何度でも貴方を殺します。理由? 楽しいからですわ

満月丸

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おやすみ

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 ああ、忘れたのね。辛かった王宮の全てを。

 よかった、壊れたままでは、生きづらいもの。
 あの血も、笑いも、喉を裂く感触も、鉄錆の香りも。
 この首にぶら下がっている千切れた鎖も。
 全部、私が預かっておくわ。
 貴方は、明るく笑っていればいい。何も知らない香りの中で、生きていけばいい。
 幸せになれるわ、だって、私は何もしていないのだから。

 でも、

 もしまた、必要になったら。
 もしまた、貴方を傷つける誰かが現れたら。

 そのときは、呼んで。
 ちゃんと香りのように、出てきてあげる。

 次は、もっと上手に、もっと優雅に。
 社交ダンスのように、音楽に合わせて一歩ずつ"壊す"から。

 壊すのは、得意なの。


 ――心の奥で、気配だけがくすりと笑った。


 おやすみ、またね。

 "私"が必要になる、その日まで。


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