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残された赤い靴。
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赤い靴を履いていた女の子にはモデルがいたことを、貴方は知っていましたか?
北海道に入植するのに病弱の娘は負担がすぎるだろうと、親が宣教師に託したのよ。宣教師は静岡から横浜に移り住んだ。
野口雨情は勤務していた札幌の新聞社で、親から娘の話を聞いたの。
それがご縁で書かれた詩が『赤い靴』。
4歳だった娘は「異人さんに連れられて」異国に移り住んだとばかり思っていたのだけれど、現実の悲劇はやりきれなかった。
海外に移り住んでも生きていればいい。それだけで救いがあった。
でも女の子は肺の病気で死んでしまったの。
いくつでだと思う? わずか9才の時のことだった。
歌に託された女の子は、ずっと4才のまま生き続けている。
今日も。これからも。
だけど、タイトルになった赤い靴のほうは、とんとその後がわからない。
私には気になってしかたがないことのひとつ。
だって、唯一残された形見だもの。
残っていれば、だいぶくたびれているだろうけど。
そして形あるものは、いずれ消えて無くなる。
その儚(はかな)さが、大人になった今になって切なく思えるようになってきたの。
北海道に入植するのに病弱の娘は負担がすぎるだろうと、親が宣教師に託したのよ。宣教師は静岡から横浜に移り住んだ。
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