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第10話 私たち、仲間、だよね?
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リックバルドが流布した馬鹿な噂を知ってしまうと、オーケルフェルト家での居心地が悪くなった。
女性を見ると指を差して笑われている様な気がして身の置き所が無く、男性を見ればすぐにでもやれる女として見られている感じがして怖かった。次にリックバルドに会った時には、一度包丁で刺さないと気が済まない。
「大丈夫ですか、サビーナ」
彼の問いに、サビーナはゆっくりと首を縦に下ろした。仕事中、唯一の安息場所がこのセヴェリの部屋だ。今日も彼の部屋でお茶を淹れ、サビーナはホッと息を吐き出す。彼の柔和な笑顔が、サビーナの心を優しく癒してくれるのだ。
「何かあったら、すぐに私に言いなさい。分かりましたね?」
「はい、ありがとうございます」
噂は、いつになったら消えてくれるだろうか。まったくリックバルドはどういう目的でこんな事を言ったのか、理解しかねる。
イライラと兄に憤慨していたら、セヴェリに声を掛けられた。
「ああ、サビーナ。ひとつお願いがあるのですが」
「はい、何でしょう」
「本を貸して頂けませんか?」
「……本?」
サビーナが首を傾げると、セヴェリは目を細めて頷く。
「月見草が出てきたと言っていた、あの本です」
「え? あれは恋愛小説ですよ?」
「男が恋愛小説を読んではいけないのですか?」
「いえ、そういうわけでは……ただ少し意外で。いつも難しい本を読んでいらっしゃるし」
「そうですね、実は恋愛物に手を出すのは初めてですよ。楽しみです」
己の主が、自分の好きな物に興味を持ってくれるのは嬉しい。サビーナはコクコクと満面笑顔で承諾した。
「では、明日にでも持って来ますね!」
「ええ、お願いします」
ルンルン気分で部屋を出て、給湯室へ片付けに向かおうとした時。邸内の見回りに来たであろうサイラスが、声を掛けて来た。
「やっほーサビーナちゃん。どしたの、浮かれて」
「サイラス。うん、ちょっと」
「なに? 良い事でもあった?」
「ひみつー」
セヴェリが恋愛小説を読むというのは黙っておいた。秘密にする程の事ではないと思うが、周りに知られるのは嫌がるかもしれない。何だか二人だけの秘密を持てた気がして、顔がニヤけてしまう。
「気になる言い方だなぁ。教えてよ、僕とサビーナちゃんの仲じゃない」
「いや、大した事じゃないから」
「本当かなぁ……ミイラ取りがミイラにならないでよ、サビーナちゃん」
「……どういう意味?」
眉を顰めながらサイラスを見上げると、彼は困った様に口の端を上げた。
「惚れさせるべき者が、惚れちゃわない様にって事」
カッと顔が熱くなる。一体サイラスは何を言っているのか。高位貴族であり、この屋敷の主であり、婚約者がいるセヴェリに惚れてはいけない事くらい、分かっている。
「そんな事……っ、あり得ないし!」
「そう? 本当に?」
懐疑の視線を送ってくるサイラス。不愉快だ。そんな風に思われるのは、とても。
「本当だよ!」
「……心配だな。こっち側に繋ぎとめておきたくなる」
サイラスの瞳が一瞬冷ややかな物に変わる。本能的に何かがやばいと感じ、勝手に体がギクッと震えた。
「こっちにおいで」
「……っ!!」
腕を引っ掴まれて強く引っ張られたサビーナは、サービスワゴンをそこに置いたまま、空き部屋に連れ込まれてしまう。壁に背中を強く押し付けられたサビーナは、こわごわとサイラスを見上げた。
「あはは、やっぱりサビーナちゃんのその顔はそそるよ……癖になっちゃいそうだな」
そういうサイラスの目は笑っておらず、冷ややかなままだ。サビーナの額に、嫌な汗が流れる。
「冗談、だよね……? 私たち、仲間、だもんね?」
「そうだね、仲間だ。だから、僕を裏切れないようにしてあげるよ」
サイラスはサビーナの両手首を掴むと、壁に押し付けて来た。
怖い。また、声が出ない。
「そんなに怯えないでよ。噂、聞いちゃったよ。誰でもいいんでしょ?」
サビーナは涙目になりながらもブンブンと首を横に振る。あれは、リックバルドが言い出したデマなのだ。何故、仲間であるサイラスがそれを知らないというのか。
「よく、な、い………」
「脳内お花畑のサビーナちゃんはファーストキスの味がレモンなのかを調べるために、誰でもいいからキスしたいんでしょ。そういう噂だよ」
最初に聞いたセヴェリの噂話から、かなり歪曲されている。声が出せずに、首を横に振る事だけで抵抗と否定を見せるも、サイラスは冷たい瞳のままだ。
「ついでに、その先も色々教えてあげるね。興味、あるんでしょ?」
口元だけで笑われても恐怖が増すばかりで、サビーナはフルフルと首を横に振って見せる。しかしそんなサビーナを見ても、サイラスが動じる事は無かった。むしろそんな態度を取られて嬉しそうでもある。
「僕、処女は慣れてるんだ。優しくするから心配いらない」
手足がガタガタと震え出したサビーナを見て、サイラスは安心させるためにそう言ったのかもしれない。しかし、サビーナには逆効果でしかなかった。
獲物としか見られていないのが分かる。こんな状況で奪われるのは、絶対に嫌だ。
しかしそうは思っても、体は強張っていう事を聞いてくれそうにない。
「大丈夫だよ。怖いのは最初だけ。すぐに気持ち良くなって、みんな僕の虜になっちゃうから」
「……う、……うう」
ますます声は出て来ず、サビーナは怯えた目を向ける事しか出来なかった。目の前のサイラスは、緩く口角をあげて迫ってくる。
「どうしたの? 嫌がらないの? 声を上げてもいいんだよ。すぐに塞いじゃうけどね」
「……う、ううう、うー」
怖くて悔しくて、涙が溢れた。次々に頬を伝っては、床という滝壺に吸い込まれていく。
少し声を上げるだけだ。皆はまだ働いている時間なので、声さえ出す事が出来れば助けが来るはずだ。
「う、ううーーっ、うううーーーー」
「そんな抵抗で、男が止まるとでも思ってるの?」
「うう、ひっ、ひっく……」
「泣いても無駄なんだよ。覚悟はいいね」
「や、やぁ……」
ようやくか細い声が出た。しかしこの程度では、広い屋敷のどこにも聞こえないだろう。
「じゃ、いただきまーす」
薄く口を開け、舌を覗かせて迫って来るサイラス。サビーナは最後の抵抗とばかりに顔を横に逸らした。
しかしサイラスに、手で顎を固定されてしまう。
「往生際が悪いよ、サビーナちゃん。そろそろ諦めたら?」
「……っ、や……、いやぁ……」
「何? 聞こえないよ」
「い、いやあああああっ」
やっと大きな声が出た瞬間、サイラスは驚いたのかサビーナから飛び退いた。サイラスの拘束から解かれたサビーナは、支えがなくなりヨロヨロとへたりこむ。
そうしてガタガタと震えていると、慌てる足音が近づいて来た。扉がバンッと大きな音を立てて開かれる。そこには驚愕の顔をした、セヴェリが立っていた。
「サビーナ!?」
「セ、ヴェリ、様……!」
床にへたり込んで座っているサビーナと、それを見下ろすように立っているサイラス。それだけでおおよその事情は飲み込めたのだろう。
セヴェリはサイラスをキッと睨み、震えるサビーナの肩をギュッと抱きしめてくれた。その腕の温かさに安堵したが、まだ手足の震えは治まってくれなかった。
女性を見ると指を差して笑われている様な気がして身の置き所が無く、男性を見ればすぐにでもやれる女として見られている感じがして怖かった。次にリックバルドに会った時には、一度包丁で刺さないと気が済まない。
「大丈夫ですか、サビーナ」
彼の問いに、サビーナはゆっくりと首を縦に下ろした。仕事中、唯一の安息場所がこのセヴェリの部屋だ。今日も彼の部屋でお茶を淹れ、サビーナはホッと息を吐き出す。彼の柔和な笑顔が、サビーナの心を優しく癒してくれるのだ。
「何かあったら、すぐに私に言いなさい。分かりましたね?」
「はい、ありがとうございます」
噂は、いつになったら消えてくれるだろうか。まったくリックバルドはどういう目的でこんな事を言ったのか、理解しかねる。
イライラと兄に憤慨していたら、セヴェリに声を掛けられた。
「ああ、サビーナ。ひとつお願いがあるのですが」
「はい、何でしょう」
「本を貸して頂けませんか?」
「……本?」
サビーナが首を傾げると、セヴェリは目を細めて頷く。
「月見草が出てきたと言っていた、あの本です」
「え? あれは恋愛小説ですよ?」
「男が恋愛小説を読んではいけないのですか?」
「いえ、そういうわけでは……ただ少し意外で。いつも難しい本を読んでいらっしゃるし」
「そうですね、実は恋愛物に手を出すのは初めてですよ。楽しみです」
己の主が、自分の好きな物に興味を持ってくれるのは嬉しい。サビーナはコクコクと満面笑顔で承諾した。
「では、明日にでも持って来ますね!」
「ええ、お願いします」
ルンルン気分で部屋を出て、給湯室へ片付けに向かおうとした時。邸内の見回りに来たであろうサイラスが、声を掛けて来た。
「やっほーサビーナちゃん。どしたの、浮かれて」
「サイラス。うん、ちょっと」
「なに? 良い事でもあった?」
「ひみつー」
セヴェリが恋愛小説を読むというのは黙っておいた。秘密にする程の事ではないと思うが、周りに知られるのは嫌がるかもしれない。何だか二人だけの秘密を持てた気がして、顔がニヤけてしまう。
「気になる言い方だなぁ。教えてよ、僕とサビーナちゃんの仲じゃない」
「いや、大した事じゃないから」
「本当かなぁ……ミイラ取りがミイラにならないでよ、サビーナちゃん」
「……どういう意味?」
眉を顰めながらサイラスを見上げると、彼は困った様に口の端を上げた。
「惚れさせるべき者が、惚れちゃわない様にって事」
カッと顔が熱くなる。一体サイラスは何を言っているのか。高位貴族であり、この屋敷の主であり、婚約者がいるセヴェリに惚れてはいけない事くらい、分かっている。
「そんな事……っ、あり得ないし!」
「そう? 本当に?」
懐疑の視線を送ってくるサイラス。不愉快だ。そんな風に思われるのは、とても。
「本当だよ!」
「……心配だな。こっち側に繋ぎとめておきたくなる」
サイラスの瞳が一瞬冷ややかな物に変わる。本能的に何かがやばいと感じ、勝手に体がギクッと震えた。
「こっちにおいで」
「……っ!!」
腕を引っ掴まれて強く引っ張られたサビーナは、サービスワゴンをそこに置いたまま、空き部屋に連れ込まれてしまう。壁に背中を強く押し付けられたサビーナは、こわごわとサイラスを見上げた。
「あはは、やっぱりサビーナちゃんのその顔はそそるよ……癖になっちゃいそうだな」
そういうサイラスの目は笑っておらず、冷ややかなままだ。サビーナの額に、嫌な汗が流れる。
「冗談、だよね……? 私たち、仲間、だもんね?」
「そうだね、仲間だ。だから、僕を裏切れないようにしてあげるよ」
サイラスはサビーナの両手首を掴むと、壁に押し付けて来た。
怖い。また、声が出ない。
「そんなに怯えないでよ。噂、聞いちゃったよ。誰でもいいんでしょ?」
サビーナは涙目になりながらもブンブンと首を横に振る。あれは、リックバルドが言い出したデマなのだ。何故、仲間であるサイラスがそれを知らないというのか。
「よく、な、い………」
「脳内お花畑のサビーナちゃんはファーストキスの味がレモンなのかを調べるために、誰でもいいからキスしたいんでしょ。そういう噂だよ」
最初に聞いたセヴェリの噂話から、かなり歪曲されている。声が出せずに、首を横に振る事だけで抵抗と否定を見せるも、サイラスは冷たい瞳のままだ。
「ついでに、その先も色々教えてあげるね。興味、あるんでしょ?」
口元だけで笑われても恐怖が増すばかりで、サビーナはフルフルと首を横に振って見せる。しかしそんなサビーナを見ても、サイラスが動じる事は無かった。むしろそんな態度を取られて嬉しそうでもある。
「僕、処女は慣れてるんだ。優しくするから心配いらない」
手足がガタガタと震え出したサビーナを見て、サイラスは安心させるためにそう言ったのかもしれない。しかし、サビーナには逆効果でしかなかった。
獲物としか見られていないのが分かる。こんな状況で奪われるのは、絶対に嫌だ。
しかしそうは思っても、体は強張っていう事を聞いてくれそうにない。
「大丈夫だよ。怖いのは最初だけ。すぐに気持ち良くなって、みんな僕の虜になっちゃうから」
「……う、……うう」
ますます声は出て来ず、サビーナは怯えた目を向ける事しか出来なかった。目の前のサイラスは、緩く口角をあげて迫ってくる。
「どうしたの? 嫌がらないの? 声を上げてもいいんだよ。すぐに塞いじゃうけどね」
「……う、ううう、うー」
怖くて悔しくて、涙が溢れた。次々に頬を伝っては、床という滝壺に吸い込まれていく。
少し声を上げるだけだ。皆はまだ働いている時間なので、声さえ出す事が出来れば助けが来るはずだ。
「う、ううーーっ、うううーーーー」
「そんな抵抗で、男が止まるとでも思ってるの?」
「うう、ひっ、ひっく……」
「泣いても無駄なんだよ。覚悟はいいね」
「や、やぁ……」
ようやくか細い声が出た。しかしこの程度では、広い屋敷のどこにも聞こえないだろう。
「じゃ、いただきまーす」
薄く口を開け、舌を覗かせて迫って来るサイラス。サビーナは最後の抵抗とばかりに顔を横に逸らした。
しかしサイラスに、手で顎を固定されてしまう。
「往生際が悪いよ、サビーナちゃん。そろそろ諦めたら?」
「……っ、や……、いやぁ……」
「何? 聞こえないよ」
「い、いやあああああっ」
やっと大きな声が出た瞬間、サイラスは驚いたのかサビーナから飛び退いた。サイラスの拘束から解かれたサビーナは、支えがなくなりヨロヨロとへたりこむ。
そうしてガタガタと震えていると、慌てる足音が近づいて来た。扉がバンッと大きな音を立てて開かれる。そこには驚愕の顔をした、セヴェリが立っていた。
「サビーナ!?」
「セ、ヴェリ、様……!」
床にへたり込んで座っているサビーナと、それを見下ろすように立っているサイラス。それだけでおおよその事情は飲み込めたのだろう。
セヴェリはサイラスをキッと睨み、震えるサビーナの肩をギュッと抱きしめてくれた。その腕の温かさに安堵したが、まだ手足の震えは治まってくれなかった。
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