大衆娯楽、短編集

toku

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冷たい手(※恋愛)

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 二人での帰り道。
 近くに知り合いもいそうにないことを、それとなく確かめてから……

 彼女の手をそっと握ってみた。

 初彼女、初手繋ぎ……の感動を味わいながらも、
つめた……」
 最初に口に出た言葉がこれだった。

「あは……」
 彼女が笑った。
「私、手が冷たいんだ」
 茶化すように、
「心が温かいのかなあ~」

『手が冷たい人は心が温かい』
 たまに聞く言葉だが……

「いや、心は関係ない」
 俺は否定した。
「手が冷たいのは、体温が低いから。
体温が低いのは筋肉が少ないからだよ」

 ……と言ってから、
『しまった!』
 と思った。

『手が冷たい人は心が温かい』なんて、ただの『話のネタ』みたいなものじゃないか。

 なのに
『手が冷たい=体温が低い=筋肉が少ない』
 などと答えるとは……

『ネタにマジレス』と言う奴じゃないか。

 初めて手を繋いだ日に何言ってるんだ俺は……
 空気が読めない。バカ。
 嫌われたらどうする。

 一人で反省していると、
「そっかぁ。じゃあ……」
 彼女は微笑んで、
「私、筋トレ始めようかなあ……」

「……」

 彼女の笑顔を見ながら、
『心が温かい……』
 と思った。




 ――終――





ググってみたら、
『手が暖かい=体温が高い=筋肉が多い』
と言うわけじゃないようです。

手に熱が来ているが、下半身は冷たい、
とか色々あるようです。

この小説のひとつ下の小説、『アイドル握手会』でも『手が温かい=体温が高い=筋肉が多い』と書きましたが、なかなか適当なことを書いております……
申し訳ありません。

お読み下さり、ありがとうございました。
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