113 / 733
学院初等部 4学年生
過去の資料
「レジェス鉱山に行かれたと思うのですが」
長い沈黙の後、ルーカス様が唐突に話し出した。
「私の親族があそこで働いておりまして、落盤事故に巻き込まれたのですよ。かなりの重傷を負ったと聞いて、私も駆けつけたのですが、その前に光の聖女を名乗る女性に治してもらったと言っていました」
「名乗ってはおりませんが?」
あの現場で、私はただの光魔法使いとして動いた。光の聖女が来たとジェラルド様が触れ回っていたけれど、少なくとも私は自分からは名乗った事はない。
「名乗っていない?ですがあの現場に光の聖女が来たというのは、事実だと聞いたのですが」
「あの現場では光魔法使いとして働いておりました。責任者の方が『光の聖女様が来てくださった』と触れ回っているのは聞いておりましたが、私から名乗った事はございません」
「もうひとり、光の聖女を名乗った女性が居たという事か」
「その方が判明したら、どうなるのですか?」
「光の聖女の呼称を悪用したのならば、相応の処罰を行います。そうでなければ事実確認をして、そのままですね」
「放置ですか?」
「フェルナー様がそれでは嫌だというなら、謝罪させますが?」
「謝罪は要りません。訳もなんとなく分かりますし」
「なんとなくですか」
ルーカス様とマイケル様は笑って席を立った。
「不躾な質問をした事を謝罪します。申し訳ございませんでした」
「謝罪を受け入れます」
面会が終わった。この後2人はレジェス鉱山にとんぼ返りして事実確認を行うそうだ。ご苦労様です。
せっかく来たのだからとミリアディス様の所に顔を出す。
「あら、キャスリーン様。今日はお休みだと伺いましたが」
「休めとは言われましたけれど、落ち着かなくて。何かありませんか?」
「ふふっ。キャスリーン様、ノックス様が仰っておりましたけれど、キャスリーン様はシャチク気味だそうですわ」
「社畜……」
「ワーカホリックという言葉も使っておられましたけれど、理解が難しくて」
「社畜は会社の奴隷と化した人の事ですわね。ワーカホリックは働かなければならないという思考の持ち主です。おそらくララ様は意味の違いは分かっておられないか、仕事のしすぎだと言いたかったのではないかと」
「そうですわね。キャスリーン様はまだ学生ですもの。働くなんて考えなくても良いご身分でもありますのに」
「私は光魔法使いですから」
私がそう言うと、ミリアディス様は困ったように微笑まれた。
しばらく話していると、ララ様が顔を出した。
「キャシーちゃんったら、仕事だって来たんじゃないわよね?」
「その思惑も少しはありましたけれど、本題は呼び出しを受けたからですわよ」
「呼び出しってあのおじさん達?立入禁止のドアを潜っていった」
「そうでしょうね。というか、アレを使ったんですね」
「それでどうなさったのかしら?」
「キャシーちゃんを探していたんです。キャシーちゃん、ラッセルさんが探していたわよ」
「ラッセル様には言っておいたのですけれど。レリーフを見ているから気にしなくて良いって仰いましたのに」
「あらあら。そのラッセルという方はどなた?」
「転生者仲間です」
「テンセイシャ仲間?」
「他国の方ですけど、スタヴィリス国にもしょっちゅういらしています」
「3ヶ月位はスタヴィリス国に住んでいるって、言ってたわよね」
「今はもう少し長いと思いますわよ。この後レオナルド様の所に行くって仰っていましたし」
「何の為に?」
「あの方も謎なんですよね。交遊関係とか。話題もお義父様と対等に政治議論が出来るし、先程も神殿の関係者とお知り合いのようでしたし」
ミリアディス様の所を辞し、ラッセル様の所に向かう。ラッセル様は聖堂に施されたレリーフを見ながら、ローレンス様を連れたエドワード様と話していた。レリーフを見上げていたから神話関係の話だと思う。
「お待たせいたしました」
「キャシー、用事は終わった?」
「はい」
「今からは時間あるよね?」
エドワード様までが話に入ってきた。ラッセル様も興味津々といった風にこっちを見ている。
「ございますが」
「ちょっとこっちに来てくれる?」
ラッセル様も一緒に教会の執務空間に入った。案内されたのはたくさんの羊皮紙が納められた部屋。羊皮紙以外にも木簡や竹簡、パピルスなんかも並んでいる。3人の神官かな?が机にかじりついていた。
「これは?」
「『テンセイシャ』が残した物らしい。ヴィリス語もあるんだが所々読めなくてね」
「重要な物なんじゃないのかい?いいの?僕みたいな部外者に見せて」
「重要な物かどうかも判別が付かないのです。ヴィリス語で書かれた部分を読んで、重要ではないだろうと判断した物ばかりなのですが」
「読めばいいのかな?」
「お願い出来ますか?」
「僕は良いよ。フェルナー嬢は?」
「私もかまいません」
紙とペンを用意してもらい、早速読み解いていく。私は日本語とかろうじて英語が分かる位だけど、ラッセル様はフランス語、英語、ドイツ語、ラテン語まで分かるらしい。
「スゴいですわね」
「研究者ってね、興味があったら頑張っちゃうもんなんだよ」
「そういえば何の研究をされていたのですか?」
「臨床心理学」
「精神科医ですか?」
「精神科には居たけどね。どっちかというと基礎研究の方だよ。フェルナー嬢のトラウマとか、治せるものなら治したいんだけどね。今の僕は役に立たないね」
「そんな事はございませんわよ?それにトラウマはずいぶんよくなりましたもの」
「フェルナー嬢は前向きだね」
「後ろを振り返るのは反省の時のみと決めておりますの」
前世で恩師だったか先輩だったかに言われたんだよね。「過ぎた事をいつまでもグチグチと思い出していたら、前には進めない。振り返るのは反省の時のみ。そう決めておけばいつまでも後ろを向いてられないだろう?」って。
「後ろを振り返るのは反省の時のみ、か。研究者には向かない考えだね」
「そうですか?」
「過去のデータを何度も何度も見直して、仮説を立てては壊して、っていう作業だからね。1歩進んで2歩下がるなんてザラだったよ。良くて半歩かな?」
「それのどこが悪いのです?前進する為の振り返りでございましょう?過去を振り返って、正解に導く為ならば、それは有意義な後ろ向きですわ。半歩でも進めておりますもの」
「半歩でも良かったのかな?」
「正解という光を求めて歩き続けたラッセル様の、そんな姿に光を見出だして続く、そのような方もいらっしゃったはずです。それは誇っていいのでは?」
「僕の足掻いていた姿に光を見出だした人ね。居たのかな?」
「きっといらっしゃいましたわ」
お喋りしながらも読んでいく。古い言葉遣いもあったりしてなかなか進まない。それでも4分の1位は読んで、書き写した。分からない物はラッセル様に任せて、私の分はラッセル様の半分以下だけど。
「お疲れ様でございます。少し休憩なさいませんか?」
別の神官が声をかけて、隣の部屋に移動する。歴史的な史料の為、温度や湿度を保つ魔道具を作動させて、部屋を出た。
「みんなは神官なのかな?」
「我々は王宮資料室勤務の文官です。『テンセイシャ』の方がいらっしゃるとお聞きして、あれらを持って押し掛けた次第でして。ご迷惑をお掛け致します」
「ああいうのを読むのは好きだよ。なかなか面白かった。まだあるんだよね?」
「そうですね。資料室のひとつはああいった物で埋まっております」
「それを読んで翻訳してるんだ。大変だね。文字が分かるだけじゃ駄目だし。それに転生者の日記もあったよ。誰と喧嘩したとか。読んでいて面白かったけど。日記の書き手は政府高官っぽいね。陛下とか宰相とか出てきたし」
「その辺りは胸に納めておいていただけると、嬉しいのですが」
「他言はしないよ。そういう教育をされてきた人間だからね」
長い沈黙の後、ルーカス様が唐突に話し出した。
「私の親族があそこで働いておりまして、落盤事故に巻き込まれたのですよ。かなりの重傷を負ったと聞いて、私も駆けつけたのですが、その前に光の聖女を名乗る女性に治してもらったと言っていました」
「名乗ってはおりませんが?」
あの現場で、私はただの光魔法使いとして動いた。光の聖女が来たとジェラルド様が触れ回っていたけれど、少なくとも私は自分からは名乗った事はない。
「名乗っていない?ですがあの現場に光の聖女が来たというのは、事実だと聞いたのですが」
「あの現場では光魔法使いとして働いておりました。責任者の方が『光の聖女様が来てくださった』と触れ回っているのは聞いておりましたが、私から名乗った事はございません」
「もうひとり、光の聖女を名乗った女性が居たという事か」
「その方が判明したら、どうなるのですか?」
「光の聖女の呼称を悪用したのならば、相応の処罰を行います。そうでなければ事実確認をして、そのままですね」
「放置ですか?」
「フェルナー様がそれでは嫌だというなら、謝罪させますが?」
「謝罪は要りません。訳もなんとなく分かりますし」
「なんとなくですか」
ルーカス様とマイケル様は笑って席を立った。
「不躾な質問をした事を謝罪します。申し訳ございませんでした」
「謝罪を受け入れます」
面会が終わった。この後2人はレジェス鉱山にとんぼ返りして事実確認を行うそうだ。ご苦労様です。
せっかく来たのだからとミリアディス様の所に顔を出す。
「あら、キャスリーン様。今日はお休みだと伺いましたが」
「休めとは言われましたけれど、落ち着かなくて。何かありませんか?」
「ふふっ。キャスリーン様、ノックス様が仰っておりましたけれど、キャスリーン様はシャチク気味だそうですわ」
「社畜……」
「ワーカホリックという言葉も使っておられましたけれど、理解が難しくて」
「社畜は会社の奴隷と化した人の事ですわね。ワーカホリックは働かなければならないという思考の持ち主です。おそらくララ様は意味の違いは分かっておられないか、仕事のしすぎだと言いたかったのではないかと」
「そうですわね。キャスリーン様はまだ学生ですもの。働くなんて考えなくても良いご身分でもありますのに」
「私は光魔法使いですから」
私がそう言うと、ミリアディス様は困ったように微笑まれた。
しばらく話していると、ララ様が顔を出した。
「キャシーちゃんったら、仕事だって来たんじゃないわよね?」
「その思惑も少しはありましたけれど、本題は呼び出しを受けたからですわよ」
「呼び出しってあのおじさん達?立入禁止のドアを潜っていった」
「そうでしょうね。というか、アレを使ったんですね」
「それでどうなさったのかしら?」
「キャシーちゃんを探していたんです。キャシーちゃん、ラッセルさんが探していたわよ」
「ラッセル様には言っておいたのですけれど。レリーフを見ているから気にしなくて良いって仰いましたのに」
「あらあら。そのラッセルという方はどなた?」
「転生者仲間です」
「テンセイシャ仲間?」
「他国の方ですけど、スタヴィリス国にもしょっちゅういらしています」
「3ヶ月位はスタヴィリス国に住んでいるって、言ってたわよね」
「今はもう少し長いと思いますわよ。この後レオナルド様の所に行くって仰っていましたし」
「何の為に?」
「あの方も謎なんですよね。交遊関係とか。話題もお義父様と対等に政治議論が出来るし、先程も神殿の関係者とお知り合いのようでしたし」
ミリアディス様の所を辞し、ラッセル様の所に向かう。ラッセル様は聖堂に施されたレリーフを見ながら、ローレンス様を連れたエドワード様と話していた。レリーフを見上げていたから神話関係の話だと思う。
「お待たせいたしました」
「キャシー、用事は終わった?」
「はい」
「今からは時間あるよね?」
エドワード様までが話に入ってきた。ラッセル様も興味津々といった風にこっちを見ている。
「ございますが」
「ちょっとこっちに来てくれる?」
ラッセル様も一緒に教会の執務空間に入った。案内されたのはたくさんの羊皮紙が納められた部屋。羊皮紙以外にも木簡や竹簡、パピルスなんかも並んでいる。3人の神官かな?が机にかじりついていた。
「これは?」
「『テンセイシャ』が残した物らしい。ヴィリス語もあるんだが所々読めなくてね」
「重要な物なんじゃないのかい?いいの?僕みたいな部外者に見せて」
「重要な物かどうかも判別が付かないのです。ヴィリス語で書かれた部分を読んで、重要ではないだろうと判断した物ばかりなのですが」
「読めばいいのかな?」
「お願い出来ますか?」
「僕は良いよ。フェルナー嬢は?」
「私もかまいません」
紙とペンを用意してもらい、早速読み解いていく。私は日本語とかろうじて英語が分かる位だけど、ラッセル様はフランス語、英語、ドイツ語、ラテン語まで分かるらしい。
「スゴいですわね」
「研究者ってね、興味があったら頑張っちゃうもんなんだよ」
「そういえば何の研究をされていたのですか?」
「臨床心理学」
「精神科医ですか?」
「精神科には居たけどね。どっちかというと基礎研究の方だよ。フェルナー嬢のトラウマとか、治せるものなら治したいんだけどね。今の僕は役に立たないね」
「そんな事はございませんわよ?それにトラウマはずいぶんよくなりましたもの」
「フェルナー嬢は前向きだね」
「後ろを振り返るのは反省の時のみと決めておりますの」
前世で恩師だったか先輩だったかに言われたんだよね。「過ぎた事をいつまでもグチグチと思い出していたら、前には進めない。振り返るのは反省の時のみ。そう決めておけばいつまでも後ろを向いてられないだろう?」って。
「後ろを振り返るのは反省の時のみ、か。研究者には向かない考えだね」
「そうですか?」
「過去のデータを何度も何度も見直して、仮説を立てては壊して、っていう作業だからね。1歩進んで2歩下がるなんてザラだったよ。良くて半歩かな?」
「それのどこが悪いのです?前進する為の振り返りでございましょう?過去を振り返って、正解に導く為ならば、それは有意義な後ろ向きですわ。半歩でも進めておりますもの」
「半歩でも良かったのかな?」
「正解という光を求めて歩き続けたラッセル様の、そんな姿に光を見出だして続く、そのような方もいらっしゃったはずです。それは誇っていいのでは?」
「僕の足掻いていた姿に光を見出だした人ね。居たのかな?」
「きっといらっしゃいましたわ」
お喋りしながらも読んでいく。古い言葉遣いもあったりしてなかなか進まない。それでも4分の1位は読んで、書き写した。分からない物はラッセル様に任せて、私の分はラッセル様の半分以下だけど。
「お疲れ様でございます。少し休憩なさいませんか?」
別の神官が声をかけて、隣の部屋に移動する。歴史的な史料の為、温度や湿度を保つ魔道具を作動させて、部屋を出た。
「みんなは神官なのかな?」
「我々は王宮資料室勤務の文官です。『テンセイシャ』の方がいらっしゃるとお聞きして、あれらを持って押し掛けた次第でして。ご迷惑をお掛け致します」
「ああいうのを読むのは好きだよ。なかなか面白かった。まだあるんだよね?」
「そうですね。資料室のひとつはああいった物で埋まっております」
「それを読んで翻訳してるんだ。大変だね。文字が分かるだけじゃ駄目だし。それに転生者の日記もあったよ。誰と喧嘩したとか。読んでいて面白かったけど。日記の書き手は政府高官っぽいね。陛下とか宰相とか出てきたし」
「その辺りは胸に納めておいていただけると、嬉しいのですが」
「他言はしないよ。そういう教育をされてきた人間だからね」
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています
かきんとう
恋愛
王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。
磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。
その中心に、私は立っていた。
――今日、この瞬間のために。
「エレノア・フォン・リーベルト嬢」
高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。
誘拐された公爵令嬢ですが、なぜか皇帝に溺愛されています』
富士山麓
恋愛
舞踏会で王太子から婚約破棄を告げられそうになった瞬間――
目の前に現れたのは、馬に乗った仮面の皇帝だった。
そのまま攫われた公爵令嬢ビアンキーナは、誘拐されたはずなのに超VIP待遇。
一方、助けようともしなかった王太子は「無能」と嘲笑され、静かに失墜していく。
選ばれる側から、選ぶ側へ。
これは、誰も断罪せず、すべてを終わらせた令嬢の物語。
【完結】広間でドレスを脱ぎ捨てた公爵令嬢は優しい香りに包まれる【短編】
青波鳩子
恋愛
シャーリー・フォークナー公爵令嬢は、この国の第一王子であり婚約者であるゼブロン・メルレアンに呼び出されていた。
婚約破棄は皆の総意だと言われたシャーリーは、ゼブロンの友人たちの総意では受け入れられないと、王宮で働く者たちの意見を集めて欲しいと言う。
そんなことを言いだすシャーリーを小馬鹿にするゼブロンと取り巻きの生徒会役員たち。
それで納得してくれるのならと卒業パーティ会場から王宮へ向かう。
ゼブロンは自分が住まう王宮で集めた意見が自分と食い違っていることに茫然とする。
*別サイトにアップ済みで、加筆改稿しています。
*約2万字の短編です。
*完結しています。
*11月8日22時に1、2、3話、11月9日10時に4、5、最終話を投稿します。
「ちょっと待った」コールをしたのはヒロインでした
みおな
恋愛
「オフェーリア!貴様との婚約を破棄する!!」
学年の年度末のパーティーで突然告げられた婚約破棄。
「ちょっと待ってください!」
婚約者に諸々言おうとしていたら、それに待ったコールをしたのは、ヒロインでした。
あらあら。婚約者様。周囲をご覧になってくださいませ。
あなたの味方は1人もいませんわよ?
ですが、その婚約破棄。喜んでお受けしますわ。
断罪される令嬢は、悪魔の顔を持った天使だった
Blue
恋愛
王立学園で行われる学園舞踏会。そこで意気揚々と舞台に上がり、この国の王子が声を張り上げた。
「私はここで宣言する!アリアンナ・ヴォルテーラ公爵令嬢との婚約を、この場を持って破棄する!!」
シンと静まる会場。しかし次の瞬間、予期せぬ反応が返ってきた。
アリアンナの周辺の目線で話しは進みます。
聖女様と間違って召喚された腐女子ですが、申し訳ないので仕事します!
碧桜
恋愛
私は花園美月。20歳。派遣期間が終わり無職となった日、馴染の古書店で顔面偏差値高スペックなイケメンに出会う。さらに、そこで美少女が穴に吸い込まれそうになっていたのを助けようとして、私は古書店のイケメンと共に穴に落ちてしまい、異世界へ―。実は、聖女様として召喚されようとしてた美少女の代わりに、地味でオタクな私が間違って来てしまった!
落ちたその先の世界で出会ったのは、私の推しキャラと見た目だけそっくりな王(仮)や美貌の側近、そして古書店から一緒に穴に落ちたイケメンの彼は、騎士様だった。3人ともすごい美形なのに、みな癖強すぎ難ありなイケメンばかり。
オタクで人見知りしてしまう私だけど、元の世界へ戻れるまで2週間、タダでお世話になるのは申し訳ないから、お城でメイドさんをすることにした。平和にお給料分の仕事をして、異世界観光して、2週間後自分の家へ帰るつもりだったのに、ドラゴンや悪い魔法使いとか出てきて、異能を使うイケメンの彼らとともに戦うはめに。聖女様の召喚の邪魔をしてしまったので、美少女ではありませんが、地味で腐女子ですが出来る限り、精一杯頑張ります。
ついでに無愛想で苦手と思っていた彼は、なかなかいい奴だったみたい。これは、恋など始まってしまう予感でしょうか!?
*カクヨムにて先に連載しているものを加筆・修正をおこなって掲載しております
【完結】魔女令嬢はただ静かに生きていたいだけ
⚪︎
恋愛
公爵家の令嬢として傲慢に育った十歳の少女、エマ・ルソーネは、ちょっとした事故により前世の記憶を思い出し、今世が乙女ゲームの世界であることに気付く。しかも自分は、魔女の血を引く最低最悪の悪役令嬢だった。
待っているのはオールデスエンド。回避すべく動くも、何故だが攻略対象たちとの接点は増えるばかりで、あれよあれよという間に物語の筋書き通り、魔法研究機関に入所することになってしまう。
ひたすら静かに過ごすことに努めるエマを、研究所に集った癖のある者たちの脅威が襲う。日々の苦悩に、エマの胃痛はとどまる所を知らない……