真実の愛なんてクソ喰らえ

月宮雫

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第一章

銀紙に包まれた秘密④

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今日はどんな作戦を練っているのだろうか。

彼に昼間から外に連れ出され、広い庭にある綺麗な花畑を見せられた。

花は別に嫌いじゃないけれど、何故ここに連れてこられたのかはいまいち理解が出来ない。

そう言えば、ロウもよくお風呂に薔薇を浮かべていたっけ。

鼻がよく利く獣人なのに、この状況が苦しくないのだろうか。

花の香りを好む傾向にあるとは聞いた事がない。

まあ、どうでも良いか、なんて…。

私は今、そんな事を思いながら彼が持つ日傘の下で、色鮮やかな花畑を眺めている。





「…気になるものがあったら触れても良い」

「…。別に」

「…どうやら今日は花の水やりがまだらしい。
やってみるか?」

「やらない。」






花畑を歩いていると何度か彼が話し掛けてきた。

もちろん全て断って、再び花の方に目を向ける。

綺麗に咲いている花を近くで見ると、あの日のように全部毟り取りたくなってしまうから。

花弁だけでは開き足りず、茎の部分までバラバラにして、儚い花を壊してしまうから。

残酷な事をすれば、間違いなくこの人は悲しむだろう。






「…ははっ、」





自嘲したような笑いが飛び出た瞬間、彼の顔がゆっくりとこちらに向く。

脳天気な私の心は何を言ってるんだか。

この人が悲しんだって私には関係ないのに、何を気にしているのか。

全く、理解ができない。

ここに咲いている花を全て毟り取れば、怒り、悲しみ、私を自由にしてくれるかもしれないというのに。

何を留まる事があるのだろう?






「…どうして、そう悲しい顔をする?」

「…」

「花は嫌いか?」

「嫌いじゃない…。けど、好きでもない。」






悲しい顔なんてしていないはずなのに、この人は何を言っているのだろう。

彼は私を傍にあったベンチに座らせ、目の前で屈んで顔を覗き込んでくる。

あっという間に縮まった距離にゾクリとして彼から視線を外すと、優しく頭を撫でられた。

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