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10 朝のニュース
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翌日、港は早めにマンションを出て、柿原シーパラダイスへと向かった。
昨日と似たり寄ったりの混み具合の電車に揺られ、三十分。
電車を降りて駅を出ると、これまた昨日と同じく朝食を取ろうと、港は店を探していた。
柿原シーパラダイスのある柿原市は海に面しており、新鮮な魚介類を使った料理で有名だ。
漁港では朝市も開かれており、その関係で朝早くから店を開けている食事処も多い。
(昨日食べた海老天そば、美味かったな~)
サクサクした衣に包まれたぷりぷりの海老に、出汁のきいた汁とつるっとしたそば。
何となく目についた店に入って、サッと食べられるものをお願いしたらそれを出してもらえたのだが、これがとても美味しかった。
思わず汁まで全部飲み干してしまったくらいだ。
ただ、そのあとで港は、塩分の取り過ぎだと気付いたのだが。
(今日はどうするかな。同じ店でも良いけれど……ん?)
歩きながら周囲を眺めていると「海鮮丼」と書かれたのぼりが風に揺れているのが見えた。
(あ、海鮮丼もいいな……)
これから水族館の仕事へ行くのに、海鮮丼はどうなんだと一瞬考えたが、それならば昨日すでに海老で経験済みだ。
「よし」
ならいいか、と港は笑って、その店へと入った。
「いらっしゃいませー」
中へ入ると、明るい声が出迎えてくれた。
港と同じくらいの年代の夫婦がやっている店のようだ。
テレビの音が流れる店内には、美味しそうな海鮮丼や焼き魚定食を食べる客の姿がちらほら見える。
「おお……」
思わずごくりと喉が鳴る。
「お好きな席へどうぞ!」
そうしていると、奥さんからにこっと笑いかけられた。
港も笑って軽く会釈すると、一番近くの席に腰を下ろす。
(さて何にしようかな~)
ワクワクしながらメニュー表へ手を伸ばす。
目当ての海鮮丼以外にも、食欲をそそるメニューがたくさん並んでいる。
(あっ、あら汁あるじゃん……! 一度食べてみたかったんだよなぁ)
海鮮丼とこれにしようと決めて、注文をしようとした時。
『それでは次のニュースです。本日未明、柿原市のアパートに住む三十代の男性が、同市のコンビニエンスストアへ強盗に入り、店員に取り押さえられました』
そんなニュースがテレビから流れた。
「えっ、うちの市じゃん」
「やだねぇ、最近、物騒でさぁ。この間も何かあったろ」
「あのコンビニか~。あそこ、店員さんが空手をやっていて、めちゃ強いのよ。入った場所が悪かったな」
客たちはそんな話をしている。
『逮捕された際に男は「あいつのせいだ、あいつがバラしたから、俺の金がなくなったんだ。せっかく上手くいきそうだったのに」などと意味不明な供述をしており、警察では詳しい動機などを調べています』
アナウンサーはそう言うと、次のニュースへと移って行った。
(まぁ、聞いた感じ、碌な動機じゃないわな)
バラしただとか、上手くいきそうだっただとか。
大体、悪いことを企んでいる側の人間が言いそうなセリフである。
動機も、男も、きっと碌なもんじゃない。
(それよりも朝食だ、朝食)
サッと意識を切り替えて、港は注文をすべく「すみません」と手を挙げたのだった。
昨日と似たり寄ったりの混み具合の電車に揺られ、三十分。
電車を降りて駅を出ると、これまた昨日と同じく朝食を取ろうと、港は店を探していた。
柿原シーパラダイスのある柿原市は海に面しており、新鮮な魚介類を使った料理で有名だ。
漁港では朝市も開かれており、その関係で朝早くから店を開けている食事処も多い。
(昨日食べた海老天そば、美味かったな~)
サクサクした衣に包まれたぷりぷりの海老に、出汁のきいた汁とつるっとしたそば。
何となく目についた店に入って、サッと食べられるものをお願いしたらそれを出してもらえたのだが、これがとても美味しかった。
思わず汁まで全部飲み干してしまったくらいだ。
ただ、そのあとで港は、塩分の取り過ぎだと気付いたのだが。
(今日はどうするかな。同じ店でも良いけれど……ん?)
歩きながら周囲を眺めていると「海鮮丼」と書かれたのぼりが風に揺れているのが見えた。
(あ、海鮮丼もいいな……)
これから水族館の仕事へ行くのに、海鮮丼はどうなんだと一瞬考えたが、それならば昨日すでに海老で経験済みだ。
「よし」
ならいいか、と港は笑って、その店へと入った。
「いらっしゃいませー」
中へ入ると、明るい声が出迎えてくれた。
港と同じくらいの年代の夫婦がやっている店のようだ。
テレビの音が流れる店内には、美味しそうな海鮮丼や焼き魚定食を食べる客の姿がちらほら見える。
「おお……」
思わずごくりと喉が鳴る。
「お好きな席へどうぞ!」
そうしていると、奥さんからにこっと笑いかけられた。
港も笑って軽く会釈すると、一番近くの席に腰を下ろす。
(さて何にしようかな~)
ワクワクしながらメニュー表へ手を伸ばす。
目当ての海鮮丼以外にも、食欲をそそるメニューがたくさん並んでいる。
(あっ、あら汁あるじゃん……! 一度食べてみたかったんだよなぁ)
海鮮丼とこれにしようと決めて、注文をしようとした時。
『それでは次のニュースです。本日未明、柿原市のアパートに住む三十代の男性が、同市のコンビニエンスストアへ強盗に入り、店員に取り押さえられました』
そんなニュースがテレビから流れた。
「えっ、うちの市じゃん」
「やだねぇ、最近、物騒でさぁ。この間も何かあったろ」
「あのコンビニか~。あそこ、店員さんが空手をやっていて、めちゃ強いのよ。入った場所が悪かったな」
客たちはそんな話をしている。
『逮捕された際に男は「あいつのせいだ、あいつがバラしたから、俺の金がなくなったんだ。せっかく上手くいきそうだったのに」などと意味不明な供述をしており、警察では詳しい動機などを調べています』
アナウンサーはそう言うと、次のニュースへと移って行った。
(まぁ、聞いた感じ、碌な動機じゃないわな)
バラしただとか、上手くいきそうだっただとか。
大体、悪いことを企んでいる側の人間が言いそうなセリフである。
動機も、男も、きっと碌なもんじゃない。
(それよりも朝食だ、朝食)
サッと意識を切り替えて、港は注文をすべく「すみません」と手を挙げたのだった。
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