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学院高等部 最終学年生
年越しの祝いの夜会 ~開会~
王宮の降車場に着くと、サミュエル先生が先に降りて手を差し伸べてくれた。
「ありがとう存じます」
次いで先に着いていたレオナルドさんの手が差し伸べられて、リーサさんが降りた。
「あぁ、怖かった」
「そんなに怖いか?」
「怖いのよ。慣れてないもの、こんな正式なドレス。裾が長いから足元が見えないし」
「どうなっても受け止めてやるから、心配すんな」
「あら、ありがと」
2人が話している間に、新たな手がララさんに差し伸べられる。
「え?アーロンさん?」
「えぇ。パートナーをと言っておきましたでしょう?」
「だってお好きな方が居るって」
「居ますよ。ですからパートナーに名乗りをあげました」
「え?だって、じゃあ……」
「はいはい、後がつかえているからね。早く降りて移動してから話の方がいいね」
「サミュエル先生……」
分かりますけどね。言っている事は分かるんです。でも少しタイミングってものを……。
真っ赤になったララさんがアーロンさんの手を借りて、馬車を降りた。
「キャシーちゃん、控え室に行くかい?」
「他の皆様はどうなさいますの?」
「キャシーちゃん次第かな?」
「私次第ですか?」
どうしよう。
「年越しの祝いの夜会は経験がございませんので、どうすれば良いのか……」
「中に入っていても良いんだけどね。どうする?中に入っているなら、ご友人達には言っておいてもらおうか?」
ララさんはともかく、リーサさんとレオナルドさんは頷いてくれたから、先に入っている事にした。セシルさんはまだ着いていないのかしら?魔術車だから、先に着いていると思ったんだけれど。着いたら連絡すると言っていた気もするんだけれど。
「お願い出来ますか?」
一足先に会場内に入るときらびやかに着飾った人々が、大声ではないけれど賑やかに談笑する姿が目に入った。
馥郁たるユリの香りが漂っていて、年越しの祝いの夜会だと実感する。強いはずのユリの香りはそこまで強くなくて、人々の香水の香りもキツくない。
「香水の香りが強くない気がするのですが」
「年越しの祝いの夜会には、王家の花であるユリが飾られるからね。心得ている人ばかりだから、香水は付けてこないか極弱い物を使われているはずだよ」
「そうなのですね」
「あら?セシル?」
すぐ後ろでリーサさんの呟きが聞こえた。
「セシルさん?どこにいらっしゃいますの?」
「ほらあそこ。誰かと楽しそうに話をしているわ」
そっと盗み見をすると、セシルさんはチェルシーさんと談笑していた。隣で旦那様のリュシアンさんは少しだけふくよかな男性と、これまた談笑している。
「チェルシーさん?」
「お知り合い?」
「一時期教会で保護されていた方です。お元気そうで安心いたしました」
となると、リュシアンさんと談笑しているのって、まさか……。
「あぁ、ノボリッチ伯爵だね」
サミュエル先生が教えてくれた。
「お痩せになられましたわね」
「夫人のおかげらしいよ。のろけてたって聞いたし」
セシルさんが私達に気付いて合図をした。4人で歩み寄ってくる。
「これは光の聖女様。相変わらすお美しく愛らしい。我が心の天使」
えっと……。
「お久しぶりでございます、ノボリッチ伯爵様。ずいぶんとお痩せになられましたわね」
「妻のおかげです」
ニコニコの笑顔でチェルシーさんを紹介してくれる。
「ようやく色良い返事がもらえました。光の聖女様のお導きです」
「私は何もしておりませんわ。伯爵様の真心が通じたのでしょう。お2人に神のお恵みがありますように」
「光の聖女様の言祝を頂けるとは。この上ない光栄ですな」
この上ないって、陛下からの祝いの言葉の方が上ですよ?
上機嫌なノボリッチ伯爵とテレたようなチェルシーさんは、本当にお似合いだと思う。
視線を巡らせた時、壁際に所在なく立つリリス様とフランシス・エンヴィーオを見付けた。
「先生、あちらに行ってもよろしいでしょうか?」
「ん?あぁ、シーケリア嬢か。良いよ、一緒に行こう」
サミュエル先生のエスコートで、リリス様の所に行くと、フランシス・エンヴィーオがポカンと口を開けた。
「キャスリーン様、お綺麗ですわ」
「ありがとう存じます。リリス様こそよくお似合いですわ」
濃いピンクに淡いピンク、オレンジがかったピンクに紫に近いピンク。全身をピンクで纏めたコーディネートがよく似合っている。リリス様の可愛らしさが引き立っていると思う。幼いのではなく可愛らしい上品な感じを押し出したコーディネートだ。
「エンヴィーオ様が贈ってくださいましたの」
「素晴らしいセンスですわね」
「はっ、いや、その……。フェルナー様こそよくお似合いです。春の湖の女神様かと」
「お上手です事」
「キャスリーン様、お耳を」
こっそりとリリス様に囁かれる。
「エンヴィーオ様と婚約が整いましたの」
「まぁ、おめでとうございます」
エンヴィーオ家は元伯爵家だ。今は降爵されて子爵家になっている。跡目はフランシス・エンヴィーオの従兄が継いだはずだ。
「ではエンヴィーオ家に?」
「いいえ。シーケリア領で暮らします」
シーケリア領で暮らします?シーケリア家に入婿として、フランシス・エンヴィーオを迎える訳じゃないの?
「平民に?」
「ですね。自由農民の立場で、シーケリア領の1地域を担います」
「そういうお立場ですか」
貴族でなくなる訳だ。でも、リリス様はシーケリアの名を名乗り続ける。家を出てシーケリアの役に立つ仕事を担う。フランシス・エンヴィーオはその婿という事だ。
分家というのが近いのかしら?ちょっと意味は違うけれど。
「キャシーちゃん、そろそろ時間だよ」
お義父様とお義母様、ランベルトお義兄様とアンバーお義姉様、それにイザベラ様ご一家とガブリエラ様ご一家が入場してきた。イザベラ様のパートナーはノーマン様、ガブリエラ様のパートナーはゲイツ様だ。
どうやらゲイツ様はガブリエラ様のパートナーとして、認められたらしい。婚約者となったわけではないと、ガブリエラ様から聞いている。
「キャスリーン」
「キャシーちゃん」
「お義父様、お義母様」
「先に入っていたのだな」
「はい控え室にお邪魔せず、申し訳ありません」
「良いのよ。ブランジット様からの伝言は伺ったわ」
「帰りはどうするのだ?」
「どうすれば良いのか……」
「キャスリーンの好きにすれば良い」
「皆様、キャシーちゃんを待っておられたのよ?帰りだけでも来られないかしら?」
お義父様は好きにすれば良いと仰ったけれど、お義母様の言う事を聞いた方が良いんだろうな。
「セシルさんやリーサさん達に話してきます」
「そうなさいな」
お義父様とお義母様と話していると、王家のご一家が入場された。みんなが礼をして出迎える。礼をしていないのは他国からの招待客のみだ。
「あちらがゴーヴィリス国の使者達だ。その向こうに居るのがキプァ国、ゴーヴィリス国の隣がシャスマネー国、その後ろがアウレリア国とアサナド公国。あれ?珍しい。モンタピュア国も来てるんだ」
「モンタピュア国?」
聞いた事がないのですが。
「新興国だよ。建国は今から10年程前だったけど、それまでも内戦状態でさ。もっとも危険な地域って呼ばれていたんだ」
「今もロパヨーマ大陸でもっとも貧しい国のひとつだな」
レオナルドさんから注釈が入った。レオナルドさんは知っていたのね。私は知らなかったけれど。
「ありがとう存じます」
次いで先に着いていたレオナルドさんの手が差し伸べられて、リーサさんが降りた。
「あぁ、怖かった」
「そんなに怖いか?」
「怖いのよ。慣れてないもの、こんな正式なドレス。裾が長いから足元が見えないし」
「どうなっても受け止めてやるから、心配すんな」
「あら、ありがと」
2人が話している間に、新たな手がララさんに差し伸べられる。
「え?アーロンさん?」
「えぇ。パートナーをと言っておきましたでしょう?」
「だってお好きな方が居るって」
「居ますよ。ですからパートナーに名乗りをあげました」
「え?だって、じゃあ……」
「はいはい、後がつかえているからね。早く降りて移動してから話の方がいいね」
「サミュエル先生……」
分かりますけどね。言っている事は分かるんです。でも少しタイミングってものを……。
真っ赤になったララさんがアーロンさんの手を借りて、馬車を降りた。
「キャシーちゃん、控え室に行くかい?」
「他の皆様はどうなさいますの?」
「キャシーちゃん次第かな?」
「私次第ですか?」
どうしよう。
「年越しの祝いの夜会は経験がございませんので、どうすれば良いのか……」
「中に入っていても良いんだけどね。どうする?中に入っているなら、ご友人達には言っておいてもらおうか?」
ララさんはともかく、リーサさんとレオナルドさんは頷いてくれたから、先に入っている事にした。セシルさんはまだ着いていないのかしら?魔術車だから、先に着いていると思ったんだけれど。着いたら連絡すると言っていた気もするんだけれど。
「お願い出来ますか?」
一足先に会場内に入るときらびやかに着飾った人々が、大声ではないけれど賑やかに談笑する姿が目に入った。
馥郁たるユリの香りが漂っていて、年越しの祝いの夜会だと実感する。強いはずのユリの香りはそこまで強くなくて、人々の香水の香りもキツくない。
「香水の香りが強くない気がするのですが」
「年越しの祝いの夜会には、王家の花であるユリが飾られるからね。心得ている人ばかりだから、香水は付けてこないか極弱い物を使われているはずだよ」
「そうなのですね」
「あら?セシル?」
すぐ後ろでリーサさんの呟きが聞こえた。
「セシルさん?どこにいらっしゃいますの?」
「ほらあそこ。誰かと楽しそうに話をしているわ」
そっと盗み見をすると、セシルさんはチェルシーさんと談笑していた。隣で旦那様のリュシアンさんは少しだけふくよかな男性と、これまた談笑している。
「チェルシーさん?」
「お知り合い?」
「一時期教会で保護されていた方です。お元気そうで安心いたしました」
となると、リュシアンさんと談笑しているのって、まさか……。
「あぁ、ノボリッチ伯爵だね」
サミュエル先生が教えてくれた。
「お痩せになられましたわね」
「夫人のおかげらしいよ。のろけてたって聞いたし」
セシルさんが私達に気付いて合図をした。4人で歩み寄ってくる。
「これは光の聖女様。相変わらすお美しく愛らしい。我が心の天使」
えっと……。
「お久しぶりでございます、ノボリッチ伯爵様。ずいぶんとお痩せになられましたわね」
「妻のおかげです」
ニコニコの笑顔でチェルシーさんを紹介してくれる。
「ようやく色良い返事がもらえました。光の聖女様のお導きです」
「私は何もしておりませんわ。伯爵様の真心が通じたのでしょう。お2人に神のお恵みがありますように」
「光の聖女様の言祝を頂けるとは。この上ない光栄ですな」
この上ないって、陛下からの祝いの言葉の方が上ですよ?
上機嫌なノボリッチ伯爵とテレたようなチェルシーさんは、本当にお似合いだと思う。
視線を巡らせた時、壁際に所在なく立つリリス様とフランシス・エンヴィーオを見付けた。
「先生、あちらに行ってもよろしいでしょうか?」
「ん?あぁ、シーケリア嬢か。良いよ、一緒に行こう」
サミュエル先生のエスコートで、リリス様の所に行くと、フランシス・エンヴィーオがポカンと口を開けた。
「キャスリーン様、お綺麗ですわ」
「ありがとう存じます。リリス様こそよくお似合いですわ」
濃いピンクに淡いピンク、オレンジがかったピンクに紫に近いピンク。全身をピンクで纏めたコーディネートがよく似合っている。リリス様の可愛らしさが引き立っていると思う。幼いのではなく可愛らしい上品な感じを押し出したコーディネートだ。
「エンヴィーオ様が贈ってくださいましたの」
「素晴らしいセンスですわね」
「はっ、いや、その……。フェルナー様こそよくお似合いです。春の湖の女神様かと」
「お上手です事」
「キャスリーン様、お耳を」
こっそりとリリス様に囁かれる。
「エンヴィーオ様と婚約が整いましたの」
「まぁ、おめでとうございます」
エンヴィーオ家は元伯爵家だ。今は降爵されて子爵家になっている。跡目はフランシス・エンヴィーオの従兄が継いだはずだ。
「ではエンヴィーオ家に?」
「いいえ。シーケリア領で暮らします」
シーケリア領で暮らします?シーケリア家に入婿として、フランシス・エンヴィーオを迎える訳じゃないの?
「平民に?」
「ですね。自由農民の立場で、シーケリア領の1地域を担います」
「そういうお立場ですか」
貴族でなくなる訳だ。でも、リリス様はシーケリアの名を名乗り続ける。家を出てシーケリアの役に立つ仕事を担う。フランシス・エンヴィーオはその婿という事だ。
分家というのが近いのかしら?ちょっと意味は違うけれど。
「キャシーちゃん、そろそろ時間だよ」
お義父様とお義母様、ランベルトお義兄様とアンバーお義姉様、それにイザベラ様ご一家とガブリエラ様ご一家が入場してきた。イザベラ様のパートナーはノーマン様、ガブリエラ様のパートナーはゲイツ様だ。
どうやらゲイツ様はガブリエラ様のパートナーとして、認められたらしい。婚約者となったわけではないと、ガブリエラ様から聞いている。
「キャスリーン」
「キャシーちゃん」
「お義父様、お義母様」
「先に入っていたのだな」
「はい控え室にお邪魔せず、申し訳ありません」
「良いのよ。ブランジット様からの伝言は伺ったわ」
「帰りはどうするのだ?」
「どうすれば良いのか……」
「キャスリーンの好きにすれば良い」
「皆様、キャシーちゃんを待っておられたのよ?帰りだけでも来られないかしら?」
お義父様は好きにすれば良いと仰ったけれど、お義母様の言う事を聞いた方が良いんだろうな。
「セシルさんやリーサさん達に話してきます」
「そうなさいな」
お義父様とお義母様と話していると、王家のご一家が入場された。みんなが礼をして出迎える。礼をしていないのは他国からの招待客のみだ。
「あちらがゴーヴィリス国の使者達だ。その向こうに居るのがキプァ国、ゴーヴィリス国の隣がシャスマネー国、その後ろがアウレリア国とアサナド公国。あれ?珍しい。モンタピュア国も来てるんだ」
「モンタピュア国?」
聞いた事がないのですが。
「新興国だよ。建国は今から10年程前だったけど、それまでも内戦状態でさ。もっとも危険な地域って呼ばれていたんだ」
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