神の愛し子と、悪魔の鎖

イセヤ レキ

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のものれおはみき

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私には、ひとつ年下の弟がいた。
眉目秀麗で成績優秀で運動神経抜群の、いくつもの才能を与えられた神に愛された弟が。
対して、私はどちらかというと平凡な姉だった。
けれども、両親が弟と私を比べる事もなく、出来すぎの弟とも非常に仲良くやっていた。


……と、思っていたのは私だけだった。



私に初めて彼氏が出来たのは中学二年生の時。
同じ塾に通っていた他校の男の子だった。
向こうから告白してくれて、嬉しくて舞い上がった私は直ぐにOKをした。
そして、浮かれていた私はそれを誰かに報告したくて、まだ起きていた弟にその話をしてしまったのだ。
「親には内緒よ」と、何かあった時の味方につける為に。

けれども、「何か」なんて来る前に、その彼氏に振られて終わった。
交際期間、たった一週間だった。


次の彼氏は、高校一年生の時。
よくつるむ様になったグループの中の一人のクラスメイトだった。
始まり方は告白ではなく、グループの誰かが「お前達お似合いじゃん、付き合っちゃえばー?」とからかってきた事がきっかけだった。
そのクラスメイトは、「だってさ、じゃあ付き合うか!」と私に言ってきた。
弟曰く、「真面目が服を着ている」私は、「じゃあ……うん」と答えてしまった。
私が断ると、彼の面子に泥を塗りかねないと思ったから。
彼はびっくりした顔をした後、「じゃあよろしく!」と言って笑った。
しかし次の日から、何故か私は同じグループだった女の子達から避けられる様になった。
理由を聞くと、「ああ言う時は、ノリでヤダー、って言えばいいじゃん。本気でアンタみたいな平凡な女が、クラスの人気者と付き合えると思ってんの!?」と言われた。

私は正解がわからなくて、「クラスの人気者」の気持ちを一番理解してそうな弟に相談してみた。
結局、次の日にはお断り……というか、「お互い本気じゃないしね」と、遅まきながら有耶無耶にしてしまった。
交際期間、更に短く更新した。


最後の彼氏は、大学生の時だった。
それなりにお洒落をし出して、サークルにも入った。
サークルで一人の先輩と意気投合して、二人で飲み会を抜け出した。

二件目の居酒屋で、先輩から「付き合わないか?」みたいな事言われて、私は頷いた。
テーブルの上で手を繋がれた時に、弟から着信が入った。
その日は両親も仕事が夜勤で、弟には飲み会で遅くなると連絡していたから、心配して掛けてきてくれたのだとは思ったけど、しばらく無視していた。
しかし、鳴りやまない着信に先輩が優しく「出た方が良いよ」と促してくれて、結局弟がその店まで迎えにきて私達は店をあとに別れる事となった──




「……良くもまぁ、こんなになるまで飲まされたね。あの男、持ち帰りする気満々だったんじゃない?」
「ひぃっ……!!んん…っっ!!」
「こーんな真面目なだけが取り柄の姉さんなんて、一度ヤったらもう結婚とか考えちゃう、重たい女になりそうだけどね」
「ぃや、ね、や、め……」

「……何で、俺じゃ駄目なんだよ。俺が一番、姉さんを見続けてるのに」
「なん、でっ、て……」

私は涙で顔をぐちょぐちょにしながら、回らない頭を必死に回転させる。
私を迎えにきてくれた弟は、家までは普通だった筈だ。

私をリビングのソファに座らせて、キッチンでコップに水を注いで持ってきてくれて。
「何で男と二人っきりだった訳?サークルの飲み会じゃなかった?」と聞かれて、「今日から彼氏になったぁ~」とめでたい報告をした。

そしたら、弟がいきなり私を担いで、自分の部屋のベッドにポイって投げて。
あ~、弟の部屋に入るの久しぶりだなぁ、弟の匂いがするなぁ、そして眠いなぁ……って寝ようとしたら、何故か裸にひんむかれて。

着替えもせずに弟のベッドで寝ようとしたのが悪かったのかなぁ、ここ風呂場じゃないのになぁ……って思ってたら、下半身にヌメヌメとした感触がして流石に閉じていた重たい目を恐る恐る開けた。


「な、何して……っっ!!」
驚きで、台詞がそれ以上紡げない。
「何って……クンニ」
「相手間違えてるでしょお~、もしかして酔っぱらい?」
「それはそっちね」
弟は、行為をやめさせようと弟の頭を押さえた私の両手を、私のお尻の下でクロスさせ、片手でひょいと押さえた。
そのまま、下半身を持ち上げられる。
私の背中の下に、弟の膝が差し込まれた。
一連の流れるような動きに、私の頭も身体もついていけない。
その間にも弟の舌は、変わらず動いてヌメヌメとした感触を伝え続ける。
一方の私は……身体が固定されて、動けない。


「離しなさいってばぁ!!」
「嫌だ」
「姉弟なのにーっっ」
「関係ない」
「関係あるよぉ、ここは日ほ……ひゃん!!」
弟が、舌先でコリコリと何処か変なところを刺激したらしく、私は過剰に反応してしまう。
「クリトリス、弄られるの気に入った?」
「や、やだぁ……」

涙が溢れて、弟の枕に染み込む。
私が泣いているにも関わらず、弟は空いていた片手を伸ばして胸の先端をくりくりと摘まみ、先程よりもむしろ激しく愛撫し出した。

「ふぁ、あぁん……」
一生懸命抵抗しても、全く動けない。
むしろ「そんなに腰をくねらせて……挑発してんの?」そう。
下手に動くと、弟の顔に自分の下半身を押し付ける形となった。

弟が、先程の変なところを舌先で丹念に何度も舐め上げ出し、私の身体は力が抜けていく。

「……良くもまぁ、こんなになるまで飲まされたね。あの男、持ち帰りする気満々だったんじゃない?」
「ひぃっ……!!んん…っっ!!」

弟の舌先が尖り、私の大事な穴につぷりと差し込まれた。
ちゅぷちゅぷと音が響いて、私の顔は赤くなる。
弟の、唾液だけの音ではないから。


「こーんな真面目なだけが取り柄の姉さんなんて、一度ヤったらもう結婚とか考えちゃう、重たい女になりそうだけどね」
「ぃや、ね、や、め……」


胸の先端を苛めていた指が離れたと思ったら、舌の代わりに指が差し込まれた。
やだ、何でこんな事するの。
からかわないで、酷いよ。
パニックを起こした私は、そんな台詞を喚いたと思う。

「……何で、俺じゃ駄目なんだよ。俺が一番、姉さんを見続けてるのに」
「なん、でっ、て……」

弟が、無表情で言うものだから、私はしゃくりあげながら、それでも弟の行いが異常である事を理解して貰おうと必死だ。

「姉さんは、生まれた時から俺のものなのに」

……?
いや、私が生まれた時、貴方いないよね?

現実逃避がわりにそんな突っ込みが脳裏をよぎる。

「舞台が整うまで待ってたら、直ぐに他の奴等に横取りされる……もう、先に俺のものにしとかないと、安心出来ない」

勝手にそう結論付けて、弟は本格的に私のアソコを舐め出した。

「いやぁ!!………んふぅ!!」
口の中に、指を差し入れられて、思うように口を開閉出来ない。
下から淀みながら溜まっていく熱と、沸騰した状態が続く頭。
口の端からたらたら流れる涎と、いく筋も頬を伝う涙。
ぐちゃぐちゃで真っ赤に違いない顔と、熟れた果物を潰したかの様な音が鳴り響く蜜口。

何もかもが、私の思考をショートさせて。

「は、ぁはぁ、ああ────っっ!!」
びしゃ、と私の下半身から吹き出たものが、弟の顔を濡らす。

「弟の俺の舌だけで派手にイったね。姉さん」

やっと口の中から弟の指が引き抜かれ、背中の下から膝が抜かれ、両手を解放された。
逃げ出したいのに、身体は弛緩してはぁ、はぁ、と息をするだけで精一杯だ。

シャラン、と機械的な音がした。

「……え?」
「姉さんの初イき後の写メゲットー」
「嘘、でしょう?」
「大丈夫、宝物にするだけだから」
「な、に言って……早く、消し、てよぉ……」

ぐちゃぐちゃの顔を覆って、ぐすぐす泣き出した私。
しかし弟は、そのままスマホをこちらに向けたまま私の両足の間に身体を滑らせた。

「じゃあ、いくよ?」
「きゃ……!!」

片手で腰を抱えられたかと思えば。
次の一瞬で、凄い衝撃が股から脳天まで突き抜ける。

「い、痛い痛い痛い……っっ!!」
「……っ、姉さんの処女も、無事に弟のチンコで喪失だね」
「いやあぁぁ!!」

信じられなかった。
自慢で可愛い、私の弟。
いつも優しくて、気配りも出来て、何でも相談して、仲良くて。
何で、それが、どうして。

私の股の間には物凄い異物感があり、それがドクドクと脈打っているのを感じる。

「あー、姉さんの膣内なか、凄くあったかい。気持ち良い」
「し、信じられ、ない……」
「大丈夫、実感湧くまで今日は犯してあげる」

ずちゅ……、ずちゅ……
弟がゆっくり動き出して、下半身に強烈な痛みが再び走る。
「痛い、痛いよぉ……っ」
「必ず気持ち良いって思えるまで、ヤってあげるから」

その言葉通り。

親が帰宅してくる直前まで犯され続けて私は気絶したらしく、気付けば自分のベッドでパジャマに着替えて寝かされていた。
痛む下半身を庇いながら階段を降りてリビングに入れば、母親と弟が談笑していた。
「ああ、姉さん。起きたの?もう大丈夫?」
弟が、柔和な微笑みをこちらに向けてくる。
「もう具合は良いの?朝ごはん食べられる?」
母親が聞いてくる。

下半身の鈍い痛みと違和感がなければ、いつもの光景だ。
「……うん、少し、だけ食べる」
「そう?今用意するわね」

母親がキッチンに行くと、弟が耳打ちしてきた。
「これからもよろしく、姉さん」
私は、身震いした。



それから、親のいない時間を狙って散々身体を貪られた。
私が弟との二人きりの時間を避けると、電話で脅されて呼び出されてホテルで繋がった。
逃げられない、と悟った私は、弟が自分に飽きてくれる事を願いながら、まるで恋人の様に接してくる弟に戸惑いながらも身体を開拓され──



***



「どうしたの?難しい顔して」
「うん……最近神がお造りになった愛し子がさ、悪魔に魅入られちゃって」
「何回かやり直しさせた?」
「そう。最初は幼なじみで簡単に捕まった。そうしたら神が、やっぱり愛し子が悪魔に捕まるのは辛いと心を痛められてたから」
「あー……悪魔に捕まると、大抵監禁凌辱で終わるもんなぁ」
「うん。だから、色々やり直しさせたんだけど……」
「上手くいかなかった?」
「ダメだった。神の愛し子なだけあって、悪魔の執着が凄い。結構干渉強めに邪魔して、高校の教師とか、御曹司とか、他のターゲット選り取りにしてもダメ。年の離れた叔父とか、今回は弟なんだけど、近親者にしても全く効果なし。いっつも愛し子が陥落させられちゃうよ……」
「うーん、ちょっと待ってて……あぁ、駄目だね。悪魔の鎖ががんじがらめに愛し子に絡まってるね。多分、次は犬とかにしても無理だわ」
「そうだよね……神に報告して、処分を受けるよ」
「仕方ないね。あの悪魔、かなり強そうだから今回は仕方ないさ。ああ、後一回干渉せずにやり直しして、せめて相手はクラスメイト位で落ち着かせないと、流石に愛し子が可哀想だ」
「うん……そうだね。そうするよ」



***



私に初めて彼氏が出来たのは中学二年生の時。
同じ塾に通っていた他校の男の子だった。
向こうから告白してくれて、嬉しくて舞い上がった私は直ぐにOKをした。
そして、浮かれていた私はそれを誰かに報告したくて、まだ起きていた弟にその話をした。

「あっそ。良かったね」

最近反抗期に入ったのか、非常に答えはつれない。
思春期の男の子、難しい。
昔は姉ちゃん姉ちゃん可愛かったのに。


初めての彼氏は、同じ塾ではあるけど特進クラスだ。
眉目秀麗で成績優秀で。
同じ学校に通っている子達は、運動神経抜群とも言っていた。

彼が、私の何処を気に入ってくれたのか、いまいちよくわからないけど。
彼の隣で胸を張れるように、頑張りたい。


付き合う様になって、彼は意外と嫉妬深く独占欲が強い事に驚いたりはしたけど。
私の初めてのデートも、キスも、処女も、全て捧げて私達はお互いしか知らないまま、入籍した。
大学出てから直ぐに入籍したし、私が一人で出歩くのを彼は良く思わないから、一人で家にいる事が多いけれど。
彼の為に家の中を整えながらのんびり過ごすのも、インドア派の私には苦痛じゃない。
彼は仕事が終われば真っ直ぐに帰宅し、二人で楽しく食事をした後、たっぷり可愛がってくれる。

……こんな風に夜の営みを思いだせば、私は膣内に埋め込まれたバイブをきゅ、と締めてしまう。
いけない、バイブで濡らしすぎたらご主人様が嫉妬してしまうのに。


「生まれた時から、君は俺のものなんだよ」
彼……ご主人様の口癖。
私も何故か、そう思うのだった。
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