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第二章
夢と現実の狭間④
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それから少し気持ちが落ち着いて、私は時雨さんに見守られながら朝食を食べた。
時雨さんは、涙が入ってしまったから、と言って新しくマシュマロ入りのココアを作り直してくれた。
「へぇ、ルビーちゃんはソース派なのね、私はケチャップ付けちゃうんだ~」
「……うん」
「目玉焼き冷めちゃったけど、味は大丈夫かな?」
「…うん、美味しい」
「そう~?良かった!」
少し警戒はしているけれど、昨日よりは自然に時雨さんと会話をしている。
敬語はやめてと何度もお願いをされた為、今はこんな話し方になっているけれど、距離は保っているつもりだ。
目玉焼きもソースで美味しく食べて、残すはタコさんウインナーだ。
美味しそう。
何より、可愛い…。
まだ家にいた時、母親にこういうものを一切作ってもらった記憶がない為、見た時は新鮮に感じた。
「…ふふ、」
お皿に残ったそれにフォークを刺し、じっくりと見つめながらパクリと食べる。
その様子を見ていた時雨さんは何やら微笑ましそうに笑っていたけれど、私は気にせず口の中にあるタコさんウインナーを味わうようにゆっくりと咀嚼していた。
ウインナーの肉汁に重なるケチャップの風味が口の中に広がり、噛めば噛むほど味がジュワリと染みていく。
普通の朝ご飯に見えるかもしれないけれど実際に食べてみると違い、今まで食べてきた高級食材には無いものが詰まっているのが分かる。
そう、これは温かくて優しい味だ。
高級食材を使ったディナーは味は確かに美味しいけれど、何度か食べると飽きるものだ。
「私ね、タコさんウインナー作るの得意なの。普通の目玉焼きだけじゃ寂しいかなって思ってね。」
「…、ん、ぐ、」
これがあると見た目も可愛いでしょ?
時雨さんはそう言いながら、フルーツが沢山入ったシリアルを食べている。
時雨が持っているスプーンが動く度にザクザクとシリアルの音が部屋に響く中、私はタコさんウインナーに夢中になっていた。
時雨さんは、涙が入ってしまったから、と言って新しくマシュマロ入りのココアを作り直してくれた。
「へぇ、ルビーちゃんはソース派なのね、私はケチャップ付けちゃうんだ~」
「……うん」
「目玉焼き冷めちゃったけど、味は大丈夫かな?」
「…うん、美味しい」
「そう~?良かった!」
少し警戒はしているけれど、昨日よりは自然に時雨さんと会話をしている。
敬語はやめてと何度もお願いをされた為、今はこんな話し方になっているけれど、距離は保っているつもりだ。
目玉焼きもソースで美味しく食べて、残すはタコさんウインナーだ。
美味しそう。
何より、可愛い…。
まだ家にいた時、母親にこういうものを一切作ってもらった記憶がない為、見た時は新鮮に感じた。
「…ふふ、」
お皿に残ったそれにフォークを刺し、じっくりと見つめながらパクリと食べる。
その様子を見ていた時雨さんは何やら微笑ましそうに笑っていたけれど、私は気にせず口の中にあるタコさんウインナーを味わうようにゆっくりと咀嚼していた。
ウインナーの肉汁に重なるケチャップの風味が口の中に広がり、噛めば噛むほど味がジュワリと染みていく。
普通の朝ご飯に見えるかもしれないけれど実際に食べてみると違い、今まで食べてきた高級食材には無いものが詰まっているのが分かる。
そう、これは温かくて優しい味だ。
高級食材を使ったディナーは味は確かに美味しいけれど、何度か食べると飽きるものだ。
「私ね、タコさんウインナー作るの得意なの。普通の目玉焼きだけじゃ寂しいかなって思ってね。」
「…、ん、ぐ、」
これがあると見た目も可愛いでしょ?
時雨さんはそう言いながら、フルーツが沢山入ったシリアルを食べている。
時雨が持っているスプーンが動く度にザクザクとシリアルの音が部屋に響く中、私はタコさんウインナーに夢中になっていた。
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