665 / 733
帰るべき場所
心配も過ぎれば……
ローレンス様に伝心機で連絡すると、「今どこ」「そこを動かないで」「絶対に動いちゃダメだよ」「すぐに行くからね」と立て続けに捲し立てられた。
短い通話の間に私が発した言葉は最初の、「ローレンス様」「今、救民院です」の2言だけなのよ。後は喋らせてもらえなかった。正確には話す暇を与えてもらえなかった。
ローレンス様に連絡して10分もしない内に、ローレンス様が私の護衛達を引き連れて救民院に到着した。
「キャシー」
ぎゅうぎゅうと抱き締められる。ローレンス様は額にいっぱい汗をかいていた。護衛達はそうでもないけれど、ローレンス様の息は荒い。抱き締められているから分かるのだけれど、心臓もドクドクと早鐘のようだ。
今は救民院に患者は居ない。お医者様も帰り準備中だ。ララさんはミリィちゃんの件もあって、ここしばらくは泊まり込んでいるらしい。今はララさんの他に神官志望だけれど救民院業務にも興味があるという方が何人か、お手伝いをしてくれているらしい。
「無事で良かった」
「今日は救民院に行くと言ってありましたのに」
「そうだけどね。こんな時間までって思わないじゃないか。護衛が付いているって分かっていたけど、それでも落ち着かなくてね」
いったん私の身体を離して、再びギュッと抱き締められた。
「今日はもう終わりかい?」
「そうですわね」
「じゃあ、帰ろう。今日はポテトとプディングだそうだよ」
たぶん、マッシュポテトとソーセージよね。定番の組み合わせだし。
「それからアーモンドキャラメルクランブル」
「どうしましょう。肥ってしまいそうですわ」
「キャシーはもう少しふくよかでも良いと思うよ?」
「まぁ、ローレンス様。ふくよかでも良いなんて言うものではありませんわ」
「難しいね。どう言えば良いのかな?」
「ご自分でお考えくださいませ?」
ララさんとミリィちゃんに挨拶をしてから、お屋敷に向かう。
「今のままでも十分キャシーは魅力的だけど、心配になるんだよ。折れてしまいそうで」
「私はそこまでひ弱ではございませんでしてよ?」
「分かってるよ。キャシーの健康面に今は不安はない。それでもね、やっぱり心配になるんだ」
話をしながらお屋敷に戻る。救民院とお屋敷は、お散歩にちょうど良い位の距離だ。馬車に乗る程ではないし、ローレンス様も出勤時には歩いて通っている。
「ローレンス様、走ってこられましたの?」
「キャシーの姿が見えないし、リーサ嬢も帰っていないと言うし、探しに行こうとしていたんだよ。そこにキャシーから通話があったからね。少しの距離だし走ってきた」
「ご心配をお掛け致しました」
「セッカも落ち着かない感じだったんだよ?」
「雪花も?」
「リーサ嬢やメアリーに付きまとってね」
それはいつも通りな気がする。私が居ない時はリーサさんやメアリーの後を追いかけたりしているらしいし。リーサさんは「ジャーキーの力よ」って笑っていた。
「それに僕が離れたくなかったんだよ。護衛が付いているのは分かっていたけど、やっぱりね。2人じゃ少ないと思うし」
「シェーンもジョゼフィーヌも、実力は認められておりますわよ?」
「知ってる。それでも不安なんだ。もしも、って考えるとね」
もしも、また離ればなれになったら。不安で心配で何も出来ない自分が歯がゆくて、押し潰されそうになりながらも周囲のみんなの支えで立ち続けた日々。
2度と思い出したくないけれど、それでもあの2年間が私を強くしてくれたと思う。
「ごめん。嫌な事を思い出させたね」
「私よりも、大変だったローレンス様の仰るお言葉ではございませんでしてよ」
「それでも戻ってこられて、こうしてキャシーが側に居てくれる。こんな幸せな事はないよ」
「私もですわ」
「後はキャシーの言葉遣いだけだね」
「急かさないでくださいませ」
本当にどうしてローレンス様の前だと、普通に話せないのかしら。さっき、ミリィちゃんを相手にしていた時は普通に話せていたわよね?
自問自答しながらお屋敷に帰ると、そのまま食事室に連れていかれた。いつもは食堂よね?どうして今日に限って?
「ごめんなさいね。今日はあっちで使用人達で何かをしているのよ」
「何かを?」
「そう。何かを」
何かをって、何をしているのかしら?教えて……くれそうにないわね。リーサさんは口が堅いし。
夕食を食べて私室に入ると、ローレンス様が付いてきた。
「キャシー、ちょっと良いかな?」
「どうされ……。どうしたの?ローレンス様」
「今日の事なんだけどね。あの時、護衛が2人だったのはどうしてだい?」
「全員を引き連れていっては、医療行為の邪魔になります。シェーンとジョゼフィーヌは聖国で薬学を学んでおりました。ミリィちゃんの治療は私にとってもはじめての症例でした。私は医師の資格は持っておりますが、薬学に関しては『素人より少しだけ詳しい』程度です。薬学を学んだわけではございません。ですから詳しいであろうシェーンとジョゼフィーヌを連れていきました」
「薬学を学んだという事は、2人は薬師の資格を持っている?」
「聖国での、ですが。持っていると聞きました」
「聖国のか。一応確かめた方がいい。難癖をつける人間はどこにでも居るから」
「確かめるとはどのように?」
「アルウィンに聞いてみるか?」
「お義父様は管轄外ですか?」
「管轄内ではあるが、たぶん薬師協会のお偉方が出てくるよ?」
それはちょっと面倒な事になりそうよね。
「それから、キャシーが留守の間にこちらが届いた」
リーサさんから渡されたらしい手紙を見せられた。手渡されてはいない。
「誰だい?この2人は。男名前だね」
差出人はビル・デュパーとロリー・ストープス。ゲールズトン伯爵領のあの2人だ。
「医師資格取得試験の会場で知り合ったお2人ですね。ゲールズトン伯爵領に住んでいらっしゃるそうです」
「隣か。その2人はなぜキャシーに?」
「存じ上げませんわ。内容を読んでもおりませんもの。いくつか理由は思い当たりますが」
血統判別機の事か、ゲールズトン伯爵様のお孫様の事か、ゲールズトン伯爵様、ご本人の事か。
「中を確認しても?」
「見せたくないけどね。男からの手紙なんて」
「それでも内容を確認しなければ、何も出来ませんわ」
「それから」
まだあるの?
「僕の知らないキャシーの交遊関係があるのが寂しい」
「ローレンス様、なぜそれほどまでにお知りになりたがられるのです?なぜすべてを知ろうとなさるのです?私は私ですわ。それではいけませんの?」
「いけなくはないよ。それでも知りたいんだ」
「欲張れば全てを失くしますわよ?」
「分かってるよ」
ようやく渡してもらえた手紙を読む。
「ローレンス様にも付いてきてもらわないとですわね、これは」
「なんだい?」
ローレンス様に手紙を見せる。
「ゲールズトン伯爵の孫の話か。今、何歳?」
「7歳だそうですわ」
「学院への入学に悩んでいる、ね。なぜこの手紙をゲールストン伯爵と関係のない人物が?」
「このお2人はゲールストン伯爵家お抱えのお医者様、ジャネット・ダンデル医師のお弟子様だそうです。サミュエル先生が仰っておられました」
「サミュエル様がね。それなら間違いないね」
「ここに書かれているお孫様はおそらくゲールストン伯爵様の3男様のお子様かと。以前血統判別機に触れてしまったとお話に出てきましたもの」
「触れただけで?」
「お察しの通りですわ。親子関係無しの判定が出たそうです」
「それでキャシーに相談を?」
「以前知り合った、年若く誰とも繋がっていなさそうな新米医師だから、だそうですわ」
「キャシーが誰とも繋がっていないって、それはどうなんだろうね?」
「その辺りは分かりかねます」
短い通話の間に私が発した言葉は最初の、「ローレンス様」「今、救民院です」の2言だけなのよ。後は喋らせてもらえなかった。正確には話す暇を与えてもらえなかった。
ローレンス様に連絡して10分もしない内に、ローレンス様が私の護衛達を引き連れて救民院に到着した。
「キャシー」
ぎゅうぎゅうと抱き締められる。ローレンス様は額にいっぱい汗をかいていた。護衛達はそうでもないけれど、ローレンス様の息は荒い。抱き締められているから分かるのだけれど、心臓もドクドクと早鐘のようだ。
今は救民院に患者は居ない。お医者様も帰り準備中だ。ララさんはミリィちゃんの件もあって、ここしばらくは泊まり込んでいるらしい。今はララさんの他に神官志望だけれど救民院業務にも興味があるという方が何人か、お手伝いをしてくれているらしい。
「無事で良かった」
「今日は救民院に行くと言ってありましたのに」
「そうだけどね。こんな時間までって思わないじゃないか。護衛が付いているって分かっていたけど、それでも落ち着かなくてね」
いったん私の身体を離して、再びギュッと抱き締められた。
「今日はもう終わりかい?」
「そうですわね」
「じゃあ、帰ろう。今日はポテトとプディングだそうだよ」
たぶん、マッシュポテトとソーセージよね。定番の組み合わせだし。
「それからアーモンドキャラメルクランブル」
「どうしましょう。肥ってしまいそうですわ」
「キャシーはもう少しふくよかでも良いと思うよ?」
「まぁ、ローレンス様。ふくよかでも良いなんて言うものではありませんわ」
「難しいね。どう言えば良いのかな?」
「ご自分でお考えくださいませ?」
ララさんとミリィちゃんに挨拶をしてから、お屋敷に向かう。
「今のままでも十分キャシーは魅力的だけど、心配になるんだよ。折れてしまいそうで」
「私はそこまでひ弱ではございませんでしてよ?」
「分かってるよ。キャシーの健康面に今は不安はない。それでもね、やっぱり心配になるんだ」
話をしながらお屋敷に戻る。救民院とお屋敷は、お散歩にちょうど良い位の距離だ。馬車に乗る程ではないし、ローレンス様も出勤時には歩いて通っている。
「ローレンス様、走ってこられましたの?」
「キャシーの姿が見えないし、リーサ嬢も帰っていないと言うし、探しに行こうとしていたんだよ。そこにキャシーから通話があったからね。少しの距離だし走ってきた」
「ご心配をお掛け致しました」
「セッカも落ち着かない感じだったんだよ?」
「雪花も?」
「リーサ嬢やメアリーに付きまとってね」
それはいつも通りな気がする。私が居ない時はリーサさんやメアリーの後を追いかけたりしているらしいし。リーサさんは「ジャーキーの力よ」って笑っていた。
「それに僕が離れたくなかったんだよ。護衛が付いているのは分かっていたけど、やっぱりね。2人じゃ少ないと思うし」
「シェーンもジョゼフィーヌも、実力は認められておりますわよ?」
「知ってる。それでも不安なんだ。もしも、って考えるとね」
もしも、また離ればなれになったら。不安で心配で何も出来ない自分が歯がゆくて、押し潰されそうになりながらも周囲のみんなの支えで立ち続けた日々。
2度と思い出したくないけれど、それでもあの2年間が私を強くしてくれたと思う。
「ごめん。嫌な事を思い出させたね」
「私よりも、大変だったローレンス様の仰るお言葉ではございませんでしてよ」
「それでも戻ってこられて、こうしてキャシーが側に居てくれる。こんな幸せな事はないよ」
「私もですわ」
「後はキャシーの言葉遣いだけだね」
「急かさないでくださいませ」
本当にどうしてローレンス様の前だと、普通に話せないのかしら。さっき、ミリィちゃんを相手にしていた時は普通に話せていたわよね?
自問自答しながらお屋敷に帰ると、そのまま食事室に連れていかれた。いつもは食堂よね?どうして今日に限って?
「ごめんなさいね。今日はあっちで使用人達で何かをしているのよ」
「何かを?」
「そう。何かを」
何かをって、何をしているのかしら?教えて……くれそうにないわね。リーサさんは口が堅いし。
夕食を食べて私室に入ると、ローレンス様が付いてきた。
「キャシー、ちょっと良いかな?」
「どうされ……。どうしたの?ローレンス様」
「今日の事なんだけどね。あの時、護衛が2人だったのはどうしてだい?」
「全員を引き連れていっては、医療行為の邪魔になります。シェーンとジョゼフィーヌは聖国で薬学を学んでおりました。ミリィちゃんの治療は私にとってもはじめての症例でした。私は医師の資格は持っておりますが、薬学に関しては『素人より少しだけ詳しい』程度です。薬学を学んだわけではございません。ですから詳しいであろうシェーンとジョゼフィーヌを連れていきました」
「薬学を学んだという事は、2人は薬師の資格を持っている?」
「聖国での、ですが。持っていると聞きました」
「聖国のか。一応確かめた方がいい。難癖をつける人間はどこにでも居るから」
「確かめるとはどのように?」
「アルウィンに聞いてみるか?」
「お義父様は管轄外ですか?」
「管轄内ではあるが、たぶん薬師協会のお偉方が出てくるよ?」
それはちょっと面倒な事になりそうよね。
「それから、キャシーが留守の間にこちらが届いた」
リーサさんから渡されたらしい手紙を見せられた。手渡されてはいない。
「誰だい?この2人は。男名前だね」
差出人はビル・デュパーとロリー・ストープス。ゲールズトン伯爵領のあの2人だ。
「医師資格取得試験の会場で知り合ったお2人ですね。ゲールズトン伯爵領に住んでいらっしゃるそうです」
「隣か。その2人はなぜキャシーに?」
「存じ上げませんわ。内容を読んでもおりませんもの。いくつか理由は思い当たりますが」
血統判別機の事か、ゲールズトン伯爵様のお孫様の事か、ゲールズトン伯爵様、ご本人の事か。
「中を確認しても?」
「見せたくないけどね。男からの手紙なんて」
「それでも内容を確認しなければ、何も出来ませんわ」
「それから」
まだあるの?
「僕の知らないキャシーの交遊関係があるのが寂しい」
「ローレンス様、なぜそれほどまでにお知りになりたがられるのです?なぜすべてを知ろうとなさるのです?私は私ですわ。それではいけませんの?」
「いけなくはないよ。それでも知りたいんだ」
「欲張れば全てを失くしますわよ?」
「分かってるよ」
ようやく渡してもらえた手紙を読む。
「ローレンス様にも付いてきてもらわないとですわね、これは」
「なんだい?」
ローレンス様に手紙を見せる。
「ゲールズトン伯爵の孫の話か。今、何歳?」
「7歳だそうですわ」
「学院への入学に悩んでいる、ね。なぜこの手紙をゲールストン伯爵と関係のない人物が?」
「このお2人はゲールストン伯爵家お抱えのお医者様、ジャネット・ダンデル医師のお弟子様だそうです。サミュエル先生が仰っておられました」
「サミュエル様がね。それなら間違いないね」
「ここに書かれているお孫様はおそらくゲールストン伯爵様の3男様のお子様かと。以前血統判別機に触れてしまったとお話に出てきましたもの」
「触れただけで?」
「お察しの通りですわ。親子関係無しの判定が出たそうです」
「それでキャシーに相談を?」
「以前知り合った、年若く誰とも繋がっていなさそうな新米医師だから、だそうですわ」
「キャシーが誰とも繋がっていないって、それはどうなんだろうね?」
「その辺りは分かりかねます」
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています
かきんとう
恋愛
王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。
磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。
その中心に、私は立っていた。
――今日、この瞬間のために。
「エレノア・フォン・リーベルト嬢」
高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。
選ばれたのは私ではなかった。ただそれだけ
暖夢 由
恋愛
【5月20日 90話完結】
5歳の時、母が亡くなった。
原因も治療法も不明の病と言われ、発症1年という早さで亡くなった。
そしてまだ5歳の私には母が必要ということで通例に習わず、1年の喪に服すことなく新しい母が連れて来られた。彼女の隣には不思議なことに父によく似た女の子が立っていた。私とあまり変わらないくらいの歳の彼女は私の2つ年上だという。
これからは姉と呼ぶようにと言われた。
そして、私が14歳の時、突然謎の病を発症した。
母と同じ原因も治療法も不明の病。母と同じ症状が出始めた時に、この病は遺伝だったのかもしれないと言われた。それは私が社交界デビューするはずの年だった。
私は社交界デビューすることは叶わず、そのまま治療することになった。
たまに調子がいい日もあるが、社交界に出席する予定の日には決まって体調を崩した。医者は緊張して体調を崩してしまうのだろうといった。
でも最近はグレン様が会いに来ると約束してくれた日にも必ず体調を崩すようになってしまった。それでも以前はグレン様が心配して、私の部屋で1時間ほど話をしてくれていたのに、最近はグレン様を姉が玄関で出迎え、2人で私の部屋に来て、挨拶だけして、2人でお茶をするからと消えていくようになった。
でもそれも私の体調のせい。私が体調さえ崩さなければ……
今では月の半分はベットで過ごさなければいけないほどになってしまった。
でもある日婚約者の裏切りに気づいてしまう。
私は耐えられなかった。
もうすべてに………
病が治る見込みだってないのに。
なんて滑稽なのだろう。
もういや……
誰からも愛されないのも
誰からも必要とされないのも
治らない病の為にずっとベッドで寝ていなければいけないのも。
気付けば私は家の外に出ていた。
元々病で外に出る事がない私には専属侍女などついていない。
特に今日は症状が重たく、朝からずっと吐いていた為、父も義母も私が部屋を出るなど夢にも思っていないのだろう。
私は死ぬ場所を探していたのかもしれない。家よりも少しでも幸せを感じて死にたいと。
これから出会う人がこれまでの生活を変えてくれるとも知らずに。
---------------------------------------------
※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。
結婚式の翌朝、夫に「皇太子の愛人だろう」と捨てられました――ですが私は、亡き国王の娘です
柴田はつみ
恋愛
母の遺した薬草店を守りながら、慎ましく暮らしていたアンリ。
そんな彼女に求婚してきたのは、国内でも名高い騎士にして公爵家当主、アルファだった。
真っすぐな想いを向けられ、彼を信じて結婚したアンリ。
けれど幸せなはずの結婚式の翌朝、夫は冷たく言い放つ。
「君を愛していると本気で思っていたのかい? 」
彼はアンリが第一皇太子と深い仲にあり、自分との結婚は身を隠すための偽装だと誤解していたのだ。
アンリは実は、亡き国王の婚外子。
皇太子にとっては、隠して守らなければならない妹だったのである。
「仲睦まじい夫婦」であるはずのわたしの夫は、わたしの葬儀で本性をあらわした
ぽんた
恋愛
サヤ・ラドフォード侯爵夫人が死んだ。その葬儀で、マッケイン王国でも「仲睦まじい夫婦」であるはずの彼女の夫が、妻を冒涜した。その聞くに堪えない本音。そんな夫の横には、夫が従妹だというレディが寄り添っている。サヤ・ラドフォードの棺の前で、夫とその従妹はサヤを断罪する。サヤは、ほんとうに彼らがいうような悪女だったのか?
※ハッピーエンド確約。ざまぁあり。ご都合主義のゆるゆる設定はご容赦願います。
【完結】能力が無くても聖女ですか?
天冨 七緒
恋愛
孤児院で育ったケイトリーン。
十二歳になった時特殊な能力が開花し、体調を崩していた王妃を治療する事に…
無事に王妃を完治させ、聖女と呼ばれるようになっていたが王妃の治癒と引き換えに能力を使い果たしてしまった。能力を失ったにも関わらず国王はケイトリーンを王子の婚約者に決定した。
周囲は国王の命令だと我慢する日々。
だが国王が崩御したことで、王子は周囲の「能力の無くなった聖女との婚約を今すぐにでも解消すべき」と押され婚約を解消に…
行く宛もないが婚約解消されたのでケイトリーンは王宮を去る事に…門を抜け歩いて城を後にすると突然足元に魔方陣が現れ光に包まれる…
「おぉー聖女様ぁ」
眩い光が落ち着くと歓声と共に周囲に沢山の人に迎えられていた。ケイトリーンは見知らぬ国の聖女として召喚されてしまっていた…
タイトル変更しました
召喚されましたが聖女様ではありません…私は聖女様の世話係です
【完結】旦那様!単身赴任だけは勘弁して下さい!
たまこ
恋愛
エミリーの大好きな夫、アランは王宮騎士団の副団長。ある日、栄転の為に辺境へ異動することになり、エミリーはてっきり夫婦で引っ越すものだと思い込み、いそいそと荷造りを始める。
だが、アランの部下に「副団長は単身赴任すると言っていた」と聞き、エミリーは呆然としてしまう。アランが大好きで離れたくないエミリーが取った行動とは。
「お前がいると息が詰まる」と追放された令嬢——翌週から公爵家の予定が全て狂った
歩人
ファンタジー
クラリッサは公爵家の日程管理を一手に担う令嬢。前世の社畜経験を活かし、行事計画、来客対応、予算管理まで完璧にこなしていた。
だが婚約者ヴィクトルは言った。「お前がいると息が詰まる。もっと華やかな女がいい」
追放されたクラリッサが去った翌週、公爵家の予定が全て狂い始める。
舞踏会の招待状は届かず、外交晩餐会の料理は手配されず、決算書類は行方不明。
一方クラリッサは、若き領主の元で「定時退社」という夢を叶えていた。
「もう、残業はしません」
【完結】竜人が番と出会ったのに、誰も幸せにならなかった
凛蓮月@騎士の夫〜発売中です
恋愛
【感想をお寄せ頂きありがとうございました(*^^*)】
竜人のスオウと、酒場の看板娘のリーゼは仲睦まじい恋人同士だった。
竜人には一生かけて出会えるか分からないとされる番がいるが、二人は番では無かった。
だがそんな事関係無いくらいに誰から見ても愛し合う二人だったのだ。
──ある日、スオウに番が現れるまでは。
全8話。
※他サイトで同時公開しています。
※カクヨム版より若干加筆修正し、ラストを変更しています。