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森のジュース屋さん
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ミキサーを買ってスムージーを作ったら美味しかったので、皆にも飲んでもらいたいと思った白ウサギさんは、森の中で『ジュース屋さん』を始めました。
『おいしい ジュースやさん』
そう、看板に書きました。
しかし、お客さまの反応はイマイチです。
「そんなに、美味しいかな?」
「不味くはないけれど、美味しい、とは思わないかな」
白ウサギさんはショックでした。
「とても美味しいと思うのに……」
お友達の黒ウサギさんに飲んでもらい、感想を聞きました。
「すごく、美味しい」
黒ウサギさんの感想に、白ウサギさんは『やっぱり!』と思いつつ喜びましたが、黒ウサギさんは続けて言いました。
「でも、『皆』が美味しいとは限らないかもね」
「えっ」
白ウサギさんが目を丸めて黒ウサギさんを見つめると、
「これ、『にんじんジュース』でしょ」
黒ウサギさんは言いました。
「私達『ウサギ』は『にんじん』が美味しいけれど……
他の動物は、そんなに好きじゃないかもね」
「そっか……」
白ウサギさんが肩を落とすと、黒ウサギさんはそんな白ウサギさんを同情を込めた目で見ていましたが、
「そうだ!」
何か思いついたようです。
そして、黒ウサギさんは白ウサギさんに『ある提案』をしました……
――――
森の中には、白ウサギさんの『ジュース屋さん』があります。
ジュース屋さんには、たくさんのお客さまがいます。
看板には、こう書かれています。
『まずい ジュースやさん』
その下に、同じくらい大きな文字で、
『えいよう いっぱい』
動物たちは、白ウサギさんの手作りジュースを飲み、言います。
「まずいと言うことはない。まあまあ美味しい」
「特別、美味しくはないけれど」
そして、こうも言うのです。
「でも、栄養があって、身体に良いから。
また飲みに来よう」
そう、黒ウサギさんは、白ウサギさんに『おいしい』ではなく、『えいよう』を売りにしたらどうかと、アドバイスしたのでした。
そしてその試みは、大成功だったのです!
――終――
『おいしい ジュースやさん』
そう、看板に書きました。
しかし、お客さまの反応はイマイチです。
「そんなに、美味しいかな?」
「不味くはないけれど、美味しい、とは思わないかな」
白ウサギさんはショックでした。
「とても美味しいと思うのに……」
お友達の黒ウサギさんに飲んでもらい、感想を聞きました。
「すごく、美味しい」
黒ウサギさんの感想に、白ウサギさんは『やっぱり!』と思いつつ喜びましたが、黒ウサギさんは続けて言いました。
「でも、『皆』が美味しいとは限らないかもね」
「えっ」
白ウサギさんが目を丸めて黒ウサギさんを見つめると、
「これ、『にんじんジュース』でしょ」
黒ウサギさんは言いました。
「私達『ウサギ』は『にんじん』が美味しいけれど……
他の動物は、そんなに好きじゃないかもね」
「そっか……」
白ウサギさんが肩を落とすと、黒ウサギさんはそんな白ウサギさんを同情を込めた目で見ていましたが、
「そうだ!」
何か思いついたようです。
そして、黒ウサギさんは白ウサギさんに『ある提案』をしました……
――――
森の中には、白ウサギさんの『ジュース屋さん』があります。
ジュース屋さんには、たくさんのお客さまがいます。
看板には、こう書かれています。
『まずい ジュースやさん』
その下に、同じくらい大きな文字で、
『えいよう いっぱい』
動物たちは、白ウサギさんの手作りジュースを飲み、言います。
「まずいと言うことはない。まあまあ美味しい」
「特別、美味しくはないけれど」
そして、こうも言うのです。
「でも、栄養があって、身体に良いから。
また飲みに来よう」
そう、黒ウサギさんは、白ウサギさんに『おいしい』ではなく、『えいよう』を売りにしたらどうかと、アドバイスしたのでした。
そしてその試みは、大成功だったのです!
――終――
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