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13 甘ったるい朝
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「世那、おはよう」
翌朝僕が起きると、甘ったるい表情をした清流にキスを落とされた。
「清流……?」
「うん、どうした?」
清流の顔にはやや疲れがうかがえて、目の下には隈ができている。
疲れていても、それが妙な色っぽさにしかならないイケメンで何よりだ。
男二人でも余裕で並んで寝られそうなベッドだけど、もしかして僕が占領してしまって寝られなかったのかなと思い、尋ねようとしたが声が掠れて出ない。
僕がケホコホむせていると、清流は慌てて水を持って来てくれた。
うーん、男に尽くされるとか全く慣れないし照れてしまうけど、なんだか悪い気はしない。
「大丈夫か?」
「うん、もう大丈夫。お水ありがとう」
清流は僕の手からコップを取り上げると、「身体の調子は?」と尋ねてきた。
直ぐに昨日の醜態を思い出して、火がついたようにぼっと顔が熱くなる。
「も、問題ないよ。それより、清流のほうが体調悪くない? 寝不足みたいだけど……」
ベッドを占領していたであろう僕が聞くのも憚られるなぁと思いながら、立ったままの清流を見上げる。
清流は僕が残した水をぐいっと飲み干すと、嬉しそうに笑って言った。
「いや……俺が寝て目が覚めたら、世那がいなくなっているんじゃないかと思って。そう考えたら寝られなくなっただけ」
「なにそれ」
「自分に都合の良い夢だったって、いつもがっかりするからさ」
……いつも?
僕が口を開く前に、清流はコップを横に置くと僕に覆いかぶさってくる。
「重たいよ、清流……あ! それより今、何時?」
我に返った僕は、キスを仕掛けようとする清流の口を抑えて目を動かし、部屋の時計を探す。
今日は月曜のはずで、普通に出勤日だ。
「今は九時。世那のお父さんに今日は仕事を休むって伝えておいたからゆっくりして大丈夫だ」
「え?」
「ひとまず、腹ごしらえでもしようか。朝はパン派だったよな?」
「えと、うん。……うん?」
会社へ本当に連絡したんだろうか、とか、なんでパン派だって知ってるんだろうか、とか色々な疑問を抱えつつも、僕は清流の案内でリビングへと移動しようとした、のだが。
「……清流、シャワーを先に使わせて貰ってもいい?」
ベッドから立ち上がった瞬間、お尻からドロッとしたものが滴り落ちて身体が硬直した。
本番まではしていないからローションだろうが、慣れない感覚にびっくりする。
「勿論かまわないが……ああ、まだナカに残ってた?」
いつ着たのだか覚えていないバスローブを捲り上げられ、僕はまるで女の子のようにそれを抑える。
「ちょっと、清流!」
「恥じらわれても、興奮するだけなんだけど。昨日しっかり拭いたつもりだったが、もっとしっかり掻き出さないと駄目だったな」
「~~っっ」
恥ずかしくて、何も言えない。
どうやら僕が寝ている間に、清流が僕の身体を拭いたりバスローブを着せたりしてくれたらしい。
僕は女の子相手にそんなことをしたことがないのだけど、清流はこれが通常運転なのだろうか。
だとしたら僕には、やはり男子力というものが足りなかったのかもしれない。
「風呂はこっち。おいで」
自然と差し出される手に視線を落とす。
え、家の中でエスコートされるの? 僕。
しかし男だからこそ知っている。
無視された手は行き場を無くして、男は悲しい思いをするのだと……!
「……うん」
仕方なく、僕はその手に自分の手をのせ、風呂場へ案内された。
翌朝僕が起きると、甘ったるい表情をした清流にキスを落とされた。
「清流……?」
「うん、どうした?」
清流の顔にはやや疲れがうかがえて、目の下には隈ができている。
疲れていても、それが妙な色っぽさにしかならないイケメンで何よりだ。
男二人でも余裕で並んで寝られそうなベッドだけど、もしかして僕が占領してしまって寝られなかったのかなと思い、尋ねようとしたが声が掠れて出ない。
僕がケホコホむせていると、清流は慌てて水を持って来てくれた。
うーん、男に尽くされるとか全く慣れないし照れてしまうけど、なんだか悪い気はしない。
「大丈夫か?」
「うん、もう大丈夫。お水ありがとう」
清流は僕の手からコップを取り上げると、「身体の調子は?」と尋ねてきた。
直ぐに昨日の醜態を思い出して、火がついたようにぼっと顔が熱くなる。
「も、問題ないよ。それより、清流のほうが体調悪くない? 寝不足みたいだけど……」
ベッドを占領していたであろう僕が聞くのも憚られるなぁと思いながら、立ったままの清流を見上げる。
清流は僕が残した水をぐいっと飲み干すと、嬉しそうに笑って言った。
「いや……俺が寝て目が覚めたら、世那がいなくなっているんじゃないかと思って。そう考えたら寝られなくなっただけ」
「なにそれ」
「自分に都合の良い夢だったって、いつもがっかりするからさ」
……いつも?
僕が口を開く前に、清流はコップを横に置くと僕に覆いかぶさってくる。
「重たいよ、清流……あ! それより今、何時?」
我に返った僕は、キスを仕掛けようとする清流の口を抑えて目を動かし、部屋の時計を探す。
今日は月曜のはずで、普通に出勤日だ。
「今は九時。世那のお父さんに今日は仕事を休むって伝えておいたからゆっくりして大丈夫だ」
「え?」
「ひとまず、腹ごしらえでもしようか。朝はパン派だったよな?」
「えと、うん。……うん?」
会社へ本当に連絡したんだろうか、とか、なんでパン派だって知ってるんだろうか、とか色々な疑問を抱えつつも、僕は清流の案内でリビングへと移動しようとした、のだが。
「……清流、シャワーを先に使わせて貰ってもいい?」
ベッドから立ち上がった瞬間、お尻からドロッとしたものが滴り落ちて身体が硬直した。
本番まではしていないからローションだろうが、慣れない感覚にびっくりする。
「勿論かまわないが……ああ、まだナカに残ってた?」
いつ着たのだか覚えていないバスローブを捲り上げられ、僕はまるで女の子のようにそれを抑える。
「ちょっと、清流!」
「恥じらわれても、興奮するだけなんだけど。昨日しっかり拭いたつもりだったが、もっとしっかり掻き出さないと駄目だったな」
「~~っっ」
恥ずかしくて、何も言えない。
どうやら僕が寝ている間に、清流が僕の身体を拭いたりバスローブを着せたりしてくれたらしい。
僕は女の子相手にそんなことをしたことがないのだけど、清流はこれが通常運転なのだろうか。
だとしたら僕には、やはり男子力というものが足りなかったのかもしれない。
「風呂はこっち。おいで」
自然と差し出される手に視線を落とす。
え、家の中でエスコートされるの? 僕。
しかし男だからこそ知っている。
無視された手は行き場を無くして、男は悲しい思いをするのだと……!
「……うん」
仕方なく、僕はその手に自分の手をのせ、風呂場へ案内された。
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