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学院中等部 7学年生
みんなと一緒に
昼食後、少しの食休み後、セシルさんによるお菓子作り講座が始まった。参加者はリーサさんとララさんと強制参加のレオナルドさん。私はその気になれなくて、参加しなかった。
「キャシーちゃん、見てるのは大丈夫?」
「はい。ここにいて良いですか?」
「途中参加しても良いわよ。好きにしていてね」
楽しい事に参加はしたくないけど、人が楽しそうにしているのは見ていたい。
「参加しないのか?」
最初のバターを柔らかくする為だけに駆り出されていた、炎の聖人様が私の側に来た。
「今は参加したくないのです。でもひとりでいると余計な事を考えてしまうというか、良くない事が思い浮かんできそうで」
「そうだな。ひとりにならない方がいい。俺もここにいよう」
「炎の聖人様も?ラッセル様は?」
「ジジィはあっちで難しそうな紙と格闘中だ」
「難しそうな紙ですか?」
「チラッと見えたけどな、ありゃあ、魔道具の術式だな。何の魔道具かは知らないが」
「それでも魔道具の術式だと、お分かりになられるのですね。すごいです」
「そうか?火に関する魔道具には、いくつか関わったからな」
「すごいです。尊敬します」
「そうかそうか。もっと褒めて良いぞ」
「キャー、ステキィー」
レオナルドさんが楽しそうに、離れた場所から棒読みで言う。
「お前に褒められても嬉しくない」
「不器用だからって拗ねるなよ」
「拗ねてねぇよ。お前はただの護衛だろうが。それもカミーユの」
「オッサンはあっちで籠っているからヒマなんだよ」
「女に囲まれて嬉しそうで、ヒマで困ってるようには見えねぇな」
「うっせぇ」
炎の聖人様とレオナルドさんもいいコンビだと思う。
「炎の聖人様は護衛は居ないのですか?」
「置いてきた。一応聖人だから護衛聖騎士はいるが、大地のおっさんと俺は数が少ないんだ。今んとこ1番多いのはブルームの聖女だな。護衛が8人いる。トゥリクルの聖女は7人。水は攻撃も出来るからな。1番少ないのはフォルゴレの聖人。コイツは本気を出したら一瞬で消えちまう。だから護衛は1人。ストームの聖人も速いが、フォルゴレの聖人には負けるからな。俺と大地のおっさんと同じ3人だ」
「護衛を置いてきちゃって良かったのですか?」
「慣れてるだろうよ。いつもの事だし」
「ご心労、お察しいたします」
「どっちの?って護衛の方だよな?」
「はい」
「光の聖女は貴族のお嬢さんだから、気にならないのかもな。俺は気になるんだよ。俺が動くと後を付いてくるってのが」
「私も気にはなりましてよ?」
「そうなのか?」
「今はダニエル……とマリア……の2人ですが」
「妙な間が開いてないか?」
「敬称を付けてしまいますので。今、矯正中です」
「キャシーちゃんってば、私にまでララ様って言ってたのよぉ」
クッキー生地を伸ばしながら、ララさんが言う。
「今は直しましたわよ?」
「そうね。今はララさんよね」
型で抜いたクッキー生地を、天板に並べるのをリーサさんとセシルさんに任せたララさんがこちらに来た。
「キャシーちゃん、出来たら食べてよね」
「1枚なら」
「私とセシルさんとリーサさんとレオナルドさんの分として、ひとり1枚としても4枚あるのよ?」
「今は、ご容赦ください」
「仕方がないわね。私は明日帰っちゃうから、私のからね」
「はい」
口の中に血の味が広がった。え?まさか……。とっさに口を押さえ、レストルームに駆け込む。
「キャシーちゃん?」
口の中の物を吐き出すと、洗面ボウルが赤く染まった。
「キャシーちゃん!?ちょっとっ」
「騒がなくても大丈夫です。たぶんこれは代償経ですから」
口を漱いで、ララさんに説明する。
「代償経?」
「月経の代わりに違う場所から出血するんです。たいていは鼻出血なんですけどね」
「原因とかは?」
「ホルモンバランスの乱れによるものと考えられています。月経周期が安定していない方に起こる事が多く、無月経や過少月経などの月経異常があると生じやすいんです。私はいまだに無月経ですから、その所為ではないかと」
「心配ないのね?」
「はい。正常とは言いがたいですが、心配ございません」
「良かったぁ」
「どうしたの?」
リーサさんがやって来た。
「申し訳ございません。洗面ボウルを汚してしまいました」
「気にしなくて良いけど。いったいどうしたの?」
「おそらく代償経です。喉か口の中から出血いたしました」
「大丈夫なのね?」
「はい」
代償経の知識があるらしいリーサさんは、それ以上何も聞いてこなかった。
午後からのお茶の時間に、セシルさんがハチミツ生姜湯を淹れてくれた。マグカップのような厚手のポッテリとした縦長のカップを両手で持って、ゆっくりと飲み込む。一応の大事を取ってクッキーはやめておいた。
「あれ?フェルナー嬢は別の飲み物?」
お茶の時間に部屋から出てきたラッセル様が、私の飲んでいるハチミツ生姜湯を見て言った。
「はい。少し喉に炎症が」
「光魔法で癒したら?」
「それも考えたのですが」
「ゆっくり休んだ方が良いかもね。うん。その方が良いね」
ひとりでうんうんと頷いてラッセル様は席に着いた。
「こんなにゆっくりと出来たのは久しぶりだねぇ。最近は引退したってのに引っ張り出される事が多くってさぁ」
「カミーユはのんびりしたいからって、気の向くままの旅暮らしだもんな」
「おかげでいろんな人達と知り合えてるよ。炎の聖人様と知り合えるとは思わなかった。会ったのはずいぶん前だしね」
「引っ張り回されるこっちは大変だよ」
「だから最近はひとりで行動しているでしょ?修行のお邪魔は出来ないからねぇ」
「何の修行なの?」
「警護の仕方とか、色々。急ピッチで進めてもらってるから、あの腹黒の言っていた期間より早く終えられそうだ」
「腹黒って?」
「貴公子然として裏で色々動いている、フェルナー嬢のセンセイ」
「ブランジット様?え?あの方、腹黒なの?」
「まだ現役で働いていた頃は、暗黒微笑の貴公子って呼ばれていたね。外交関係に同席して、若輩者でございって顔して、いつの間にか丸め込まれて、スタヴィリス国の言い分が通ったり有利になったりするんだよ。情報を扱うのが上手くってさ。ゴーヴィリスはそこまでじゃなかったけど、1度コテンパンにやられた国が暗殺騒ぎを起こしてね。あの時は大変だったよ」
「暗殺……って……」
「宿舎に爆薬を持った人を突撃させたんだよ。自爆テロみたいにね」
「それってその人も死んじゃうわよね?」
「交渉失敗で、帰っても処刑だからって供述したよ。家族を人質に取られててさ。酷い国だったよ」
「過去形って事は、その国は?」
「とっくに潰れたよ。今は立憲議会制になって、国名も変わった」
「ブランジット様はその後どうなさったの?」
「さぁ?ただその1件以降、外交で見る事は無くなったようだよ」
「何年前の話ですか?」
「10年位前かな?引退直前の時だったから」
私の光魔法の先生になったのと同じ頃だ。私の先生になったから?だからなの?
「あの国は元々が酷い国だったからな。国民の事なんて考えもしない、自分達が贅沢出来れば良いって国だった。軍事力だけに力を入れててな」
「炎の聖人様もご存じなの?」
「クーデター側に知り合いが居るって奴が、聖国に駆け込んできたんだよ。助力をって言われてな。聖王猊下が断っておられたが」
「断っちゃったの?」
「聖人、聖女が直接出る事態は、多くない。特に俺なんかは被害を拡大させる事しか出来ん。大地のもトゥリクルの聖女も同意見だった。光の聖女が居なくて良かったとも思ったな」
「キャシーちゃん、見てるのは大丈夫?」
「はい。ここにいて良いですか?」
「途中参加しても良いわよ。好きにしていてね」
楽しい事に参加はしたくないけど、人が楽しそうにしているのは見ていたい。
「参加しないのか?」
最初のバターを柔らかくする為だけに駆り出されていた、炎の聖人様が私の側に来た。
「今は参加したくないのです。でもひとりでいると余計な事を考えてしまうというか、良くない事が思い浮かんできそうで」
「そうだな。ひとりにならない方がいい。俺もここにいよう」
「炎の聖人様も?ラッセル様は?」
「ジジィはあっちで難しそうな紙と格闘中だ」
「難しそうな紙ですか?」
「チラッと見えたけどな、ありゃあ、魔道具の術式だな。何の魔道具かは知らないが」
「それでも魔道具の術式だと、お分かりになられるのですね。すごいです」
「そうか?火に関する魔道具には、いくつか関わったからな」
「すごいです。尊敬します」
「そうかそうか。もっと褒めて良いぞ」
「キャー、ステキィー」
レオナルドさんが楽しそうに、離れた場所から棒読みで言う。
「お前に褒められても嬉しくない」
「不器用だからって拗ねるなよ」
「拗ねてねぇよ。お前はただの護衛だろうが。それもカミーユの」
「オッサンはあっちで籠っているからヒマなんだよ」
「女に囲まれて嬉しそうで、ヒマで困ってるようには見えねぇな」
「うっせぇ」
炎の聖人様とレオナルドさんもいいコンビだと思う。
「炎の聖人様は護衛は居ないのですか?」
「置いてきた。一応聖人だから護衛聖騎士はいるが、大地のおっさんと俺は数が少ないんだ。今んとこ1番多いのはブルームの聖女だな。護衛が8人いる。トゥリクルの聖女は7人。水は攻撃も出来るからな。1番少ないのはフォルゴレの聖人。コイツは本気を出したら一瞬で消えちまう。だから護衛は1人。ストームの聖人も速いが、フォルゴレの聖人には負けるからな。俺と大地のおっさんと同じ3人だ」
「護衛を置いてきちゃって良かったのですか?」
「慣れてるだろうよ。いつもの事だし」
「ご心労、お察しいたします」
「どっちの?って護衛の方だよな?」
「はい」
「光の聖女は貴族のお嬢さんだから、気にならないのかもな。俺は気になるんだよ。俺が動くと後を付いてくるってのが」
「私も気にはなりましてよ?」
「そうなのか?」
「今はダニエル……とマリア……の2人ですが」
「妙な間が開いてないか?」
「敬称を付けてしまいますので。今、矯正中です」
「キャシーちゃんってば、私にまでララ様って言ってたのよぉ」
クッキー生地を伸ばしながら、ララさんが言う。
「今は直しましたわよ?」
「そうね。今はララさんよね」
型で抜いたクッキー生地を、天板に並べるのをリーサさんとセシルさんに任せたララさんがこちらに来た。
「キャシーちゃん、出来たら食べてよね」
「1枚なら」
「私とセシルさんとリーサさんとレオナルドさんの分として、ひとり1枚としても4枚あるのよ?」
「今は、ご容赦ください」
「仕方がないわね。私は明日帰っちゃうから、私のからね」
「はい」
口の中に血の味が広がった。え?まさか……。とっさに口を押さえ、レストルームに駆け込む。
「キャシーちゃん?」
口の中の物を吐き出すと、洗面ボウルが赤く染まった。
「キャシーちゃん!?ちょっとっ」
「騒がなくても大丈夫です。たぶんこれは代償経ですから」
口を漱いで、ララさんに説明する。
「代償経?」
「月経の代わりに違う場所から出血するんです。たいていは鼻出血なんですけどね」
「原因とかは?」
「ホルモンバランスの乱れによるものと考えられています。月経周期が安定していない方に起こる事が多く、無月経や過少月経などの月経異常があると生じやすいんです。私はいまだに無月経ですから、その所為ではないかと」
「心配ないのね?」
「はい。正常とは言いがたいですが、心配ございません」
「良かったぁ」
「どうしたの?」
リーサさんがやって来た。
「申し訳ございません。洗面ボウルを汚してしまいました」
「気にしなくて良いけど。いったいどうしたの?」
「おそらく代償経です。喉か口の中から出血いたしました」
「大丈夫なのね?」
「はい」
代償経の知識があるらしいリーサさんは、それ以上何も聞いてこなかった。
午後からのお茶の時間に、セシルさんがハチミツ生姜湯を淹れてくれた。マグカップのような厚手のポッテリとした縦長のカップを両手で持って、ゆっくりと飲み込む。一応の大事を取ってクッキーはやめておいた。
「あれ?フェルナー嬢は別の飲み物?」
お茶の時間に部屋から出てきたラッセル様が、私の飲んでいるハチミツ生姜湯を見て言った。
「はい。少し喉に炎症が」
「光魔法で癒したら?」
「それも考えたのですが」
「ゆっくり休んだ方が良いかもね。うん。その方が良いね」
ひとりでうんうんと頷いてラッセル様は席に着いた。
「こんなにゆっくりと出来たのは久しぶりだねぇ。最近は引退したってのに引っ張り出される事が多くってさぁ」
「カミーユはのんびりしたいからって、気の向くままの旅暮らしだもんな」
「おかげでいろんな人達と知り合えてるよ。炎の聖人様と知り合えるとは思わなかった。会ったのはずいぶん前だしね」
「引っ張り回されるこっちは大変だよ」
「だから最近はひとりで行動しているでしょ?修行のお邪魔は出来ないからねぇ」
「何の修行なの?」
「警護の仕方とか、色々。急ピッチで進めてもらってるから、あの腹黒の言っていた期間より早く終えられそうだ」
「腹黒って?」
「貴公子然として裏で色々動いている、フェルナー嬢のセンセイ」
「ブランジット様?え?あの方、腹黒なの?」
「まだ現役で働いていた頃は、暗黒微笑の貴公子って呼ばれていたね。外交関係に同席して、若輩者でございって顔して、いつの間にか丸め込まれて、スタヴィリス国の言い分が通ったり有利になったりするんだよ。情報を扱うのが上手くってさ。ゴーヴィリスはそこまでじゃなかったけど、1度コテンパンにやられた国が暗殺騒ぎを起こしてね。あの時は大変だったよ」
「暗殺……って……」
「宿舎に爆薬を持った人を突撃させたんだよ。自爆テロみたいにね」
「それってその人も死んじゃうわよね?」
「交渉失敗で、帰っても処刑だからって供述したよ。家族を人質に取られててさ。酷い国だったよ」
「過去形って事は、その国は?」
「とっくに潰れたよ。今は立憲議会制になって、国名も変わった」
「ブランジット様はその後どうなさったの?」
「さぁ?ただその1件以降、外交で見る事は無くなったようだよ」
「何年前の話ですか?」
「10年位前かな?引退直前の時だったから」
私の光魔法の先生になったのと同じ頃だ。私の先生になったから?だからなの?
「あの国は元々が酷い国だったからな。国民の事なんて考えもしない、自分達が贅沢出来れば良いって国だった。軍事力だけに力を入れててな」
「炎の聖人様もご存じなの?」
「クーデター側に知り合いが居るって奴が、聖国に駆け込んできたんだよ。助力をって言われてな。聖王猊下が断っておられたが」
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