真実の愛なんてクソ喰らえ

月宮雫

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第二章

夢と現実の狭間②+

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「……ちょっと、ギン聞いてるの。」




少し過去に振り返っていた時、何かを話していたであろう時雨が声を掛けてくる。声を聞いてハッとした俺は「すまない」と一言謝った。

あまりいい光景ではなかった過去を思い出して少し後味が悪いが、今はルビーが優先だ。俺がこの世にルビーより優先するものはない。

そう自分の中で切り替えをして、もう一度時雨の話に耳を傾けた。




「ルビーちゃん、ずっと泣きながら寝てるの。悲しげにギンの事を呼んでる時もあれば、眉間に皺を寄せて殺してやる、殺してやるって言ってる時もあるの。」

「…」



これって、どういう事なのかしら。

続けて時雨が紡いだ言葉に思い当たる節がある俺は、グッと唇を噛み締めた。

殺してやる、とは地下室にいた黒い獣だろうか。

それとも、俺の事だろうか。

だが、俺の名前を泣きながら呼んでいるという事は少しの後悔がある証拠だろう。なら、殺意の矛先が俺では無いと思いたい。




「…すまない。ルビーは少し情緒不安定なのかもしれない。俺が退院してそっちに到着するまでケアをして貰えるか…?」

「なるほどね。確かに少し不安定かもしれないわ。」





俺はルビーを守る為、言葉を濁して時雨にそう伝えた。

彼女が時雨に見つかったと同時に捜索願いは取り消しさせたから、後は人を殺めたという事実を他に漏らさないようにするだけだ。

それに、時雨ならきっとルビーの事を上手く包み込んで心のケアをしてくれるだろう。





「…分かったわ。こっちで少しの間ルビーちゃんを預かるわ。」

「ああ、ありがとう。」






時雨はそれ以上は何も聞かず、すんなりと俺の頼みに頷いてくれた。

よろしく頼む、と一言添えて電話を切ると、辺りが静まりかえり、途端に寂しくなった。

ルビーと過ごしていた日々はうるさいくらいに言い合いが耐えなかったのにな。

まあ、ほとんどルビーが嫌がっていただけだが…。

そういう一面も俺は愛しかった。







「…ルビー」






俺はお前に会いたい。

だがお前は、全く反対の事を考えていそうだな……。




月城 ギンside 終
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