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第5章③
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もやもやした気分のまま帰宅した。すると、珍しく母が声をかけてきた。
ピアノをやめてからあまり会話をしなくなっていただけに身構えてしまう。
「文晶。その、最近またピアノを弾いているでしょ。もしピアノの道に戻りたいのならまだ間に合うと思うの。先生にお願いしてまたレッスンを――」
「うるさい!」
俺の大声に母は悲しそうに眉を寄せた。
「……ごめん母さん、怒鳴っちゃって。でも、もうあの先生のところで弾く気はないから」
「なら別の先生にする? お友達に聞いてみるわ。コンクールの実績のある先生がいいわよね」
「聞かなくていい」
「でも、もったいないわ。文晶は私よりも才能があるのに」
あぁ始まった。
母は悪い人ではない。むしろ良き母なのだろう。今でこそ友人と小さな会社を立ち上げて忙しくしているが、俺が幼いころは毎日手の込んだ食事、おやつまで手作り、家の中は掃除が行き届いていた。俺の複数通う習い事のために毎日付き添い、ピアノの自宅練習にもつきっきり。
うん、贅沢だと文句を言いたくなる人はたくさんいるだろう。だけど、俺はだんだんと息苦しくなっていったのだ。
母の実家は裕福でピアノもたしなみの一環で習っていたという。だが、同じ先生に通う生徒の中でずば抜けて上手い生徒がいて、それが母の友達だった。すごいねって褒めながらも、内心は悔しくてたまらなかったらしい。母がぽろっとこぼしたのを聞いただけだから、詳しくは分からないけれど。でもこれが母のコンプレックスであり、ピアノに対する内なる執念のきっかけなのだろう。
母の期待に応えたかった。でも、途中で気付いてしまったのだ。俺のためと言っているけど、本当は俺のためじゃないってことが。ただ、気付いたところでそれを母に指摘するほど鬼畜ではない。言ったところで自覚しているかも分からなかったし。
自慢の子供でありたかった。だからある程度までは頑張れた。ピアノを弾くことが楽しかったから。でも、自分の中でピアノに対する気持ちが迷子になった途端、母がとても苦手になってしまったのだ。
母の期待を裏切ることへの罪悪感、そんなものを抱かせてくる母への嫌悪、母の息子なのだから才能だってここ止まりだよと笑ってやりたい気持ち、いろんなものがごちゃまぜになって、どんな感情かも名付けられない。そんな気持ちばかり浮かんできて、下手に会話すると理不尽なことを言ってしまいそうだった。だから口を閉ざすことを選んだのだ。
でも最近、家のピアノを触りだしたので母が期待を持ち始めてしまった。このまま下手に希望を暴走させるのは可哀想だ。そう思い、俺はため息交じりに伝える。
「母さん、俺はピアノの道に戻るつもりはない」
「じゃあなんでまた弾いているの」
母にとってのピアノって、先生に習ってコンクールに出場することだけなのか。コンクールなど関係なくピアノを弾くのはいけないことなのか。思わず怒鳴りつけそうになった。
ぐっといろんな言葉を呑み込み「もう寝る」とだけ言い残して、俺は自室へと逃げた。
母との会話のあとイライラしてしまって眠れず、もう窓の外はうっすらと明るくなり始めていた。やはりピアノに関わったのがいけないのだ。せっかくピアノとは無縁の生活が出来ていたのに。
でも今となっては奏子さんを成仏させなければ、平穏な日常生活など望めない。逃げたところであのピアノに呼び寄せられたら終わりだ。それに、もう逃げ出すには親しくなりすぎた。下手に親しくなってしまった分、逃げたらずっと後味の悪い気持ちを抱えて生きていくことになる。それはちょっと嫌だ。
どうにか奏子さんを成仏させるため、練習時間を確保しなければ……と考える。
「よし、朝練しかない」
幽霊相手に朝練って……と思わなくもないんだけど、夕方から夜にかけてはやはり人が来てしまう。ならば、もう朝しかないと思ったわけだが、それは短絡的な考えだった。
「おはよう、ふみ君。だがまだ七時、こんな朝早くに来るなんてどうしたんだ」
奏子さんはあくびしながら挨拶してきた。そういや幽霊って眠るのか? いや、そんな疑問はどうでもいい。問題は別にある。
「鍵が……かかってる」
そう、ピアノに鍵が掛かっているのだ。
「ふみ君は知らなかったんだな。このピアノを管理しているところの人が、防犯のために鍵をかけに来ているんだ」
つまり、鍵を開けに来る人が来ないとピアノは弾けないってことだ。
知らなかった。けど冷静に考えてみれば、酔っ払いや子供とかに悪戯される可能性はある。ピアノを守るためには必要なことだろう。
「はぁ、せっかく早起きしたのに」
がっくりとうなだれる。
「残念でした」
「何時頃に鍵あけに来るんですか」
「えぇと、一応九時なんだが、当番の人によっては八時くらいのときもある。恐らく仕事の都合だと思うが」
全然考えたことがなかった。このピアノを管理している人がいるってことを。その人に聞いたらピアノの由来も分かるだろうか。
ピアノが弾けないのでしばらく他愛もない話を奏子さんとしていると、スーツ姿の青年が歩いてきた。
「あ、あの人だよ、今週の当番は」
奏子さんが笑顔でおはようと手を振っている。当然、相手は気付いていないのだけれど。
「あれ、こんな早朝からピアノ弾きにきたの?」
スーツの人が驚いたように声をかけてきた。
「え、えぇまぁ。鍵かかってるなんて知らなくて」
「そっか、でも良かったね。今日は俺早出だからこの時間なんだよ」
時刻は八時、通常より一時間も早い。
「普段は九時なんですよね。さっき聞き……調べました」
危ない、こんな早朝に誰に聞いたんだってなってしまう。
「そうそう。君は大学生かな。登校前に弾こうと思ったの?」
「はい。最近ここのピアノは人気なので、ゆっくり弾きたいなと思って」
「へぇ。当番が回ってくるから来てるだけで、俺はピアノ全然だからよく分からないんだよね。そんな弾きたいものなんだ」
このピアノのことを聞こうかと思ってたけど、その前に釘を刺されてしまった気分だ。仕事だから仕方なしに来てるだけの人が何か知っているとは思えないし。
スーツの人は会話をしながらピアノの鍵を開けた。そしてハンディーモップを取り出すとピアノの埃を取り、ピアノ横の小さなサイドテーブルを整える。テーブルの上には消毒液やストリートピアノを使う上での約束事を書いたポップが載っているのだ。
「はい、どうぞ。弾いて良いよ」
「……ありがとうございます」
「いえいえ、これも仕事の内だから。じゃあ行くね」
俺はぺこりと頭を下げる。
「いつもありがとう。いってらっしゃーい」
奏子さんは笑顔で送り出している。おそらく毎日繰り返しているのだろう。
さて、大学に行くまで約一時間ある。今まで出来なかった分を取り戻さないと。
「まずは一回弾いてみてください。どうせ元に戻っているでしょうけど」
「その言い方は酷くないか? まぁ弾くけれど」
奏子さんがふてくされながら椅子に座り、ゆっくりと鍵盤に手を置いた。朝日を浴びてピアノに向かう奏子さんは、幽霊のくせにとても神聖なもののように見えた。
演奏の方はというと、案の定、元に戻っている。何度も間違っているところを指摘しているのに、どうしても進歩しない。その場では直して弾けるけれど日をまたぐと元通り。それを奏子さんは自覚できないから、永遠に完成することがない。
むしろ何を持って完成というのだろうかと考え始めたら、軽く一晩経ちそうなので深く踏み込まないようにしているけれど。そろそろちゃんと向き合って考えなくてはならないかもしれない。
「どうだった?」
奏子さんが振り返って聞いてくる。
「いつも通りです。間違ってます」
「えぇ……やっぱり間違っているんだ。どこだっけ?」
「ここです」
俺はため息を付きつつ、間違っている箇所を弾くのだった。
ピアノをやめてからあまり会話をしなくなっていただけに身構えてしまう。
「文晶。その、最近またピアノを弾いているでしょ。もしピアノの道に戻りたいのならまだ間に合うと思うの。先生にお願いしてまたレッスンを――」
「うるさい!」
俺の大声に母は悲しそうに眉を寄せた。
「……ごめん母さん、怒鳴っちゃって。でも、もうあの先生のところで弾く気はないから」
「なら別の先生にする? お友達に聞いてみるわ。コンクールの実績のある先生がいいわよね」
「聞かなくていい」
「でも、もったいないわ。文晶は私よりも才能があるのに」
あぁ始まった。
母は悪い人ではない。むしろ良き母なのだろう。今でこそ友人と小さな会社を立ち上げて忙しくしているが、俺が幼いころは毎日手の込んだ食事、おやつまで手作り、家の中は掃除が行き届いていた。俺の複数通う習い事のために毎日付き添い、ピアノの自宅練習にもつきっきり。
うん、贅沢だと文句を言いたくなる人はたくさんいるだろう。だけど、俺はだんだんと息苦しくなっていったのだ。
母の実家は裕福でピアノもたしなみの一環で習っていたという。だが、同じ先生に通う生徒の中でずば抜けて上手い生徒がいて、それが母の友達だった。すごいねって褒めながらも、内心は悔しくてたまらなかったらしい。母がぽろっとこぼしたのを聞いただけだから、詳しくは分からないけれど。でもこれが母のコンプレックスであり、ピアノに対する内なる執念のきっかけなのだろう。
母の期待に応えたかった。でも、途中で気付いてしまったのだ。俺のためと言っているけど、本当は俺のためじゃないってことが。ただ、気付いたところでそれを母に指摘するほど鬼畜ではない。言ったところで自覚しているかも分からなかったし。
自慢の子供でありたかった。だからある程度までは頑張れた。ピアノを弾くことが楽しかったから。でも、自分の中でピアノに対する気持ちが迷子になった途端、母がとても苦手になってしまったのだ。
母の期待を裏切ることへの罪悪感、そんなものを抱かせてくる母への嫌悪、母の息子なのだから才能だってここ止まりだよと笑ってやりたい気持ち、いろんなものがごちゃまぜになって、どんな感情かも名付けられない。そんな気持ちばかり浮かんできて、下手に会話すると理不尽なことを言ってしまいそうだった。だから口を閉ざすことを選んだのだ。
でも最近、家のピアノを触りだしたので母が期待を持ち始めてしまった。このまま下手に希望を暴走させるのは可哀想だ。そう思い、俺はため息交じりに伝える。
「母さん、俺はピアノの道に戻るつもりはない」
「じゃあなんでまた弾いているの」
母にとってのピアノって、先生に習ってコンクールに出場することだけなのか。コンクールなど関係なくピアノを弾くのはいけないことなのか。思わず怒鳴りつけそうになった。
ぐっといろんな言葉を呑み込み「もう寝る」とだけ言い残して、俺は自室へと逃げた。
母との会話のあとイライラしてしまって眠れず、もう窓の外はうっすらと明るくなり始めていた。やはりピアノに関わったのがいけないのだ。せっかくピアノとは無縁の生活が出来ていたのに。
でも今となっては奏子さんを成仏させなければ、平穏な日常生活など望めない。逃げたところであのピアノに呼び寄せられたら終わりだ。それに、もう逃げ出すには親しくなりすぎた。下手に親しくなってしまった分、逃げたらずっと後味の悪い気持ちを抱えて生きていくことになる。それはちょっと嫌だ。
どうにか奏子さんを成仏させるため、練習時間を確保しなければ……と考える。
「よし、朝練しかない」
幽霊相手に朝練って……と思わなくもないんだけど、夕方から夜にかけてはやはり人が来てしまう。ならば、もう朝しかないと思ったわけだが、それは短絡的な考えだった。
「おはよう、ふみ君。だがまだ七時、こんな朝早くに来るなんてどうしたんだ」
奏子さんはあくびしながら挨拶してきた。そういや幽霊って眠るのか? いや、そんな疑問はどうでもいい。問題は別にある。
「鍵が……かかってる」
そう、ピアノに鍵が掛かっているのだ。
「ふみ君は知らなかったんだな。このピアノを管理しているところの人が、防犯のために鍵をかけに来ているんだ」
つまり、鍵を開けに来る人が来ないとピアノは弾けないってことだ。
知らなかった。けど冷静に考えてみれば、酔っ払いや子供とかに悪戯される可能性はある。ピアノを守るためには必要なことだろう。
「はぁ、せっかく早起きしたのに」
がっくりとうなだれる。
「残念でした」
「何時頃に鍵あけに来るんですか」
「えぇと、一応九時なんだが、当番の人によっては八時くらいのときもある。恐らく仕事の都合だと思うが」
全然考えたことがなかった。このピアノを管理している人がいるってことを。その人に聞いたらピアノの由来も分かるだろうか。
ピアノが弾けないのでしばらく他愛もない話を奏子さんとしていると、スーツ姿の青年が歩いてきた。
「あ、あの人だよ、今週の当番は」
奏子さんが笑顔でおはようと手を振っている。当然、相手は気付いていないのだけれど。
「あれ、こんな早朝からピアノ弾きにきたの?」
スーツの人が驚いたように声をかけてきた。
「え、えぇまぁ。鍵かかってるなんて知らなくて」
「そっか、でも良かったね。今日は俺早出だからこの時間なんだよ」
時刻は八時、通常より一時間も早い。
「普段は九時なんですよね。さっき聞き……調べました」
危ない、こんな早朝に誰に聞いたんだってなってしまう。
「そうそう。君は大学生かな。登校前に弾こうと思ったの?」
「はい。最近ここのピアノは人気なので、ゆっくり弾きたいなと思って」
「へぇ。当番が回ってくるから来てるだけで、俺はピアノ全然だからよく分からないんだよね。そんな弾きたいものなんだ」
このピアノのことを聞こうかと思ってたけど、その前に釘を刺されてしまった気分だ。仕事だから仕方なしに来てるだけの人が何か知っているとは思えないし。
スーツの人は会話をしながらピアノの鍵を開けた。そしてハンディーモップを取り出すとピアノの埃を取り、ピアノ横の小さなサイドテーブルを整える。テーブルの上には消毒液やストリートピアノを使う上での約束事を書いたポップが載っているのだ。
「はい、どうぞ。弾いて良いよ」
「……ありがとうございます」
「いえいえ、これも仕事の内だから。じゃあ行くね」
俺はぺこりと頭を下げる。
「いつもありがとう。いってらっしゃーい」
奏子さんは笑顔で送り出している。おそらく毎日繰り返しているのだろう。
さて、大学に行くまで約一時間ある。今まで出来なかった分を取り戻さないと。
「まずは一回弾いてみてください。どうせ元に戻っているでしょうけど」
「その言い方は酷くないか? まぁ弾くけれど」
奏子さんがふてくされながら椅子に座り、ゆっくりと鍵盤に手を置いた。朝日を浴びてピアノに向かう奏子さんは、幽霊のくせにとても神聖なもののように見えた。
演奏の方はというと、案の定、元に戻っている。何度も間違っているところを指摘しているのに、どうしても進歩しない。その場では直して弾けるけれど日をまたぐと元通り。それを奏子さんは自覚できないから、永遠に完成することがない。
むしろ何を持って完成というのだろうかと考え始めたら、軽く一晩経ちそうなので深く踏み込まないようにしているけれど。そろそろちゃんと向き合って考えなくてはならないかもしれない。
「どうだった?」
奏子さんが振り返って聞いてくる。
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