったな。私は空手、彼女は少林寺、それぞれの道を行くことになって、結局進展はしなかったがね。今でも私にとって、彼女は大切な女性だよ」
「そうだったんですね・・・。でも、師匠との約束ですから、具体的なことは言えません、それでお察しいただけませんか」
 徳永さんは、オレの顔を見て沈黙した。
「分かった、彼女の意思がそうなら、なにも訊かないよ。ただし、もし彼女になにかあったら、すぐに私にも連絡をくれないか」
「分かりました、必ず連絡します」
徳永さんは、オレの腕を軽く叩くと、帰って行った。
 結局、その翌日には、正式に空手部の廃部は取りやめとなり、オレたち部員も安堵することになった。
 取りやめが決まった日の放課後、オレは新美に誘われた。師匠のことが気になったが、SSどもに対する対策を練るとのことで、喫茶店のマギーに関係する連中が集まった。
 オレは、特定の店の中とはいえ、こう大ぴらに前世に関する話をしても良いものか、疑問に思い出していたから、そのことを夏実に訊いてみた。下手をすると、店にも迷惑をかけないからだ。
 「大丈夫、ここのマスターは味方だから」
「前世仲間ってことか?」
「うん、まあ個人的なことなんだけどね。昔から、あたしの味方をしてくれるひとなの」
よく分からなかったが、夏実が大丈夫、と言うからにはそうなんだろう。
 「ところで、PTAで圧力をかけてきた奴が分かったか?」
新美が瓜生に尋ねた。
 「はい、青崎というオヤジでした。PTAの総会で、寄付金を出すからには、無駄な使い道をしてもらっては困る、みたいなことを言ってたそうです」
瓜生が、調べてきたことを述べた。結構詳しい報告だった。どんな伝手があるのか知らないが、なかなか有能そうだ。
 「一生懸命、部活やってる連中に対する、侮辱だな。だいたい、そいつはいくら寄付したんだ?」
「詳しくは、わからないですけど、数千万円の単位だそうです」
「校長や、教頭なんかも買収されてるのかな」
「さあ、そこまでは・・・」
「金か、どうせオレたち高校生には分からない手で、うまくPTAの連中を味方につけてるんだろうなあ」
「汚いことをやってる、ってことが分かれば、修博から出て行って貰えるんだろうが」
 新美たちは、いかに青崎を排除するか、ということについて話していた。だが、連中を排除したところで、根本的な解決にはならないのじゃないのか。オレが、黙っていると新美がオレに話を振って来た。
「松澤は、どう思うよ」
「うん・・・どうせやつらは、末端だろう。それより物事の根本を叩いた方が効果的だと思う。だが、連中のことは、オレたちの調査では限界がある。今回の空手部の件にしたって、オレたちの力では解決できなかった。だから、こっちも味方の組織があるなら、そことコネクションを取る方が、早道なんじゃないかな」
 「岳徳寺高校の連中は、こっちの味方ですよ」
瓜生が言った。
「小隊長は、地区大会の後、すぐ帰っちゃいましたが、あの時出てた真島さんは、ロジャースに間違いないです。キャプテンの大塚さんも、ウチの大隊の別の小隊長でしたし、他にも関係者がぞろぞろいましたよ」
 「そうだ、そういうひとたちを探せば、こちらも大きな力で対抗できると思う」
オレは、夏実の方を向いた。
「なあ、お前が一番昔のことを覚えてるんだろ、この高校に前の味方はどれくらいいるんだ?」
「二年生と、一年生に多くいるみたい。学年に十数人ってとこだけど」
「多数というわけでもないな、SSの連中は、どうだ」
「そっちは、分からない。だいいち、むかし見知った顔じゃないもの」
「それなりの数はいる、と思うべきだろうな」
 オレは、腕を組んで考えた。いずれにしても敵の情報が少なすぎる。これでは、作戦の立てようがない。まずは、頼りになる味方とコンタクトを取るべきだろう。有力な情報を持っている連中もいるかも知れない。
「とにかく、今は動きようがない。味方を探すことに集中するしかないだろう」
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