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1章 Reincarnation
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しおりを挟む「ルー!ジャン様!」
ぱぁあと顔全体で嬉しさをあらわにしたアッシュが俺たちに向かってかけてきた。
悪魔が隣で頬を吊り上げたのを感じた。
動け!
動け!
動け!俺の体!
早く!!
「こらこら、走って転ばないように気をつけて。ね、ルー君。」
追い打ちをかけるようにニタリっとダレかがそう、俺に向けて視線をやりそう告げた。
(こいつ、わざと…!)
気付くな!シュバ!
「??…?」
ピタッとアシュバトの足が止まった。
「…どうしたんですか?ほら、こっちにおいで?」
アシュバトは、先程のダレかの言葉に足を止めた。
そんなダレかを真っ直ぐ見つめ、アシュバトは言った。
「違う、あなたはジャン様じゃない。」
「??何を言ってるんですか?」
「だって、ジャン様は、ルーのこともルー君なんて呼ばないもん。」
ニヤァと嬉しそうに口角を上げ、手をアシュバトの向け
「我は闇に魅入られし者
我は闇夜に現れし者
我は光を忌み嫌う者
闇の力よ、我の道を邪魔するものを全て突き刺し給え
闇ノ槍」
黒いモヤのようなものが、槍の形を形成し始め、一直線にアシュバトに向かっていった。
俺は全身の力を振り絞って、
「やめろぉぉぉ!!!!」
アシュバトの前に滑り込み、アシュバトの体を強く抱きしめ、
(神様!どうかコイツだけでも!助けてください!!!)
強く願った。
「何故!拘束が解けて!?そして、何故、私の攻撃が!クソッ!しかも強制転移だと!!!!」
シュバンッと音たて、1人?分の音が消えた。
どうやら、神様は助けてくれたようだ。
「良かった…、ぶ、じみ、たい…だなぁ」
「なんで…どうして…ねぇ、ルー!!」
アシュバトだけでも。
「よがった…お前が…ぶじ、で、」
俺は、アシュバトに当たるはずだった魔法を背に喰らった。見事に貫通して、穴が空いてるはずなのだが、アシュバトは神様が守ってくれたようで無傷だ…本当によかった。
アシュバトの安心を確かめ、力を緩めた。すると、体も限界だったみたいで倒れ込んだ俺をアシュバトはその小さな体で受け止め、俺の頭を膝枕し、顔を覗き込んできた。
不安そうに揺れるアメジストの瞳。
ここ数年で宝石のような輝きを取り戻したように輝いていたのに…あぁ、俺が曇らせてしまったな…
濃ゆい色のアメジストとプラチナブランドの組み合わせが本当に綺麗だ。
そして、こんな綺麗な弟分の顔は今日で見納めか。
不安そうな瞳に輝いてほしくて、大丈夫だと伝えようとして
アシュバトに向けて微笑んで、アシュバトの頬に手を当てようとして自分の血で濡れてしまった手が目に入り、手を下ろした
が、その手をすかさずアシュバトがぐっと握り締めた。
「なんで…なんで?」
アシュバトは俺が目の前で攻撃されたことに混乱してるが、今はそれどころではない。神様が、アイツを何処かに転移させてくれたっていっても、アイツがまた戻ってくるかもしれないし、アイツ以外の誰かに殺される可能性だってなきにしもあらずだ。大人がいないここはもう安全では、ないだろう。
「はやく、にげろ」
そう、お前だけで
お前だけでも逃げてくれ。
こんな俺は、ほっといて、
でも、やっぱりお前は優しい子だな
ポタッ
こんな俺のために
ポタリッ
目に涙なんか浮かべてさ、
「できない、できないよ…俺、ルーと一緒じゃなきゃ逃げたくない!」
いやいやと首を振るアシュバト。二人で何か言い合いなった時は、いつもは俺が折れてやってるけど、今回だけはダメだ。
「だ、めだ。はやく、しろ、!」
そろそろ息が苦しくなってきたようでヒューと喉の奥から音が聞こえてきた。
ほら、早く!
そう譫言のように喋り続けながら、俺のまぶたはだんだんと落ちていくのだった。
「ねぇ!ルー!ルーったら!!!
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