150 / 659
学院中等部 5学年生
お義母様とフェルナー領都散策
しおりを挟む
翌日はお義母様と一緒にフェルナー領のドレス店にお出掛けした。
「奥様、いらっしゃいませ」
「今日は娘を連れてきたのよ」
ここはマダムリュシュランのお店であるエーデルシュタインの、姉妹店という位置付けらしい。お義母様はフェルナー領ではここ、トゥインクラルをご用達にしていたらしい。エーデルシュタインから私のボディも年々届いていて、来店を待っていたと言われてしまった。
トゥインクラルはオートクチュールのお店だから、見本の服やドレスは飾ってあるけれど、基本的には型や色、生地の種類まで客とのやり取りで決めていく。完全オーダーメイドだ。トゥインクラルはプレタポルテは取り扱っていない。理由は需要が無いから。フェルナー領に来てプレタポルテを買わなくても、王都から近いんだから王都に行けば事足りるもんね。
フェルナー領にもプレタポルテのお店はあるのよ?領都から離れた、アマンダルとかは別荘があったりするし、そちらでは需要がある。他にもオルブライトさんの牧場があるミルドブラスにもあるらしい。あちらはプレタポルテというか、もう少し庶民的なお店らしいけど。
ボディはあるけど是非にと言われ、採寸された。ドレスの採寸って10ヶ所以上測るから少し疲れる。グローブも靴もサイズが欲しいと足から手の指のサイズまで採寸された。
「お嬢様は身体が出来上がっておられませんから、多少大きめにお作りしますね」
ニッコニコのデザイナーとアシスタント達に言われてしまった。採寸が終わったら生地選び。織りや素材によっていくつもの種類がある。生地を選び終わったら色決め。全てを1色にするのか、グラデーションにするのか、切り換えるのか徒細かい部分まで決めていく。
今回は型を先に決めたからそのタイプに合っているかの擦り合わせもしていく。
私にとデザイナーが薦めてくるのがパステルカラーの暖色系ばかりで少し困った。確かにメリハリの無いお子ちゃまボディだから、ハッキリとしたビビットカラーは似合わないとは思うけど、暖色系ばかりというのがね。ローレンス様の色を入れたいと言ったら金はゴージャス過ぎるからって青色を薦めてきた。
「差し色でも良いんです。全身を青も嬉しいですけど」
私の言葉にハッと気が付いたように、デザイナーが謝ってくれた。
「申し訳ございません」
「私に似合う色を考えてくださるのは、とても嬉しいですけれど、そればかりというのは少し困ります」
最初はピンクばかりだったから少しはマシになったけどね。お義母様は別のデザイナーと話をしているし、助け船がなくてどうしようかと思った。
結局トゥインクラルではオーダーしなかった。室内履きは注文したけど。
「今回はごめんなさい。またお願いいたしますわね」
トゥインクラルを出て馬車に乗る。
「キャシーちゃんはどちらが好みなの?」
お義母様にいきなり聞かれてキョトンとしてしまった。
「何のお話でしょうか?」
「ほら、あの護衛2人、キャシーちゃん個人の護衛でしょう?」
ダニエル様とシェーン様かな?
「はい。ブランジット公爵家からの派遣です」
「フフフ。派遣、ねぇ。ブランジット公爵家の抱える護衛達は優秀よ。生涯ひとりだけを守り抜くと言われているわ。そりゃあね、任務で主を変える護衛もいるのだけれど、通常は領地にまで付いてこないのよ?」
「私の長期休暇中、王都の侯爵邸に滞在していたのは?」
「通常はその家の私兵に任せるわね」
「それならダニエル様とシェーン様にご負担がかかっていたのでは?」
「それは無いと思うわ。ちゃんと滞在の許可は求めてきているし、その時に自分の意志だと言っていたもの。ローレンスが不機嫌になっちゃって、フフ、面白かったわ」
面白がらないでください。
「卒業したら聖国に行くと聞いているわ。ローレンスも付いていくつもりでしょうけど、あの護衛2人も離れないでしょうね」
「聖国行きの話は最近聞いて驚きました」
「ローレンスが止めたのよ。キャシーちゃんに負担をかけたくないからって。それより前にバレちゃったけど」
「それは聖国行きの話だけですか?」
「……そんな目で見ないでちょうだい。王家からの要望だったのだもの」
「お義母様を責める気持ちはございませんよ。詳細を当人に秘密にしたのは誰の発案だったのかと考えているだけですから」
「王家じゃないの?」
「王家のどなたかという事です。ご心配なさらずとも責めたり文句を言う気持ちはございません」
黙ってしまったお義母様と一緒に、今度はフェルナー領で流行っているというパティスリーに立ち寄った。ここのパティスリーにはケーキの他にパンやチョコレート、アイスクリームまで売っている。アイスクリームは最近売られ始めた冷却ミキサーを使って、作っているらしい。
「美味しいです」
「暑いからちょうど良いわね」
アイスクリームはジェラートのような食感だった。フルーツの味が濃くて美味しい。アーモンドのアイスクリームもあって、香ばしいアーモンドの香りと甘すぎないあっさりとした味わい。
「キャシーちゃん、気に入ったの?」
「はい。アーモンドって好きなんです。産地によって味が少しずつ違ってどれも美味しいですけれど、フェルナー領のアーモンドが1番好きです」
「あらあら。アマンダルではお料理にもたくさん使われているわよ。楽しみにしていらっしゃい」
「はい」
お店の奥からここのオーナーがパティシエと一緒に出てきた。パティシエだけじゃないよね?3人居るもの。
「奥様、お嬢様、本日はようこそお越しくださいました」
「とても美味しかったわ」
「ありがとうございます。パティシエのブロン、ブーランジェールのルージュ、ショコラティエのブルゥの3人でございます。お見知りおきください」
ブロン、ルージュ、ブルゥね。フランス国旗の色だわ。フランス語なんて喋れなかったけど、某アニメ曲で覚えたのよね。正式な発音は違うらしいけど。
「ブーランジェールは女性なのね。体力が要ると聞いたけど」
「ルージュはこれで、男性顔負けの体力の持ち主なのですよ」
「スゴいのね。こんなに可愛らしいのに」
「恐れ入ります」
お義母様が話をしているのを聞いていたら、パティシエのブロンさんにジィッと見つめられていた。
「どうかなさいましたか?」
「いえ、申し訳ございません」
謝ってほしいわけじゃないんだけど。
「少し知っている子に似ているような気がして」
「知っている子、ですか?」
「お取り潰しになった家なんですがね。そこの子にケーキを作ってやってほしいって依頼があったんですが、似顔絵のその子に似ている気がして。もう10年位前の話なんですけどね」
10年前、取り潰しになった家。セジャン家の事かしら。ケーキをって誰が依頼したの?アレクお兄さんに聞けば分かるかな?
「キャシーちゃん、行きましょう」
「はい」
話は途中だったけど、お義母様に呼ばれたからここでブロンさんとお別れした。
「キャシーちゃん、パティシエと何を話していたの?」
「知り合いの子に似てるような気がするって。10年位前にお取り潰しになったって」
「セジャン家の事かしらね。気になる?」
「気にはなりますけど、今さらです」
「そうね」
その後は会話にならずに、カントリーハウスに帰った。
「奥様、いらっしゃいませ」
「今日は娘を連れてきたのよ」
ここはマダムリュシュランのお店であるエーデルシュタインの、姉妹店という位置付けらしい。お義母様はフェルナー領ではここ、トゥインクラルをご用達にしていたらしい。エーデルシュタインから私のボディも年々届いていて、来店を待っていたと言われてしまった。
トゥインクラルはオートクチュールのお店だから、見本の服やドレスは飾ってあるけれど、基本的には型や色、生地の種類まで客とのやり取りで決めていく。完全オーダーメイドだ。トゥインクラルはプレタポルテは取り扱っていない。理由は需要が無いから。フェルナー領に来てプレタポルテを買わなくても、王都から近いんだから王都に行けば事足りるもんね。
フェルナー領にもプレタポルテのお店はあるのよ?領都から離れた、アマンダルとかは別荘があったりするし、そちらでは需要がある。他にもオルブライトさんの牧場があるミルドブラスにもあるらしい。あちらはプレタポルテというか、もう少し庶民的なお店らしいけど。
ボディはあるけど是非にと言われ、採寸された。ドレスの採寸って10ヶ所以上測るから少し疲れる。グローブも靴もサイズが欲しいと足から手の指のサイズまで採寸された。
「お嬢様は身体が出来上がっておられませんから、多少大きめにお作りしますね」
ニッコニコのデザイナーとアシスタント達に言われてしまった。採寸が終わったら生地選び。織りや素材によっていくつもの種類がある。生地を選び終わったら色決め。全てを1色にするのか、グラデーションにするのか、切り換えるのか徒細かい部分まで決めていく。
今回は型を先に決めたからそのタイプに合っているかの擦り合わせもしていく。
私にとデザイナーが薦めてくるのがパステルカラーの暖色系ばかりで少し困った。確かにメリハリの無いお子ちゃまボディだから、ハッキリとしたビビットカラーは似合わないとは思うけど、暖色系ばかりというのがね。ローレンス様の色を入れたいと言ったら金はゴージャス過ぎるからって青色を薦めてきた。
「差し色でも良いんです。全身を青も嬉しいですけど」
私の言葉にハッと気が付いたように、デザイナーが謝ってくれた。
「申し訳ございません」
「私に似合う色を考えてくださるのは、とても嬉しいですけれど、そればかりというのは少し困ります」
最初はピンクばかりだったから少しはマシになったけどね。お義母様は別のデザイナーと話をしているし、助け船がなくてどうしようかと思った。
結局トゥインクラルではオーダーしなかった。室内履きは注文したけど。
「今回はごめんなさい。またお願いいたしますわね」
トゥインクラルを出て馬車に乗る。
「キャシーちゃんはどちらが好みなの?」
お義母様にいきなり聞かれてキョトンとしてしまった。
「何のお話でしょうか?」
「ほら、あの護衛2人、キャシーちゃん個人の護衛でしょう?」
ダニエル様とシェーン様かな?
「はい。ブランジット公爵家からの派遣です」
「フフフ。派遣、ねぇ。ブランジット公爵家の抱える護衛達は優秀よ。生涯ひとりだけを守り抜くと言われているわ。そりゃあね、任務で主を変える護衛もいるのだけれど、通常は領地にまで付いてこないのよ?」
「私の長期休暇中、王都の侯爵邸に滞在していたのは?」
「通常はその家の私兵に任せるわね」
「それならダニエル様とシェーン様にご負担がかかっていたのでは?」
「それは無いと思うわ。ちゃんと滞在の許可は求めてきているし、その時に自分の意志だと言っていたもの。ローレンスが不機嫌になっちゃって、フフ、面白かったわ」
面白がらないでください。
「卒業したら聖国に行くと聞いているわ。ローレンスも付いていくつもりでしょうけど、あの護衛2人も離れないでしょうね」
「聖国行きの話は最近聞いて驚きました」
「ローレンスが止めたのよ。キャシーちゃんに負担をかけたくないからって。それより前にバレちゃったけど」
「それは聖国行きの話だけですか?」
「……そんな目で見ないでちょうだい。王家からの要望だったのだもの」
「お義母様を責める気持ちはございませんよ。詳細を当人に秘密にしたのは誰の発案だったのかと考えているだけですから」
「王家じゃないの?」
「王家のどなたかという事です。ご心配なさらずとも責めたり文句を言う気持ちはございません」
黙ってしまったお義母様と一緒に、今度はフェルナー領で流行っているというパティスリーに立ち寄った。ここのパティスリーにはケーキの他にパンやチョコレート、アイスクリームまで売っている。アイスクリームは最近売られ始めた冷却ミキサーを使って、作っているらしい。
「美味しいです」
「暑いからちょうど良いわね」
アイスクリームはジェラートのような食感だった。フルーツの味が濃くて美味しい。アーモンドのアイスクリームもあって、香ばしいアーモンドの香りと甘すぎないあっさりとした味わい。
「キャシーちゃん、気に入ったの?」
「はい。アーモンドって好きなんです。産地によって味が少しずつ違ってどれも美味しいですけれど、フェルナー領のアーモンドが1番好きです」
「あらあら。アマンダルではお料理にもたくさん使われているわよ。楽しみにしていらっしゃい」
「はい」
お店の奥からここのオーナーがパティシエと一緒に出てきた。パティシエだけじゃないよね?3人居るもの。
「奥様、お嬢様、本日はようこそお越しくださいました」
「とても美味しかったわ」
「ありがとうございます。パティシエのブロン、ブーランジェールのルージュ、ショコラティエのブルゥの3人でございます。お見知りおきください」
ブロン、ルージュ、ブルゥね。フランス国旗の色だわ。フランス語なんて喋れなかったけど、某アニメ曲で覚えたのよね。正式な発音は違うらしいけど。
「ブーランジェールは女性なのね。体力が要ると聞いたけど」
「ルージュはこれで、男性顔負けの体力の持ち主なのですよ」
「スゴいのね。こんなに可愛らしいのに」
「恐れ入ります」
お義母様が話をしているのを聞いていたら、パティシエのブロンさんにジィッと見つめられていた。
「どうかなさいましたか?」
「いえ、申し訳ございません」
謝ってほしいわけじゃないんだけど。
「少し知っている子に似ているような気がして」
「知っている子、ですか?」
「お取り潰しになった家なんですがね。そこの子にケーキを作ってやってほしいって依頼があったんですが、似顔絵のその子に似ている気がして。もう10年位前の話なんですけどね」
10年前、取り潰しになった家。セジャン家の事かしら。ケーキをって誰が依頼したの?アレクお兄さんに聞けば分かるかな?
「キャシーちゃん、行きましょう」
「はい」
話は途中だったけど、お義母様に呼ばれたからここでブロンさんとお別れした。
「キャシーちゃん、パティシエと何を話していたの?」
「知り合いの子に似てるような気がするって。10年位前にお取り潰しになったって」
「セジャン家の事かしらね。気になる?」
「気にはなりますけど、今さらです」
「そうね」
その後は会話にならずに、カントリーハウスに帰った。
272
あなたにおすすめの小説
夫が運命の番と出会いました
重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。
だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。
しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?
公爵さま、私が本物です!
水川サキ
恋愛
将来結婚しよう、と約束したナスカ伯爵家の令嬢フローラとアストリウス公爵家の若き当主セオドア。
しかし、父である伯爵は後妻の娘であるマギーを公爵家に嫁がせたいあまり、フローラと入れ替えさせる。
フローラはマギーとなり、呪術師によって自分の本当の名を口にできなくなる。
マギーとなったフローラは使用人の姿で屋根裏部屋に閉じ込められ、フローラになったマギーは美しいドレス姿で公爵家に嫁ぐ。
フローラは胸中で必死に訴える。
「お願い、気づいて! 公爵さま、私が本物のフローラです!」
※設定ゆるゆるご都合主義
白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』
鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」
華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。
王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。
そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。
レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。
「お願いだ……戻ってきてくれ……」
王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。
「もう遅いわ」
愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。
裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。
これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。
【完結】妹に全部奪われたので、公爵令息は私がもらってもいいですよね。
曽根原ツタ
恋愛
ルサレテには完璧な妹ペトロニラがいた。彼女は勉強ができて刺繍も上手。美しくて、優しい、皆からの人気者だった。
ある日、ルサレテが公爵令息と話しただけで彼女の嫉妬を買い、階段から突き落とされる。咄嗟にペトロニラの腕を掴んだため、ふたり一緒に転落した。
その後ペトロニラは、階段から突き落とそうとしたのはルサレテだと嘘をつき、婚約者と家族を奪い、意地悪な姉に仕立てた。
ルサレテは、妹に全てを奪われたが、妹が慕う公爵令息を味方にすることを決意して……?
【完結】私、四女なんですけど…?〜四女ってもう少しお気楽だと思ったのに〜
まりぃべる
恋愛
ルジェナ=カフリークは、上に三人の姉と、弟がいる十六歳の女の子。
ルジェナが小さな頃は、三人の姉に囲まれて好きな事を好きな時に好きなだけ学んでいた。
父ヘルベルト伯爵も母アレンカ伯爵夫人も、そんな好奇心旺盛なルジェナに甘く好きな事を好きなようにさせ、良く言えば自主性を尊重させていた。
それが、成長し、上の姉達が思わぬ結婚などで家から出て行くと、ルジェナはだんだんとこの家の行く末が心配となってくる。
両親は、貴族ではあるが貴族らしくなく領地で育てているブドウの事しか考えていないように見える為、ルジェナはこのカフリーク家の未来をどうにかしなければ、と思い立ち年頃の男女の交流会に出席する事を決める。
そして、そこで皆のルジェナを想う気持ちも相まって、無事に幸せを見つける。
そんなお話。
☆まりぃべるの世界観です。現実とは似ていても違う世界です。
☆現実世界と似たような名前、土地などありますが現実世界とは関係ありません。
☆現実世界でも使うような単語や言葉を使っていますが、現実世界とは違う場合もあります。
楽しんでいただけると幸いです。
婚約破棄されたので、自由に生きたら王太子が失脚しましたあ
鍛高譚
恋愛
名門アーデン公爵家の令嬢 ロザリー・フォン・アーデン は、王太子 エドワード・カミル・レグノード の婚約者として誰もが認める完璧な貴族令嬢だった。
しかしある日、王太子は突如 “聖女” を名乗る平民の少女 セシリア・ブランシュ に夢中になり、ロザリーに無情な婚約破棄を言い渡す。
「これは神の導きだ! 私の本当の運命の相手はセシリアなんだ!」
「ロザリー様、あなたは王太子妃にふさわしくありませんわ」
──ふたりの言葉を前に、ロザリーは静かに微笑んだ。
「……そうですか。では、私も自由に生きさせていただきますわね?」
だが、これがロザリーの “ざまぁ” 逆転劇の幕開けだった!
神託と称して王太子を操る “聖女” の正体は、なんと偽者!?
さらに王室財政を私物化する 汚職貴族との黒い繋がり も発覚!?
次々と暴かれる陰謀の数々に、王宮は大混乱。
そして、すべての証拠が王の手に渡ったとき──王太子 エドワードは王太子の地位を剥奪され、偽の聖女と共に国外追放 となる!
「ロザリー様を捨てた王太子は大馬鹿者だ!」
「やっぱり王妃にふさわしかったのはロザリー様だったのよ!」
社交界ではロザリーへの称賛が止まらない。
そしてそんな彼女のもとに、なんと隣国の 若き王クラウス・アレクサンドル から正式な求婚が──!?
「私はあなたの聡明さと誇り高き心に惹かれました。私の王妃になっていただけませんか?」
かつての婚約破棄が嘘のように、今度は 本物の愛と自由を手にするチャンス が巡ってくる。
しかし、ロザリーはすぐに頷かない。
「私はもう、誰かに振り回されるだけの人生は選びません」
王妃となる道を選ぶのか、それとも公爵家の令嬢として新たな未来を切り開くのか──?
【完結】記憶が戻ったら〜孤独な妻は英雄夫の変わらぬ溺愛に溶かされる〜
凛蓮月
恋愛
【完全完結しました。ご愛読頂きありがとうございます!】
公爵令嬢カトリーナ・オールディスは、王太子デーヴィドの婚約者であった。
だが、カトリーナを良く思っていなかったデーヴィドは真実の愛を見つけたと言って婚約破棄した上、カトリーナが最も嫌う醜悪伯爵──ディートリヒ・ランゲの元へ嫁げと命令した。
ディートリヒは『救国の英雄』として知られる王国騎士団副団長。だが、顔には数年前の戦で負った大きな傷があった為社交界では『醜悪伯爵』と侮蔑されていた。
嫌がったカトリーナは逃げる途中階段で足を踏み外し転げ落ちる。
──目覚めたカトリーナは、一切の記憶を失っていた。
王太子命令による望まぬ婚姻ではあったが仲良くするカトリーナとディートリヒ。
カトリーナに想いを寄せていた彼にとってこの婚姻は一生に一度の奇跡だったのだ。
(記憶を取り戻したい)
(どうかこのままで……)
だが、それも長くは続かず──。
【HOTランキング1位頂きました。ありがとうございます!】
※このお話は、以前投稿したものを大幅に加筆修正したものです。
※中編版、短編版はpixivに移動させています。
※小説家になろう、ベリーズカフェでも掲載しています。
※ 魔法等は出てきませんが、作者独自の異世界のお話です。現実世界とは異なります。(異世界語を翻訳しているような感覚です)
【完結】あなたの『番』は埋葬されました。
月白ヤトヒコ
恋愛
道を歩いていたら、いきなり見知らぬ男にぐいっと強く腕を掴まれました。
「ああ、漸く見付けた。愛しい俺の番」
なにやら、どこぞの物語のようなことをのたまっています。正気で言っているのでしょうか?
「はあ? 勘違いではありませんか? 気のせいとか」
そうでなければ――――
「違うっ!? 俺が番を間違うワケがない! 君から漂って来るいい匂いがその証拠だっ!」
男は、わたしの言葉を強く否定します。
「匂い、ですか……それこそ、勘違いでは? ほら、誰かからの移り香という可能性もあります」
否定はしたのですが、男はわたしのことを『番』だと言って聞きません。
「番という素晴らしい存在を感知できない憐れな種族。しかし、俺の番となったからには、そのような憐れさとは無縁だ。これから、たっぷり愛し合おう」
「お断りします」
この男の愛など、わたしは必要としていません。
そう断っても、彼は聞いてくれません。
だから――――実験を、してみることにしました。
一月後。もう一度彼と会うと、彼はわたしのことを『番』だとは認識していないようでした。
「貴様っ、俺の番であることを偽っていたのかっ!?」
そう怒声を上げる彼へ、わたしは告げました。
「あなたの『番』は埋葬されました」、と。
設定はふわっと。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる