真実の愛なんてクソ喰らえ

月宮雫

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第一章

銀紙に包まれた秘密⑥

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ヒートの時、自分からどれほどまでのフェロモンが出ているのかを知らない。そしてαにしか感じ取れない匂いも分からない。

白いシーツも汗と涙が染み、強く握り締めた所為で皺が出来ていた。




バタバタ、

ーー…!

バタバタ、



「…、」



自分の事で必死な今、外の騒がしさも耳に入らず、いつまで経っても発散されない欲求にもどかしさを覚える。

自慰でもしようかと指先を伸ばすものの、装具を外さなければ膨れた突起にも触れられない為、さらにもどかしい思いが積み重なった。

鍵は…、確か…。

収まらない熱に気が遠くなりそうな中、辺りに目を張り巡らせ、あるものをロックオンする。





「…、はぁっ、はぁっ、ぁっ、」





部屋の隅にあるシェルフ。そこに飾ってある小さなアンティークのケースの中に装具の鍵は入っている。

どうせ、彼はここまで来られまい。

装具を外した所で、彼が気づく訳もない。

この苦しみが長く続くよりも、自分で触れて終わらせてしまえばいいんだ。




「…っ、んっ、はぁ、」




中にある異物を感じながらもふらついた足取りで歩き、やっとの思いでシェルフの前に辿り着く。

彼は、絶対にこの場所を知らない。

まず最初に見つかりにくい場所を探すであろう人間の心理を利用し、敢えて見つかりやすい所に隠しておいたのだ。

それ以前に彼は数日間部屋に来ていない為、私の状況も分かっていないだろうと判断する。






カチャ、



「ーー…ンンッ、あっ、」




ゴトリーー、

装具の鍵が開かれると、押し出されるようにして2本の蓋が姿を現した。

ああ、苦しかった。

密に濡れたその双角を見つめながら、慣れた手つきで膨れた突起に指先を伸ばす。






「…っ、ぁっ、」




私が自慰を始めたのと。






「…グゥ…、グルルルル…ッ、」







口輪をした彼が窓ガラスを叩き割り、部屋に現れたのはほぼ同時だった。
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