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婚約破棄の続きをどうぞ、王子殿下
中編
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白い月の光が降り注ぐ中庭を、レイナとゼイドは肩を並べて歩いていた。
夜風が、レイナの長いダークブロンドの髪をふわりと揺らす。
月明かりに透けるその髪は、琥珀色の瞳と相まって、どこか儚く、けれど凛とした美しさを宿している。
レイナの横顔には、静かな誇りと揺るぎない意思が宿っていた。
その隣には、ゼイドの姿。
鍛え抜かれた体躯は軍服越しでも明らかで、その佇まいには威圧感と気品が滲んでいた。深い紺の瞳が、ただ一人レイナを真っ直ぐに見つめている。
二人は自然と手を取り合っていた。
指先の温もりを確かめるように、どちらもその手を離そうとしない。
ふとゼイドは、レイナの横顔に目を留めた。
柔らかく笑ってはいるものの、その瞳の奥に、ほんのかすかな影が差している。
「……なにか、不安でもあるのか?」
問いかけは静かで、けれど真っ直ぐだった。
レイナは少しだけ目を見開き、それからはにかむように笑う。
「……あんな騒動の中で、わたくしの手を取ってくださったことが、まだ信じられなくて」
こぼれる声は、どこか夢の中にいるような揺らぎを帯びていた。
ゼイドは一瞬だけ目を伏せ、それからまっすぐに彼女を見つめる。
「俺が君の手を取ったのは、衝動でも同情でもない。……心からそうしたいと思ったからだ」
その言葉は、ゆっくりと、丁寧に紡がれた。
レイナの瞳が揺れ、細く息を飲む。
「君は、誰よりも誇り高く、誰よりも強い。俺は……そんな君に、最初から心を奪われていた」
思いがけない告白に、レイナの琥珀の瞳が大きく見開かれる。
けれどゼイドは焦らず、ただ静かに、真実だけを語るように口を開いた。
「最初に君を見かけたのは、宮廷での小さな茶会だった。皆が王族に媚びへつらう中、君だけは正面から人の目を見て話していた。少しも偽らず、上品で、けれど凛としていた」
「……そんなこと、覚えていてくださったのですね」
レイナの声には、驚きと嬉しさが入り混じっていた。ゼイドは静かに頷く。
「忘れられるものか。あの時、既に彼の婚約者として扱われていた君は、どこか遠い存在だった。でも……俺はあの日から、ずっと気になっていた」
夜風が再び、レイナの髪を撫でていく。その輪郭を月光が縁取るたびに、ゼイドの視線は離れなかった。
「君が、急病で倒れた侍女に声をかけて助けていたのも、覚えている。人目のないところでこそ、人の真価は見える。君は……ただ、尊敬に値した」
レイナの表情がわずかに揺れる。彼女の琥珀の瞳に、遠い記憶の残り香が映る。
「そんなふうに思っていてくださったなんて……」
ゼイドは、そっと彼女の手を自分の胸元に引き寄せた。軍服越しに伝わる鼓動が、確かな熱を刻んでいる。
「そして……あのとき、殿下とアリーネ嬢の姿を見て、君が無理をして笑おうとしていたことが、強く心に残っている。唇を噛み締めて、涙をこらえていたことも……俺は気づいてしまった」
「……お恥ずかしいですわ」
レイナは当時を思い出して目を伏せる。
ゼイドの胸の奥に、ひとしずくの涙が沁み入る気配がした。
「君が無理をしているのが、痛いほど伝わった。……あの時から俺は、君の笑顔を守りたいと、そう思うようになった」
その言葉には、一片の迷いもなかった。紺の瞳が、真正面からレイナの瞳に重なる。
「君の涙を見たあの日から、俺はただの騎士ではなく、一人の男として君を想い続けてきた」
レイナの瞳に涙が浮かび、心の奥でくすぶっていた不安が、そっと溶けていく。
「ゼイド様の心に、わたくしの居場所があると……そう信じて、よろしいのですか?」
「俺の心は、君がいてこそ完成するんだ。俺は、君のそばにいたい。人生を共に歩む者として」
ゼイドの声は低く、優しく、そして揺るぎない。
「君のその手を、俺の最後の日まで、守り抜く。……愛している、レイナ」
その言葉が胸に届いた瞬間、レイナの目から静かに一粒、涙がこぼれ落ちた。けれどそれは、悲しみではない。
「……はい。わたくしも、あなたを、ずっと……」
その言葉に込められた想いはどこまでも深く、まっすぐで。長く閉ざされていた心が、ようやく光の中でほどけていく。
二人の唇が、そっと重なった。
それは誓いの口づけ。抑えていた想いを解き放ち、初めて誰かと歩む未来を選ぶための静かな契約。
──もう、あの涙の夜には戻らない。
今、彼女の隣には、いつでも手を差し伸べてくれる人がいる。
唇を離したあとも、ふたりは名残惜しそうに互いを見つめ合ったままだった。
レイナは、胸の奥に温かい光が灯ったような気がして、そっと目を伏せる。
そして少しだけ、笑みをにじませた。
「……ふふ。今だから言えますけれど、あの時は本当に驚きましたわ。まだ王子と婚約していたわたくしに、突然プロポーズなさるなんて」
くすくすと笑う声にゼイドは少し眉を下げ、照れたように視線を逸らした。
「……黙って見ているのが、もう耐えられなかったんだ。君が苦しんでいるのを知っていて、ただの傍観者ではいられなかった」
「ふふ……でも、あのときのあなた、本当に真剣でした」
レイナは懐かしむように目を細め、やさしい笑みを浮かべる。
「だからわたくし、あのあと勇気を振り絞って、陛下に申し上げましたの。クロヴィス殿下との婚約を、白紙にしていただけないかって」
ゼイドは目を細めると、ふっと息を吐いて微笑んだ。
「そうだったな。君のその強さには、本当に驚かされた。……俺が言うつもりでいたのに、先を越されたよ」
レイナは小さく首を振り、彼の手をそっと握り返す。
「それはもう……あのときは緊張で、足がすくみそうでしたわ。でも……誰かに任せてはいけないと思ったんです。自分の人生を、自分の言葉で選びたくて……あなたの気持ちに、応えるためにも」
その瞳には、静かな決意が宿っていた。
それにしても、とレイナは王とのやり取りを思い出して首を傾げる。
「陛下があっさりと認めてくださったのには驚きましたけれど。あなたって、いったい何者なのですの?」
ゼイドは言葉を探しかけてためらうと、レイナは微笑みながら続けた。
「陛下のお目に留まるほどのご活躍をなさる、騎士団長様ですものね」
自分で答えを見つけたレイナにゼイドは苦笑しつつ、彼女の手をそっと握り返した。
「……本当に、強い人だ。俺なんかより、よほど」
レイナは微笑みを浮かべながらも、ほんの少しだけ目を伏せて答えた。
「違いますわ。あなたがいたから、踏み出せたのですもの」
レイナはゼイドの手をそっと握りしめる。
「あなたの手を取ることが、わたくしの人生でいちばん勇気を出した瞬間ですわ」
「その手を、俺がこれからも引き続ける。君がもう、悲しみの中でひとりにならないように」
ふたりは月光の中、そっと寄り添い、互いの温もりを確かめ合うように、その場に静かにたたずんでいた。
***
一方、舞踏会場にはクロヴィス王子が、ただひとり取り残されていた。
灯りは煌めいているのに、空気は冷たい。拍手も笑顔も、すでに彼のものではない。
「……俺が捨てるつもりだったのに……なぜ、すべてを失っている……?」
唇が震えても、誰も寄り添ってはくれない。
アリーネも、レイナも、ゼイドすらも。
誰一人、彼を振り返らなかった。
「レイナ……」
その名を呼ぶ声は、情けない末路を迎えた男の、最後の未練だった。
夜風が、レイナの長いダークブロンドの髪をふわりと揺らす。
月明かりに透けるその髪は、琥珀色の瞳と相まって、どこか儚く、けれど凛とした美しさを宿している。
レイナの横顔には、静かな誇りと揺るぎない意思が宿っていた。
その隣には、ゼイドの姿。
鍛え抜かれた体躯は軍服越しでも明らかで、その佇まいには威圧感と気品が滲んでいた。深い紺の瞳が、ただ一人レイナを真っ直ぐに見つめている。
二人は自然と手を取り合っていた。
指先の温もりを確かめるように、どちらもその手を離そうとしない。
ふとゼイドは、レイナの横顔に目を留めた。
柔らかく笑ってはいるものの、その瞳の奥に、ほんのかすかな影が差している。
「……なにか、不安でもあるのか?」
問いかけは静かで、けれど真っ直ぐだった。
レイナは少しだけ目を見開き、それからはにかむように笑う。
「……あんな騒動の中で、わたくしの手を取ってくださったことが、まだ信じられなくて」
こぼれる声は、どこか夢の中にいるような揺らぎを帯びていた。
ゼイドは一瞬だけ目を伏せ、それからまっすぐに彼女を見つめる。
「俺が君の手を取ったのは、衝動でも同情でもない。……心からそうしたいと思ったからだ」
その言葉は、ゆっくりと、丁寧に紡がれた。
レイナの瞳が揺れ、細く息を飲む。
「君は、誰よりも誇り高く、誰よりも強い。俺は……そんな君に、最初から心を奪われていた」
思いがけない告白に、レイナの琥珀の瞳が大きく見開かれる。
けれどゼイドは焦らず、ただ静かに、真実だけを語るように口を開いた。
「最初に君を見かけたのは、宮廷での小さな茶会だった。皆が王族に媚びへつらう中、君だけは正面から人の目を見て話していた。少しも偽らず、上品で、けれど凛としていた」
「……そんなこと、覚えていてくださったのですね」
レイナの声には、驚きと嬉しさが入り混じっていた。ゼイドは静かに頷く。
「忘れられるものか。あの時、既に彼の婚約者として扱われていた君は、どこか遠い存在だった。でも……俺はあの日から、ずっと気になっていた」
夜風が再び、レイナの髪を撫でていく。その輪郭を月光が縁取るたびに、ゼイドの視線は離れなかった。
「君が、急病で倒れた侍女に声をかけて助けていたのも、覚えている。人目のないところでこそ、人の真価は見える。君は……ただ、尊敬に値した」
レイナの表情がわずかに揺れる。彼女の琥珀の瞳に、遠い記憶の残り香が映る。
「そんなふうに思っていてくださったなんて……」
ゼイドは、そっと彼女の手を自分の胸元に引き寄せた。軍服越しに伝わる鼓動が、確かな熱を刻んでいる。
「そして……あのとき、殿下とアリーネ嬢の姿を見て、君が無理をして笑おうとしていたことが、強く心に残っている。唇を噛み締めて、涙をこらえていたことも……俺は気づいてしまった」
「……お恥ずかしいですわ」
レイナは当時を思い出して目を伏せる。
ゼイドの胸の奥に、ひとしずくの涙が沁み入る気配がした。
「君が無理をしているのが、痛いほど伝わった。……あの時から俺は、君の笑顔を守りたいと、そう思うようになった」
その言葉には、一片の迷いもなかった。紺の瞳が、真正面からレイナの瞳に重なる。
「君の涙を見たあの日から、俺はただの騎士ではなく、一人の男として君を想い続けてきた」
レイナの瞳に涙が浮かび、心の奥でくすぶっていた不安が、そっと溶けていく。
「ゼイド様の心に、わたくしの居場所があると……そう信じて、よろしいのですか?」
「俺の心は、君がいてこそ完成するんだ。俺は、君のそばにいたい。人生を共に歩む者として」
ゼイドの声は低く、優しく、そして揺るぎない。
「君のその手を、俺の最後の日まで、守り抜く。……愛している、レイナ」
その言葉が胸に届いた瞬間、レイナの目から静かに一粒、涙がこぼれ落ちた。けれどそれは、悲しみではない。
「……はい。わたくしも、あなたを、ずっと……」
その言葉に込められた想いはどこまでも深く、まっすぐで。長く閉ざされていた心が、ようやく光の中でほどけていく。
二人の唇が、そっと重なった。
それは誓いの口づけ。抑えていた想いを解き放ち、初めて誰かと歩む未来を選ぶための静かな契約。
──もう、あの涙の夜には戻らない。
今、彼女の隣には、いつでも手を差し伸べてくれる人がいる。
唇を離したあとも、ふたりは名残惜しそうに互いを見つめ合ったままだった。
レイナは、胸の奥に温かい光が灯ったような気がして、そっと目を伏せる。
そして少しだけ、笑みをにじませた。
「……ふふ。今だから言えますけれど、あの時は本当に驚きましたわ。まだ王子と婚約していたわたくしに、突然プロポーズなさるなんて」
くすくすと笑う声にゼイドは少し眉を下げ、照れたように視線を逸らした。
「……黙って見ているのが、もう耐えられなかったんだ。君が苦しんでいるのを知っていて、ただの傍観者ではいられなかった」
「ふふ……でも、あのときのあなた、本当に真剣でした」
レイナは懐かしむように目を細め、やさしい笑みを浮かべる。
「だからわたくし、あのあと勇気を振り絞って、陛下に申し上げましたの。クロヴィス殿下との婚約を、白紙にしていただけないかって」
ゼイドは目を細めると、ふっと息を吐いて微笑んだ。
「そうだったな。君のその強さには、本当に驚かされた。……俺が言うつもりでいたのに、先を越されたよ」
レイナは小さく首を振り、彼の手をそっと握り返す。
「それはもう……あのときは緊張で、足がすくみそうでしたわ。でも……誰かに任せてはいけないと思ったんです。自分の人生を、自分の言葉で選びたくて……あなたの気持ちに、応えるためにも」
その瞳には、静かな決意が宿っていた。
それにしても、とレイナは王とのやり取りを思い出して首を傾げる。
「陛下があっさりと認めてくださったのには驚きましたけれど。あなたって、いったい何者なのですの?」
ゼイドは言葉を探しかけてためらうと、レイナは微笑みながら続けた。
「陛下のお目に留まるほどのご活躍をなさる、騎士団長様ですものね」
自分で答えを見つけたレイナにゼイドは苦笑しつつ、彼女の手をそっと握り返した。
「……本当に、強い人だ。俺なんかより、よほど」
レイナは微笑みを浮かべながらも、ほんの少しだけ目を伏せて答えた。
「違いますわ。あなたがいたから、踏み出せたのですもの」
レイナはゼイドの手をそっと握りしめる。
「あなたの手を取ることが、わたくしの人生でいちばん勇気を出した瞬間ですわ」
「その手を、俺がこれからも引き続ける。君がもう、悲しみの中でひとりにならないように」
ふたりは月光の中、そっと寄り添い、互いの温もりを確かめ合うように、その場に静かにたたずんでいた。
***
一方、舞踏会場にはクロヴィス王子が、ただひとり取り残されていた。
灯りは煌めいているのに、空気は冷たい。拍手も笑顔も、すでに彼のものではない。
「……俺が捨てるつもりだったのに……なぜ、すべてを失っている……?」
唇が震えても、誰も寄り添ってはくれない。
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