2 / 56
旧型のザクでニューガンダムに挑むぐらい無謀なこと。
しおりを挟む
最近……
土曜日になると朝風呂していることが多い。
いや、まあ……朝風呂は好きだからなんの文句もないのだけど……
『ガス代かかるんだよね……』
かみさんから嫌な顔をされるのが少々辛い所だろうか。
いや、それは分かっている。
そして辞めたいとも思っている。
でもね。
夕方、お風呂に入ろうとするとすでにもうだれかが入ってて、入れるのが1時間後とかになっちゃうのだ。
それでボクは先にビールを飲んでしまう。
かみさんと息子がお風呂から出る頃には、良い感じでビールを3本ぐらいは空けちゃってる。
だから先に入らせてほしい。
でも気づいたら誰かに先に入られている。
さすがにボクも朝風呂は贅沢だということは100も承知なので、なるべくなら夕方の時間にお風呂に入るように心がけているのだ。
朝、お風呂に入ってしまう理由にはもう一つある。
それは、夜中に寝汗をかいてしまうことがあるからだ。
なんか暑いなあと思うと首すじにびっしょり汗をかいている。
さすがに最近は寒くなったのでそういうこともなくなったが夏の暑い時期は毎日のように夜は寝汗をかいていた。
こうなると夕方にお風呂に入っても意味がない。
何と言っても夜中に汗をかいて気持ち悪いことになってしまうのだ。
かみさんと息子を起こしてしまうのは申し訳ないので、夜中にシャワーを浴びることはさすがにないが、一人暮らししてたら絶対にシャワーを浴びるだろう。
そういえばお風呂のことをこんなにも考えるようになったのはいつごろからなのだろうと、これを書きながら思った。
実はボクは実家にいる頃から朝、お風呂に入る癖があり、実家の母からもかみさんと同じようなことを言われていた。
その時は夜に入らない分、朝入るのだからそんなに変わらないと思っていたのだけど……
よく考えてみればみんなが夜に入っているのだから、朝に追い炊きすればその分、ガス代はかかってしまうのである。
だから実家にいたときは朝、風呂に入るときはシャワーだけで我慢するようにしていた。
当然、冬は寒いが、当時は若かったので耐えられた。
最近では無理だ。
それなりに歳をとっておじさんボディーになってしまっているこのボクは、冬の寒さにシャワーだけで立ち向かうことなどできない。
それはまるで旧型のザクでアムロが操るニューガンダムに挑むぐらい無謀な話である。
よく分からない例えだと言われそうだが、それだけ無謀なことだと言いたいのだ。
冬の寒さにシャワーだけで立ち向かう……。
絶対に風邪を引いてしまうだろう。
だから最近では朝にお風呂に入るときは追い炊きして身体を温めている。
自分のだらしなさのために朝風呂に入っているボクだが、やっぱり朝風呂は気持ちがいい。
失敗したのになんか得している。
そんなある日。
昨日もお風呂入れなかったし……
追い炊きしてお風呂に入ろうかな――。
少し早起きしたボクはそんなふうに思いながら心の中で鼻歌を歌いつつ気分良く浴室に向かう。
浴室を開けて風呂の蓋を開けると……
あ。
お湯が……
お湯が抜かれてる……。
この時の絶望感と言ったらない。
たぶん、前日のうちにかみさんが抜いたのだ。
いや、ちょっと待て。
ボク、まだ入ってないし。
『夜、入らないからだよ』
浴室の前で絶望しているボクに、少し早起きしていつの間にかボクの後ろにいたかみさんはぼそりと言う。
『炊いていい?』
『お湯張るわけ?』
『うん。寒いし』
『ダメに決まってんじゃん』
『えええ!!』
『昨日入らなかったんだから罰ゲームだと思ってよ』
罰ゲーム……。
確かに本来なら夕方に入らなければならないものを、そうしなかったのだから何か得する感じになるのはおかしい。
いや!
風邪ひくから!!
風邪引いたら医療費はガス代を超えてしまうから。
『風邪ひいても病院は行かない。そこまでが罰ゲーム』
浴室の柱に左肩を預け、ちょっと洒落たポージングをしながら、にやりと笑いながらボクに話すかみさん。
いや、そんな寝起きのパジャマでどや顔されてもなあ……
仕方ないのでこの日ばかりはシャワーだけで済ますのだけど……
やっぱり寒い。
お風呂はちゃんと夜に入るようにしよう……この時は本気でそう思った。
土曜日になると朝風呂していることが多い。
いや、まあ……朝風呂は好きだからなんの文句もないのだけど……
『ガス代かかるんだよね……』
かみさんから嫌な顔をされるのが少々辛い所だろうか。
いや、それは分かっている。
そして辞めたいとも思っている。
でもね。
夕方、お風呂に入ろうとするとすでにもうだれかが入ってて、入れるのが1時間後とかになっちゃうのだ。
それでボクは先にビールを飲んでしまう。
かみさんと息子がお風呂から出る頃には、良い感じでビールを3本ぐらいは空けちゃってる。
だから先に入らせてほしい。
でも気づいたら誰かに先に入られている。
さすがにボクも朝風呂は贅沢だということは100も承知なので、なるべくなら夕方の時間にお風呂に入るように心がけているのだ。
朝、お風呂に入ってしまう理由にはもう一つある。
それは、夜中に寝汗をかいてしまうことがあるからだ。
なんか暑いなあと思うと首すじにびっしょり汗をかいている。
さすがに最近は寒くなったのでそういうこともなくなったが夏の暑い時期は毎日のように夜は寝汗をかいていた。
こうなると夕方にお風呂に入っても意味がない。
何と言っても夜中に汗をかいて気持ち悪いことになってしまうのだ。
かみさんと息子を起こしてしまうのは申し訳ないので、夜中にシャワーを浴びることはさすがにないが、一人暮らししてたら絶対にシャワーを浴びるだろう。
そういえばお風呂のことをこんなにも考えるようになったのはいつごろからなのだろうと、これを書きながら思った。
実はボクは実家にいる頃から朝、お風呂に入る癖があり、実家の母からもかみさんと同じようなことを言われていた。
その時は夜に入らない分、朝入るのだからそんなに変わらないと思っていたのだけど……
よく考えてみればみんなが夜に入っているのだから、朝に追い炊きすればその分、ガス代はかかってしまうのである。
だから実家にいたときは朝、風呂に入るときはシャワーだけで我慢するようにしていた。
当然、冬は寒いが、当時は若かったので耐えられた。
最近では無理だ。
それなりに歳をとっておじさんボディーになってしまっているこのボクは、冬の寒さにシャワーだけで立ち向かうことなどできない。
それはまるで旧型のザクでアムロが操るニューガンダムに挑むぐらい無謀な話である。
よく分からない例えだと言われそうだが、それだけ無謀なことだと言いたいのだ。
冬の寒さにシャワーだけで立ち向かう……。
絶対に風邪を引いてしまうだろう。
だから最近では朝にお風呂に入るときは追い炊きして身体を温めている。
自分のだらしなさのために朝風呂に入っているボクだが、やっぱり朝風呂は気持ちがいい。
失敗したのになんか得している。
そんなある日。
昨日もお風呂入れなかったし……
追い炊きしてお風呂に入ろうかな――。
少し早起きしたボクはそんなふうに思いながら心の中で鼻歌を歌いつつ気分良く浴室に向かう。
浴室を開けて風呂の蓋を開けると……
あ。
お湯が……
お湯が抜かれてる……。
この時の絶望感と言ったらない。
たぶん、前日のうちにかみさんが抜いたのだ。
いや、ちょっと待て。
ボク、まだ入ってないし。
『夜、入らないからだよ』
浴室の前で絶望しているボクに、少し早起きしていつの間にかボクの後ろにいたかみさんはぼそりと言う。
『炊いていい?』
『お湯張るわけ?』
『うん。寒いし』
『ダメに決まってんじゃん』
『えええ!!』
『昨日入らなかったんだから罰ゲームだと思ってよ』
罰ゲーム……。
確かに本来なら夕方に入らなければならないものを、そうしなかったのだから何か得する感じになるのはおかしい。
いや!
風邪ひくから!!
風邪引いたら医療費はガス代を超えてしまうから。
『風邪ひいても病院は行かない。そこまでが罰ゲーム』
浴室の柱に左肩を預け、ちょっと洒落たポージングをしながら、にやりと笑いながらボクに話すかみさん。
いや、そんな寝起きのパジャマでどや顔されてもなあ……
仕方ないのでこの日ばかりはシャワーだけで済ますのだけど……
やっぱり寒い。
お風呂はちゃんと夜に入るようにしよう……この時は本気でそう思った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる