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夢なのに現実的な話。
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どこかに旅に出ていた。
小さな背でずんぐりむっくりした身体。
顔は髭面。
ああ、ドワーフかホビットか何かか……。
その強靭な身体で山を登っていくのかなと思いきや、車を使って中腹まで登った。
どこかに何かを取りに行くらしい。
何を取りに行くのかはわからないけど、そのどこかにつけば、期待通りの何かが手に入るようだ。
そこには多くの生き物が集う。
人間をはじめ、エルフやドワーフ、ホビットまでが……。
そして決して善人だけがそこに向かうわけではない。
悪人もたくさんいる。
山の中を車は走る。
大きなトンネルに入る。
少し走るが、車を停めて、ドワーフはテントを張る。
『今日はこれぐらいにしておこう』
彼はそういうがまだそんなに移動できたわけではない。
時間も恐らく早い時間なはずだ。
『このトンネルは時間と距離感を狂わせるんだ。まだ余裕のあるうちに休む。それが肝心なんだよ』
『はあ……分かった』
ボクは彼を手伝う。
でも狭いテントでは寝たくない。
だったら車の中で眠りたい。
『車か……あまりオススメはできんな。盗賊どもは狙ってくるからな。車を』
ドワーフがそんな物騒なことをいうので、ボクはテントで眠ることにした。
ボクがテントの中で横になった後も、ドワーフは焚火を見つめながら起きていた。
休まなくてもいいのだろうか。
時間がどれぐらい経っただろうか?
何か話声がする。
『車で行っちまえばすぐなんだろ?』
『どうだろうか。距離感が狂う世界において、車に乗ってしまうのは危険だと思うが……』
『距離感か……そんなに狂ってるとは思えないがな』
ドワーフと話しているのは人間の男。
しかも数人いる。
盗賊風ではあるが悪人ではないようだ。
何かを奪って……というより道を聞いてきただけのように見える。
しばらくすると車のエンジン音がして、彼らは行ってしまった。
『さて……我々も行くかね』
ドワーフはボクに言った。
行くかね……と言われたがどこに何をしにいくというのだろうか。
そんな疑問は頭に浮かぶものの口にはしない。
なんとなく分かったような気がしたから。
でも気がしただけで実際には何も分かってはいない。
テントをたたみ、必要なものを大きなリュックに詰めて、ボクらは歩き出す。
ドワーフは旅慣れていると思うから歩く速度はもっと早いと思っていたけど、そんなことはなく、実にゆっくり歩いていた。
『早く行こうとしてはダメだ。ゆっくり確実に一歩一歩進むのだよ』
『ああ……はい』
ボクらは気が遠くなるような時間をゆっくり歩いた。
不思議と疲労感はない。
気が付けば足がなんだか地面にとられる感覚がする。
よく見ると……身体が少しずつ地面の中に沈んでいくではないか。
『やはり底なし沼にはまったか』
ドワーフは冷静に言った。
『底なし沼?』
『ああ、車で行けば確実に沈んでしまう』
『ええ……じゃあ、さっきの人たちは……』
『危険だとは何度か警告したのだがな』
『そうか……てゆうか、ボクもかなり沈み始めているのだけど……』
気が付けばボクの身体はすでに半分ぐらい地面に沈みこんでいる。
『大丈夫だ。靴に魔法処理を施してある。自分が羽根だとイメージしてみるんだ。浮かんでくるから』
ドワーフに言われた通りにしてみると、みるみるうちにボクの身体は地面から浮かんできて、今度は空中を浮遊するようになった。
ふとドワーフを見ると同じように空中を浮遊している。
『行くぞ。チャンスだ』
『え? チャンス??』
何?
チャンスって??
そう聞く前に目の前の景色がゆがむ。
なんだ??
ワープでもしているのか??
景色が見えなかったのは一瞬だった。
目の前には何もない真っ白な世界。
そして半分以上、地面に埋まってしまっている車。
確か、男たちが乗っていたものだ。
彼らの姿はない。
『ここが目的地だ』
『ああ』
ドワーフに言われたことをなぜかボクは理解ができた。
目的地。
何をしにボクはやってきたのだろうか。
『お金を6万円、あげましょう』
どこかから声がする。
期待通りの何か……それが6万円。
なんで?
中途半端な額ではある。
だけど実際にあったら助かる金額でもある。
目を開けたらいつもの部屋の天井が見える。
真っ暗な部屋の中。
ああ……夢を見ていたんだ。
変な夢を見た。
いつものように文章にしよう。
そう思って朝からパソコンに向かってみた朝。
今日も良いことがあればいいな。
小さな背でずんぐりむっくりした身体。
顔は髭面。
ああ、ドワーフかホビットか何かか……。
その強靭な身体で山を登っていくのかなと思いきや、車を使って中腹まで登った。
どこかに何かを取りに行くらしい。
何を取りに行くのかはわからないけど、そのどこかにつけば、期待通りの何かが手に入るようだ。
そこには多くの生き物が集う。
人間をはじめ、エルフやドワーフ、ホビットまでが……。
そして決して善人だけがそこに向かうわけではない。
悪人もたくさんいる。
山の中を車は走る。
大きなトンネルに入る。
少し走るが、車を停めて、ドワーフはテントを張る。
『今日はこれぐらいにしておこう』
彼はそういうがまだそんなに移動できたわけではない。
時間も恐らく早い時間なはずだ。
『このトンネルは時間と距離感を狂わせるんだ。まだ余裕のあるうちに休む。それが肝心なんだよ』
『はあ……分かった』
ボクは彼を手伝う。
でも狭いテントでは寝たくない。
だったら車の中で眠りたい。
『車か……あまりオススメはできんな。盗賊どもは狙ってくるからな。車を』
ドワーフがそんな物騒なことをいうので、ボクはテントで眠ることにした。
ボクがテントの中で横になった後も、ドワーフは焚火を見つめながら起きていた。
休まなくてもいいのだろうか。
時間がどれぐらい経っただろうか?
何か話声がする。
『車で行っちまえばすぐなんだろ?』
『どうだろうか。距離感が狂う世界において、車に乗ってしまうのは危険だと思うが……』
『距離感か……そんなに狂ってるとは思えないがな』
ドワーフと話しているのは人間の男。
しかも数人いる。
盗賊風ではあるが悪人ではないようだ。
何かを奪って……というより道を聞いてきただけのように見える。
しばらくすると車のエンジン音がして、彼らは行ってしまった。
『さて……我々も行くかね』
ドワーフはボクに言った。
行くかね……と言われたがどこに何をしにいくというのだろうか。
そんな疑問は頭に浮かぶものの口にはしない。
なんとなく分かったような気がしたから。
でも気がしただけで実際には何も分かってはいない。
テントをたたみ、必要なものを大きなリュックに詰めて、ボクらは歩き出す。
ドワーフは旅慣れていると思うから歩く速度はもっと早いと思っていたけど、そんなことはなく、実にゆっくり歩いていた。
『早く行こうとしてはダメだ。ゆっくり確実に一歩一歩進むのだよ』
『ああ……はい』
ボクらは気が遠くなるような時間をゆっくり歩いた。
不思議と疲労感はない。
気が付けば足がなんだか地面にとられる感覚がする。
よく見ると……身体が少しずつ地面の中に沈んでいくではないか。
『やはり底なし沼にはまったか』
ドワーフは冷静に言った。
『底なし沼?』
『ああ、車で行けば確実に沈んでしまう』
『ええ……じゃあ、さっきの人たちは……』
『危険だとは何度か警告したのだがな』
『そうか……てゆうか、ボクもかなり沈み始めているのだけど……』
気が付けばボクの身体はすでに半分ぐらい地面に沈みこんでいる。
『大丈夫だ。靴に魔法処理を施してある。自分が羽根だとイメージしてみるんだ。浮かんでくるから』
ドワーフに言われた通りにしてみると、みるみるうちにボクの身体は地面から浮かんできて、今度は空中を浮遊するようになった。
ふとドワーフを見ると同じように空中を浮遊している。
『行くぞ。チャンスだ』
『え? チャンス??』
何?
チャンスって??
そう聞く前に目の前の景色がゆがむ。
なんだ??
ワープでもしているのか??
景色が見えなかったのは一瞬だった。
目の前には何もない真っ白な世界。
そして半分以上、地面に埋まってしまっている車。
確か、男たちが乗っていたものだ。
彼らの姿はない。
『ここが目的地だ』
『ああ』
ドワーフに言われたことをなぜかボクは理解ができた。
目的地。
何をしにボクはやってきたのだろうか。
『お金を6万円、あげましょう』
どこかから声がする。
期待通りの何か……それが6万円。
なんで?
中途半端な額ではある。
だけど実際にあったら助かる金額でもある。
目を開けたらいつもの部屋の天井が見える。
真っ暗な部屋の中。
ああ……夢を見ていたんだ。
変な夢を見た。
いつものように文章にしよう。
そう思って朝からパソコンに向かってみた朝。
今日も良いことがあればいいな。
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