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学院高等部 青学年生
危機
お義父様にもプレ社交会のパートナーにサミュエル先生をという話をして、無事に許可をもらった。
翌日、別邸に帰ろうと玄関ホールで話をしていると、「キャハハハハ」というカティさんの笑い声が聞こえた。
「走っておられますわね」
「止めるか?」
「カイルなら止められるだろうけどねぇ」
階段上に姿を現したカティさんが、パァっと顔を輝かせて、階段を走り降りてきた。
「先生っ」
「カティさん、ゆっくり降りてくださいっ」
私の声もむなしく、足を滑らせたらしいカティさんが、階段を転げ落ちた。
「カティさんっ」
「キャシーちゃん、出血が」
ジワリと絨毯に赤色が広がる。まさか、流産した?
「先生、母体の方をお願いします」
「キャシーちゃんは?」
「胎児を。助けられるかどうかは不明ですが」
使用人と共に、ローレンス様が走ってきた。
「キャシー」
「お義兄様、下がっていてください。処置中です」
「しかし……」
「お下がりください。潜在医師2名に光魔法使いが2名いるのです。今は処置中です。邪魔をしないでください」
はっきり言うと、少し距離を取ってくれた。
再びカティさんの処置に当たる。
カティさんの出血は続いている。とにかく血を止めないと。けれど身体内部の止血は光魔法でも無理な話だ。でも出血が続くと胎児にも影響が出る。
やるしかない。
意識を集中させて、カティさんの子宮内の出血部位の止血を図る。出血が収まってくるとホッとすると同時にクラっときた。魔力切れじゃないよ。集中しすぎただけだと思う。胎児も無事なようだ。強い子だ。そのままスクスクと育ってほしい。
「キャシーちゃん」
「先生、カティさんの方は?」
「頭は打っていないけど、あちこち打撲がね。そっちは?」
「出血は止まったと思います。しばらくは安静にしないと流産の可能性がございますが。お子様はご無事なようです」
ホゥっと周りから安堵のため息が漏れた。
「魔力量に余裕は?」
「ございますが?」
「無理はしていないね?」
「はい」
駆け付けたウェイド先生が、担架を持ってきてくれた。「大丈夫だよ、歩けるったら」と言うカティさんをローレンス様が叱り飛ばして、担架に乗せて寝室に運ぶように指示した。
「ブランジット様、キャシー、ありがとうございました」
「職務だからね。しかしあのままだと心配だね」
「僕も何度も注意しているのですが」
「私が少しお話いたしましょうか?」
「キャシーちゃんが?」
「女性同士ですもの。それに私はなぜかカティさんに懐かれているようですし」
「たしかにキャシー先生はいつ来るの?と何度も聞いていたが」
「キャシーちゃんは平気かい?」
「はい」
ハウスメイド達が床のお掃除を始めた。邪魔にならないようにローレンス様とカティさんの寝室に行く。
2階の日当たりの良い部屋が、カティさんの寝室だった。どうやらローレンス様と同室ではないらしく、ローレンス様のお部屋は隣だと説明された。
「大丈夫かな?」
「はい。大丈夫そうです」
レオナルドさんとマリアさんには廊下で待っていてもらって、私とサミュエル先生とローレンス様の3人で寝室に入る。
「あっ、キャシー先生」
意識はハッキリしているようだ。出血が多かったから少し心配していたけれども良かった。
「カティさん、走るなと申し上げましたでしょう?」
「ごめんなさい」
「赤ん坊の命を危険にさらしましたのよ?走るなと言ったのは、嫌がらせでもなんでもないのです。あのような事故が起こる可能性を、少しでも減らしたいと思っての事ですのよ?」
「はい」
ベッドの中の顔が落ち込んだようにシュンとなった。
「反省なさっておられますか?」
「反省してます」
「お腹のお子様には異状は見られませんでしたが、流産しかけましたから、しばらくは安静になさってくださいませ」
「しばらく?しばらくってどの位?」
「しばらくですわ」
「具体的には?」
「そうですわね。スタヴィリス国の歴史を諳じられるようになるくらいでしょうか?」
「え゛……」
そんな絶望的な顔をしなくても。
「キャシー、非常に言いにくいんだが、カティの1番苦手な分野だ」
ローレンス様が苦笑しながら言う。
「歴史の暗記が?」
「歴史に限らず、暗記はすべて不得手だ」
あらまぁ。
「ちょうど良いではございませんか。ずっとベッドの上は退屈でしょうし」
「キャシーちゃん、それはちょっと……」
「スタヴィリス国は建国800年ですもの。歴代国王すべては大変でしょうから、建国王から5代までと今代国王、レオナルド・マナーク・スタヴィリス陛下までの5代程覚えられるとか。いかがですか?」
「うぐっ、そんなに?」
「10人ほど覚えれば良いのですわ。簡単でしょう?」
スタヴィリス国は王家が変わっていない。だからすべて最後はスタヴィリスで終わる。覚えやすいと思う。
「キャシー先生って意地悪だね」
「そうでしょうか?妊婦でありながら走るなと言う医師の言葉を聞かずに、階段から落ちたカティさんには良い薬だと思ったのですが」
「それを言われると……」
「お腹の子の命を危険にさらした罰だと思って、受け入れてくださいませ?」
「……はい」
ひとまずはこれで良いと思う。10日後位に診察かな?ウェイド先生に頼もうかしら?
「先生、また来てくれる?」
「確実とは申せませんわね。私も色々と……」
あ、王子殿下のお披露目のお茶会と夜会ももうすぐだ。こっちの用意もしなきゃ。
「サミュエル先生、アクセサリーの相談が」
「あぁ、あれももうすぐか。ジェームスには言っておいたんだけど」
「正式に届いていましたわよ?」
「マジか……」
先生ったら、レオナルドさんの言葉遣いが移ったのかしら?
昨日着替えに自室に行ったら、ニコニコのフランから2通の招待状を手渡されたのよね。お茶会と夜会の日は私の誕生日の前日。
お茶会と夜会の衣装は夏期休暇中に注文してあって、後は夜会のアクセサリーを合わせるだけになっていた。アクセサリーはサミュエル先生が用意してくれると言っていたから、お任せしてある。
「アクセサリー?」
「はい。近々必要ですので」
「夜会でもあるの?」
「ございますけれど」
「これ以上は正式発表されてからだね。年明けには発表されるよ」
侯爵邸に居住していても、今のローレンス様はそういった公式行事に参加出来ない。療養中であるという建前上、ローレンス様は公に楽しむ事が出来ない。
カティさんもそういった華やかな場に参加したいと思う。でも、カティさんの場合はマナー方面を理由に参加はさせられない。今は体調面の問題もあるしね。
今は体調面の不調からおとなしく出来ているけれど、たぶん不満は大きいと思うし、ストレスもあると思う。
「キャシーちゃん、そろそろ」
「はい。ではローレンス様失礼いたします。カティさん、しばらくは安静ですからね?」
「はぁい」
うーん、不満げだなぁ。しばらくは大人しくしていると信じたいけれど。
「先生、1度別邸に戻るにしても、また本邸に戻ってこないといけませんわよね?」
「そうだね。キャシーちゃんが無理そうなら私が見に来るけど?」
「それが、思ったより平気なのです」
「吹っ切れたかな?」
「かもしれません」
「どう思う?」
サミュエル先生が、レオナルドさんとマリアさんを見る。
「吹っ切れているとは思うぜ?油断は出来ねぇけど」
「そうですね。大丈夫な振りをするのが得意なお方ですし」
大丈夫な振り、ですか。反論出来ません。いつもご心配を掛けております。
翌日、別邸に帰ろうと玄関ホールで話をしていると、「キャハハハハ」というカティさんの笑い声が聞こえた。
「走っておられますわね」
「止めるか?」
「カイルなら止められるだろうけどねぇ」
階段上に姿を現したカティさんが、パァっと顔を輝かせて、階段を走り降りてきた。
「先生っ」
「カティさん、ゆっくり降りてくださいっ」
私の声もむなしく、足を滑らせたらしいカティさんが、階段を転げ落ちた。
「カティさんっ」
「キャシーちゃん、出血が」
ジワリと絨毯に赤色が広がる。まさか、流産した?
「先生、母体の方をお願いします」
「キャシーちゃんは?」
「胎児を。助けられるかどうかは不明ですが」
使用人と共に、ローレンス様が走ってきた。
「キャシー」
「お義兄様、下がっていてください。処置中です」
「しかし……」
「お下がりください。潜在医師2名に光魔法使いが2名いるのです。今は処置中です。邪魔をしないでください」
はっきり言うと、少し距離を取ってくれた。
再びカティさんの処置に当たる。
カティさんの出血は続いている。とにかく血を止めないと。けれど身体内部の止血は光魔法でも無理な話だ。でも出血が続くと胎児にも影響が出る。
やるしかない。
意識を集中させて、カティさんの子宮内の出血部位の止血を図る。出血が収まってくるとホッとすると同時にクラっときた。魔力切れじゃないよ。集中しすぎただけだと思う。胎児も無事なようだ。強い子だ。そのままスクスクと育ってほしい。
「キャシーちゃん」
「先生、カティさんの方は?」
「頭は打っていないけど、あちこち打撲がね。そっちは?」
「出血は止まったと思います。しばらくは安静にしないと流産の可能性がございますが。お子様はご無事なようです」
ホゥっと周りから安堵のため息が漏れた。
「魔力量に余裕は?」
「ございますが?」
「無理はしていないね?」
「はい」
駆け付けたウェイド先生が、担架を持ってきてくれた。「大丈夫だよ、歩けるったら」と言うカティさんをローレンス様が叱り飛ばして、担架に乗せて寝室に運ぶように指示した。
「ブランジット様、キャシー、ありがとうございました」
「職務だからね。しかしあのままだと心配だね」
「僕も何度も注意しているのですが」
「私が少しお話いたしましょうか?」
「キャシーちゃんが?」
「女性同士ですもの。それに私はなぜかカティさんに懐かれているようですし」
「たしかにキャシー先生はいつ来るの?と何度も聞いていたが」
「キャシーちゃんは平気かい?」
「はい」
ハウスメイド達が床のお掃除を始めた。邪魔にならないようにローレンス様とカティさんの寝室に行く。
2階の日当たりの良い部屋が、カティさんの寝室だった。どうやらローレンス様と同室ではないらしく、ローレンス様のお部屋は隣だと説明された。
「大丈夫かな?」
「はい。大丈夫そうです」
レオナルドさんとマリアさんには廊下で待っていてもらって、私とサミュエル先生とローレンス様の3人で寝室に入る。
「あっ、キャシー先生」
意識はハッキリしているようだ。出血が多かったから少し心配していたけれども良かった。
「カティさん、走るなと申し上げましたでしょう?」
「ごめんなさい」
「赤ん坊の命を危険にさらしましたのよ?走るなと言ったのは、嫌がらせでもなんでもないのです。あのような事故が起こる可能性を、少しでも減らしたいと思っての事ですのよ?」
「はい」
ベッドの中の顔が落ち込んだようにシュンとなった。
「反省なさっておられますか?」
「反省してます」
「お腹のお子様には異状は見られませんでしたが、流産しかけましたから、しばらくは安静になさってくださいませ」
「しばらく?しばらくってどの位?」
「しばらくですわ」
「具体的には?」
「そうですわね。スタヴィリス国の歴史を諳じられるようになるくらいでしょうか?」
「え゛……」
そんな絶望的な顔をしなくても。
「キャシー、非常に言いにくいんだが、カティの1番苦手な分野だ」
ローレンス様が苦笑しながら言う。
「歴史の暗記が?」
「歴史に限らず、暗記はすべて不得手だ」
あらまぁ。
「ちょうど良いではございませんか。ずっとベッドの上は退屈でしょうし」
「キャシーちゃん、それはちょっと……」
「スタヴィリス国は建国800年ですもの。歴代国王すべては大変でしょうから、建国王から5代までと今代国王、レオナルド・マナーク・スタヴィリス陛下までの5代程覚えられるとか。いかがですか?」
「うぐっ、そんなに?」
「10人ほど覚えれば良いのですわ。簡単でしょう?」
スタヴィリス国は王家が変わっていない。だからすべて最後はスタヴィリスで終わる。覚えやすいと思う。
「キャシー先生って意地悪だね」
「そうでしょうか?妊婦でありながら走るなと言う医師の言葉を聞かずに、階段から落ちたカティさんには良い薬だと思ったのですが」
「それを言われると……」
「お腹の子の命を危険にさらした罰だと思って、受け入れてくださいませ?」
「……はい」
ひとまずはこれで良いと思う。10日後位に診察かな?ウェイド先生に頼もうかしら?
「先生、また来てくれる?」
「確実とは申せませんわね。私も色々と……」
あ、王子殿下のお披露目のお茶会と夜会ももうすぐだ。こっちの用意もしなきゃ。
「サミュエル先生、アクセサリーの相談が」
「あぁ、あれももうすぐか。ジェームスには言っておいたんだけど」
「正式に届いていましたわよ?」
「マジか……」
先生ったら、レオナルドさんの言葉遣いが移ったのかしら?
昨日着替えに自室に行ったら、ニコニコのフランから2通の招待状を手渡されたのよね。お茶会と夜会の日は私の誕生日の前日。
お茶会と夜会の衣装は夏期休暇中に注文してあって、後は夜会のアクセサリーを合わせるだけになっていた。アクセサリーはサミュエル先生が用意してくれると言っていたから、お任せしてある。
「アクセサリー?」
「はい。近々必要ですので」
「夜会でもあるの?」
「ございますけれど」
「これ以上は正式発表されてからだね。年明けには発表されるよ」
侯爵邸に居住していても、今のローレンス様はそういった公式行事に参加出来ない。療養中であるという建前上、ローレンス様は公に楽しむ事が出来ない。
カティさんもそういった華やかな場に参加したいと思う。でも、カティさんの場合はマナー方面を理由に参加はさせられない。今は体調面の問題もあるしね。
今は体調面の不調からおとなしく出来ているけれど、たぶん不満は大きいと思うし、ストレスもあると思う。
「キャシーちゃん、そろそろ」
「はい。ではローレンス様失礼いたします。カティさん、しばらくは安静ですからね?」
「はぁい」
うーん、不満げだなぁ。しばらくは大人しくしていると信じたいけれど。
「先生、1度別邸に戻るにしても、また本邸に戻ってこないといけませんわよね?」
「そうだね。キャシーちゃんが無理そうなら私が見に来るけど?」
「それが、思ったより平気なのです」
「吹っ切れたかな?」
「かもしれません」
「どう思う?」
サミュエル先生が、レオナルドさんとマリアさんを見る。
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