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メインストーリー1
メルーゲの章:放浪編
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ズルズル、ズルズル・・・
行きよりも帰りの方が移動が遅い。
身体もさらに小さくなったような気がする。
メルーゲの章:放浪編
ようやく外に出た。
目の前には毒の沼が広がる。
ドゲルからするとオアシスだ。
思わず飛び込んだ。
ドプン!
はぁ~、極楽極楽。
普段父親がお風呂に入るたびに言っていた言葉の意味がわかった気がする。
疲れも取れて力が湧いてくる感じがしてきた。
これでまた行動が取れそうだ。
とりあえず分かった事はドマシとジュマシは敵対している。
どこがその境界線なのかはわからないが、縄張り争いの真っ最中。
ドマシの洞窟の本は読み放題。
ドマシとジュマシの関係性も気になる所だが、念願だった本の読み放題は魅力的。
毒の沼で回復できたので、再び洞窟へ向った。
ボルドマシが命令をしたのか、ドマシ達は僕を見ても何も言わなくなった。
ありがたい。
足止めを喰らうとこちらの体力が無駄に減っていく。
本の場所へ一直線に向うと、ボルドマシが魔法の書を読みながら眠りについていた。
毎朝、母親が見る光景はこういう状態なのかもしれない。
ボルドマシを起こさないように本へと近づく。
・・・
この身体でどうやって本を読むのだ?
ページをめくる手が無い。
本を掴もうとすると身体に取り込むだけ。
うむむむむ・・・
唸っているとボルドマシが目を覚ました。
「おう、昨日のヤツか。本当に本を読みに来たみたいだな。でも読めるか?」
からかうような言い方で声をかけてきた。
「読めない」
「ワハハ、だから言っただろう。でも何で本を読みたがる?」
「知識を得たい」
「珍しいドゲルもいたもんだ。知識を得てどうする?」
「楽に暮らしたい」
「ワハハ、面白いヤツだ」
どうやら、ボルドマシは僕を気に入ってくれたようだ。
馴れ合うつもりは無いが、敵対視されるよりはありがたい。
ついでに聞いてみた。
ドマシとジュマシの関係性。
「ジュマシとは何故対立を?」
・・・
一気にその場の空気が冷え込んだ気がした。
しまった、地雷を踏んでしまったようだ。
ものすごい剣幕でジュマシへの不平不満を言ってきた。
ボルドマシの唾が身体にかかる。
毒の身体とはいえ不快だ。
でもボルドマシの地雷を踏んだのは自分なので仕方が無い。
ハァハァ、ゼーゼー。
一通り言い切ったのかボルドマシは話すのを辞めた。
助かった。
もう少しで、ボルドマシの唾ドゲルになる所だった。
水と油のような関係。
同じ魔法を使うモンスターでも系統が違うのだろう。
同門対決といった感じだろうか。
微妙に違うのは、ドマシは保守的なのに対し、ジュマシは好戦的。
洞窟の周りに毒の沼を配置したのも、人間対策というよりはジュマシ対策か。
ボルドマシが落ち着いたところで、もう一つ聞いてみた。
「セキダイコって知ってる?」
今度はボルドマシの目がキラキラしたように見えた。
「オマエ、セキダイコを知ってるのか」
「噂で聞いたことがあって・・・」
「セキダイコは古代の文明で作られた砦。罠やモンスターは他と段違いだが、見た事も無いお宝も存在するらしい」
僕の持っている情報と同じだ。
「あそこにある書物には興味があるが、ジュマシが攻めてくるから砦に行くことすらできない」
ボルドマシが肩を落として話を続けた。
「ジュマシ達を制圧するには、こちらの魔法では勝てない。攻撃力が違いすぎる」
そういうと、ポンポンと魔法の書を叩きながら、
「オマエの持ってきた、この魔法の書は役に立った。魔力があがる手段が書いてあった。これでジュマシに太刀打ちできそうだ」
これは僕がドマシとジュマシの均衡を崩すことになったのか?
ナトリや他の人間に影響がでなければいいが。
さて、これから僕はどうしよう。
本も読めない。
毒の沼から遠くにも行けない。
ボルドマシに会いに行ったところで何も進展はなさそう。
本当にどうしよう。
いろいろと考えながら毒の沼を漂ってみた。
普通の湖などと違って流れがあるわけでもないし、沼なのでドロドロであまりスムーズに移動はできない。
ただ、沼と一体化しているような感じになって心地はいい。
しばらく漂った。
気がつけば見慣れない場所まで移動していた。
ここはどの辺りになるのだろう。
ロキさんが地図を見せてくれた時の事を思い出してみたがピンと来ない。
まぁ、わかったところで何も変化があるわけでもない。
沼から森の方を見ると、うつむいた状態で歩くボルドマシが見えた。
どこへ向うのだろう。
特別やる事もないのと、興味本位でボルドマシの方へ移動した。
初めてボルドマシと対面した時のような雰囲気を感じる。
いったい何があったのだろう。
「おーい、ボルドマシさーん」
沼から出て声をかけてみた。
ギョロッ!
鋭い目線で睨まれた。
と、同時に炎の魔法が飛んできた。
ジュッ!
なぜボルドマシさんは僕を攻撃してきたんだろう?
という考える間もなく僕の身体は蒸発した。
・・・
「かしら~、待ってくださいよ~」
「いくら、おかしらでもここを単独行動はまずいっすよ~」
かしら?
お頭?
「かしら、何をぼーっとしてるんですか?」
大勢のドマシのようなやつが心配そうこっちを見ている。
「ドマシの洞窟周辺にはドゲルがいて、あいつらの毒を喰らうと治す手段がないから気をつけないとダメっすよ~」
???
ドマシ周辺の毒の沼地はボルドマシが作ったんじゃないのか?
「本当に大丈夫っすか?かしら~」
状況を把握できていない僕に向って声をかけてくる。
いや、ドマシのように見えるがなんだか雰囲気が違う。
「ジュマシ・・・?」
「なんすか、その呼び方。さっきから、かしららしくないっすねぇ~」
そういいながら、みんな首をかしげる。
カシジュマの章へつづく
行きよりも帰りの方が移動が遅い。
身体もさらに小さくなったような気がする。
メルーゲの章:放浪編
ようやく外に出た。
目の前には毒の沼が広がる。
ドゲルからするとオアシスだ。
思わず飛び込んだ。
ドプン!
はぁ~、極楽極楽。
普段父親がお風呂に入るたびに言っていた言葉の意味がわかった気がする。
疲れも取れて力が湧いてくる感じがしてきた。
これでまた行動が取れそうだ。
とりあえず分かった事はドマシとジュマシは敵対している。
どこがその境界線なのかはわからないが、縄張り争いの真っ最中。
ドマシの洞窟の本は読み放題。
ドマシとジュマシの関係性も気になる所だが、念願だった本の読み放題は魅力的。
毒の沼で回復できたので、再び洞窟へ向った。
ボルドマシが命令をしたのか、ドマシ達は僕を見ても何も言わなくなった。
ありがたい。
足止めを喰らうとこちらの体力が無駄に減っていく。
本の場所へ一直線に向うと、ボルドマシが魔法の書を読みながら眠りについていた。
毎朝、母親が見る光景はこういう状態なのかもしれない。
ボルドマシを起こさないように本へと近づく。
・・・
この身体でどうやって本を読むのだ?
ページをめくる手が無い。
本を掴もうとすると身体に取り込むだけ。
うむむむむ・・・
唸っているとボルドマシが目を覚ました。
「おう、昨日のヤツか。本当に本を読みに来たみたいだな。でも読めるか?」
からかうような言い方で声をかけてきた。
「読めない」
「ワハハ、だから言っただろう。でも何で本を読みたがる?」
「知識を得たい」
「珍しいドゲルもいたもんだ。知識を得てどうする?」
「楽に暮らしたい」
「ワハハ、面白いヤツだ」
どうやら、ボルドマシは僕を気に入ってくれたようだ。
馴れ合うつもりは無いが、敵対視されるよりはありがたい。
ついでに聞いてみた。
ドマシとジュマシの関係性。
「ジュマシとは何故対立を?」
・・・
一気にその場の空気が冷え込んだ気がした。
しまった、地雷を踏んでしまったようだ。
ものすごい剣幕でジュマシへの不平不満を言ってきた。
ボルドマシの唾が身体にかかる。
毒の身体とはいえ不快だ。
でもボルドマシの地雷を踏んだのは自分なので仕方が無い。
ハァハァ、ゼーゼー。
一通り言い切ったのかボルドマシは話すのを辞めた。
助かった。
もう少しで、ボルドマシの唾ドゲルになる所だった。
水と油のような関係。
同じ魔法を使うモンスターでも系統が違うのだろう。
同門対決といった感じだろうか。
微妙に違うのは、ドマシは保守的なのに対し、ジュマシは好戦的。
洞窟の周りに毒の沼を配置したのも、人間対策というよりはジュマシ対策か。
ボルドマシが落ち着いたところで、もう一つ聞いてみた。
「セキダイコって知ってる?」
今度はボルドマシの目がキラキラしたように見えた。
「オマエ、セキダイコを知ってるのか」
「噂で聞いたことがあって・・・」
「セキダイコは古代の文明で作られた砦。罠やモンスターは他と段違いだが、見た事も無いお宝も存在するらしい」
僕の持っている情報と同じだ。
「あそこにある書物には興味があるが、ジュマシが攻めてくるから砦に行くことすらできない」
ボルドマシが肩を落として話を続けた。
「ジュマシ達を制圧するには、こちらの魔法では勝てない。攻撃力が違いすぎる」
そういうと、ポンポンと魔法の書を叩きながら、
「オマエの持ってきた、この魔法の書は役に立った。魔力があがる手段が書いてあった。これでジュマシに太刀打ちできそうだ」
これは僕がドマシとジュマシの均衡を崩すことになったのか?
ナトリや他の人間に影響がでなければいいが。
さて、これから僕はどうしよう。
本も読めない。
毒の沼から遠くにも行けない。
ボルドマシに会いに行ったところで何も進展はなさそう。
本当にどうしよう。
いろいろと考えながら毒の沼を漂ってみた。
普通の湖などと違って流れがあるわけでもないし、沼なのでドロドロであまりスムーズに移動はできない。
ただ、沼と一体化しているような感じになって心地はいい。
しばらく漂った。
気がつけば見慣れない場所まで移動していた。
ここはどの辺りになるのだろう。
ロキさんが地図を見せてくれた時の事を思い出してみたがピンと来ない。
まぁ、わかったところで何も変化があるわけでもない。
沼から森の方を見ると、うつむいた状態で歩くボルドマシが見えた。
どこへ向うのだろう。
特別やる事もないのと、興味本位でボルドマシの方へ移動した。
初めてボルドマシと対面した時のような雰囲気を感じる。
いったい何があったのだろう。
「おーい、ボルドマシさーん」
沼から出て声をかけてみた。
ギョロッ!
鋭い目線で睨まれた。
と、同時に炎の魔法が飛んできた。
ジュッ!
なぜボルドマシさんは僕を攻撃してきたんだろう?
という考える間もなく僕の身体は蒸発した。
・・・
「かしら~、待ってくださいよ~」
「いくら、おかしらでもここを単独行動はまずいっすよ~」
かしら?
お頭?
「かしら、何をぼーっとしてるんですか?」
大勢のドマシのようなやつが心配そうこっちを見ている。
「ドマシの洞窟周辺にはドゲルがいて、あいつらの毒を喰らうと治す手段がないから気をつけないとダメっすよ~」
???
ドマシ周辺の毒の沼地はボルドマシが作ったんじゃないのか?
「本当に大丈夫っすか?かしら~」
状況を把握できていない僕に向って声をかけてくる。
いや、ドマシのように見えるがなんだか雰囲気が違う。
「ジュマシ・・・?」
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そういいながら、みんな首をかしげる。
カシジュマの章へつづく
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