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属性、天使。

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このままじゃあギルドに戻れない…
とりあえず服を着ようと思ったけどズボンは普通に履けたのに、上は羽が邪魔で無理だった。


「羽が生えた事以外は何も変わってないから大丈夫。じゃあ、そろそろ帰らないといけないな。また君に会えるのを楽しみにしてるよ。」


何が大丈夫なんだ!
羽があるだけで大問題だよ!?
あ、本当に飛んでどっかに行っちゃう!
ばさばさと羽ばたいてる。


「え、え、ちょっと待って!この羽どうしたらいいの!?」
「気合いで仕舞えるから~、じゃあ、また~」
「まってー!!!!」


バサバサと羽を動かして飛んで何処かに行ってしまった。
天使さんが見えなくなった途端に周囲の景色が変化して、始めのドアの前に戻ってきた。
このドアの向こうはギルドだ。
施錠されていた鍵が開く音がした。


ドアがジワジワと開く。


どうしよう
どうしよう
このままじゃ…


「ニーニャさん、終わりましたか?」


人が近づいてくる。
もう駄目だ…
化け物扱いされるか、物珍しさから人体実験されちゃうとか…
なんにせよ色々と不味い事になるだろうなあ


「え!羽が!?」


凄く驚いている。やっぱり。そうだよね。


「天使の加護を受けたんですね!!凄い!!ちょっとギルド長を呼んで来ますので、そのままソコでお待ちください!!」


担当の人が走って行ってしまった。
あれ?なんか思ってた反応と違う。
ナックルさんが来てくれるんだったら少し安心だ。
大人しく待ってよう。
その間、羽を背中に収納出来ないか練習してみる。
気合いで仕舞えるからと言っていた。


「ん~~っっ!!ッはぁ、駄目だ!!」


全然駄目だ。
気合いってなんだ。
説明が雑過ぎる。
練習していたらナックルさんがやってきた。
物凄く驚いている。


「300年ぶりに天使の加護を受けた人間が出たって聞いて来てみりゃ…ニーニャじゃねぇか。」
「ナックルさん…僕、属性判定テスト受けただけなのに何故か天使に会って、色々あって、羽が生えちゃった…仕舞えないんです!どうしよう!?人間じゃなくなったのかな!?というか結局、僕の属性判定どうなったの!?」


色々あった所は伏せておいた。
恥ずかしいし。


「わかったわかった。とりあえず落ち着け。」


ナックルさんは、そう言って僕に色々説明してくれた。


天使の加護を受けた人は今まで2人ほど居て、僕で3人目なのだとか。一人目は遥か昔に国を作った賢者。二人目は300年前に魔王から国を守った勇者。それで三人目は僕。
天使の加護を受けた人間は、天使属性に適した魔力という事みたい。
そもそも属性判定は自分の魔力に適した属性を調べる物らしい。火属性に適した魔力なのか、水属性に適した魔力なのか。珍しい物だと、妖精属性なんかもあるんだとか。
だから、僕は天使属性なんだって。


「ま、全部文献で伝えられてるだけの情報だがな。何せ300年前の勇者の話だからな、伝説上の空想だと思ってる奴が殆どだ。」
「そうなんだ…羽の収納方法とか文献に残ってないよね…」
「無いだろうな。」



ますますどうしよう。
僕、これから上半身裸で羽丸出しで生きていかなきゃ行けないのかな。



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