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第5章②
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珠樹との連弾動画は、俺の予想を超えて再生回数を伸ばした。おかげで休日には少し遠征してきたという人がストリートピアノに現われるように。それに気をよくした珠樹は週に二日くらいは顔を出すので、余計に珠樹との連弾リクエストをもらうようになってしまった。
「やっぱりあの曲を選んで正解だったな。次も同じ流れでボカロかなぁ」
珠樹は再生回数に味を占めたのか、次の曲について考え出している。俺はやる気ないって言ってるのに聞いちゃいない。
「俺、そろそろ帰るからな」
大学帰り、二時間ほどいたが弾きに来る人がいたり、珠樹の猛アプローチを受けながしたりとしているうちに時間が経ってしまった。今日も奏子さんの練習は出来ずじまいだ。
「また明日な、ふみ君」
奏子さんは笑顔で手を振っている。
毎日が少しだけ賑やかになった、いや、すごく賑やかになった。幽霊や生きている人のリクエストに応えたり、珠樹の連弾に付き合ったり。ピアノと絶縁したはずなのに、ピアノによって俺の今の日々は彩られていく。変な気分だ。
「……ちょっと待て」
ふと我に返った。
俺の目的はこのストリートピアノで交流を楽しむことじゃない。平穏な日常を取り戻すために奏子さんを成仏させることだったのに、このところ全く奏子さんの練習が出来ていないではないか!
寂れたあのピアノが賑わって、奏子さんは嬉しそうだった。だから良いことだって思ってた。でも人が集まれば、最初の頃のように自分たちだけで弾きまくるなんて出来ないのだ。
このままじゃいけない。今は学生だから時間的余裕もあるけれど、永遠にあの場所に通えるわけではないのだから。
「明日からはスパルタにしよう」
俺は初心を思い出し、気合を入れ直すのだった。
***
「奏子さん、今日からは真面目に練習しますからね」
大学帰り、奏子さんに会った瞬間に宣言した。奏子さんはいきなり言われて驚いているようだが。
「いいけど。だが他の人達もいるし順番だぞ」
「分かってますよ。俺が並ぶんで順番が来たら一緒に弾きますよ」
「急に焦り出してどうしたんだ。昨日までは楽しそうにしていたのに」
奏子さんが不貞腐れた表情を浮かべているが無視だ。
現在時刻は夕方四時、学校が終わり人の往来が増えて来ている。それに伴ってピアノを弾きに来た人がすでに三人も並んでいた。中の一人は前も来ていて俺と珠樹にリクエストしてきた女子高校生だ。目が合うと軽く会釈してきたので俺も軽く頭を動かす。
「あの子、前も来てくれたな」
奏子さんがにこにこしながら眺めている。自分が憑いているピアノに来てくれるのが嬉しいらしい。今までの寂れようを思えば、気持ちは分からないでもないけど。
高校生は流行りのJポップを弾いていた。ところどころ怪しい部分はあったけれど何とか引き切った。ピアノは自分が止まったら曲も止まるので、ミスをしてもいかに止まらず弾き続けるかが重要だ。あの高校生はそれをよく理解している。
たまに間違えたりつっかえたりすると、何度も引き直してしまう人もいるのだ。別にストリートピアノは自由に弾けばいいのだからそれでもいいんだけど。ただ、弾けなくて何度も繰り返しているのを聞くと、こっちが変に緊張するのだ。次はちゃんと弾けるかなって。まぁ弾いてる人にとっては余計なお世話なのは分かっているが。
俺たちの前に並んでいた人がピアノを弾き始めた。買い物帰り風のリッチそうなおばさまだ。日の当たるテラスで白いアップライトピアノ弾いてお茶会とか開いてそう。己のテクニックを見せつけるかのように弾いている姿を見て、あんな風に自分本位で弾けたら楽しいだろうななんて思っていた。
すると、先ほど弾き終わった高校生が声をかけてきた。
「こんにちは」
彼女のあいさつに、奏子がにこやかに答える。
「こんにちは! さっきの演奏、前よりぐんと上手くなってる。たくさん練習したんじゃないか?」
残念ながら奏子さんの問いかけは届いてないわけので、俺は仕方なく口を開く。
「練習たくさんしたみたいだね。前より良くなってたよ」
「本当ですか。ゆくゆくは私も動画あげてみたいと思ってるから嬉しいなぁ。まだまだそのレベルには辿り着けませんけど」
「そんなのすぐだ、すぐ。こうして人前で弾いて聞いてもらうと上達は早いからな」
奏子さんが励ますように彼女の肩を叩く。スカッと通り過ぎてるけど。
「ええと……人前で弾くと上達早いから、ここで弾いてるのもレベルアップにつながる……と思う」
話しているうちに何か恥ずかしくなってきた。
奏子さんの言葉が宙に浮いたままになるのが嫌で通訳みたいに話してるけど、ぶっちゃけ他人から見たら俺って面倒見のいい人みたいになってないか? いや、それ違うからね。俺はそういうお節介キャラじゃないから。むしろ真逆の面倒くさがりな奴だから。
「ありがとうございます、文晶さん。あ、そうだ。またリクエストしてもいいですか? 前に動画で喜びの島を弾いてましたよね。あれ生で是非聞きたいです」
瞳をキラキラさせて詰め寄られた。思わず一歩下がる。
いや、あれはそう簡単に弾けないって。こう弾くぞって追い詰めないと無理っていうか。しかも突貫で詰め込んだから、時間が経ってもう細かいところがすでに怪しいのだ。
「ちょっと無理かなぁ。今楽譜持ってないし」
「えー文晶さんの弾き方って綺麗だから参考にしたいんです」
「君、分かってるじゃないか! ふみ君は基礎がしっかりしているからね。誤魔化さずにきちんと弾くから、聞いていて心地が良い」
だから! 奏子さん、俺の腹から顔出すのやめて!
しかもなんか気恥ずかしいこと言ってるし。俺のピアノに対してそんなふうに思ってたなんて知らなかったし。
「いいじゃん、弾いてやれよ文晶」
困惑した場面に珠樹まで登場してきた。
「無理だよ。マックスのときだから何とか弾けただけで、もう退化して弾けないって」
「あーまぁそっか」
珠樹は分かってくれたのか、苦笑いしている。
「じゃあ、お二人の連弾は? ボカロのやつです」
「お、連弾いいね。次は文晶の番だろ、弾こうぜ」
待て待て待て。喜びの島は回避できたみたいだけど、勝手に連弾することになっちゃってるよ? 奏子さんの練習する予定なのに。
「私の練習なら今じゃなくても出来る。ほら、前の人終わったし弾いてきなって」
奏子さんは俺の背中をエア押ししてくるし、珠樹には服を引っ張られるして、仕方なくピアノの前に行くのだった。
結局、今日もまともに奏子さんは練習出来なかった。この調子で毎日が過ぎてしまったらと思うと、焦りばかりが募っていく。
「やっぱりあの曲を選んで正解だったな。次も同じ流れでボカロかなぁ」
珠樹は再生回数に味を占めたのか、次の曲について考え出している。俺はやる気ないって言ってるのに聞いちゃいない。
「俺、そろそろ帰るからな」
大学帰り、二時間ほどいたが弾きに来る人がいたり、珠樹の猛アプローチを受けながしたりとしているうちに時間が経ってしまった。今日も奏子さんの練習は出来ずじまいだ。
「また明日な、ふみ君」
奏子さんは笑顔で手を振っている。
毎日が少しだけ賑やかになった、いや、すごく賑やかになった。幽霊や生きている人のリクエストに応えたり、珠樹の連弾に付き合ったり。ピアノと絶縁したはずなのに、ピアノによって俺の今の日々は彩られていく。変な気分だ。
「……ちょっと待て」
ふと我に返った。
俺の目的はこのストリートピアノで交流を楽しむことじゃない。平穏な日常を取り戻すために奏子さんを成仏させることだったのに、このところ全く奏子さんの練習が出来ていないではないか!
寂れたあのピアノが賑わって、奏子さんは嬉しそうだった。だから良いことだって思ってた。でも人が集まれば、最初の頃のように自分たちだけで弾きまくるなんて出来ないのだ。
このままじゃいけない。今は学生だから時間的余裕もあるけれど、永遠にあの場所に通えるわけではないのだから。
「明日からはスパルタにしよう」
俺は初心を思い出し、気合を入れ直すのだった。
***
「奏子さん、今日からは真面目に練習しますからね」
大学帰り、奏子さんに会った瞬間に宣言した。奏子さんはいきなり言われて驚いているようだが。
「いいけど。だが他の人達もいるし順番だぞ」
「分かってますよ。俺が並ぶんで順番が来たら一緒に弾きますよ」
「急に焦り出してどうしたんだ。昨日までは楽しそうにしていたのに」
奏子さんが不貞腐れた表情を浮かべているが無視だ。
現在時刻は夕方四時、学校が終わり人の往来が増えて来ている。それに伴ってピアノを弾きに来た人がすでに三人も並んでいた。中の一人は前も来ていて俺と珠樹にリクエストしてきた女子高校生だ。目が合うと軽く会釈してきたので俺も軽く頭を動かす。
「あの子、前も来てくれたな」
奏子さんがにこにこしながら眺めている。自分が憑いているピアノに来てくれるのが嬉しいらしい。今までの寂れようを思えば、気持ちは分からないでもないけど。
高校生は流行りのJポップを弾いていた。ところどころ怪しい部分はあったけれど何とか引き切った。ピアノは自分が止まったら曲も止まるので、ミスをしてもいかに止まらず弾き続けるかが重要だ。あの高校生はそれをよく理解している。
たまに間違えたりつっかえたりすると、何度も引き直してしまう人もいるのだ。別にストリートピアノは自由に弾けばいいのだからそれでもいいんだけど。ただ、弾けなくて何度も繰り返しているのを聞くと、こっちが変に緊張するのだ。次はちゃんと弾けるかなって。まぁ弾いてる人にとっては余計なお世話なのは分かっているが。
俺たちの前に並んでいた人がピアノを弾き始めた。買い物帰り風のリッチそうなおばさまだ。日の当たるテラスで白いアップライトピアノ弾いてお茶会とか開いてそう。己のテクニックを見せつけるかのように弾いている姿を見て、あんな風に自分本位で弾けたら楽しいだろうななんて思っていた。
すると、先ほど弾き終わった高校生が声をかけてきた。
「こんにちは」
彼女のあいさつに、奏子がにこやかに答える。
「こんにちは! さっきの演奏、前よりぐんと上手くなってる。たくさん練習したんじゃないか?」
残念ながら奏子さんの問いかけは届いてないわけので、俺は仕方なく口を開く。
「練習たくさんしたみたいだね。前より良くなってたよ」
「本当ですか。ゆくゆくは私も動画あげてみたいと思ってるから嬉しいなぁ。まだまだそのレベルには辿り着けませんけど」
「そんなのすぐだ、すぐ。こうして人前で弾いて聞いてもらうと上達は早いからな」
奏子さんが励ますように彼女の肩を叩く。スカッと通り過ぎてるけど。
「ええと……人前で弾くと上達早いから、ここで弾いてるのもレベルアップにつながる……と思う」
話しているうちに何か恥ずかしくなってきた。
奏子さんの言葉が宙に浮いたままになるのが嫌で通訳みたいに話してるけど、ぶっちゃけ他人から見たら俺って面倒見のいい人みたいになってないか? いや、それ違うからね。俺はそういうお節介キャラじゃないから。むしろ真逆の面倒くさがりな奴だから。
「ありがとうございます、文晶さん。あ、そうだ。またリクエストしてもいいですか? 前に動画で喜びの島を弾いてましたよね。あれ生で是非聞きたいです」
瞳をキラキラさせて詰め寄られた。思わず一歩下がる。
いや、あれはそう簡単に弾けないって。こう弾くぞって追い詰めないと無理っていうか。しかも突貫で詰め込んだから、時間が経ってもう細かいところがすでに怪しいのだ。
「ちょっと無理かなぁ。今楽譜持ってないし」
「えー文晶さんの弾き方って綺麗だから参考にしたいんです」
「君、分かってるじゃないか! ふみ君は基礎がしっかりしているからね。誤魔化さずにきちんと弾くから、聞いていて心地が良い」
だから! 奏子さん、俺の腹から顔出すのやめて!
しかもなんか気恥ずかしいこと言ってるし。俺のピアノに対してそんなふうに思ってたなんて知らなかったし。
「いいじゃん、弾いてやれよ文晶」
困惑した場面に珠樹まで登場してきた。
「無理だよ。マックスのときだから何とか弾けただけで、もう退化して弾けないって」
「あーまぁそっか」
珠樹は分かってくれたのか、苦笑いしている。
「じゃあ、お二人の連弾は? ボカロのやつです」
「お、連弾いいね。次は文晶の番だろ、弾こうぜ」
待て待て待て。喜びの島は回避できたみたいだけど、勝手に連弾することになっちゃってるよ? 奏子さんの練習する予定なのに。
「私の練習なら今じゃなくても出来る。ほら、前の人終わったし弾いてきなって」
奏子さんは俺の背中をエア押ししてくるし、珠樹には服を引っ張られるして、仕方なくピアノの前に行くのだった。
結局、今日もまともに奏子さんは練習出来なかった。この調子で毎日が過ぎてしまったらと思うと、焦りばかりが募っていく。
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