真実の愛なんてクソ喰らえ

月宮雫

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第二章

愛と復讐⑥

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「いや…、俺もすまなかった」




大きな口がそう呟いた瞬間、お互い慰め合うかのように頬擦りをする。

朝からこんな事ばかりしているけれど、この先大丈夫だろうか…?

よくある最初は甘々で、後から冷めていくカップルのようになりそうで少々不安を抱いている。




「あの、ギンさ…」



けれど今はそんな雑念を捨てて、さっきから聞きたかった事を彼に伝えなければ…と。

気持ちを切り替え、顔を上げたその時だった。




ぐううう…。



「っ!」



本当に、なんというタイミングだろうか。

朝から何も食べていない所為で、私のお腹が鳴ってしまったのだ。

しかもそれは結構大きな音で、静かな部屋の中だと悪い意味で目立った。

私はすぐさま下を向き、真っ赤に染まった顔を隠す。




ぐっきゅるるるるるるる…。



「はうっ、」



すると、一度だけでは足らず、私のお腹は二度も出血大サービスしてくれたのだ。

どうやら空気が読めないらしい。

一度目よりも大きく目立ったお腹の音にギンさんが気付かないわけがなく。私はあまりの恥ずかしさに顔を上げられず、彼の服に掴まったまま、ぷるぷると震えていた。

最近はしっかりご飯を食べていた為、生活リズムがついたのだろう。

三食きちんと食べないと時雨さんとギンさんに怒られてしまうから…。





「ルビー、今日の朝食は何にしようか?」

「…、」

「頬が真っ赤に熟れた林檎のようになってしまって…。腹は皆空くものだ。恥ずかしい事じゃない、」





一番恥ずかしいのは、相手が何事も無かったかのように普通に接してくる事だ。それに加えて優しくフォローまで入れられる始末。

嗚呼、穴があったら入りたい…。

本当に恥ずかしい。

ギンさんの尻尾が私の首筋をこしょこしょとしているのは、きっと顔を上げさせる為の作戦なのだろう。

意地悪なのか、優しいのか。






「そうだ、おやつの時間はメイド達にアップルパイを焼いて貰おうか。」

「…アップルパイ?」

「ティータイムでアップルパイを食べながらさっきの話もすればいいだろう。」

「……分かった」






結局その日の朝食は、私のリクエストで温かいかぼちゃのスープと焼きたてのフランスパンになったのだった。

朝から多くは食べられない為、それが丁度いいメニューだと伝えたところ、ギンさんが顔を顰めながら渋々頷いたのは言うまでもない。



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