上 下
1 / 63
混乱の淵に立てば ー別世界への転移編ー

第1話:Welcome to Different world 改稿その19

しおりを挟む
 先に注意して置くと、この作品はあくまでも学生である中の人が脳内に持ついらない知識を有効に(?)活用するため、もっと言えば自己満のため気ままに執筆される小説である。その点はどうか注意して見て貰いたい。




 ようこそ、紳士淑女諸君!私の名前は……中の人だ!君達は、一度『パラレルワールド』というものの存在を考えたことがあるだろうかい?簡単に言えば、『並行世界』のことだ。
 その世界は、もしかしたら、ナチス・ドイツがWWⅡに勝利した世界かもしれない。人間の寿命が平均で200歳かもしれない。恐竜がいなかった世界かもしれない。宇宙開発に、兵器開発にしのぎを削ったとも言える冷戦がなかった世界かもしれない。考えればきりがないが……まぁ簡潔にまとめるとすれば『If』だ。
 これは、そんなSF感満載のパラレルワールドというものを応用し強引にチート国家『エルディアン連邦』なる国家を北アメリカ全土に形成。それを中の人が乱用し異世界でロマン兵器片手に生き残ってもらおうという趣旨の小説である。そりゃ『ロマン兵器を真面目に運用する国家とか頭おかしいだるォッ!?舐めてんのかァッ!!今の時代は紅茶に決まってるだァッ!by紳士の国イギリス』という輩もいるだろうが、まぁそこは私の手には終えない範疇ということで、ご了承願おう。
 上で述べたことを見ても『別にいいよ。だって自分覚悟できてるし』という方は遠慮なく下へとスクロール。カオスへの扉を開いて貰いたい。
 ……そもそも、タイトルに堂々と『変態なる国家』と書いている時点でこの小説を見る人種は集約されそうなものだが。


         珍 兵 器 の ご 加 護 を 。

                             by.中の人
____________________________________
 これは今から、約50年後。歯止めの効かなくなった人口減少を逆手に取り、世界に先立ってAI技術の研究を行いその技術を他国に輸出、また同時にそれら技術の習得を望む各国大学生、また移民を受け入れ、同時に日本近海に眠る海底資源の開発を推し進めた『日本連邦(旧日本』や、かつてのソ連のような栄光を取り戻さんと日々日進月歩のシベリア開拓を行う『ルードシア連邦(旧ロシア連邦』などが散乱する世界。
 今以上に『先進国である事の価値』が高まった世界。その世界で、北アメリカに覇者として君臨する国家があった。財政難により破綻したアメリカ合衆国や、周辺国家などを吸収し形成された『エルディアン連邦』である。
 国家設立時は地球温暖化による影響で極度に小規模化した農作物生産量による食料自給率の少なさ、そして劣悪な治安に悩まされはしたものの、主食を小麦製品から東洋で生産されていた『サツマイモ』や『ゴーヤ』、『オクラ』、その他暑さに強い食品を導入・開発。さらに最新の機械工学を利用した新たな治安維持ロボットの開発により過去の栄光を取り戻す。
 同国は移民政策を実施したことにより一時期は最盛期の半分以下にまで減っていた北アメリカ全体の人口を大幅に引き上げることに成功。また世界に先駆けして水素発電施設を建設・実用化、国内すべての火力発電所にCCS(二酸化炭素貯留)を常備するなど、様々な政策・計画を打ち出す。宇宙分野でも驚異的な進化を見せ、すでに国営の宇宙旅行会社設立プロジェクトは動き出していた。
 ここまで言えば十分まともな国家……だが、この国家には一つの問題が存在する。それは、『軍が折角の技術を無駄遣いすること』である。
 第二次大戦末期のドイツ軍にも負けず劣らずの技術者たち率いる兵器・技術開発本部からは大量の粗大ゴミ……もといスクラップである珍兵器……例を挙げるとすれば時代錯誤も甚《はなは》だしいターボプロップエンジン搭載の英国産戦闘雷撃機『Wyvern S4』など、信じられないまでの骨董品からかつて量産されることなく開発・運用が終了した各国の試作兵器が量産・さらには正式採用にまで至り国中に配備が進んでしまう(理由は後ほど述べることになるであろう……)。
 使えそうなものは例えなんであろうと徹底的に使う。それが『珍兵器』であても、『アナログ兵器』であっても。彼らは、既に地球では希少となったこの土地を狙わんとする他国の攻撃に備え、日々の訓練を続ける。それを黙々とこなす兵士の心には、ただただ『祖国を、そして家族を守る』という思いのみが込められている。
 そして、それは……前代未聞の大試練は、突然やってきた。

 そう、____国家全体の別世界への転移である。


 2069年 3月6日 午後3時


 エルディアン連邦東部に位置する都市、ドライ市。五年前に国内で増え続ける移民受け入れ用都市として、移民受け入れ船とのアクセス等も考慮され沿岸部に存在したクレセントシティを再利用し設立された都市で、現状そのほとんどを移民が占めている。出来て間もないが、北西5キロ先に存在するハブ空港のロドヴィック空港があるため、交通の便が良く右肩上がりで人口は上がり続けていた。
 そして、いつもならその町に住む市民達が練り歩くメインストリートを、今日は黄金の甲冑を着た時代遅れな兵士たち、そしてその反対側にそびえ立つ市街地中心にそびえ立つ巨大なサッカースタジアムの根元では、バリケードを構築し応戦する警備隊が展開していた。

 「西部方面地方軍は!?すぐにでも援軍が必要だ!」

 警備隊長を務めるリンガル大尉は額に汗を浮き出させ、緊迫した表情で言う。腕にはバーソロミュー社製のPDR-Cが握られ、いつでも射撃できる体勢で土嚢《どのう》の背後に身を潜めている。
 事の発端は十数分前。目の前で対峙する中世風味の兵士たちが東部のから突然現れたかと思うと、市街地に侵入。民間警察何もかも御構い無しに破壊活動を開始した。あまりにも突然の奇襲で、さらに相手の使用する謎の攻撃。奴らに対する対応は遅れに遅れ気づけばこの有様だ。警備隊の半数との連絡は取れず、頼みの綱である西部方面地方軍司令部への連絡は、一向に取れそうにない。
 市街地から脱出、西部方面地方軍司令部のある基地へと向かった警備隊所属のヘリがこの報を知らせなければ、おそらく今日中には全滅するだろう。

 「現在連絡中ですが……一向に西部方面地方軍司令部への連絡が通じません!すでにできるだけのことはしました!」

 「くそっ……援軍到着の見込みは無し、か。……だが俺たちの背後には、守るべき人々がいる」

 リンガル大尉は後ろを振り向く。そこには、民営ホール内部でうずくまったススだらけの老人や子供、フライパンなどの簡素な武器や家に保管されてあったらしい骨董品のベネディクト社製M870を手に持ち最後の抵抗をせんとする者など、様々な人種・年齢・性別の人間がいる。

 「総員!!なんとしてもここを死守するぞ!」

 『『了解ッ!』』

 ブオォォォォォォォォォォォォォォッ...!

 そして、それに合わせるように奇妙な重低音が周囲一帯に鳴り響く。それを耳にした対峙する中世風味の男たちは、皆それぞれ盾や剣、練度を思わせるかのように統制がとれた動きで一斉に槍を構える。

 『『『ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッッッッ!!!』』』

 そして、雄叫びと共に中世風味の兵士たちは突撃を開始。ここに、若きエルディアン連邦軍兵士、立ったの数百名と、総勢10万にも及の異世界のある国の軍との、大規模な戦闘が始まった。


_30分後、首都エルディアンDCの大統領府では


 「大統領!緊急事態です!」

 大統領執務室のドアを勢いよく、大統領補佐官のジョンソンが開ける。
 まるで『待っていたよ』と言いたげな表情の大統領ニッソンはメガネを磨きながら

 「そうか……大体想像はつくがね」

 と言う。
 彼は『ちょっと待ってくれ』と静かに言うと、先ほどから手元でうるさく鳴る電話を取り、ジェスチャーで『静かに』と伝える。

 「大統領のニッソンだ。どうしたのかね?……そうか……。わかった。ルードシア連邦大使館には『現在原因解明中』と伝えておいてくれ。……そうだ」

 ニッソンは電話を執務机に置くと、ジョンソンに顔を向けて

 「君が言いたいことは分かっている。各国との通信が途絶した状態に置かれ、各国から……だろう?」

 と言う。
 ジョンソンは『ご存知でしたか』と答えると、『ではこちらはそれとは別件のものです』と伝え軍務担当府から渡された数枚の資料を大統領に手渡しする。

 「……これは……またまたまずいことになったな……」

 ニッソンはメガネを手に取ると執務椅子から立ち再度資料に書かれている内容を確認する。

 「市街地が……国籍不明軍により包囲攻撃されているだと?」

 急造なのか、具体的な詳細が記入されていない紙をジョンソンに手渡し、さらなる説明を求める。

 「その市街地やらとはどこのことかね?」

 「これを送ってきた西部方面地方軍によると……ドライ市のようです。ほぼ同時とも言うべきタイミングで、ドライ市北東5キロに位置するハブ空港のロドヴィック空港から『ドライ市の市民が詰めかけてきて非常に困っている。どうにかしてくれ』との情報が入っていることから、これが事実である可能性は非常に高いかと」

 ドライ市が攻撃を受けたなら、もちろん市民たちは逃げようとするはず。その行き先としてロドヴィック空港が選ばれるのは……想像に難くない。
 ジョンソンは続ける。

 「現在西部方面地方軍は臨戦態勢に移行、ドライ市市民救出のための作戦を計画中です」

 「それは良かった。……一応聞いておくが、何か兵器の使用許可を要請してきたか?」

 心配そうな声でニッソンはジョンソンに尋ねる。
 以前東部でテロが起こった際、東部方面地方軍は何を思ったか基地内部から大量クラスター爆弾やナパーム弾を持ち出し、テロ組織に対し大量に使い周囲一帯を焼け野原にしてしまった。おそらくテロリストに対する過度の恐怖心がこの事故とも呼ぶことのできない悲惨な自体を生み出してしまったのだろうが……それはそうとしてもこれはいくらなんでもやりすぎた。
 さすがにこんな過ちを西部方面地方軍はしでかさないだろうが、一応聞いておいて損はないだろう。

 「はい、西部方面地方軍からは『すべての爆弾の~~ファミリー』の一つ、『すべての爆弾の兄』を使わせろとの使用許可要求が上がっております」

 「そうかそうか、『すべての爆だ』……ん?おい、ちょっと待て」

 一瞬納得しかけたが、少し待て。『すべての爆弾の兄』だと?あれは確か……。

 「それは……『MOAB』のことじゃないよな?」

 「……大統領のお考え通り、『MOAB』です」

 『MOAB』。Massive Ordnance Air Blast、直訳すれば大規模爆風爆弾兵器のことで、その名の通り大規模な爆発を引き起こし、爆風で周囲一帯を薙ぎ払う。
 以前存在した『アメリカ合衆国』が開発したトンデモ兵器で、その後継の愛称(?)『すべての爆弾の母』や『すべての爆弾の父』が開発されるまでは暫くの間世界最強の通常兵器という地位に立っていたそれは、結局開発した当のアメリカでもテロ組織に一度実戦投入した以外、少なくとも情報が公になっている範囲では使用されていない。
 そんなものを市街地付近で使用するなど、正気の沙汰じゃない。周囲1キロすべての障害物を瞬く間に破壊する以上、使用した瞬間ドライ市はその半分ほどが市街地から空き地に変貌するだろう。そうなれば残る市民も、警備隊も一瞬でお陀仏だ。

 「……流石にこれをポンポン使うほど西部方面地方軍もバカで無いことを祈るほかないな……。懸念材料は残るが、一応使用許可は出しておこう」

 「わかりました」

 「あぁ、それとだ。追加でロドヴィック空港へ治安維持と避難を円滑に行うためにも、軍を少々派遣するようにも伝えておいてくれ」

 ニッソンは内心、何が起こるかわからないなと今後の展開を想像するが、考えるだけ無駄だと割り切り執務に戻った。


 5分後


_西部方面地方軍基地司令部


 西部方面地方軍基地。
 ドライ市に最も近いとされるこの地方軍基地は、数年前にグレート・ソルト湖西に建設されたコーレシャン空軍基地を改装した場所で、主に陸空軍合同基地として、時には他国からの要人を乗せた専用機などの燃料補給中継地点として使われる。
 その基地の一角、司令部の内部に設けられた司令官室で、一人の男が淡々と執務をこなしていた。

 コンコン

 カタタタタタタタタタタタタタタタタと言う全く心地よく無いタイプ音のみが延々と鳴り響く司令官室。その部屋に、まるでタイプ音を妨害するかのように大きなドアをノックする音が響く。

 「入りたまえ」

 そのノック音に気づいた西部方面地方軍司令官のカルロスは執務を中断。ノックをする相手の入室を許可した。

 「失礼します!カルロス司令官!大統領府からの指令が届きました!」

 カルロスは『来たか』といった顔をして伝令兵に顔を向ける。

 「確認しておこう。内容は?」

 「『救出作戦実施及び敵軍攻撃への『MOAB』使用の許可を認める』です!」

 「やっぱりな……」

 カルロスは相槌を打ち続ける。が、さらに伝令兵は

 「また、『ロドヴィック空港へ少々の軍を派遣するように』、とのことです!」

 と伝えた。

 「ロドヴィック空港に軍を派遣、か……。目的は?」

 一応こちらにも、ロドヴィック空港にドライ市市民が詰め掛けている情報は入っている。とは言えこちらとしてはドライ市に進出した国籍不明軍を叩くことが先決。輸送部隊を派遣するかどうかで一旦保留になっていたところだった。

 「……えぇっと……はい。理由に関してですが……治安維持と円滑な避難行動を支援するため、だそうです」

 「ふぅむ……」

 確かに大統領府からの命令にも一理ある。我々は軍隊。戦争屋でありながら、同時に自国民を救う義務が課せられている。
 であるならば……。

 「わかった。至急治安維持部隊を編成し、ロドヴィック空港に派遣するとしよう。下がっていいぞ」

 「失礼しました!」

 それだけ言うと、伝令兵はテキパキとした動きで部屋から退出する。

 「さて、と……」

 椅子から立つと、執務机に置かれた電話を取る。

 「もしもし?司令官のカルロスだ」

 電話の話相手は司令室だ。

 『司令官、どうされましたか?』

 「先ほど執務を終えた。すぐにそちらに向かう。……それと、大統領府から連絡があった。ロドヴィック空港への治安維持部隊の派遣と例の作戦の準備を開始するように各要員に通達しておいてくれ」

 『了解』

 「それと……ハワイ方面地方軍からの連絡は?」

 カルロスは慎重な口調でハワイ方面地方軍の安否を確認する。

 『……未だ連絡は取れていません』

 「そうか……」

 しばらく気まずい雰囲気が続く。

 「今は目の前の敵に集中するとしよう。ハワイ方面地方軍の安否確認は……それからだ」

 『了解……』

 連絡を終え電話をそっと手元に置くと、席を立ち窓際へと歩み寄る。

 「……何が起こっているんだか」

 部屋からも見える滑走路や航空機格納庫。そのすぐ足元でせわしなく動き回る要員や航空機などを見終えると、カルロスは静かに部屋を退出した。


_ドライ市を包囲攻撃中の国籍不明軍へと視点を移す。


 「戦況は?」

 今回の攻勢部隊……通称『デルタニウス王国攻略軍』。その軍の参加者らは皆、ドライ市の西端にある中くらいのビルに陣を引き、暖を取り囲みながら話し合っていた。
 彼らは本国が『あのね、西に存在するエフヒ海に進出したいけどデルタニウス王国邪魔なんだ!だから君たち、滅ぼしてきて♡』という本国からの軽い考えで派遣された部隊、総数10万である。こんな軽い判断で滅ぼされることになるデルタニウス王国には、いくら蛮族とは言え同情の一つや二つ覚えてしまうものだ。
 それはともかくとして、本国はデルタニウス王国軍に対し宣戦を布告、屈辱的ではあるが本国の奥地までわざわざ敵軍を誘引、そこで一挙に敵の侵攻部隊のほぼ全てを叩く。その後はこの通り、敵本国へと逆上陸を果たしたわけだ。
 
 「もはや敵は死ぬ瀬戸際。すぐに終わることでしょうが……」

 その一人、ミニマムであり一司令官のギーラスは妙に落ち着かない態度で続ける。

 「今回は何か様子がおかしいと思うのです。見積もりではこの程度の辺境の土地、一瞬で片がつくと踏んで降りましたが……実際はその数倍の被害を被っております」

 ギーラスの発言を聞いたゲラーウスは、『そうだな……』とだけ呟く。
 現在この軍に所属する兵士らには軽度の防御力向上魔法が付与されている。これは数回限りしか作動しないが、作動時には弓程度のものであれば傷を最小限にとどめる効果がある。
 だが、敵はそれを物ともせず一回の攻撃で兵士を死に至らしめた。防御魔法どころか、甲冑すら無力化して、だ。
 彼としても、この敵の反撃反撃は予想外。
 敵がやっと実用化にこぎ着けた単装式ライフルをはるかに超える性能のライフルのようなものを使用していることも影響し、現状は敵の市街地からの脱出を阻止すべくこの街全域に軍を配置している。
 我々にもエアカバーとして竜種が使えれば文句はなかったのだが、竜種は基本的に食料を大量に消費する。そのため、ここで使おうにも運用するための肝心の食料がないのだ。これではただの宝の持ち腐れ。だが、やはり持ってきたほうが正解だったか、と少々歯噛みした。

 「ですが、朗報はあります。今回攻略中の巨大な街の規模に比べて、練度は高いようだが数は少ない。これは敵にもう大規模な動員を行えるほどの国力が残っていないも同然。敵の使用するあのライフルのようなもの……あれに関しての城は我々にとっても貴重な情報となる可能性が高い。現状敵が魔法を使っていない点は気になりますが、相手の持つライフルもどきを加味しても勝算は十分にあるかと。もちろん、敵のもしもを考え大規模魔法の効果範囲・威力を考慮した分散配置を行なっておりますので大丈夫かと思われます」

 「そうだな……それもそうか」

 彼らの脳裏に、デルタニウス王国軍魔道士の放つ大規模魔法が兵士たちを一瞬にして文字通り『消滅』させる姿が浮かぶと同時に、逆にそれを圧倒的人海戦術で蹂躙する様が上書きされる。

 「確かに、本土であれだけ痛めつけたのだ。一応本国に援軍をよこせないか打診しては見るが……まぁ様子見だな」

 彼らはその後も数分間、意見交換を交え伝えるべきことを伝えたと確認すると解散。それぞれが持ち場に戻るのだった。
 彼らはまだこの時、この後に起きる大惨事を思いもしなかった。


______

 エルディアン連邦
 言わずと知れたパラレルワールドの地球における変態国家。本作の主人国。
 過去に存在した、ありとあらゆる試作・ペーパープラン兵器などからアイデアを抽出し、時には変態兵器を作り時には元となった兵器そのものを現代仕様に改造して生み出してしまう。

 ドライ市のモデル:増え続ける移民用都市として、かつて存在したが、人口減少により打ち捨てられた状態で放置されたクレセントシティを再利用し五年前に建設された、いわゆる再利用都市。北東5キロ先にはハブ空港であるロドヴィック空港が、街のすぐ近くには小規模の港が存在する。

 西部方面地方軍基地のモデル:こちらも完全架空。主に西部に存在する架空敵やテロに対する対処を主な任務とするためグレート・ソルト湖付近に建設された。その規模は各方面軍基地の中では最大級。また、ハワイ方面地方軍基地とエルディアンDCとの橋渡し的役割も兼ね備えている。

 国籍不明軍:今の時代としては時代錯誤も甚だしい(こちらが言えることではないが)中世風味の甲冑を着込んだ兵士を主力にドライ市を包囲している。

 ハワイ方面地方軍基地
 歴史でおなじみのオアフ島に拠点を置く西部方面地方軍の支部的存在。東から迫る脅威をいち早く発見し、時にはそれ相応の『対処』を行う。
 なぜか現在音信不通。西部方面地方軍基地の内部では『核兵器が使用され、消滅したのでは?』などと言った噂が微小ながら流れている。

 バーソロミュー社製 PDR-C
 ネット調べるとここぞとばかりにエアガン版のPDR-Cばかり出てくる悲しいヤツ。PDWとしては珍しく既存の5.56x45mm NATO弾を使う。また、ブルパップ方式。個人的には見た目しゅきしゅき。

 ベネディクト社製 M870
 ……話すことがないほどの傑作ショットガンです、ハイ。この小説に登場させるべきかは悩みましたが(何故か……?傑作兵器だからだよ!)、現状でも恐ろしいまでの流通量やその信頼性等を鑑みて登場させました。
 ミニマム
 ??????

 魔法
 ??????

 ハートランドとかリームランドみたいな地政学って難しいね!!(学生なんだしそれが普通じゃ……?)
しおりを挟む

処理中です...