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学院高等部 青学年生
別邸で ②
「避けていた?」
「虚弱体質児が生まれる事が増えたんだって。精神異常者とかも。彼女は天守様の警告だといっていたけど、近親婚による物だよね?」
「そうですわね。近親婚による遺伝子異常だと思います」
いわゆる「血が濃くなりすぎた状態」だという事だ。
「それで、ローレンス君が一部記憶を取り戻した時点で、国外の貴族である事を知って、最初はあわよくばとの打算でローレンス君に脱出を唆した上に、手引きをしたって言ってた。細かい爵位は知らないっぽいね。逃亡生活でローレンス君を愛してしまって、身体の関係を迫ったんだってさ。何度か断られて、最終的に飲ませて酔わせて押し倒したらしいけど」
「襲われたのか、兄貴は」
「元々そういう技術は仕込まれてたって言ってたね」
「仕込まれて?」
「言ったでしょ?ほとんどが女性を付けられて、身体で引き留めている状態だったって。その為の侍女だったらしいよ」
沈黙が落ちた。
「兄貴に話は?」
「聞けてないよ。そっちは奥方に任せた」
「おふくろか」
「貴族のご夫人を舐めちゃダメだよ。男性よりそういった事に向いている。しかも雑談で聞き出すからね、相手に悟らせずに。アンバー夫人もその内そうなる気がするよ。キャシーちゃんは聞き出すのが上手いんだよねぇ。話したいって気にさせられる」
「女って怖ぇ。待てよ?アンバーも?」
「先程の話を聞いて思ったのですけれど」
お義兄様の疑問をぶった切って私が口を開くと、みんなが一斉に私を見た。
「プセロインの自称王女様は、王都近くまで来ていたのですわよね?しかもプセロインの紋章入りの馬車で。どこからどういう風にその馬車は手配されたのでしょう?」
「あぁ、よく考えるとかなり不自然だね。不可解というか」
「さらにローレンス様が転落した事件の容疑者は、黒い石が置かれていて、それに添えられた指示に従ったと言っていたと伺いましたが」
「キャシーちゃん、それを何故知っているんだい?」
「アヴァレーツィオ様が知らせてくださいました」
「彼か。彼もキャシーちゃんのアディアレントだからね」
あんまり良い事じゃないんだけどね、と呟きながら、サミュエル先生が私を見る。
「本気でこの国を掌握出来るね」
「やめてくださいませ。それは両陛下が愚かだと言っているのと同じですわよ?両陛下共に私を気に入ってくださっているようですが、私ごときに惑わされるようなお方ではございません」
「あー、悪かったって。そこまで怒らなくても」
「先生がつまらない冗談を仰るからですわ。とにかく、黒い石は何だったのか、誰の指示だったのか、その辺りははっきりしておりませんわね。目的も」
「かといって犯人からは辿れないようだしね」
「キャシー、ブランジット様、何の話です?」
サミュエル先生と話していたら、お義兄様に恐々と聞かれた。ランベルトお義兄様はアヴァレーツィオの職業は知っているだろうけど、ローレンス様の事件についての詳しい事は知らないわよね。アンバーお義姉様も同様だ。リーサさんはそもそもアヴァレーツィオを知らない。
「深く知らない方が、心の平穏が保たれるよ」
サミュエル先生がほの暗く嗤う。うん。私も同じ気持ちです。本音を言えば知りたくなかったです。
「キャシーが遠くに行ってしまった気がする」
「ランベルト様、奇遇ですね。私もです」
「私も同じ気持ちです」
ランベルトお義兄様とアンバーお義姉様とリーサさんが、口々に言う。
「とにかく、それだけを知らせに来たんだ。後はエドガー殿にちょっと頼みがあるんだよね」
「ピアスですか?」
「言い当てないでもらいたかったね」
「興味津々だったじゃないですか。知っていれば分かりますよ」
「だって羨ましくなるじゃない。キャシーちゃんのピアス、スゴく色が綺麗だし」
「収納の魔法陣にも興味がおありですものね」
「だから言い当てないでって。興味があるのは本当だけど」
「収納の魔法陣?」
「そっちは許可を貰ってからだね」
昼食にはコテージパイが出された。雪花とデルタもスパイス抜きのコテージパイを貰って、美味しそうに食べている。
昼食を終えて少ししたら、セシルさんが到着したと連絡があった。
「キャスリーンちゃん」
「セシルさん」
「遅くなってごめんね」
「いいえ。セシルさんこそお疲れではありませんか?」
「大丈夫よ。あら、いらしてましたのね、ブランジット様」
「情報の共有にね。それからキャシーちゃんへのフォロー。まぁ、そちらは力強い君達が居るけど」
「過分な信頼、ありがとうございます」
セシルさんがにこやかに言う。
「リーサ、とりあえずの内容を教えて?」
「えぇ。メモは取っていたけど。パソコンが欲しいわ。最悪タイプライターでも良いけど」
「インクが問題よね。キャスリーンちゃん、眠れてないの?」
「はい?」
「お化粧で上手に誤魔化せているけど、目の下にクマが出来てるわよ?休んできたら?」
「でも……」
「でも、じゃないの。心の休養は必要よ?今は特にね」
「……はい」
お義兄様とお義姉様を見たら、大きく頷かれた。
「申し訳ございません。少し休んできます」
「部屋まで送るよ」
サミュエル先生が同時に席を立つ。
「先生、あの暗号の意味は?」
「聞いたけどね。今は特定の地名と人名だと言っておくよ。ここでは言わない方がいいでしょ?」
「でも」
「分かった。部屋の中でね。教えたら休むんだよ?」
私の部屋に着くと、先生があの紙片を取り出した。
「まずPCELOINはプセロイン天主国で間違いない。 SURBIAはスルビアと読むんだそうだ。プセロイン天主国の貴族が主に居を構えている場所でスルビア地区と言っていたらしい。AVARITIAはアワリティア。例の自称王家のお姫様の名前だってさ」
「例の、って、ローレンス様をその……」
「囲ってたというか、彼女は『所有してた』って言ってた。奴隷という言葉は使わなかったけど、実質的に奴隷扱いだったんだろうね。愛玩用奴隷というか」
サミュエル先生が嫌そうな顔で言った。
「愛玩用奴隷ですか」
「彼女に言わせると、そういった男性の扱いは、自分達と同じ位だったと。特に酷い扱いは受けてなかったってさ。ただ、ローレンス君はあの見た目だろう?姫様とやらに気に入られて、しばらくは特別扱いだったんだって」
「それで他の男性の嫉妬を買ったと」
「だろうね。理不尽な話だ」
そこで話を切ったサミュエル先生が、私を見る。
「キャシーちゃんには聞かせたくなかったんだけどね」
「知らないより、知っていた方が良いと思いましたので。たとえそれが辛い現実でも」
「キャシーちゃん、よく頑張ったね」
先生のその言葉に、一気に涙が溢れた。
「せんせっ、ローレッ様が……」
「泣いてしまいなさい。大丈夫だから」
先生の胸に引き寄せられて、縋って大泣きしてしまった。カティさんと寄り添うローレンス様の姿に、ローレンス様の気持ちが移ってしまった現実を、まざまざと見せ付けられた気がした。
私が泣きじゃくりながら口にする言葉はほとんど意味をなさないけれど、サミュエル先生は相づちを打ちながら背中を撫でていてくれた。
どの位泣き続けただろう。泣きすぎて頭痛がしてきた。
「眠っちゃって良いよ。大丈夫。みんな居るから」
「先生、ごめんなさい。みっともない……」
「今は泣いてしまいなさい。泣いて泣いて泣き止んだら、キャシーちゃんの笑顔を見せてくれたらそれで良いから」
「は……い」
意識が落ちていく寸前に、先生の優しい声が聞こえた。
「虚弱体質児が生まれる事が増えたんだって。精神異常者とかも。彼女は天守様の警告だといっていたけど、近親婚による物だよね?」
「そうですわね。近親婚による遺伝子異常だと思います」
いわゆる「血が濃くなりすぎた状態」だという事だ。
「それで、ローレンス君が一部記憶を取り戻した時点で、国外の貴族である事を知って、最初はあわよくばとの打算でローレンス君に脱出を唆した上に、手引きをしたって言ってた。細かい爵位は知らないっぽいね。逃亡生活でローレンス君を愛してしまって、身体の関係を迫ったんだってさ。何度か断られて、最終的に飲ませて酔わせて押し倒したらしいけど」
「襲われたのか、兄貴は」
「元々そういう技術は仕込まれてたって言ってたね」
「仕込まれて?」
「言ったでしょ?ほとんどが女性を付けられて、身体で引き留めている状態だったって。その為の侍女だったらしいよ」
沈黙が落ちた。
「兄貴に話は?」
「聞けてないよ。そっちは奥方に任せた」
「おふくろか」
「貴族のご夫人を舐めちゃダメだよ。男性よりそういった事に向いている。しかも雑談で聞き出すからね、相手に悟らせずに。アンバー夫人もその内そうなる気がするよ。キャシーちゃんは聞き出すのが上手いんだよねぇ。話したいって気にさせられる」
「女って怖ぇ。待てよ?アンバーも?」
「先程の話を聞いて思ったのですけれど」
お義兄様の疑問をぶった切って私が口を開くと、みんなが一斉に私を見た。
「プセロインの自称王女様は、王都近くまで来ていたのですわよね?しかもプセロインの紋章入りの馬車で。どこからどういう風にその馬車は手配されたのでしょう?」
「あぁ、よく考えるとかなり不自然だね。不可解というか」
「さらにローレンス様が転落した事件の容疑者は、黒い石が置かれていて、それに添えられた指示に従ったと言っていたと伺いましたが」
「キャシーちゃん、それを何故知っているんだい?」
「アヴァレーツィオ様が知らせてくださいました」
「彼か。彼もキャシーちゃんのアディアレントだからね」
あんまり良い事じゃないんだけどね、と呟きながら、サミュエル先生が私を見る。
「本気でこの国を掌握出来るね」
「やめてくださいませ。それは両陛下が愚かだと言っているのと同じですわよ?両陛下共に私を気に入ってくださっているようですが、私ごときに惑わされるようなお方ではございません」
「あー、悪かったって。そこまで怒らなくても」
「先生がつまらない冗談を仰るからですわ。とにかく、黒い石は何だったのか、誰の指示だったのか、その辺りははっきりしておりませんわね。目的も」
「かといって犯人からは辿れないようだしね」
「キャシー、ブランジット様、何の話です?」
サミュエル先生と話していたら、お義兄様に恐々と聞かれた。ランベルトお義兄様はアヴァレーツィオの職業は知っているだろうけど、ローレンス様の事件についての詳しい事は知らないわよね。アンバーお義姉様も同様だ。リーサさんはそもそもアヴァレーツィオを知らない。
「深く知らない方が、心の平穏が保たれるよ」
サミュエル先生がほの暗く嗤う。うん。私も同じ気持ちです。本音を言えば知りたくなかったです。
「キャシーが遠くに行ってしまった気がする」
「ランベルト様、奇遇ですね。私もです」
「私も同じ気持ちです」
ランベルトお義兄様とアンバーお義姉様とリーサさんが、口々に言う。
「とにかく、それだけを知らせに来たんだ。後はエドガー殿にちょっと頼みがあるんだよね」
「ピアスですか?」
「言い当てないでもらいたかったね」
「興味津々だったじゃないですか。知っていれば分かりますよ」
「だって羨ましくなるじゃない。キャシーちゃんのピアス、スゴく色が綺麗だし」
「収納の魔法陣にも興味がおありですものね」
「だから言い当てないでって。興味があるのは本当だけど」
「収納の魔法陣?」
「そっちは許可を貰ってからだね」
昼食にはコテージパイが出された。雪花とデルタもスパイス抜きのコテージパイを貰って、美味しそうに食べている。
昼食を終えて少ししたら、セシルさんが到着したと連絡があった。
「キャスリーンちゃん」
「セシルさん」
「遅くなってごめんね」
「いいえ。セシルさんこそお疲れではありませんか?」
「大丈夫よ。あら、いらしてましたのね、ブランジット様」
「情報の共有にね。それからキャシーちゃんへのフォロー。まぁ、そちらは力強い君達が居るけど」
「過分な信頼、ありがとうございます」
セシルさんがにこやかに言う。
「リーサ、とりあえずの内容を教えて?」
「えぇ。メモは取っていたけど。パソコンが欲しいわ。最悪タイプライターでも良いけど」
「インクが問題よね。キャスリーンちゃん、眠れてないの?」
「はい?」
「お化粧で上手に誤魔化せているけど、目の下にクマが出来てるわよ?休んできたら?」
「でも……」
「でも、じゃないの。心の休養は必要よ?今は特にね」
「……はい」
お義兄様とお義姉様を見たら、大きく頷かれた。
「申し訳ございません。少し休んできます」
「部屋まで送るよ」
サミュエル先生が同時に席を立つ。
「先生、あの暗号の意味は?」
「聞いたけどね。今は特定の地名と人名だと言っておくよ。ここでは言わない方がいいでしょ?」
「でも」
「分かった。部屋の中でね。教えたら休むんだよ?」
私の部屋に着くと、先生があの紙片を取り出した。
「まずPCELOINはプセロイン天主国で間違いない。 SURBIAはスルビアと読むんだそうだ。プセロイン天主国の貴族が主に居を構えている場所でスルビア地区と言っていたらしい。AVARITIAはアワリティア。例の自称王家のお姫様の名前だってさ」
「例の、って、ローレンス様をその……」
「囲ってたというか、彼女は『所有してた』って言ってた。奴隷という言葉は使わなかったけど、実質的に奴隷扱いだったんだろうね。愛玩用奴隷というか」
サミュエル先生が嫌そうな顔で言った。
「愛玩用奴隷ですか」
「彼女に言わせると、そういった男性の扱いは、自分達と同じ位だったと。特に酷い扱いは受けてなかったってさ。ただ、ローレンス君はあの見た目だろう?姫様とやらに気に入られて、しばらくは特別扱いだったんだって」
「それで他の男性の嫉妬を買ったと」
「だろうね。理不尽な話だ」
そこで話を切ったサミュエル先生が、私を見る。
「キャシーちゃんには聞かせたくなかったんだけどね」
「知らないより、知っていた方が良いと思いましたので。たとえそれが辛い現実でも」
「キャシーちゃん、よく頑張ったね」
先生のその言葉に、一気に涙が溢れた。
「せんせっ、ローレッ様が……」
「泣いてしまいなさい。大丈夫だから」
先生の胸に引き寄せられて、縋って大泣きしてしまった。カティさんと寄り添うローレンス様の姿に、ローレンス様の気持ちが移ってしまった現実を、まざまざと見せ付けられた気がした。
私が泣きじゃくりながら口にする言葉はほとんど意味をなさないけれど、サミュエル先生は相づちを打ちながら背中を撫でていてくれた。
どの位泣き続けただろう。泣きすぎて頭痛がしてきた。
「眠っちゃって良いよ。大丈夫。みんな居るから」
「先生、ごめんなさい。みっともない……」
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