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学院中等部 5学年生
フェルナー領の教会とセジャン家
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今日はお義母様が到着される予定だけど、先触れがまだ来ていないから先に私とローレンス様でフェルナー領の教会を訪ねた。私の1番古い記憶の教会は雪で覆い隠され、かろうじて扉が見えていたけど、今はお日様の下で見事な薔薇窓が見える。教会といえばこれというようなバシリカ様式の、縦に長い教会で、3歳の私が横たわった長椅子は入口から少し離れた場所にあった。
「キャシー、大丈夫かい?」
「はい、特になにも。薔薇窓が綺麗だとか、歴史がありそうだとしか」
「それなら良かった」
ローレンス様と話をしていると、神官が来てくれた。
「フェルナー卿、お久しぶりですな」
「あぁ、グエル神父。調子は?もう良いのかい?」
「おかげさまで、この通りですよ」
お身体が悪かったのかしら?
「無理は禁物だ。ゆっくり療養した方がいい。彼女を紹介しておこう。義妹であり私の婚約者のキャスリーンだ」
「はじめまして。キャスリーン・フェルナーと申します」
「彼女があの時の?」
「私をご存じなのですか?」
「直接ではありませんよ。前任のヨハン神父がよく話してくれました。ヨハン神父は貴女を非常に気にかけてらっしゃいました。フェルナー卿やお父上がキャスリーン様の事を話してくださる度に、良かった、良かったと繰り返しておられました」
「ヨハン神父様はお身体がお悪いわけではないのですよね?」
「お年ですからね。聖国にお帰りになられました。あちらで余生を過ごすのだと仰っておられました」
「聖国に……」
私が聖国に行くまで、後6年。それまでお元気でいてくださるといいんだけど。
「気になるのかい?キャシー」
「ヨハン神父様も私を助けてくださったおひとりです。出来れば直接お礼を申し上げたいのです」
「キャシーは本当に……」
「本当に?」
「良い子だな、と」
「ありがとうございます」
グエル神父に救民院に案内してもらった。幸い急を要する怪我人や病人は居なかった。救民院にいた何らかの怪我を負った人達を治癒して救民院を出る。
「グエル神父様、私、明日もこちらを訪ねてもよろしいでしょうか?」
「えぇ。しかし治癒魔法の出番は無いと思いますよ」
「たしかに患者はいませんね」
「私も水魔法のヒールが使えますのでね。それで事足りる場合が多いのですよ」
水魔法にそんな効果が?
「キャシーは光魔法を持っているし、水魔法のヒールは光魔法より効果が低い。だから教えなかったんだよ」
「そうだったのですね」
「私も水魔法のヒールは使えるよ」
「スゴいです、ローレンス様」
教会を出て、セジャン家に向かう。少し緊張する。セジャン家の事はほとんど覚えていない。だからなんらかの負の感情が呼び起こされる事はないと思う。
ローレンス様が手を握ってくれた。
セジャン家は教会から馬車で2~3分の場所だった。3歳の私が歩けたんだから、そこまで離れてはいないよね。ここはいわゆる高級住宅街だと思う。
「セジャン家は今は無いからね。この家はオルナートゥスの寮になっている」
「オルナートゥス?」
「セジャン家が経営していた商会の名前だよ」
馬車は元セジャン家の前を通りすぎた。窓辺に何人かが立っているのが見えた。
馬車が向かったのは庶民が住むエリアでも、貧しい地域。スラム化はしていないけど、貧民と呼ばれる人達が暮らすエリアに近い。
1軒の粗末な家の前に馬車は停まった。護衛が馬を降り馬車を取り囲む。ローレンス様が先に降りて手を差し出してくれた。その手を借りて馬車を降りるといくつもの視線が突き刺さる。
「フェルナー様、ようこそお越しくださいました」
「アレクお兄さん」
「キャシー、その名は今は呼んじゃダメだよ」
呼んじゃダメなの?
アレクお兄さんに案内されて家の中に入る。入ってすぐにキッチンと小さなテーブルが見えた。
「このような狭い所で申し訳ありません」
「アレク、先に案内を」
ダイニングキッチンを通りすぎて奥の部屋に入る。粗末なベッドに横たわったお爺さんが見えた。
「セジャン家で下働きをしていた男です。今は私が同居しています。光の聖女様、彼をお救いいただけませんか?」
ローレンス様を見ると、穏やかに微笑んでいた。
「診ても良いでしょうか」
「キャシーの好きなようにしなさい」
男性に近付いてその手を握る。内臓が弱っているのが分かる。特に肝臓の辺りが……。
「アレクお兄さん、この方って……」
「ブレイクにやられた。下男だからと滅多打ちにしていて、だからここに避難させた。キャプシーヌの事件の後だよ」
「そんな前から」
ところでブレイクって誰?
「ブレイクは弟だ。キャプシーヌのすぐ上の兄。粗暴でジャンヌ達が止めなければ、キャプシーヌにも暴力を振るっていたと思う」
アレクお兄さんの口調が、キャプシーヌの兄のそれになっている。ローレンス様は気が付いているだろうに止める気配はない。と、いう事はここではアレクお兄さんの妹でいて良いという事だと思う。
光魔法を使って傷付いた内臓を癒していく。背中にも足にも化膿した傷があった。
「この怪我は最近の物ですね?」
「それは近所の婆さんを庇ったんだ。その婆さんも元セジャン家で働いていたんだよ」
「庇ったっていってもここまで……」
「ちょうど私が留守にしている時でね。婆さんとデートをしていたそうだよ。破落戸に襲われたって」
「その破落戸はこちらで対処した。安心して良い」
ローレンス様が口を出した。
お爺さんの体をすっかり癒して、立ち上がる。お爺さんが目を開けた。
「カール爺、気が付いたか?」
「アレク坊っちゃん、ワシは……。痛みが無い。どうして……」
「フェルナー様のご厚意で光の聖女様が来てくださった」
「おぉ、おぉ。ありがとうございます。ありがとうございます」
お爺さんが私を捉えた。
「光の聖女様?」
「お元気で長生きしてくださいね」
「よもや生きている間にお会いできるとは。ありがたい、ありがたい」
どうしよう。私はそこまで有り難がられる存在じゃない。
「出よう」
ローレンス様に促されて部屋を出た。
「ありがとうございました」
「私は光魔法を使っただけです。アレクお兄さんがカールさんを守っていたんですよ」
「フェルナー様もありがとうございました。私の口調を咎めずにいてくださった」
「普段なら許さないところだが、今回は特別だ」
ツンっとソッポを向いて、ローレンス様が言う。
「光の聖女様、こちらをお持ちください」
アレクお兄さんに小さな箱を渡された。
「これは?」
「ジャンヌの部屋に遺されていたものです。キャプシーヌの名が書いてあったから、キャプシーヌ宛のプレゼントだと。日付に印も付いていたし」
アレクお兄さんが言いにくそうに言う。「キャプシーヌ」という名を出すのを躊躇しているようだ。
箱の中には可愛らしい小さな鍵が入っていた。スタヴィリス国でラッキーアイテムとされる鍵にジャンヌの愛情を感じた。鍵を使って「開く」という動作が連想させるのは、「未来を切り開く」「希望の扉を開く」といったポジティブさ。さらに鍵は「閉じる」事から「幸せを守る」という意味がある。
「ジャンヌ……」
「大切にしなさい」
「はい」
ジャンヌからのプレゼントをしっかり抱えて、アレクお兄さんの家を出た。家の周りには野次馬なのか人々が集まっていた。
「ではな」
「はい。失礼いたします。ありがとうございました」
馬車に乗り込んで窓からアレクお兄さんを見る。アレクお兄さんは頭を下げ続けていた。
馬車が出発する。
「キャシー、キャシーが望むなら彼を雇っても良いが?」
「雇っても……って……」
「考えておいて?」
「キャシー、大丈夫かい?」
「はい、特になにも。薔薇窓が綺麗だとか、歴史がありそうだとしか」
「それなら良かった」
ローレンス様と話をしていると、神官が来てくれた。
「フェルナー卿、お久しぶりですな」
「あぁ、グエル神父。調子は?もう良いのかい?」
「おかげさまで、この通りですよ」
お身体が悪かったのかしら?
「無理は禁物だ。ゆっくり療養した方がいい。彼女を紹介しておこう。義妹であり私の婚約者のキャスリーンだ」
「はじめまして。キャスリーン・フェルナーと申します」
「彼女があの時の?」
「私をご存じなのですか?」
「直接ではありませんよ。前任のヨハン神父がよく話してくれました。ヨハン神父は貴女を非常に気にかけてらっしゃいました。フェルナー卿やお父上がキャスリーン様の事を話してくださる度に、良かった、良かったと繰り返しておられました」
「ヨハン神父様はお身体がお悪いわけではないのですよね?」
「お年ですからね。聖国にお帰りになられました。あちらで余生を過ごすのだと仰っておられました」
「聖国に……」
私が聖国に行くまで、後6年。それまでお元気でいてくださるといいんだけど。
「気になるのかい?キャシー」
「ヨハン神父様も私を助けてくださったおひとりです。出来れば直接お礼を申し上げたいのです」
「キャシーは本当に……」
「本当に?」
「良い子だな、と」
「ありがとうございます」
グエル神父に救民院に案内してもらった。幸い急を要する怪我人や病人は居なかった。救民院にいた何らかの怪我を負った人達を治癒して救民院を出る。
「グエル神父様、私、明日もこちらを訪ねてもよろしいでしょうか?」
「えぇ。しかし治癒魔法の出番は無いと思いますよ」
「たしかに患者はいませんね」
「私も水魔法のヒールが使えますのでね。それで事足りる場合が多いのですよ」
水魔法にそんな効果が?
「キャシーは光魔法を持っているし、水魔法のヒールは光魔法より効果が低い。だから教えなかったんだよ」
「そうだったのですね」
「私も水魔法のヒールは使えるよ」
「スゴいです、ローレンス様」
教会を出て、セジャン家に向かう。少し緊張する。セジャン家の事はほとんど覚えていない。だからなんらかの負の感情が呼び起こされる事はないと思う。
ローレンス様が手を握ってくれた。
セジャン家は教会から馬車で2~3分の場所だった。3歳の私が歩けたんだから、そこまで離れてはいないよね。ここはいわゆる高級住宅街だと思う。
「セジャン家は今は無いからね。この家はオルナートゥスの寮になっている」
「オルナートゥス?」
「セジャン家が経営していた商会の名前だよ」
馬車は元セジャン家の前を通りすぎた。窓辺に何人かが立っているのが見えた。
馬車が向かったのは庶民が住むエリアでも、貧しい地域。スラム化はしていないけど、貧民と呼ばれる人達が暮らすエリアに近い。
1軒の粗末な家の前に馬車は停まった。護衛が馬を降り馬車を取り囲む。ローレンス様が先に降りて手を差し出してくれた。その手を借りて馬車を降りるといくつもの視線が突き刺さる。
「フェルナー様、ようこそお越しくださいました」
「アレクお兄さん」
「キャシー、その名は今は呼んじゃダメだよ」
呼んじゃダメなの?
アレクお兄さんに案内されて家の中に入る。入ってすぐにキッチンと小さなテーブルが見えた。
「このような狭い所で申し訳ありません」
「アレク、先に案内を」
ダイニングキッチンを通りすぎて奥の部屋に入る。粗末なベッドに横たわったお爺さんが見えた。
「セジャン家で下働きをしていた男です。今は私が同居しています。光の聖女様、彼をお救いいただけませんか?」
ローレンス様を見ると、穏やかに微笑んでいた。
「診ても良いでしょうか」
「キャシーの好きなようにしなさい」
男性に近付いてその手を握る。内臓が弱っているのが分かる。特に肝臓の辺りが……。
「アレクお兄さん、この方って……」
「ブレイクにやられた。下男だからと滅多打ちにしていて、だからここに避難させた。キャプシーヌの事件の後だよ」
「そんな前から」
ところでブレイクって誰?
「ブレイクは弟だ。キャプシーヌのすぐ上の兄。粗暴でジャンヌ達が止めなければ、キャプシーヌにも暴力を振るっていたと思う」
アレクお兄さんの口調が、キャプシーヌの兄のそれになっている。ローレンス様は気が付いているだろうに止める気配はない。と、いう事はここではアレクお兄さんの妹でいて良いという事だと思う。
光魔法を使って傷付いた内臓を癒していく。背中にも足にも化膿した傷があった。
「この怪我は最近の物ですね?」
「それは近所の婆さんを庇ったんだ。その婆さんも元セジャン家で働いていたんだよ」
「庇ったっていってもここまで……」
「ちょうど私が留守にしている時でね。婆さんとデートをしていたそうだよ。破落戸に襲われたって」
「その破落戸はこちらで対処した。安心して良い」
ローレンス様が口を出した。
お爺さんの体をすっかり癒して、立ち上がる。お爺さんが目を開けた。
「カール爺、気が付いたか?」
「アレク坊っちゃん、ワシは……。痛みが無い。どうして……」
「フェルナー様のご厚意で光の聖女様が来てくださった」
「おぉ、おぉ。ありがとうございます。ありがとうございます」
お爺さんが私を捉えた。
「光の聖女様?」
「お元気で長生きしてくださいね」
「よもや生きている間にお会いできるとは。ありがたい、ありがたい」
どうしよう。私はそこまで有り難がられる存在じゃない。
「出よう」
ローレンス様に促されて部屋を出た。
「ありがとうございました」
「私は光魔法を使っただけです。アレクお兄さんがカールさんを守っていたんですよ」
「フェルナー様もありがとうございました。私の口調を咎めずにいてくださった」
「普段なら許さないところだが、今回は特別だ」
ツンっとソッポを向いて、ローレンス様が言う。
「光の聖女様、こちらをお持ちください」
アレクお兄さんに小さな箱を渡された。
「これは?」
「ジャンヌの部屋に遺されていたものです。キャプシーヌの名が書いてあったから、キャプシーヌ宛のプレゼントだと。日付に印も付いていたし」
アレクお兄さんが言いにくそうに言う。「キャプシーヌ」という名を出すのを躊躇しているようだ。
箱の中には可愛らしい小さな鍵が入っていた。スタヴィリス国でラッキーアイテムとされる鍵にジャンヌの愛情を感じた。鍵を使って「開く」という動作が連想させるのは、「未来を切り開く」「希望の扉を開く」といったポジティブさ。さらに鍵は「閉じる」事から「幸せを守る」という意味がある。
「ジャンヌ……」
「大切にしなさい」
「はい」
ジャンヌからのプレゼントをしっかり抱えて、アレクお兄さんの家を出た。家の周りには野次馬なのか人々が集まっていた。
「ではな」
「はい。失礼いたします。ありがとうございました」
馬車に乗り込んで窓からアレクお兄さんを見る。アレクお兄さんは頭を下げ続けていた。
馬車が出発する。
「キャシー、キャシーが望むなら彼を雇っても良いが?」
「雇っても……って……」
「考えておいて?」
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※小説家になろう、ベリーズカフェでも掲載しています。
※ 魔法等は出てきませんが、作者独自の異世界のお話です。現実世界とは異なります。(異世界語を翻訳しているような感覚です)
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