世界の秩序は僕次第

虎鶫

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プリジュドルート

続々々々々・メムロの章:報告編

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「そうだな、戻ってきた順に報告してもらおうか」
ロキさんがそう言うとサーカさんの方を見た。
「お、おう・・・」

続々々々々・メムロの章:報告編

サーカさんは一呼吸置いた後に話し出した。
「オレらはギノツの森に向って行ったんや」
「それはわかっている。で、ギノツの森はどうだった?大きな木は?」
「ロキはん、そうせかしなや、話にはまくらっちゅーのがあってやなぁ・・・」

バシッ!
オオカさんがサーカさんの頭を叩いた。
「サーカ、いらんこといわんとちゃんとしゃべれ」
「あのなー、ツッコミにしてはきついで」

はぁ・・・
ロキさんがやれやれといった感じでため息をついた。
「ルーナ、代わりに説明してくれ」
「ちょ、ロキはん、そんな殺生な・・・」
バシッ!
またオオカさんに叩かれている。

「話が進まないから私が説明するね」
「頼む」
サーカさん以外のみんなは頷いている。

「結論から言うと、ギノツの森は枯れていたわ」
「枯れていただと!」
ロキさんが驚きのあまり立ち上がった。

「まっ、サーカがゆーたら嘘っぽいけど、ルーナがゆーてるからほんまなんやろな」
オオカさんも驚きを隠せないようだ。
「ほんで、森のどこまでが枯れてたんや?」
続けて質問する。

「それが・・・少しだけ森に近づいたんだけど、逃げてきちゃった」
ルーナさんは申し訳なさそうにそういった。

・・・

全員が無言になった。

「あ、あのですね、ルーナさんが悪いわけじゃないんです。僕も危ない雰囲気を感じて」
僕は沈黙に耐え切れなくなったので思わずフォローを入れた。
「ちょっとメムロちゃん、それずっこいわー。アカンゆーたのオレやんオレ」
あ、そうだった。

あの森の中からの視線の先にはプリダルエの姿が見えたがこれは伏せておこう。
「それで大きな木はどうだった?」
セイドさんがルーナさんに聞いた。
「あれ?そういえば木が倒れたってメムロくんから聞いてたけど倒れた木はみなかったわねぇ」
ルーナさんが首をかしげながら答えた。

枯れた森に気を取られていたが、言われてみれば大きな木はどこにもなかった。
セイドさんと目が合ったので僕は頷いた。
「ルーナとメムロが言うのなら間違いないな」
「ちぇっ、オレも嘘ゆわへんっちゅーねん」
サーカさんがすねてそう言ったが完全に放置されている。

「ギノツの森には強そうなやつらおったと思うけど、あいつらはどーやった?」
オオカさんがルーナさんに問いかけたがルーナさんは首を横に振った。
「サーカは?」
「知らん、オレはなーんも知らん」
サーカさんは完全にすねている。

バシッ!
「すねんな、アホが。オマエがアカンっちゅーたんやろが」
「うっさい!知らんもんは知らんわ」
叩かれすぎたのか、さすがにサーカさんも怒り出した。
「はぁ、こんなアホの親が気の毒わや」
オオカさんがそういうと、ロキさんたちは苦笑いをしながらオオカさんの顔を見ていた。

「まぁ、オオカそれぐらいにしておけ」
「ロキはん、止めるの遅いでー」
バシッ!
また叩かれている、本当に懲りない人だ。

「ほんで、メムロちゃんが感じた危ない雰囲気ってなんや?」
突然オオカさんの質問の矛先がこっちに来た。
「オオカもアホやなぁ、メムロちゃんはオレの言葉をパクって・・・」
バシッ!

「サーカ、えぇかげんにせぇ!だからオマエは半人前なんや」
サーカさんが横槍を入れてきたから怒っているようにもみえたが、怒り方に微妙な違和感を感じた。
「オオカ、どういう事だ?」
ロキさんも何かを感じたのかオオカさんに聞いた。
「うーん、なんちゅーかメムロちゃんはパッとみぃはへなちょこなんやけど、なーんかもってるはずやねんなぁ」
ポンポンと僕の頭を叩きながらオオカさんがそう言った。

これは褒められているのかバカにされているのだろうか。
でも鋭いといえば鋭い指摘。
本当の事を言っても信じてはもらえないだろうが確かに隠している事はある。

「ほんで、メムロちゃんが感じた雰囲気っちゅーのは1つか?1つやろ?せやろ?」
「えっ?どういうことですか?」
質問の意図がわからない。
「ま、えぇか。まだおるんやな」
そう言うとオオカさんがニヤリとしている。

「ふむ、ギノツの森が枯れていたのは意外だったが、無事に戻ってくるのも任務のうちだ、ご苦労だったな」
ロキさんはそういって僕達を労ってくれた。
「次はオオカだな、セキダイコはどうだった?」

「ボルカシとはあわんかった」
「そうか・・・」
「でも」

でも?

「プリジュドはみたで」
「えーっ!」
それってもしかして・・・プリジュド?

「オオカ、プリジュドとは戦ったのか?」
「んや、こっちはやる気まんまんやったんやけど、なんやしらんけどしょげとったからほっといた」
ほっといた?
戦っていないということかな?

「ふむ、理由はわからないが・・・って、残念そうな顔をするな」
本気でオオカさんはプリジュドと戦いたかったようだ。
「ほんで、セキダイコにいったんやけど・・・」

・・・

サーカさんといい、オオカさんといい、何故この人たちは微妙な間を作るのだろう。
「壊れてた」
「なんだと!」
ロキさんが驚いてまた立ち上がった。
忙しい人だ。

「なにをしょーもないことゆーとんねん、セキダイコが壊れるわけないやろ」
先ほどの反撃とばかりにサーカさんが言ったがオオカさんは無視をしている。
「オマエと一緒にすんな、壊れてたもんは壊れてたんや、アホ」
一言多い気がするが嘘ではないだろう。

「オオカ、セキダイコの近くの森はどうだった?」
「別にふつーの森やったで」
「ちなみにセイド、ワニナの森はどうだった?」
「こっちも普通の森だった」
ロキさんが立て続けに他の森の状況を聞いていた。

「枯れていたのはギノツの森だけか。でもセキダイコは壊れていたと」
「せやで、また入りたかったんやけどなぁ」
オオカさんはまた残念そうな顔になった。

山は噴火、森は枯れ、遺跡は壊れている。
いったいどうなっているんだろう・・・

続々々々々・メムロの章つづく
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