真実の愛なんてクソ喰らえ

月宮雫

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第二章

愛と復讐⑥

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ところで、ポシェットの中身は一体何処に消えたのだろう?

私が起きる前にここに居たギンさんならポシェットの中身の行方を知っているのではないのか。

今も好き好き攻撃を続けているギンさんに視線を送り、胸板を指先でつんつんすると…。




「…ん?どうした?」




彼は首を傾げ、私に顔を近付けてくる。

自然にピトッと重なった鼻同士がくすぐったくて、本来の目的を忘れそうになった。



「…えと、あの、…っ、ゃ、」



話だそうとしたら長い舌に頬をペロンと舐められ、言葉が止まってしまう。

ああ、もう…!

意図的になかなか話し出せない状況を作られているようで苛立ちを抱いた私は、ギンさんのシュッとした頬を両手でベチッと挟み、目を合わせた。




「…話を聞いて。」

「すまない。調子に乗りすぎた」

「…うん」

「ルビーが可愛くて。」

「…っ、もう、いいから…!」





それでも話が進まず、耳を下げてつぶらな瞳を向けるギンさんに気を取られてしまう。

今度こそ…。



「…あのね、」

「…、」



バタバタバタバタ…。




「私の…」



ブンブンブンブン…。




「…ポシェット…、」




ベシベシベシベシベシ。

じっと目を見つめて話出そうとする私に、ギンさんが嬉しそうな顔をし始め、また尻尾がうるさいくらいに振られている。

わざとやっているのだろうか。

話そうとしているのにこうして何度も遮られると、段々と意欲が削がれていくのだ。





「ポシェットが、どうした?」

「…、もういい」

「え?」

「ギンさんなんて…大っ嫌い…ッ!」






話せなくなる自分にも、話を遮ってきていた癖に今になって反応するギンさんにもストレスが溜まり、つい大きな声で思ってもいない事を叫んでしまう。

大きく部屋に響いた私の声。

そして、ピンッと反応した彼の耳。

言った後にハッとして、恐る恐る視線を上げると、そこには切なげに顔を歪め、今にも泣き出しそうなギンさんが居た。

あれだけ大きく振られていた尻尾も今は下がっていて、彼にどれだけのショックを与えたのかが分かり、膝の上でアタフタとする。

どうしよう、そんな事言うつもりなかったのに…。

こんな顔させたくて話そうとしたわけじゃないのに…。





「…ごめん、」





自然と出た言葉が静まり返った部屋に響いて、彼の耳がピクリと反応する。
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