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第一章
崩壊の警鐘⑥
しおりを挟むルネさんは、凄く優しい人だった。
私が泣いていたあの日に、唯一抱き締めて宥めてくれた人だった。
ハルさんやミントさんも関わりは少なかったけれど、出会った当初に凄く優しく、温かく迎え入れてくれたのを覚えている。
「…ぐすっ、ぅ、うっ、ぅっ、」
少し血が滲んでいた包帯の上をボタボタ落ちて行くのは、亡くなった人達への思いに耐えきれず溢れ出した雫だった。
もっと、お話がしたかった。
色んな事を教えて欲しかった。
ルネさん達と、会いたかった。
彼女達の事を初めて出来た仲間のように思っていたのに、この世から居なくなっていたことにも気付かず、自分は淫らに獣の上で腰を振っていたなんて。ショック以外に言葉が見つからない。
「…、許さない…」
紙切れ一枚に目を通した瞬間、少し揺らぎかけた気持ちも元通りになり、苛立ちが心に募っていく。
やっぱり、αなんて信用出来ない。
αなんて私から色んなものを奪っていく元凶だ。
幸せになる為の道も、人生も、将来ですら、奪って行った者を許してなるものか。
ロウ…。
私は絶対に貴方を許さない。
そして、私を追い出したお父様も、連れて行ってくれなかったあの人も。
いつか必ず復讐してやる。
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