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見ず知らずの隣人 ーダーダネルス帝国編ー
第23話:不穏な影v0.0
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_ダーダネルス帝国西の森林のどこか
ザクッ、ザクッ
「なぁ、まだつかないのか?」
魔導師カイルが先導する誰かに聞く。周りを見渡せばダーダネルス帝国西海岸防衛部隊の魔導師全員が付いて来ているのが見てわかる。
「まだだ。だが、すぐに着く」
誰かはそれだけ言うと、すぐに前を向いて歩みを再開する。
「ったく・・・早くしてくれよな・・・」
魔導師たちは先導する男に、付いていく。どうしてこうなったのかといえば・・・。
_数十分前
敵からの攻撃に備えて準備していると、突如としてどこからか自分を呼ぶ声が聞こえた。
「こっちだ、こっちこっち!」
森の木々の隙間に『誰か』がいるのが確認できる。その『誰か』は手招きで『こっちに来い』と言っているようだ。
「おいおい、なんだ?今忙しいんだよ・・・」
『誰か』に呆れた声で尋ねる。
「いやいや、あのな?お前金欲しいか?」
「えっ?いや、うん・・・その・・・」
どう返事をすればいいのか悩む。
「欲しい、欲しくない。どっちだ?」
相手は応えるよう急かしてくる。
「そりゃ欲しいけどさ・・・」
そう応えると、『誰か』は「よしきた!付いて来い!」と言う。
「ったく・・・なんなんだよ・・・」
『誰か』に渋々付いていきしばらく歩いていると、そこには見慣れた顔ヅラが揃っていた。
「お、お前も来たのか?」
同僚の魔導師だ。周りを見渡すと、どうやらここには魔導師だけしかいないようだ。
「なぁ、いったいこれは・・・なんの冗談だ?」
「しらねぇよ。俺は『女が欲しいか?』って聞かれたから来ただけさ」
魔導師カイルは驚愕する。
「え?金くれるんじゃないのか?」
「いやいや、違うってば。女だよ女」
「つまり集められた理由はそれぞれってわけか・・・」
すると
「よし!全員揃ったな!付いて来い!」
魔導師たちにどよめきが広がる。
「攻撃部隊ほっといていいんですかい?」
魔導師の一人が言う。
「あ?そんなのかんけぇねぇよ。お前らは俺に付いて来い。それだけでいいんだ」
「よくわからんな・・・」
同僚の一人が言う。
「ま、付いていけばなんとかなるんじゃないか?」
「それもそうか」
魔導師たちは何か違和感を感じたが、結局『誰か』に付いていくことにした。
_『誰か』視点
作戦は成功だ。敵国にダーダネルス帝国を攻撃、ダーダネルス帝国とその敵国両国の経済を疲弊させ私の母国が侵略・領土を獲得すると言う作戦はもうすぐ成功する。それで、それで島国生活は、おしまいだ。
「にしても、思いの外うまく言ったな・・・」
『誰か』はそう呟くのだった。
ザクッ、ザクッ
「なぁ、まだつかないのか?」
魔導師カイルが先導する誰かに聞く。周りを見渡せばダーダネルス帝国西海岸防衛部隊の魔導師全員が付いて来ているのが見てわかる。
「まだだ。だが、すぐに着く」
誰かはそれだけ言うと、すぐに前を向いて歩みを再開する。
「ったく・・・早くしてくれよな・・・」
魔導師たちは先導する男に、付いていく。どうしてこうなったのかといえば・・・。
_数十分前
敵からの攻撃に備えて準備していると、突如としてどこからか自分を呼ぶ声が聞こえた。
「こっちだ、こっちこっち!」
森の木々の隙間に『誰か』がいるのが確認できる。その『誰か』は手招きで『こっちに来い』と言っているようだ。
「おいおい、なんだ?今忙しいんだよ・・・」
『誰か』に呆れた声で尋ねる。
「いやいや、あのな?お前金欲しいか?」
「えっ?いや、うん・・・その・・・」
どう返事をすればいいのか悩む。
「欲しい、欲しくない。どっちだ?」
相手は応えるよう急かしてくる。
「そりゃ欲しいけどさ・・・」
そう応えると、『誰か』は「よしきた!付いて来い!」と言う。
「ったく・・・なんなんだよ・・・」
『誰か』に渋々付いていきしばらく歩いていると、そこには見慣れた顔ヅラが揃っていた。
「お、お前も来たのか?」
同僚の魔導師だ。周りを見渡すと、どうやらここには魔導師だけしかいないようだ。
「なぁ、いったいこれは・・・なんの冗談だ?」
「しらねぇよ。俺は『女が欲しいか?』って聞かれたから来ただけさ」
魔導師カイルは驚愕する。
「え?金くれるんじゃないのか?」
「いやいや、違うってば。女だよ女」
「つまり集められた理由はそれぞれってわけか・・・」
すると
「よし!全員揃ったな!付いて来い!」
魔導師たちにどよめきが広がる。
「攻撃部隊ほっといていいんですかい?」
魔導師の一人が言う。
「あ?そんなのかんけぇねぇよ。お前らは俺に付いて来い。それだけでいいんだ」
「よくわからんな・・・」
同僚の一人が言う。
「ま、付いていけばなんとかなるんじゃないか?」
「それもそうか」
魔導師たちは何か違和感を感じたが、結局『誰か』に付いていくことにした。
_『誰か』視点
作戦は成功だ。敵国にダーダネルス帝国を攻撃、ダーダネルス帝国とその敵国両国の経済を疲弊させ私の母国が侵略・領土を獲得すると言う作戦はもうすぐ成功する。それで、それで島国生活は、おしまいだ。
「にしても、思いの外うまく言ったな・・・」
『誰か』はそう呟くのだった。
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