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帰るべき場所
ミリィちゃんの治療
翌日、ローレンス様がお仕事に行ってからしばらくして、準備を整えて救民院に行った。
「これは光の聖女様、お久しぶりですな」
「先生方もおかわりなく。ミリィちゃんの様子はどうですか?」
「暗い部屋で閉じ籠っております。エリアントゥスが時間があれば様子を見に行っておりますが」
「そうですか。今からミリィちゃんの目の治療を行います。どれだけ時間がかかるか不明ですが、この2人にも立ち入りの許可をいただけますか?」
「この2人ですか?かまいませんよ。おや?」
「私の護衛ですわ。薬学を聖国で学んでいたそうです」
「ほぅ、それはそれは。あの子をよろしくお願いします」
お医者様はシェーンを覚えていたらしいけれど、それ以上は言わなかった。
ミリィちゃんの病室は他の病室と少し離れた所にあった。元は隔離室だったらしい。感染症と判明している患者を隔離していたらしい。今は隔離棟が建てられていて、この病棟には訳有りの、例えば今回のミリィちゃんのように本来なら救民院に居ないはずの患者だとか、一時的に身を隠したい人、犯人からの報復を恐れる目撃者とか報復を恐れる犯人の家族とかを、一時的に匿ったりする目的で使われている。主に警邏隊の依頼で。
ミリィちゃんのケースは1種の法の抜け穴だ。お義父様に相談しての事だから、違法ではないと言われたけれど、たぶんギリギリグレーゾーンよね。
「ミリィちゃん」
「光の聖女様?」
カーテンの引かれた薄暗い部屋で、ベッドに座っていたミリィちゃんがこちらを向いた。
「ごめんなさいね。2人一緒なのだけれど、入っても良いかしら?」
「うん。聖女様、ミリィの目、治る?」
「頑張ってみるわ。私もミリィちゃんのケースははじめてなの」
「治らなくてもいいよ。聖女様は気にしないでね」
大人びた口調でミリィちゃんが言う。
病室に入って、ミリィちゃんの手を握る。まずは診断。虹彩離断の症状は進んでいない。少し目が膨らんでいるような気がするのは、眼圧上昇を起こしているからかしら?
まずはこの眼圧を下げないと。ゆっくりと、房水という眼球内を満たす透明な液体を涙のように排出する。量はそれほど多くないから涙といっても泣いたようにはならない。涙とは違うものだしね。
眼圧が下がればそれで終わりにしても良いのだけれど、それだと根本的な解決にはならない。症状を緩和しただけだから、再び房水が増加すれば同じ症状が繰り返される。
離断した虹彩を修復する治療に入る。こちらはフローレスヒールを使えば良いと分かっている。ただしかなり繊細な操作が求められる。私は今までフローレスヒールを使った事は何度もある。ルシエ兄妹とかね。でも手や足や背中など範囲は広い場所ばかりだった。今回は目だ。範囲が狭いし繊細な場所だからかなり緊張する。
「シェーン、ジョゼフィーヌ。これからフローレスヒールを行います。集中するから、終わるまで反応出来ないと思います。返事が無くても心配しないでね?」
「「かしこまりました」」
見事に声の揃った2人の返事が聞こえた。
「聖女様、私は?なにもしなくて良いの?」
「少し目が痛むかもしれないわ。痛みが出たらすぐに知らせてね。その前にこれを飲んでもらえる?」
「これは何?」
「痛みを感じにくくするお薬よ」
まずは麻酔効果のある薬草茶を飲んでもらう。シェーンとジョゼフィーヌに協力してもらって、薬師様にも協力を仰いで作り上げた薬草茶だ。「麻酔効果があるといっても軽い物だから眠り続ける事はないでしょう」と薬師様にも保証してもらった。
「せいじょさま、ねむいの」
「寝ても良いわよ。我慢はしなくて良いわ」
しばらくしてミリィちゃんが、スゥスゥと寝息を立てはじめた。
「それでは始めます」
シェーンとジョゼフィーヌには、念の為に魔力ポーションをすぐに使えるように頼んである。opeだけど光魔法での施術だから、浄化はミリィちゃんだけにかけている。
眼圧が正常である事を確認しながら、ミリィちゃんの虹彩を少しずつ再生していく。離断してしまった虹彩をひとつの虹彩に戻す作業は、とても繊細な作業で、ジョゼフィーヌが何度も滴ってくる汗を拭いてくれた。シェーンはミリィちゃんがリラックス出来るように香を調整してくれている。
シェーンの香は、目標の人にしか効かないのよね。香なのだから空間に拡がって室内に充満しそうなものなのに、どういう仕組みか薬効が拡散していかない。
おかげでミリィちゃんの治療は順調に進んだ。瞳孔の収縮散大もうまく機能しているようだ。
後はミリィちゃんの目の機能を確認するだけ。この場合やっぱり遮光した方がいいのかしら?
念の為に用意してきた暗幕を窓にかけてもらう。私じゃ背が届かないから、シェーンが大活躍だ。ジョゼフィーヌも背が高いのよね。たぶん165㎝はあると思う。170㎝は無いかな?
リタとオリアナとリディーも同じ位の身長だ。私は156㎝から伸びなかった。男性の護衛達は170㎝から180cm位だと思う。
「んんっ」
ミリィちゃんが目を覚ました。ゆっくり瞼が開かれる。
「光の聖女様?あれ?真っ暗?」
「急に強い光を浴びると、目に良くないから暗くしてあるの。これから少しずつ明るくしていくわね」
光球を極々弱く光らせる。
「眩しかったら言ってね。光は見つめなくていいから」
「うん」
徐々に光量を増やしていって、元の部屋位の明るさで見えているかの確認をする。
「前よりよく見えるよ」
「そう。良かった」
暗幕を外してもらって、光量を更に増す。灯りの魔道具位の明るさになったら眩しさを感じないかの確認。
「眩しくないよ。眩しくなる前と同じ位見えてる」
ジョゼフィーヌに灯りの魔道具を点けてもらって、私の光魔法を消した。
「どう?」
「はっきり見える。眩しくない。ねぇ、お外に行ってもいい?」
「お外には行けないかな?もう遅いし。お夕食を食べなくちゃ」
「お夕食?」
「ミリィちゃんが寝ている間にと思って、一生懸命頑張ったのだけれど、時間がかかっちゃったの。今は夕方で他のみんながお夕食の準備をしていると思う」
「そうなの?」
「今日1日お泊まりして、明日、孤児院に帰りましょうね」
「うんっ。ねぇ、光の聖女様。お金は本当に良いの?」
「大丈夫よ。ちゃんと偉い人に聞いて、お金は要らないと言ってもらったから」
「でも、それだと光の聖女様がタダバタラキになっちゃう」
頭が良い子だなぁ。ちゃんと気遣いも出来るし、性格も良い。
「気にしないで良いのよ。救民院に入院している人から、お金は基本的に取らないの。もちろんお金をいっぱい持っている人は別よ?」
「え?じゃあ、ララお姉ちゃんとかはお給料はどうしてるの?」
誰がこの子にこんな事を教えたの?
「国から出ているの。救民院を運用する為のお金があってね。そこから出ているのよ。それとたまに入院してくるお金をいっぱい持っている人からの、お心遣いね」
「その人達は困らない?」
「困らないわ。喜んでお金を置いていってくれているの。ミリィちゃんのような人達の為にってね」
「そうなのね」
ミリィちゃんにこんな事を話したのは誰だろう?犯人探しじゃないけれど、気になってしまう。
「ミリィ、ご飯よ。あら、キャシーちゃん、今まで居たの?お医者様に聞いていたけど、まさか今までかかったの?うわぁ、どうしよう」
「ララさん、どうなさったのですか?」
「キャシーちゃん、あなた、ローレンス様に連絡した?きっと心配しているわよ?」
あ、忘れてた。
「忘れてたのね?早く連絡なさい。知らないわよ?」
「知らないわよって何を知らないと?良いです。分かりました。ララさん、申し訳ございませんが、ミリィちゃんをお願いします」
「任せておきなさい」
「これは光の聖女様、お久しぶりですな」
「先生方もおかわりなく。ミリィちゃんの様子はどうですか?」
「暗い部屋で閉じ籠っております。エリアントゥスが時間があれば様子を見に行っておりますが」
「そうですか。今からミリィちゃんの目の治療を行います。どれだけ時間がかかるか不明ですが、この2人にも立ち入りの許可をいただけますか?」
「この2人ですか?かまいませんよ。おや?」
「私の護衛ですわ。薬学を聖国で学んでいたそうです」
「ほぅ、それはそれは。あの子をよろしくお願いします」
お医者様はシェーンを覚えていたらしいけれど、それ以上は言わなかった。
ミリィちゃんの病室は他の病室と少し離れた所にあった。元は隔離室だったらしい。感染症と判明している患者を隔離していたらしい。今は隔離棟が建てられていて、この病棟には訳有りの、例えば今回のミリィちゃんのように本来なら救民院に居ないはずの患者だとか、一時的に身を隠したい人、犯人からの報復を恐れる目撃者とか報復を恐れる犯人の家族とかを、一時的に匿ったりする目的で使われている。主に警邏隊の依頼で。
ミリィちゃんのケースは1種の法の抜け穴だ。お義父様に相談しての事だから、違法ではないと言われたけれど、たぶんギリギリグレーゾーンよね。
「ミリィちゃん」
「光の聖女様?」
カーテンの引かれた薄暗い部屋で、ベッドに座っていたミリィちゃんがこちらを向いた。
「ごめんなさいね。2人一緒なのだけれど、入っても良いかしら?」
「うん。聖女様、ミリィの目、治る?」
「頑張ってみるわ。私もミリィちゃんのケースははじめてなの」
「治らなくてもいいよ。聖女様は気にしないでね」
大人びた口調でミリィちゃんが言う。
病室に入って、ミリィちゃんの手を握る。まずは診断。虹彩離断の症状は進んでいない。少し目が膨らんでいるような気がするのは、眼圧上昇を起こしているからかしら?
まずはこの眼圧を下げないと。ゆっくりと、房水という眼球内を満たす透明な液体を涙のように排出する。量はそれほど多くないから涙といっても泣いたようにはならない。涙とは違うものだしね。
眼圧が下がればそれで終わりにしても良いのだけれど、それだと根本的な解決にはならない。症状を緩和しただけだから、再び房水が増加すれば同じ症状が繰り返される。
離断した虹彩を修復する治療に入る。こちらはフローレスヒールを使えば良いと分かっている。ただしかなり繊細な操作が求められる。私は今までフローレスヒールを使った事は何度もある。ルシエ兄妹とかね。でも手や足や背中など範囲は広い場所ばかりだった。今回は目だ。範囲が狭いし繊細な場所だからかなり緊張する。
「シェーン、ジョゼフィーヌ。これからフローレスヒールを行います。集中するから、終わるまで反応出来ないと思います。返事が無くても心配しないでね?」
「「かしこまりました」」
見事に声の揃った2人の返事が聞こえた。
「聖女様、私は?なにもしなくて良いの?」
「少し目が痛むかもしれないわ。痛みが出たらすぐに知らせてね。その前にこれを飲んでもらえる?」
「これは何?」
「痛みを感じにくくするお薬よ」
まずは麻酔効果のある薬草茶を飲んでもらう。シェーンとジョゼフィーヌに協力してもらって、薬師様にも協力を仰いで作り上げた薬草茶だ。「麻酔効果があるといっても軽い物だから眠り続ける事はないでしょう」と薬師様にも保証してもらった。
「せいじょさま、ねむいの」
「寝ても良いわよ。我慢はしなくて良いわ」
しばらくしてミリィちゃんが、スゥスゥと寝息を立てはじめた。
「それでは始めます」
シェーンとジョゼフィーヌには、念の為に魔力ポーションをすぐに使えるように頼んである。opeだけど光魔法での施術だから、浄化はミリィちゃんだけにかけている。
眼圧が正常である事を確認しながら、ミリィちゃんの虹彩を少しずつ再生していく。離断してしまった虹彩をひとつの虹彩に戻す作業は、とても繊細な作業で、ジョゼフィーヌが何度も滴ってくる汗を拭いてくれた。シェーンはミリィちゃんがリラックス出来るように香を調整してくれている。
シェーンの香は、目標の人にしか効かないのよね。香なのだから空間に拡がって室内に充満しそうなものなのに、どういう仕組みか薬効が拡散していかない。
おかげでミリィちゃんの治療は順調に進んだ。瞳孔の収縮散大もうまく機能しているようだ。
後はミリィちゃんの目の機能を確認するだけ。この場合やっぱり遮光した方がいいのかしら?
念の為に用意してきた暗幕を窓にかけてもらう。私じゃ背が届かないから、シェーンが大活躍だ。ジョゼフィーヌも背が高いのよね。たぶん165㎝はあると思う。170㎝は無いかな?
リタとオリアナとリディーも同じ位の身長だ。私は156㎝から伸びなかった。男性の護衛達は170㎝から180cm位だと思う。
「んんっ」
ミリィちゃんが目を覚ました。ゆっくり瞼が開かれる。
「光の聖女様?あれ?真っ暗?」
「急に強い光を浴びると、目に良くないから暗くしてあるの。これから少しずつ明るくしていくわね」
光球を極々弱く光らせる。
「眩しかったら言ってね。光は見つめなくていいから」
「うん」
徐々に光量を増やしていって、元の部屋位の明るさで見えているかの確認をする。
「前よりよく見えるよ」
「そう。良かった」
暗幕を外してもらって、光量を更に増す。灯りの魔道具位の明るさになったら眩しさを感じないかの確認。
「眩しくないよ。眩しくなる前と同じ位見えてる」
ジョゼフィーヌに灯りの魔道具を点けてもらって、私の光魔法を消した。
「どう?」
「はっきり見える。眩しくない。ねぇ、お外に行ってもいい?」
「お外には行けないかな?もう遅いし。お夕食を食べなくちゃ」
「お夕食?」
「ミリィちゃんが寝ている間にと思って、一生懸命頑張ったのだけれど、時間がかかっちゃったの。今は夕方で他のみんながお夕食の準備をしていると思う」
「そうなの?」
「今日1日お泊まりして、明日、孤児院に帰りましょうね」
「うんっ。ねぇ、光の聖女様。お金は本当に良いの?」
「大丈夫よ。ちゃんと偉い人に聞いて、お金は要らないと言ってもらったから」
「でも、それだと光の聖女様がタダバタラキになっちゃう」
頭が良い子だなぁ。ちゃんと気遣いも出来るし、性格も良い。
「気にしないで良いのよ。救民院に入院している人から、お金は基本的に取らないの。もちろんお金をいっぱい持っている人は別よ?」
「え?じゃあ、ララお姉ちゃんとかはお給料はどうしてるの?」
誰がこの子にこんな事を教えたの?
「国から出ているの。救民院を運用する為のお金があってね。そこから出ているのよ。それとたまに入院してくるお金をいっぱい持っている人からの、お心遣いね」
「その人達は困らない?」
「困らないわ。喜んでお金を置いていってくれているの。ミリィちゃんのような人達の為にってね」
「そうなのね」
ミリィちゃんにこんな事を話したのは誰だろう?犯人探しじゃないけれど、気になってしまう。
「ミリィ、ご飯よ。あら、キャシーちゃん、今まで居たの?お医者様に聞いていたけど、まさか今までかかったの?うわぁ、どうしよう」
「ララさん、どうなさったのですか?」
「キャシーちゃん、あなた、ローレンス様に連絡した?きっと心配しているわよ?」
あ、忘れてた。
「忘れてたのね?早く連絡なさい。知らないわよ?」
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