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学院高等部 青学年生
夏期休暇前
通話を切って、物問いたげなマシュー様に、サミュエル先生が説明している。伝心機について、ローレンス様について。
「遠くの相手と話せる魔道具?」
「公爵は持っていらっしゃる。少し前に販売も始まったから、ご両親に聞いてみると良い」
「楽しみだなぁ」
「まだしばらくは内緒でね?」
「分かった。それでローレンス様って誰?」
「キャシーちゃんの婚約者だよ。少し前に行方不明になって、光の聖女様が確実にスタヴィリス国に帰ってこられるようにと、私が婚約者になったんだ」
「確実に?」
「聖女様が国に居る。それが自慢になるからね。そう思うのは聖国も同じなんだよ。聖国に限らずどこの国でもね。もちろんスタヴィリス国としては出来るだけ国内で居住してもらいたい。強制はしないけど、それはキャシーちゃんの望みでもあったからね」
「ふぅん。じゃあ、そのローレンス様が帰ってきたら、キャスリーンはまたローレンス様と婚約するの?」
「そういう流れになるかな?定かではないけどね」
サミュエル先生とマシュー様の声が遠くに聞こえる。
「キャシーちゃん、大丈夫かい?」
「はい。あれ?」
立とうとしたら立てなかった。
「無理しなくて良いよ。もう少し座っていなさい。マシュー様、行こうか」
「キャスリーンは?」
「護衛も居るし、少しひとりにしてあげよう」
マリアさんが私を支えてソファーに座らせてくれた。それを確認してから、サミュエル先生とマシュー様が出ていった。
「キャスリーン様」
「マリアさん、信じられないの。嬉しいのに、本当なのか?って疑う自分が居るの」
「今は混乱しているのでしょう。明日になれば少し落ち着いて冷静に考えられるようになりますよ」
「そうですわね」
ローレンス様に会いたい。やっぱり私はローレンス様が好きなんだと思う。だってこんなに愛しい。
少し落ち着いて来たから、マリアさんに付き添われて薬草研究会に戻る。みんなの気遣わしげな目が、私を見た。
「キャシーちゃん、もう良いのかい?」
「はい。ご迷惑をおかけいたしました」
「迷惑なんかじゃないけど」
「そうですわ、キャスリーン様、お身体の具合が悪いなら、寮に戻っていただいてもよろしいのですわよ?」
「身体は特におかしな所はございませんわ。ご心配していただき、ありがとうございます」
その日の薬草研究会が終わって、寮に帰る。ガブリエラ様がずっと一緒にいてくれた。
途中でリリス様が、医師資格取得の勉強を教えてほしいとやって来た。
「キャスリーン様、何かございましたか?」
「えぇ、少し。お分かりになられます?」
「なんだか浮き立っておられるような、沈んでいるようなチグハグな感じがいたします」
「そうですわよね?リリス様。薬草研究会の途中からですの」
「何かございましたの?」
「チグハグな感じは、私が混乱しているからだと思いますわ。お気を使わせて申し訳ございません」
「混乱?でしたら早くお休みになられた方が、よろしいのでは?」
「大丈夫ですわ」
リリス様に勉強を教えて、その夜は乗りきった。
翌朝、深呼吸をしてから、登校の準備をする。いつものようにディザスターラメンティ入りのドローストリングバッグをチェーンベルトに付けて、寮を出ると、マシュー様が待っていた。
「マシュー様?どうなさいましたの?」
「キャスリーンを待っていたんだ。昨日はなんだかおかしかったし」
「見て分かる程でした?お見苦しかったでしょう?申し訳ございません」
「謝らなくても良い。今日も薬草研究会に行くのだろう?」
「申し訳ございません。私は今日は、生徒会執行部に行ってまいります」
「そうなのか?」
「はい」
高等部と初等部の校舎はけっこう離れている。いったんマシュー様達を初等部に送っていこうとしたら、断られてしまった。
「僕が勝手に来ただけだから。心配しなくて良いよ」
「さようですか?」
「じゃあね」
初等部校舎に駆け出していくマシュー様達を見送って、私も高等部校舎に急いだ。遅刻ギリギリではないけれど、いつもよりは遅くなっちゃったしね。
昨日がよほど様子がおかしかったのか、ガブリエラ様とリリス様の私を見る目が優しい。授業後にガブリエラ様達から事情を聴いたらしいイザベラ様まで、私の見守り隊に加わったらしい。積極的に気遣われる事は無いけれど、何か言うと「うん、うん」と優しく頷かれる。
ローレンス様の事は、言って良いのかどうかの区別がつかない。だから話せない。
授業後に生徒会執行部に行くと、またもや会長のルーク・シャロトラ様が紅茶を淹れてくれた。
今日は全員揃うようだ。遅れているのはロジャー・ユーバンク様とエレノア・クラウ様。
ユーバンク様とクラウ様も揃って、話し合いが始まった。
「議題は芸術祭とそれに続く武術魔法披露会なんだけど、どっちか出られない人は居るかな?あ、フェルナー嬢は武術魔法披露会は執行部としては無理だよね?」
「そうですわね。前々日辺りから、執行部の活動には参加出来ないかと」
「前々日から?」
「ポーション作成がございますので。ピアーズ君とサミュエル先生だけに任せるのは、いささか心苦しゅうございます」
「えっと、ポーションって光魔法が必要なんだ?」
「はい。光魔法をかけていないと、ただの薬草水ですわ」
「それじゃ効かない?」
「効きますわよ?ただ、光魔法をかけた方が、効能が跳ね上がります」
正確にはハーブティーを飲んでいるのと、効果が変わらないんだよね。光魔法をかけないと。
「そうなんだね。じゃあ、武術魔法披露会はフェルナー嬢抜きで。それから『光の聖女様コンテスト』は前回と同じ、芸術祭で行う。夏期休暇に男性生徒の制服が集まると良いんだけどね」
「家に問い合わせたら、兄の物があるそうですわ」
あ、私、聞くの忘れてた。
「学院の方には話を通して、5着分は確保したよ。サイズが合うと良いんだけどね」
「告知もしてありますけれど、女性生徒の護衛役の応募は、数名ですわね。剣術倶楽部所属の方ばかりですわ」
去年のようなドタバタは避けられそうかな?
「芸術祭は学院主導だし、執行部としては『光の聖女様コンテスト』位だけど、こちらは周囲の見回りがあるね。2人か3人で組んで回ってもらうけど、フェルナー嬢の護衛の2人にも協力を頼みたい」
「ダニエルさんとマリアさんですか?」
今は2人とも室内には居ない。部屋の外で警護してくれている。執行部室は職員棟にあるし、何かあると思えないから。外からの狙撃とかなら別だけれど、学院自体は結界具で守られている。大きな結界具はあるのよね。建物を守る固定式の物は。地中に埋めてあるらしい。私も詳しくはないけれど。
「お呼びしてお聞きいたしましょうか?」
「後で聞いてくれたらで良いよ?」
「今、お呼びします」
ダニエルさんとマリアさんを呼ぶ。2人の立場的にはダニエルさんの方が上というか、意思決定はダニエルさんが行う事が多い。だからダニエルさんだけでも良かったんだけど。
「どうかしたか?お嬢ちゃん」
「芸術祭の時の周囲の見回りに、お2人のお力をお借りしたいそうです」
「別に良いけど?」
あっさりと言われた。
「良いのかい?」
「お嬢ちゃんも動くんだろう?それなら俺達も動く。多少人数は増えるだろうけどな」
「助かるよ。剣術倶楽部や体術倶楽部にも声はかけているけど、毎年人手不足なんだよ」
「今年は特に公爵令息が居るしな」
「そうなんだよ。公爵家だからと特別扱いはするなと公爵閣下にも言われたけれど、そういうわけにいかないだろう?」
会長様が胃の辺りを押さえた。胃薬でも差し入れた方がいいかしら?
「遠くの相手と話せる魔道具?」
「公爵は持っていらっしゃる。少し前に販売も始まったから、ご両親に聞いてみると良い」
「楽しみだなぁ」
「まだしばらくは内緒でね?」
「分かった。それでローレンス様って誰?」
「キャシーちゃんの婚約者だよ。少し前に行方不明になって、光の聖女様が確実にスタヴィリス国に帰ってこられるようにと、私が婚約者になったんだ」
「確実に?」
「聖女様が国に居る。それが自慢になるからね。そう思うのは聖国も同じなんだよ。聖国に限らずどこの国でもね。もちろんスタヴィリス国としては出来るだけ国内で居住してもらいたい。強制はしないけど、それはキャシーちゃんの望みでもあったからね」
「ふぅん。じゃあ、そのローレンス様が帰ってきたら、キャスリーンはまたローレンス様と婚約するの?」
「そういう流れになるかな?定かではないけどね」
サミュエル先生とマシュー様の声が遠くに聞こえる。
「キャシーちゃん、大丈夫かい?」
「はい。あれ?」
立とうとしたら立てなかった。
「無理しなくて良いよ。もう少し座っていなさい。マシュー様、行こうか」
「キャスリーンは?」
「護衛も居るし、少しひとりにしてあげよう」
マリアさんが私を支えてソファーに座らせてくれた。それを確認してから、サミュエル先生とマシュー様が出ていった。
「キャスリーン様」
「マリアさん、信じられないの。嬉しいのに、本当なのか?って疑う自分が居るの」
「今は混乱しているのでしょう。明日になれば少し落ち着いて冷静に考えられるようになりますよ」
「そうですわね」
ローレンス様に会いたい。やっぱり私はローレンス様が好きなんだと思う。だってこんなに愛しい。
少し落ち着いて来たから、マリアさんに付き添われて薬草研究会に戻る。みんなの気遣わしげな目が、私を見た。
「キャシーちゃん、もう良いのかい?」
「はい。ご迷惑をおかけいたしました」
「迷惑なんかじゃないけど」
「そうですわ、キャスリーン様、お身体の具合が悪いなら、寮に戻っていただいてもよろしいのですわよ?」
「身体は特におかしな所はございませんわ。ご心配していただき、ありがとうございます」
その日の薬草研究会が終わって、寮に帰る。ガブリエラ様がずっと一緒にいてくれた。
途中でリリス様が、医師資格取得の勉強を教えてほしいとやって来た。
「キャスリーン様、何かございましたか?」
「えぇ、少し。お分かりになられます?」
「なんだか浮き立っておられるような、沈んでいるようなチグハグな感じがいたします」
「そうですわよね?リリス様。薬草研究会の途中からですの」
「何かございましたの?」
「チグハグな感じは、私が混乱しているからだと思いますわ。お気を使わせて申し訳ございません」
「混乱?でしたら早くお休みになられた方が、よろしいのでは?」
「大丈夫ですわ」
リリス様に勉強を教えて、その夜は乗りきった。
翌朝、深呼吸をしてから、登校の準備をする。いつものようにディザスターラメンティ入りのドローストリングバッグをチェーンベルトに付けて、寮を出ると、マシュー様が待っていた。
「マシュー様?どうなさいましたの?」
「キャスリーンを待っていたんだ。昨日はなんだかおかしかったし」
「見て分かる程でした?お見苦しかったでしょう?申し訳ございません」
「謝らなくても良い。今日も薬草研究会に行くのだろう?」
「申し訳ございません。私は今日は、生徒会執行部に行ってまいります」
「そうなのか?」
「はい」
高等部と初等部の校舎はけっこう離れている。いったんマシュー様達を初等部に送っていこうとしたら、断られてしまった。
「僕が勝手に来ただけだから。心配しなくて良いよ」
「さようですか?」
「じゃあね」
初等部校舎に駆け出していくマシュー様達を見送って、私も高等部校舎に急いだ。遅刻ギリギリではないけれど、いつもよりは遅くなっちゃったしね。
昨日がよほど様子がおかしかったのか、ガブリエラ様とリリス様の私を見る目が優しい。授業後にガブリエラ様達から事情を聴いたらしいイザベラ様まで、私の見守り隊に加わったらしい。積極的に気遣われる事は無いけれど、何か言うと「うん、うん」と優しく頷かれる。
ローレンス様の事は、言って良いのかどうかの区別がつかない。だから話せない。
授業後に生徒会執行部に行くと、またもや会長のルーク・シャロトラ様が紅茶を淹れてくれた。
今日は全員揃うようだ。遅れているのはロジャー・ユーバンク様とエレノア・クラウ様。
ユーバンク様とクラウ様も揃って、話し合いが始まった。
「議題は芸術祭とそれに続く武術魔法披露会なんだけど、どっちか出られない人は居るかな?あ、フェルナー嬢は武術魔法披露会は執行部としては無理だよね?」
「そうですわね。前々日辺りから、執行部の活動には参加出来ないかと」
「前々日から?」
「ポーション作成がございますので。ピアーズ君とサミュエル先生だけに任せるのは、いささか心苦しゅうございます」
「えっと、ポーションって光魔法が必要なんだ?」
「はい。光魔法をかけていないと、ただの薬草水ですわ」
「それじゃ効かない?」
「効きますわよ?ただ、光魔法をかけた方が、効能が跳ね上がります」
正確にはハーブティーを飲んでいるのと、効果が変わらないんだよね。光魔法をかけないと。
「そうなんだね。じゃあ、武術魔法披露会はフェルナー嬢抜きで。それから『光の聖女様コンテスト』は前回と同じ、芸術祭で行う。夏期休暇に男性生徒の制服が集まると良いんだけどね」
「家に問い合わせたら、兄の物があるそうですわ」
あ、私、聞くの忘れてた。
「学院の方には話を通して、5着分は確保したよ。サイズが合うと良いんだけどね」
「告知もしてありますけれど、女性生徒の護衛役の応募は、数名ですわね。剣術倶楽部所属の方ばかりですわ」
去年のようなドタバタは避けられそうかな?
「芸術祭は学院主導だし、執行部としては『光の聖女様コンテスト』位だけど、こちらは周囲の見回りがあるね。2人か3人で組んで回ってもらうけど、フェルナー嬢の護衛の2人にも協力を頼みたい」
「ダニエルさんとマリアさんですか?」
今は2人とも室内には居ない。部屋の外で警護してくれている。執行部室は職員棟にあるし、何かあると思えないから。外からの狙撃とかなら別だけれど、学院自体は結界具で守られている。大きな結界具はあるのよね。建物を守る固定式の物は。地中に埋めてあるらしい。私も詳しくはないけれど。
「お呼びしてお聞きいたしましょうか?」
「後で聞いてくれたらで良いよ?」
「今、お呼びします」
ダニエルさんとマリアさんを呼ぶ。2人の立場的にはダニエルさんの方が上というか、意思決定はダニエルさんが行う事が多い。だからダニエルさんだけでも良かったんだけど。
「どうかしたか?お嬢ちゃん」
「芸術祭の時の周囲の見回りに、お2人のお力をお借りしたいそうです」
「別に良いけど?」
あっさりと言われた。
「良いのかい?」
「お嬢ちゃんも動くんだろう?それなら俺達も動く。多少人数は増えるだろうけどな」
「助かるよ。剣術倶楽部や体術倶楽部にも声はかけているけど、毎年人手不足なんだよ」
「今年は特に公爵令息が居るしな」
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