真実の愛なんてクソ喰らえ

月宮雫

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第一章

銀紙に包まれた秘密⑤

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英という名を聞いたのは、捨てられた時以来だった。

ベッドの上に転がり、白い天井を見つめながら考える。

今まで考えないようにしていたのに、掘り返されたような気分だ。

昼間、私の本当の名前を知っているのかと問い詰めても彼ははぐらかすだけで、何も言わなかった。

一体、何なのだろう。



「…は…、」




…ツプ。




「…あっ、な、なにっ、」




はぁ、と溜め息をつこうとしたその刹那、下半身に少し硬い感触のものが押し付けられた。それは下着の隙間を通り抜け、密口の奥に到達する。




「ぃ…っやぁ、やめてっ、」




久しぶりに触れられた場所に驚き、後退すると、素早くカチャリと装具のようなもので固定され、内壁を押し広げられる感覚を与えられた。

これは所謂、穴を塞ぐ為の玩具である。

下手に動けば腸壁越しに二つのものが擦れ、声が漏れ出てしまう。



「ぁ…っ、ぅっ、」



信じられない。

ロウでも、こんな事はしなかったのに。

何を理由にこれを付けたのか、頭の中が激しく混乱して理解出来ていない。

彼はぐちゅ、と音を立てて溢れ出す密を指で掬い、妖艶に舐めとった。




「…甘いな…。」

「……っ、最低…っ、こんなの付けるなんてっ、」




私は目の前にあるものと彼を交互に見つめ、わなわなと身体を震わせた。

けれど、彼はそんなのお構いなしで。澄まし顔のまま、震える脚に手を滑らせた。

なんで、こんな事を…?

何もしないんじゃなかったの…?

ベッドに寝転びながらも、視界の端で彼が何かをしているという事は把握していたけれど、まさかこんなものを持ってくるとは…。





「そろそろ、発情期が来るだろう?」

「…ッ、」

「その発情期のフェロモンに当てられて、俺達αも発情する。言っている意味が分かるか…?」






私の愛液を含んだ口から語られたのは、意外にも真剣な内容で。彼の金色の瞳にも、欲は滲んでいない。

確かに、ヒートがそろそろ来る。

彼の言っている意味は…。

性に溺れた獣のような口振りではないそれを聞き、私はハッとする。





「俺も発情期中のお前には近付かないように努力するが、念の為に穴を塞がせて貰った。安心していい。鍵は執事に預けておくから。」





発情期を迎えたΩのフェロモンを嗅いだαは、突如発生した爆発的な性欲には抗えない。

この世にある三つの性が詳しく書かれた文献にそれが載っていた。


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