星のプリン王子と夜のおうち

８．

「ねえ、おかあさん」
とうとう　がまんできずに　聞きいてみた。
「夜よるの　おうちは　どこにあるの？」

「あら、まだ　　行いって　なかったの？
そんなこと　ないでしょう」
と　いみしんだ。

「どういう　こと？」

すると　おかあさん。
「おかあさんは、寝言ねごとで　わかるのよ。
昨日は　火星かせいに　行いって　きた　でしょう。
その前は　星ほしのプリン王子おうじのところ。
だって、ちょうだい、ちょうだい
って、せがんで　いたもの。
どんなプリンを　ごちそうに　なったのかしら？」

こころあたりは、なかった、と　いえば　うそに　なる。
だけど、ちっとも　ぼうけん　してきた　気きが　しないし、
おなかだって　ふくれて　いない。

「うそ　だあ」
そう　言いうと、おかあさんは、あらま　と　おどけてみせた。

「覚おぼえていないの？　ほんとうに？」

そう言いわれると、自信じしんがない。

ほんとうに、火星かせいに　行いって、
プリンを　食たべて　きたのかな。

その夜よる、おかあさんに
とんとん　されることなく、
ふとんを　かけて
目めを　閉とじたら

閉とじたら

眠ねむたくなって

夜よるのおうちの　中なかだった。