追放された地味探索者、実は隠された伝説級スキルの持ち主でした~気付いたら無自覚に最強ハーレムを築いていた件~

fuwamofu

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第1話 足手まといと呼ばれた探索者

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王都から少し離れた辺境の街ガルディア。冒険者ギルドに、ひとりの青年が重い足取りで戻ってきた。  
名前はアレン。黒髪で、どこにでもいそうな平凡な顔立ち。だがその瞳は、よく観察すると不思議な光を宿していた。ギルドでは「地味探索者」と呼ばれている。派手な魔法も使えず、剣の腕もずば抜けてはいない。ただ、探索や罠解除、地形把握には妙に長けていた。

「まったく、お前のせいで今日も危なく死ぬところだったんだぞ!」

パーティのリーダー、ルークが怒声を浴びせる。派手な鎧に身を包み、顔もいい。典型的な前衛戦士だ。周りのメンバーはうつむき、誰もアレンをかばおうとはしない。魔法使いのリリアさえ、視線を逸らしていた。

「……俺、何かミスしたか?」
「ミス?お前がいること自体がミスなんだよ!」

ルークはそう言って笑いながら、机を叩いた。ギルドの中の視線が集まる。アレンは苦笑して立ち上がった。

「今日の罠を解除したの、俺なんだけどな。」
「うるせぇ!何もしてないくせに!俺たちがいなきゃ死んでたのはお前の方だ!」

反論するだけ無駄だと悟り、アレンは深く息を吐いた。彼らは戦闘面では優秀だし、悪い奴らではなかった。だが最近は、冒険がうまくいかないと全部自分のせいにする。そんな日々が続いていた。

ルークがため息をつく。

「もういい。アレン、お前をパーティから外す。」
「……は?」
「今すぐだ。ギルドにも届け出てある。これから個人でやってくれ。」

あまりに突然の話に、場の空気が止まった。リリアだけが、わずかに眉をひそめる。

「ルーク、それは少し……」
「おいリリア、俺たちの足を引っ張る奴を連れてどうするんだ?もっと上を目指すんだろ?」

彼女は小さく唇を噛み、それ以上何も言わなかった。

アレンは静かに装備をまとめた。短剣一本、使い古した革鎧、ポーチに少しの金貨。  
「あぁ、そうか。今まで世話になった。」

その言葉を最後に、彼はギルドを出た。背中越しに、笑い声が聞こえた気がした。

静かな風が街を抜ける。陽が落ちかけた石畳を、アレンは一人歩いた。  



アレンのスキル【探索眼】。それは地形や罠、隠された通路などを見抜く、いわば補助系スキルだった。戦闘向きではないため、評価は低い。だが本人も知らない。このスキルには、もう一つの『隠された効果』があった。

それは「物の本質を見抜く」能力。  
まだ誰も気づいていないだけで、それは古代の賢者が使っていた叡眼と同系統の力だった。

アレンはぼんやりと夜空を見上げる。星がやけにきれいだった。

「さて……これからどうするかな。」

冒険者カードを見やる。パーティ欄には「空白」の二文字。少し胸が痛むが、妙に清々しい気分でもあった。

その時、耳が動いた。風の中に、微かに「助けて」と言う声。アレンは反射的に立ち止まる。誰も周囲にはいないが、【探索眼】を発動すると、森の奥に小さな光点が見えた。薄く青白く輝く印。明らかに人の反応だ。

「また厄介ごとか……でも放っておけないな。」

アレンは迷わず森へと向かった。



鬱蒼とした森の中、枝をかき分けながら進む。やがて、倒木の下に小柄な少女が倒れていた。年は十六、いや十七くらいだろうか。淡い銀髪に白いローブ姿。だがその服の裾は泥で汚れ、呼吸も浅い。

「おい、大丈夫か?」

肩を揺すっても反応がない。倒木をどかすと、足が挟まっていた。アレンは短剣でロープのような根を断ち切り、少女を抱え上げる。意外にも軽かった。

「どこかの貴族の娘か……?」

髪の色が特徴的だ。見たことのない紋章も胸元に縫い付けられている。手当を優先し、アレンは近くの川辺で水を汲み、手持ちの薬草をすり潰して塗った。止血はうまくいったものの、意識は戻らない。

そこで【探索眼】をもう一度使う。視界に淡い光の糸が咲き、少女の体の上に黒いモヤが見える。

「呪い……か?いや、封印?」

思わず眉をひそめる。冒険者パーティでは何百回もこのスキルを使ってきたが、こんなものを見たのは初めてだ。まるで彼女自身の内に何かが閉じ込められているようだった。

「……仕方ない。」

アレンは彼女を自分のキャンプまで運んだ。焚き火を起こし、毛布に包む。やがて夜が更け、森が静かになったころ、少女が微かに身じろぎをした。

「……ここは……?」

「気がついたか。倒れてたんだ。足はもう大丈夫だ。」

少女はぼんやりとアレンを見つめる。星の光を宿したような瞳。整った顔立ちに、どこか気品があった。

「あなたが……助けてくれたのですね。」

小さな声だったが、感謝の色は濃い。アレンはうなずいた。

「ここは森の外れ。魔物も出る、あまり長居しない方がいい。」
「……ありがとうございます。私は……」

少女は言葉を止め、少し考え込んだ様子を見せた。

「エリナ、と申します。」

「そうか。俺はアレン。冒険者だ。もう歩けるか?」

エリナは頷き、立ち上がった。わずかによろけたが、自力で立てるようだ。だがその瞬間、彼女の首にかかるペンダントが微かに光り、アレンの【探索眼】が勝手に反応した。  
視界に一瞬だけ浮かんだ言葉——

【王家の印:封印対象指定・第一王女】

「……は?」

思考が止まる。彼女はただの少女ではなかった。王家の人間、それも王女――?  

エリナは困ったように微笑んだ。「いずれ話します。でも、今は……お願いです、このことは誰にも。」

アレンは頭をかきながら苦笑した。「まぁ、言う相手もいないけどな。」

その後、焚き火の火が小さく揺れる中、二人の影が並んだ。互いに理由も知らぬまま、運命の歯車は静かに動き始めていた。

アレンはまだ知らない。この出会いが、彼のささやかな人生を〈伝説〉へと変えていくことになるとは。

(第1話 終)
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