大衆娯楽、短編集

toku

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アイドル握手会

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 友達の好きなアイドルグループの握手会に一緒に来た。
 好奇心。
 一度『握手会』なるものを体験してみようと思った。

 アイドルが握手をしている長方形のブース? に向かって、列が伸びている。
 列に並ぶ人間の数はアイドルによって違う。
 あんまり列に人がいない子もいれば……

「うわ。あそこ、スゴい人いる……行列長い」
「ああ……あれは。
『神対応』で有名な子の握手会場だね」

 友達がその子の『神対応』について教えてくれた。
 常連の顔を記憶し、時には名前も憶えていたりする。
 ジッと目を見つめながら両手で包み込む握手。 
 スタッフが注意するまで話をしてくれる(長い会話をしてくれる)。
 ……などなど。

 アイドルってスゴいなあと改めて思った。

 そのうち友達の目当ての子の握手会場(の並ぶところ)に着いた。
 友達の『推しドル』もまあまあ人気があるようで列が長い。

「おまえが好きな子も『神対応』アイドルなのか?」
「いや」
 友達は言った。
「『神対応』じゃなくて。
『悟り対応』」
「……」

『悟り』!?

「えっ『悟り対応』って何だ!?
『神対応』とどう違うんだ?」
 尋ねると、
「う~ん。
ちょっと『有り難い言葉』を言ってくれる」
 そんなことを友達は言う。

「ブッダみたいな?」
『悟り=ブッダ』としか思いつかない俺の頭……

「そうそう」
 友達は軽い調子で同意する。
 ホントかよ。

 その後しばらく――長時間――列に並んでいたがとうとう俺の番が来た。

 全然知らない子だけれど。
 アイドルはやはり可愛い。
 と思いつつ手を差し出すとぎゅっと握ってくれた。
 暖かい手。
 華奢だけれどハードなダンスをするので筋肉はちゃんとあるから、
『筋肉がある=体温が高くなる』、
 なのでこの子も体温が高いんだ――そんなどうでも良いことを考えていると、

「初めてですか?」
 アイドルは優しく言った。
「えっ」
「私と握手」
「あ、はい。そうです」
 どきどきしながら答えると、彼女は微笑んで、
「『ご縁』ですね」
「えっ」
「『ご縁』があったので、まさに今日と言うこの日にお目にかかれたのです」
「はあ……」

 その後しばらく有り難い言葉を頂き、
「ご縁があったらまたお会いしましょう……
またお会いすることはなくとも今日会えた時点で私たちにはちゃんと『ご縁』があったわけですけれど……」
「はい!」

 俺は握手ブースを去った。
 しばらく歩くと、俺の握手が終わるのを待っていた友達と会えた。

「どうだった?」
「うん……良かった」

『悟り系アイドル』……
 苦肉のキャラ付けかも知れないがなかなか……くせになりそう。
 また握手会に行くかも……(縁があるのか?)




 ――終――


(追記的あとがき3/13)


ググってみたら、
『手が暖かい=体温が高い=筋肉が多い』
と言うわけじゃないようです。

手に熱が来ているが、下半身は冷たい、
とか色々あるようです。

適当なことを書いております……
申し訳ありません。

お読み下さり、ありがとうございました。
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